ディスクロードで輪行しよう
ロードバイクに乗っていると、遠くへ出かけたくなることもありますよね。「輪行」ができれば、さらに行動範囲が広がりますよ。今回は、ディスクブレーキのロードバイク、いわゆる「ディスクロード」の輪行手順や注意点をまとめました。
ディスクロードでの輪行が不安に思う人もいると思いますがポイントをおさえれば、心配なく輪行を楽しめますよ。
ロードバイクの輪行には、まずコレが必要!
最初に、輪行に必要な持ち物をおさらいしましょう。以下はディスクロードに限らず、多くのスポーツバイクの輪行と共通している持ち物なので、チェックしてみてくださいね。
- ・輪行袋:バイクを包む袋
- ・固定バンド:外したホイールをフレームに固定するアイテム
- ・スプロケットカバー:スプロケットを守るためにあると安心
- ・フレームカバー:パーツ同士がぶつかるの防ぐ
- ・チェーンカバー:チェーンの脱落対策に便利
ディスクロードは、この3つも要チェック
ディスクロードは、タイヤについているローター(円盤)周辺が、キャリパーブレーキのロードバイクとの大きな違いです。フレームはもちろん、ローターなども守りながらパッキングするようにしましょう。その際は、次の3つのアイテムがあると便利ですよ。
エンド金具は「スルーアクスル用」を選ぶ
ホイールを外した後に装着して、フレームや変速機を保護する「エンド金具」。ディスクロードのホイール脱着方式は、基本「スルーアクスル」なので、スルーアクスル用のエンド金具を選びましょう。
特に、輪行アイテムを多く取り扱うブランド「オーストリッチ」のスルーアクスルタイプがおすすめ。自立しやすく、持ち運ぶときにはコンパクトに折りたためますよ。
ブレーキの誤作動を防ぐ「パッドスペーサー」
ディスクロードはホイールを外した状態で、ブレーキを引いてしまうと、ピストンが出すぎて、ブレーキパッドの位置がずれてしまうこともあります。ホイールを外す時には、「パッドスペーサー(ダミーローター)」をピストンに挟ませることで、ピストンの出すぎを防いでくれますよ。
自転車パーツでお馴染み「シマノ」のパッドスペーサーは、ディスクロードの完成車を買ったときについてくることも多い定番品。お手ごろ価格なので、予備と一緒に用意しておくと安心ですね。
ローターの汚れ対策に「ローターカバー」
ディスクブレーキのローターは、汚れがついてしまうと、音鳴りの原因になったりします。そこで輪行するときは、ローターに「ローターカバー」をつけることをおすすめします。厚めの生地で、移動中にズレないように固定できる製品を選びましょう。オーストリッチのローターカバーは、マジックテープでサイズに合わせて調整しやすくなっていますよ。
さっそく輪行パッキングに挑戦!
アイテムが揃ったところで、パッキングを始めましょう。実際に輪行をする前に、パッキングの練習をしておくと、輪行当日に落ち着いてパッキングできますよ。
今回は、ロードバイクを縦に収納する輪行袋の手順をご紹介します。
①ボトルやライトなどは外しておく
ライトやボトルが自転車に付けたままだと、破損や、パーツ落下の原因にもなります。パッキングを始める前に、アクセサリー類を外しましょう。
②ギアを「アウタートップ」に入れる
まずはフロントギアをアウター(外側の大きいギア)に入れます。フロントギアをインナー(内側)にしておくと、アウターのギア歯がむき出しになってしまい、輪行袋を傷つけてしまう可能性があります。
また。リアをトップ(外側)にすることで、後輪がはずれやすくなります。
③車体を逆さまにする
次に、自転車を逆さまにします。「シートチューブ」と「フロントフォーク」を握って持ち上げると、逆さまにしやすいですよ。
④ホイールをはずす
まずは前輪から、スルーアクスルを緩めて抜き、ホイールを外していきましょう。後輪は、リアディレイラー(変速機)を上げながら外すのがポイント。スルーアクスルシャフトは、エンド金具に通して取り付けるため、なくさないように!
