種類の多いロードバイク、どうやって選ぶ?
スポーツバイクのなかでも人気のロードバイク。その魅力はなんといっても軽快な走りと風を切るスピード感でしょう。
レース向けや、ロングツーリング向け、街乗りに適したモデルなど、さまざまなモデルがあり、値段も5万円くらいの入門用から100万円を超えるプロ仕様まで。メーカーも数多くあり、いったいどれを選べばいいのか分からない人も多いはず。
今回はそんなロードバイクの選び方を分かりやすく解説します。
初心者におすすめの価格帯は、10万円〜15万円
ロードバイクとひとことでいっても、100万円を超えるようなプロ仕様のモデルから、5万円前後のエントリーモデルまでさまざま。あらかじめ大体の予算を決めておくことで、数あるロードバイクのなかから選択肢を絞ることができます。ロードバイク初心者には10万円~15万円くらいの価格帯が人気があります。
車体に装備されていないパーツは、別途購入する必要があります
予算を決めるときに忘れてはいけないことは、ロードバイク本体以外にも買っておかなければいけないものがあることです。
〇ライトとベル
ロードバイクを含む自転車はいわゆる「軽車両」なので、法律上ライトとベルの装備が義務付けられています。
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〇ペダル
ロードバイクはペダル別売りが普通です。普通の靴で乗るフラットペダルと、ペダルに靴を固定するビンディングペダルがあります。
これらの装備を揃えるのに、おおよそ1万円~2万円程度かかります。あらかじめ予算の中に入れておきましょう。
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ロードバイクを選ぶ時のポイント
それでは多くのロードバイクは、どんな違いがあり、どんな基準で選んだら良いのか見ていきましょう。
ロードバイクの車体フレームは、3種類の素材があります
ロードバイクのフレーム素材は大きく分けて3種類あります。
〇アルミ
アルミ合金を成型、溶接して作ったフレーム。タフな使用に耐える堅牢さと、そこそこの軽量性を備えています。入門用からレースモデルまで幅広く使われています。
〇カーボン
航空機やF1でも使われる軽くて強度の高い素材のフレームです。超軽量、高剛性、エアロなど、設計の自由度が高く、ハイスペックなモデルに多く使われています。
〇クロモリ
クロムモリブデン鋼という鉄合金のパイプを溶接して作ったフレーム。細身でクラシカルな見た目と、乗り味がしなやかなのが特徴です。
ショップに並ぶ、ロードバイクは上記3つの素材のどれかになります。スタイリッシュを求めるなら「クロモリ」。軽くて速いロードバイクなら「カーボン」など、フレーム素材でも好みがわかれると思います。
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ブレーキや変速性能に関わる「コンポーネント」
コンポーネント(略してコンポ)とは、ロードバイクの駆動系(走ったり、止まったりする)を構成する部品一式のことで、ディレイラー、シフター(変速レバー)、ブレーキ、クランクなどの部品をいいます。コンポはメーカーによりいくつかのグレードがあり、最もよく使われる日本ブランドのシマノの場合ハイエンドから順に
〇DURA-ACE
〇ULTEGRA
〇105
〇TIAGRA
〇SORA
〇Clalis
〇TOURNEY A070
のようになっています。
ロードバイクのスペックを確認した時にどんなコンポが使われているか確認してみましょう。走行性能の違いが気になるところですが、初めのうちはそこまで気にしなくてもよいでしょう。
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ロードバイクはブレーキにも種類があります。
ロードバイクには、「リムブレーキ」と「ディスクブレーキ」の2種類があります。2020年現在、ロードバイクもディスクブレーキ装備が広がってきていますが、リムブレーキモデルもまだまだラインナップされています。
ディスクブレーキ(機械式と油圧式の2種がある)は制動力が強く、雨の日でもよく効く特徴があります。一方のリムブレーキも長い歴史の中で使われてきた実績があり、価格が安く、扱いやすいのが特徴です。
どちらが絶対に良いというわけではないので、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶとよいでしょう。個人的におすすめは「油圧式のディスクブレーキ」。軽いタッチでブレーキを行うことができ、握力が強くない女性にもおすすめです。
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それでは、おすすめの各モデルをご紹介していきます!
