【保存版】Vブレーキのメンテナンス方法を、画像付きでまるっと解説!

【保存版】Vブレーキのメンテナンス方法を、画像付きでまるっと解説!

Vブレーキの調子がおかしいと思ったら、自分で調節してみませんか?ブレーキは、毎日乗っていると利きが悪くなってきますが、場合によってはショップに行かなくても、メンテナンスできますよ。こちらでは、よくあるVブレーキのトラブル対応方法を、画像つきでご紹介します!

目次

Vブレーキとは?

Vブレーキとは?

Vブレーキは、ホイールのリム部分を挟んで、ブレーキをかける「リムブレーキ」の一種。

数あるリムブレーキの中でも、もっとも強力な制動力があるブレーキで、主にクロスバイクやマウンテンバイク(MTB)に使われています。

各パーツの名称・役割を知ろう

Vブレーキの仕様は以下のとおり。各パーツの役割を紹介します。

各パーツの名称・役割を知ろう

 ①リード管 ブレーキワイヤーを上方向へ方向転換させるためのパイプ
 ②ケーブル固定ボルト ブレーキワイヤーを固定するためのボルト
 ③ブレーキシュー ホイールのリムを挟んで制動するゴム製のパッド
 ④スプリング ブレーキを外側に開かせておくためのためのバネ
 ⑤スプリング調整ネジ ブレーキのセンターを微調整するためのネジ

各パーツの役割を理解しておくと、ブレーキの調子がおかしいときにも調整しやすいでしょう。

アームの長さが違う、2種類のVブレーキ

アームの長さによって、Vブレーキは2種類に分けられます。

●Vブレーキ

長さは107mm前後。多くのクロスバイクやMTBが、このタイプに分類されます。

●コンパクトVブレーキ

長さ90mm前後と短く、クロスバイクにドロップハンドルを取り付けるときなどに使われるタイプ。

この後は、よくあるブレーキトラブルと、対応方法をまとめました。

【症状①】片側だけにブレーキパッドが当たる

【症状①】片側だけにブレーキパッドが当たる

まずは、ブレーキパッドが左右どちらかのリムにしか当たっていない状態の「片利き」。走行中に、なんとなく引っ掛かりを感じたときは、片利きしている可能性があります。

《片利きの原因》

A:ブレーキのセンター位置が狂っている

B:ホイールがフレームに正しくセッティングされていない

ブレーキパッドは、左右同じ幅で、均等にリムに当たっている必要があります。難しい作業ではないので、片利きしていたら調整してみましょう。

A:ブレーキのセンター位置が狂っている場合

A:ブレーキのセンター位置が狂っている場合

スプリング調節ネジで、左右のブレーキ幅が均等に当たるよう調節します。ネジの形にもよりますが、六角レンチまたはプラスドライバーを用意してください。

・ネジを締める→ブレーキパッドがリムから離れる

・ネジを緩める→ブレーキパットがリムに近づく

左右のバランスを見ながら、リムを挟む幅が同じになるよう、少しずつ調節していきます。ネジを緩めすぎると、外れるおそれがあるので注意しましょう。

B:ホイールが正しくセッティングされていない場合

ハンドルバーを上からしっかりおさえた状態で、クイックレリースレバーを開き、そのまま戻します。レバーを開閉することで、斜めにはまっていたホイールが正しい位置に戻るでしょう。

【症状②】ブレーキレバーがゆるい

次に、レバーを深く握らないとブレーキが利かないトラブル。ワイヤーが伸びてしまったか、ブレーキシューが減ってしまった可能性が高いです。

ブレーキレバーがゆるいときの調整方法

ブレーキレバーがゆるいときの調整方法

銀色の部分(調節アジャスター)を反時計回りに少しずつ回し、ワイヤーを張っていきます。回しながら、レバーを握って確認し、深く握らなくてもブレーキが利く位置になるまで調節しましょう。

調節アジャスターが抜けそうなほど回す必要があるなら、ワイヤー自体が伸び切っているため、ワイヤー交換をしてくださいね。

【症状③】ブレーキシューが減っている

【症状③】ブレーキシューが減っている

ブレーキシューは、ブレーキをかけるたびに少しずつ削れていきます。表面の溝の深さが1mm以下になっていたら、交換しましょう。すり減ったままにすると、ブレーキの制動力が落ちてしまいます。

ブレーキシューの交換方法

Vブレーキのブレーキシューは、シューと台座が合体している一体型タイプと、分かれているカートリッジタイプの2種類があります。

●一体型タイプ

一体型タイプ

出典:楽天市場

一体型の交換には、六角レンチ(アーレンキー)を用意します。

【手順】

①ブレーキシューを取り外す

②新しいブレーキシューを仮止めで取り付ける

③リムに当たる位置を確認しながら、ブレーキシューを本固定(シューが当たっている面、高さなど、細かな調節を行う)

④シューが正しい位置で当たっているか確認


●カートリッジタイプ

カートリッジタイプ

出典:楽天市場

カートリッジタイプを交換するときには、工具は必要ありませんが、ピンを抜くのにペンチがあると便利ですよ。

【手順】

①ブレーキを解除

②シューに刺しているピンを抜く

③スライドさせるようにシューを台座から外す

④新しいシューを台座にはめる

⑤ピンを刺して固定

⑥ブレーキを元に戻す

⑦シューが正しい位置で当たっているか確認

上記2種の制動力に大きな差はありませんが、カートリッジタイプが、ブレーキをかけたときにピタッと止まる感覚が強いですよ。さらにカートリッジタイプは、一度本体を取り付けたら、その後はシュー部分のみ交換すればOK。

Vブレーキなら、どちらも取り付けできるので、一体型の場合は、メンテナンスしやすいカートリッジタイプへの変更もおすすめですよ。

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【参考】今後の主流は、ディスクブレーキ?!

【参考】今後の主流は、ディスクブレーキ?!

スポーツバイクのブレーキといえば、以前はリムブレーキが主流でした。ですが、ロードバイクはもちろん、クロスバイクも「ディスクブレーキ」のモデルが増えています。

ディスクブレーキとは、ホイール中心についた銀色のプレート(ディスクブレーキローター)を挟んでブレーキをかけるシステム。濡れた路面が苦手なリムブレーキに対し、ディスクブレーキは路面の状況に左右されず、しっかり利くブレーキです。

デメリットは、リムブレーキに比べると価格がやや高額になってしまうところですが、クロスバイクなら、その差は1~2万円ほど。また、リムブレーキより構造が少し複雑で、メンテナンスの心配もあるかもしれませんが、ショップに頼むこともできますよ。

雨の日にも走る人は、ディスクブレーキのスポーツバイクをチェックしてみてはいかがでしょうか?

困ったら、ショップに相談しよう

ブレーキは、安全に走るために欠かせないパーツ。メンテナンスを怠ると、大きな事故やケガにつながることも。

原因がわからないけど、なんだかブレーキの調子が悪い気がする、なんてときには、早めに自転車ショップで相談しましょう。また、メンテナンスが自分でうまくいかなかったときも、ショップで調整できるか聞いてみてください。

たとえばブレーキシューなどの交換費用は、パーツ代と工賃で1000~2000円ほど。工具なしで調整できる範囲であれば、無料で調整してくれるショップも多いですよ。

ブレーキ周辺パーツは、乗っていれば交換が必要になる消耗品。こまめに状態をチェックし、適切なメンテナンスをおこないましょう!

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