サーリー・ロングホールトラッカー

サーリー・ロングホールトラッカーってどんな自転車?【旅にはこの1台】

世界一周や日本一周などのロングツーリング用のバイクを探していると、必ず候補に上がると言われるサーリーのロングホールトラッカー。なぜ、こんなにも旅サイクリストから支持されているのでしょうか?

この記事では、ロングホールトラッカーの特徴や魅力を紹介します。また、記事の後半では、ロングホールトラッカーユーザーにインタビューした内容も載せているので、ぜひそちらもご覧ください!

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

世界の旅サイクリストが愛する自転車

ロングホールトラッカー

出典:surlybikes

世界一周や日本一周などの旅サイクリストにこよなく愛される自転車、それがロングホールトラッカーです。

世界一周をしている日本人サイクリストが海外のゲストハウスに泊まったとき、その宿の全員がロングホールトラッカーに乗っていた、なんていう逸話があるほど。

なぜこれほどまでに、ロングホールトラッカーは旅サイクリストに選ばれているのでしょうか?その理由を詳しく見ていきましょう。

サーリー・ロングホールトラッカーの特徴

ロングホールトラッカー

撮影:筆者

ロングホールトラッカーの特徴は以下のとおりです。

特徴①:ダボ穴がたくさんついている
特徴②:頑丈
特徴③:ホイールのサイズが2種類ある

特徴④:長めのチェーンステー
特徴⑤:ブレーキは「Vブレーキ」か「カンチブレーキ」

特徴①:ダボ穴がたくさんついている

ロングホールトラッカー

撮影:筆者

世界一周を想定してつくられた自転車なので、キャリアを取り付けるためのダボ穴は前後にたくさんついています。

また、ダウンチューブ下にもボトルゲージ用のダボ穴がついているので、ボトルを合計3つ運ぶことができるんです。

「自転車のデッドスペースをなるべく埋めたい」という、旅サイクリストの要望を叶えてくれるギミックが盛りだくさんですね。

特徴②:頑丈

サーリー ロゴ

撮影:筆者

ロングホールトラッカーのフレーム素材はクロモリ(鉄)のため、カーボンやアルミの自転車に比べるとかなり頑丈です。

コンクリートに倒したりどこかにぶつけてしまっても、フレームが割れて破損するようなことはないでしょう。世界一周などのロングツーリングの時に、この頑丈さは安心できますね。

特徴③:ホイールのサイズが2種類ある

ロングホールトラッカー ホイール

撮影:筆者

ロングホールトラッカーのホイールサイズには、26インチと700Cの2種類があります。フレームサイズによって、ホイールサイズも異なるんです。

分かりやすくいうと、小さいフレームサイズには26インチ、大きいフレームサイズには700Cが採用されています。小柄な方から大柄な方まで対応できる、幅広いサイズラインナップはありがたいですね。

【26インチのフレームサイズ】
42, 46, 50, 52, 54, 56, 58cm(対応身長155〜190cm)

【700Cのフレームサイズ】
56, 58, 60, 62cm(対応身長183〜200cm)

サーリーのフレームサイズについて

サーリー フレームサイズ

サーリーのフレームサイズと対応身長については、以下をご覧ください。

フレームサイズ対応身長
38〜46cm152〜165cm
50〜54cm162〜173cm
52〜56cm170〜183cm
54〜58cm180〜190cm
58〜62cm188〜198cm
60〜64cm196〜203cm

とはいえ、この表はあくまでも”参考”です。最終的には、お店での試乗をおすすめします!

特徴④:長めのチェーンステー

ロングホールトラッカー チェーンステー

撮影:筆者

ロングホールトラッカーはチェーンステーが長めにつくられています。なぜなら、前輪と後輪のあいだの距離(ホイールベース)が長くなり、直進するときの安定性が優れるからです。

ロングツーリングをする上で、直進安定性は必須といえるでしょう。フラフラする車体で長距離を走ると疲れますからね。

また、ペダルと後輪の距離も長くなるので、「後ろに積んでいる荷物に、ペダリング中のカカトが当たりにくい」というメリットもありますよ。

特徴⑤:ブレーキは「Vブレーキ」か「カンチブレーキ」

ロングホールトラッカー ブレーキ

撮影:筆者

昨今のロードバイクを中心としたスポーツバイクは、ディスクブレーキ仕様のモデルが多いですが、ロングホールトラッカーは昔ながらのVブレーキとカンチブレーキを採用しています。

【Vブレーキ】
クロスバイクやマウンテンバイクでも、よく使われる。制動力が高く、メンテナンスがしやすい。

【カンチブブレーキ】
マウンテンやシクロクロスなど、太いタイヤとの相性がいい。静動力は「緩やか」。

ブレーキの種類についてはこちら

ロングホールトラッカーの気になるところ

ロングホールトラッカー

撮影:筆者

続いて、ロングホールトラッカーの気になるところを見ていきましょう。

重たい

これはメリットの「頑丈」と表裏一体なのですが、素材が鉄なのでやはり重たいです。どのパーツで組むかにもよりますが、完成車の重量はおそらく12〜18kgくらい。

軽い自転車を求めている方には向いていないでしょう。

スピードは出し辛い

ロングツーリングを想定している自転車なので、一般的なロードバイクと比べると、スピードは出し辛いです。

「荷物をたくさん積んで走る」「景色を眺めながらゆっくり走る」「長い距離を長い時間かけて走る」、そんな走り方を想定している方にはピッタリの自転車だと思いますよ。

そもそも、Surly(サーリー)ってどんなメーカー?