⑤パッドスペーサーをつける
ローターがあった部分にパッドスペーサーを入れます。奥までしっかり差し込みましょう。紐やゴムがついている場合は、差し込む方と反対側に引っかけておくことで、動かしても外れにくくなり安心ですよ。
⑥エンド金具をつける
コの字型のエンド金具をフレームに通します。コの字の底が地面と平行になる角度に調整したら、工具で締めましょう。エンド金具を支えに車体を縦にしてみて自立すれば、うまくできた証ですよ。
⑦スプロケットとローターにカバーを装着する
次にスプロケット(歯車)とローターにカバーを取り付けます。ここで注意したいのが、それぞれのカバーを使い分けること。スプロケットは油をさして使いますが、ローターには油をつけてはいけません。油がついたカバーは、ローター用には使えないので、色分けするなどして間違えないようにしましょう。
⑧チェーンを固定する
輪行中にチェーンが体に当たるのを防ぐため、位置を調整します。後ろのギアを、車体側の「ロー」(軽い方)に移動させましょう。ローに入れると、チェーンが車体の方に入ります。調整が終わったら、チェーンが暴れないようにチェーンフックで固定しておくと安心ですね。
⑨車体をホイールで挟む
チェーンとぶつからない位置で、後輪を車体と平行に並べます。このとき後輪のスプロケットは内側に向けます。前輪は、ローターを外側に向けて、後輪と反対側へ。車体を両輪で挟み込むように並べたら、ハンドルを後輪の方へ倒しましょう。
⑩ホイールをフレームに固定する
ホイールをフレームに固定しましょう。輪行袋に付属しているバンドで固定します。まず、車体のダウンチューブ、シートステー、サドルの前側の3箇所を、ホイールと一緒にバンドで軽く締めます。その後、本締めをしましょう。事前にストラップを緩めておくと、作業しやすいですよ。
⑪肩ひもをフレームにつける
最後、袋に入れる前に、肩ひも(ストラップ)を、フレームに取り付けましょう。肩ひもの一方の先端(輪になっている方)を、BB(ボトムブラケット)付近に通し、もう一方のバックルがついた先端を輪の中に入れてストラップを引いて取り付けます。
⑫輪行袋に収納して完成!
最後に、輪行袋に収納します。輪行袋の底に、自転車の置き方が指示されていることがあるので、確認しながら広げていきましょう。まずエンド金具側からかぶせるとうまくいきますよ。袋のどこかに肩紐ストラップを通す穴があるので、ストラップの先端を通して背負いやすい長さに調整してくださいね。
輪行の基本セット
ここまでに登場した輪行の基本アイテムで、おすすめの商品を紹介します。サイズなどを確認して選びましょう。
輪行袋
輪行袋には「縦型」「横型」「前輪を外すだけの横型」の3種類があります。今回は幅を取らない「縦型」の輪行袋を使った輪行手順を紹介しました。こちらはスプロケットカバーやストラップもついていて、専用の外袋でまとめて保管できますよ。
R250(アールニーゴーマル) 縦型輪行袋
サイズ | 縦1100mm×横950mm×底幅250mm |
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収納サイズ | 縦170mm x 底70x80mm |
重量 | 320g |
素材 | 表/リップ撥水加工、裏/PU加工 |
スプロケットカバー
スプロケットの大きさに合わせやすい専用のカバーです。中央がゴムになっていて、外れにくくなっています。ストラップがついているので、輪行セットに引っかけて使えますね。
チェーンカバー
チェーンカバーがあると、輪行中にチェーンが脱落しにくくなります。カバーには「シートステーからチェーンリングにかけての上部のチェーンを覆うタイプ」と「直接チェーンリングに取り付けるタイプ」がありますが、広く覆うタイプが汚れ対策にもなるでしょう。
フレームカバー
パーツとタイヤがぶつかりそうな箇所には、フレームカバーをあてておくのがおすすめ。3〜5枚くらい持っていると、安心して持ち運びしやすいですよ。
固定バンド
固定バンドは輪行袋に付属していることがほとんどですが、旅先で切れたり紛失してしまうトラブルはないとは言えません。万が一のために何本か予備で持っておくことをおすすめします。
ディスクロードで輪行に出かけよう!
輪行の当日、駅周辺などでの輪行袋のパッキングは、なるべく人通りの少ない広い場所で行いましょう。ディスクロードでの輪行をマスターして、旅の楽しさを広げてくださいね。
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