気軽なサイクリングや通勤通学におすすめの2台
多少ラフな扱いにも耐える、アルミフレームの10万円~15万円のエントリーモデルがおすすめ。この価格帯では、コンポはSORAかTIAGRAが多くなります。通勤通学で雨の日も積極的に乗るなら、ディスクブレーキ装備のモデルがよいでしょう。
GIANT(ジャイアント)/CONTEND AR3
世界最大の自転車メーカーのGIANT(ジャイアント)。高いコストパフォーマンスで入門用からレース用まで幅広いラインナップを揃えています。オールラウンド・アルミロードのCONTEND AR3は、アルミフレームにメインコンポをSORAとすることで価格を抑えつつ、ディスクブレーキを装備するモデル。太めの32c(32mm幅)タイヤで多少荒れた路面でも安定感があり、あらかじめ泥除け装着の穴が開いているなど、汎用性の高い1台です。
フレーム素材 | アルミ |
コンポーネント | SORA 18-SPEED |
ブレーキ | ディスクブレーキ |
参考価格 | 137,500円(税込み) |
SPECIALIZED(スペシャライズド)/ALLEZ SPORT
SPECIALIZED(スペシャライズド)はアメリカに本社を置く自転車総合ブランド。ALLEZ SPORTはアルミフレームにSORAを装備する入門用ロードバイクです。気軽なサイクリングから通勤通学、レースまで、一台でなんでもこなせる1台です。ロードバイクのエントリーグレードとしては間違いないモデルといえるでしょう。
フレーム素材 | アルミ |
コンポーネント | SORA 18-SPEED |
ブレーキ | リムブレーキ |
参考価格 | 119,790円(税込み) |
ロングライドを楽しみたい人向けのおすすめ2台
20万円前後のシマノ105を搭載したモデルがおすすめ。振動吸収に優れた設計で、疲れにくいアップライトなポジションのフレームと、長距離を快適に走れるシマノ105の組み合わせで、快適なロングライドを楽しみましょう。
TREK(トレック)/Émonda SL 5
TREK(トレック)はアメリカに拠点を構えるロードバイク・クロスバイク・マウンテンバイクのブランド。Émondaシリーズの最大の特徴は軽量なことです。セカンドグレードであるÉmonda SL5もその特徴を引き継ぎつつ、振動吸収性に優れた乗りごごちの良いバイクとなっています。
フレーム | カーボン |
コンポーネント | 105 22-SPEED |
ブレーキ | リムブレーキ |
参考価格 | 196,240円(税込み) |
BIRIDGESTONE(ブリヂストン)/ANCHOR RL6D 105model
国産ブランドのBRIDGESTONE(ブリヂストン)。日本人のためのサイズ展開が特徴で、ロングライド向けにANCHOR RLシリーズがあります。そのミドルグレードモデルであるRL6にディスクブレーキを装備したRL6Dは、アルミらしからぬ、しなやかな乗り心地と、雨天時にも安心できる高い制動力が魅力。「カラーセレクト」で自分好みの色に仕上げることができるのも、うれしいですね。
フレーム | アルミ |
コンポーネント | 105 22-SPEED |
ブレーキ | ディスクブレーキ |
参考価格 | 236,500円(税込み) |
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レースやイベントに参加する人向けのおすすめ2台
105以上を搭載したレースモデルがおすすめ。本格的にレース参戦するならULTEGRAかDURA-ACE搭載モデルを選びたいところですが、その分価格は高くなります。
CANNONDALE(キャノンデール)/CAAD13 Ultegra
CANNONDALE(キャノンデール)はアメリカの自転車メーカー。特にアルミ加工の技術に優れており、CAAD13は究極のアルミレーシングバイクともいえます。Ultegraを搭載しながらも価格を抑え、平凡なカーボンバイクを凌ぐパフォーマンスを持つCAAD13は、まさにロードレース初心者に最適と言えるでしょう。
フレーム | アルミ |
コンポーネント | ULTEGRA 22-SPEED |
ブレーキ | リムブレーキ |
参考価格 | 264,000円(税込み) |
MERIDA(メリダ)/REACTO DISC 4000
MERIDA(メリダ)は台湾の自転車ブランドで、グランツールを走るチームにもバイクを供給しています。REACT DISC 4000は空力への影響を極限まで削減した設計のエアロフレームにディスクブレーキを装備した、ハイコストパフォーマンスモデルです。
フレーム | カーボン |
コンポーネント | 105 22-SPEED |
ブレーキ | ディスクブレーキ |
参考価格 | 317,900円(税込み) |
見た目やメーカーで選ぶのもアリですよ
見た目のデザインや色、好みのブランドでロードバイクを選ぶのもアリ。例えばBianchiはブランドイメージでもあるチェレステカラーで有名ですし、PinarelloやColnagoといった、ロードレースの本場ヨーロッパの老舗ブランドもあります。あらかじめブランドを決めて、そのなかで予算に見合ったものを選んだり、フレームやコンポーネントなどをチョイスしたりするのも1つの方法です。
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「グラベルロード」というモデルは、ロードバイク?
「グラベル」とは日本語で「砂利」のこと。グラベルロードは舗装路はもちろん、砂利道などの未舗装路を走ることができるスポーツバイクです。どんな路面でも走れる太いタイヤ、疲れにくいアップライトなポジション、頑丈なフレームが特徴で、さまざまな路面を走るロングライドに適しています。同じように未舗装路を走ることのできる「シクロクロスバイク」というのもあり、こちらはレースを目的にした競技バイクです。
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スポーツバイクを扱う専門ショップに行ってみよう
百聞は一見にしかず。ロードバイクを多く扱う専門ショップに行ってみましょう。サイジングやフィッティングも可能で、試乗すれば乗り心地も分かります。
ロードバイクは日ごろのメンテナンスも必要になってくるので、特に初心者の方は、アフターフォローもしてくれるショップで購入しましょう。またブランドによっては直営ショップがあり、店員さんの知識も深く、より手厚いサポートが期待できますよ。
ネット通販で購入する際は、フレームサイズなどに注意。またメンテナンスが自分でできるか、お願いできるショップが近くにあるかなど、あらかじめ調べておきたいですね。
中古のロードバイクってどうなの?
中古のロードバイクは、新品に比べると価格が安いのがメリット。でも購入後の調整が必要だったり、消耗品の交換が早かったり、やはりそれなりの知識がないと難しい面も。また個人出品のネットオークションはリスクもあります。
中古のロードバイクを探す際は、実績のある大手の「バイチャリ」などを利用するのも一つの手です。
自分に合ったロードバイクを見つけよう
たくさんの種類があるロードバイク。いったいどれを選べばいいのか、悩ましくもあり、また楽しい時間でもあります。まずは大まかな予算を決めて、目的に合った3つの要素(フレーム、コンポーネント、ブレーキ)を選んでいくと、自分に合ったものを見つけやすいでしょう。