サーリー ロゴ

撮影:筆者

Surly(サーリー)は、アメリカのミネソタ州に本社を置くメーカーです。

「流行やマーケットに合わせるのではなく、丈夫で楽しい自転車をつくる」という信念のもと商品開発をしているので、ラインナップには「シンプル」で「丈夫」な自転車ばかり。

永く付き合えるパートナーのような自転車が欲しい!という方には、特におすすめのメーカーですよ。

サーリーの公式サイトはこちら

ロングホールトラッカーは生産終了している

と、ここまでロングホールトラッカーについて色々と紹介してきました。しかし、実はこのモデル、生産終了しているんです。

まだ在庫が残っているお店はあるかもしれませんが、全国的に品薄になっているのは間違いないでしょう。詳しい在庫状況は、サーリー取扱店にお問合せください!

その代わり、ディスクブレーキ仕様の「ディスクトラッカー」は販売を継続していますよ。

サーリーの取扱店はこちら

ディスクトラッカーはどんな自転車?

ディスクトラッカー

出典:surlybikes

ロングホールトラッカーのディスクブレーキ版、それが「ディスクトラッカー」です。ブレーキ以外の仕様は、ロングホールトラッカーとほとんど同じ。

リムブレーキからディスクブレーキに代わったことで制動力が上がっています。そのため、重たい荷物を積んだ状態でも止まりやすくなっており、よりロングツーリングに適した自転車になっているんです。

 フレーム単体価格 ¥121,000(税込)
 完成車価格 ¥338,000(税込)
 カラー・ブラック

・ピーライムスープ(黄緑)

 フレーム素材 クロモリ
 ブレーキ ディスクブレーキ

ディスクトラッカーの公式ページはこちら

ロングホールトラッカーユーザーにあれこれ聞いてみた

\教えてくれたのは/

結束さん

撮影:筆者

自転車歴10年、ロングホールトラッカー歴は3年目の結束(けっそく)さん。

ここからは、ロングホールトラッカーユーザーにインタビューをした内容をお届けします。

知人から譲り受けたロングホールトラッカーを自分好みにカスタムしたという、見るからに”Surlyらしさ全開”の結束(けっそく)さん。

それではロングホールトラッカーのアレコレ、教えてください!

乗り味はどんな感じですか?

結束さん
結束さん
タイヤが太いこともあり(Panaracer グラベルキングSK 26×2.1)、舗装路・段差・野道・ダート関係なく走れます。
自転車自体はクロモリですし、日東キャリアを付けたりと重量増しているので、元来の低重心も相まって、安定感抜群。

ロングホールトラッカー ブレーキ

撮影:筆者
結束さん
結束さん
荷物の重さ、搭乗者の重さでブレるなんてことは起きません。笑
“スピードに乗る” 感覚はないですが、最初から捨てているので気にしてないですね!

結束さん

撮影:筆者

どんな用途で乗っていますか?

結束さん
結束さん
主に通勤ですね。あとはキャンプ仲間とキャンプに自転車を持っていって、現地でラフに乗る自転車キャンプをしています。(キャンプツーリングではないです。笑)
あとは不定期開催ですが、サウナ仲間とちょっと遠くのサウナまで自転車で行く、サウナツーリングを開催していますよ。

結束さん

撮影:筆者

どういうところが気に入ってる?

結束さん
結束さん
正直、全部好みですね!笑
カラーもリペイントではなく元々のもので、ブルーグレー(?)が気に入っています。
気に入ってるポイントでもあるし、助かったポイントでもあるのですが、「頑丈」なところも。情報として「世界一周」とか「大陸横断」に選ばれている車体というのは知っていましたが、実際にどこまで頑丈なのかは自分でもわかりませんでした。

結束さん

撮影:筆者
結束さん
結束さん
ただ、実際に事故に遭った際に、奇しくも愛車の頑丈さを知ることになったんです。
人間(ぼく)は投げ出され、多少のケガは負ったのですが、愛車はほぼ無傷で、どこにぶつけられたのか分からないくらいでした!

サーリー ロゴ

撮影:筆者

こだわりポイントを教えてください!

結束さん
結束さん
ボディの色味に合わせてアイテムを選んだところでしょうか。
元々完成車を譲ってもらったので、今の雰囲気とは違って、いわゆるノーマルな見た目の「THE 完成車」でした。

ロングホールトラッカー

撮影:筆者
結束さん
結束さん
それが嫌だったわけでないですが、譲ってもらった時点でいろいろとメンテナンスが必要だったんですよね。
なのでこれを機に「取り替えちゃおう!」ということで、浅はかな知識ですが「サーリー=ブルーラグ(サーリーの取扱が多い東京の自転車ショップ)」というイメージが強かったので、いろいろとパーツ交換の相談に乗っていただき、実際に作業をお願いしました。

ロングホールトラッカー

撮影:筆者
結束さん
結束さん
完成車はチェーンリングがトリプルだったのですが、そんなに神経質でないからロングホールトラッカーに乗っているので(笑)、ウルフトゥースの1枚刃にカスタムしました。ギア飛びも減り、ストレスフリーなライドを楽しめるようになりましたよ。

チェーンリング

撮影:筆者
結束さん
結束さん
ハンドル周りのパーツの殆どは日東で揃えていて、キレイに研磨されたパーツと愛車の相性はバッチリだと思っています!
自分の遊び心が投影した、ハンドルテープとサドルもこだわりポイントの一つ。

サドル ハンドル

撮影:筆者

と、愛車のこだわりについて笑顔でアツく語ってくれた結束さん。

結束さんの使い方のように、日常使いにもバッチリはまるロングホールトラッカー。本当に楽しめる幅がひろい自転車ですね。

この度は、お忙しいところありがとうございました!

サーリーの他の人気モデルもご紹介!

それでは最後に、「ロングホールトラッカーが気になっているけど、サーリーの他の自転車にも興味がある」という方に向けて、サーリーの人気モデルをご紹介します。

ロングホールトラッカーの特徴と比較して、自分の用途に合った1台をチョイスして下さいね!

クロスチェック

クロスチェック

撮影:筆者

どんなシーンにも使える万能モデル

サーリーの自転車の中で、最も万能でどんなスタイルにも合わせやすいのが「クロスチェック」。ふだん使いから通勤・通学、果てはキャンプライドまで、なんでもできるオールラウンダーですよ。

・メインの用途は日常使い
・だけどたまにはキャンプにも行きたい!
・サーリーの自転車ははじめて

そんな方におすすめの自転車です。

 フレーム単体価格 ¥86,900(税込)
 完成車価格 ※完成車の販売は無し
 カラー・ブラック
・ブルーグリーングレー
 フレーム素材 クロモリ
 ブレーキ カンチ、Vブレーキ

クロスチェックの公式ページはこちら

クロスチェックについてはこちら

ストラグラー

サーリー・ストラグラー

出典:SurlyBikes

クロスチェックのディスクブレーキ版

基本設計はクロスチェックとほぼ同じですが、ディスクブレーキを採用しているのが「ストラグラー」というモデル。

・クロスチェック同様、いろんなシーンで使いたい!
・より高い制動性のあるブレーキがいい

そんな方におすすめの自転車です。

 フレーム単体価格 ¥97,900(税込)
 完成車価格 ※完成車の販売は無し
 カラー・ブラック
・クロリンドリーム(水色)
 フレーム素材 クロモリ
 ブレーキ ディスクブレーキ

ストラグラーの公式ページはこちら

ミッドナイトスペシャル

サーリー・ミッドナイトスペシャル

出典:SurlyBikes

速く走りたいならコレ

サーリーの中では珍しい、スピードを求めたモデル。ディスクブレーキやスルーアクスルなど最新のロードバイク規格を取り入れつつも、ロングライド用のダボ穴がついていたりサーリーらしさも感じる1台。

・サーリーのデザインで速く走れる自転車がほしい!
・でも、荷物を積んでロングライドにも行きたい

そんな方におすすめの自転車です。

 フレーム単体価格 ¥118,800(税込)
 完成車価格 ¥324,500(税込)
 カラー・ブラック
・メタリックライラック(薄紫)
 フレーム素材 クロモリ
 ブレーキ ディスクブレーキ

ミッドナイトスペシャルの公式ページはこちら

スチームローラー

サーリー・スチームローラー

出典:SurlyBikes

サーリー唯一のピストバイク

サーリーのラインナップの中で唯一のピストバイク。それが「スチームローラー」です。ピストバイクは変速がないシングルスピードの自転車。街中をカッコ良くシャキシャキ走ってるイメージですね。

・サーリーのデザインのピストバイクがほしい!
・メインの用途は街乗り

そんな方におすすめの自転車です。

 フレーム単体価格 ¥82,500(税込)
 完成車価格 ※完成車の販売はなし
 カラー・ブラック

・バナナキャンディイエロー(黄色)

 フレーム素材 クロモリ
 ブレーキ キャリパーブレーキ

スチームローラーの公式ページはこちら

旅に出たいなら、ロングホールトラッカー

ロングホールトラッカー

撮影:筆者

世界一周や日本一周などのロングツーリングを考えている方には、ロングホールトラッカーがおすすめです。

もちろん、記事内でも触れたように、ツーリングだけでなく日常にも溶け込んでくれる1台ですよ。

サーリーにはロングホールトラッカー以外にも素敵な自転車がたくさんラインナップされています。気になる方は、ぜひ公式ホームページをチェックしてみて下さいね!

サーリーの公式サイトはこちら