スルーアクスルとは
スルーアクスルとは、クイックリリースと同様にホイールをフォーク・フレームに固定するパーツです。主にディスクブレーキのついたスポーツバイクに使われる事が多く、ディスクブレーキの普及に伴ってスルーアクスルが使われる自転車も増えてきました。
スルーアクスルの特徴
それでは、スルーアクスルの特徴を見てきましょう。ロードバイクやクロスバイクで多く使われている「クイックリリース」との比較を交えながら、ご紹介します。
太い軸で頑丈な造り
クイックリリースの軸の太さはほとんどが9mm。一方、スルーアクスルは12mm・15mmがメインで、9mmや20mmがあるなど、クイックリリースより太い事が多く、複数のサイズ規格が存在します。
また、スルーアクスルはディスクブレーキ搭載車に多いのも特徴の1つ。ディスクブレーキはホイールの中心付近にブレーキの力がかかりフォークにも大きな力が加わる為、その力に耐えるスルーアクスルの採用が増えています。
高い固定力
U字型のフォークに留めるクイックリリースは、ディスクブレーキの強い力でずれてしまうことがあります。スルーアクスルは円形で、穴の中にシャフトを通しホイールを固定するので、ブレーキングの強い力がかかってもずれることはありません。
ホイールを安定した位置にセット
クイックリリースでは、フォークエンドのU字部にホイールをセットしますが、ホイールが斜めの状態で固定される可能性があります。一方、スルーアクスルはフォークエンド部の穴とホイール中心部の穴にシャフトを通すので、毎回同じ位置にセットができます。
▼▼クイックリリースの詳しい記事はこちら▼▼
スルーアクスルの取り付け方
スルーアクスルの取り付けは、クイックリリースのように微妙な位置調整が必要ないのも特徴の1つです。
一連の画像を使って、取り付け・取り外しを、説明していきましょう。
まずは取り付け方法から。
ホイールとフォークエンドの穴を合わせる
ホイールをフロントフォークにおさめると適正な位置になります。
シャフトを挿しこむ
シャフトを真っすぐに差し込みます。上手く入らないときは、ホイールをセットし直してみましょう。
時計回りにまわす
レバーを時計まわりにまわし、ネジを締めこみます。
シャフトを倒す
ネジが締まったのを確認し、レバー位置を決めたら固定しましょう。
スルーアクスルの取り外し方
スルーアクスルの取り外しも、慣れるとクイックリリースより簡単です。
スルーアクスルのレバーを起こす
クイックリリースと同様に、固定レバーを倒しアクスルを開きます。
半時計まわりにまわす
レバー反対側のエンドにはネジでとまっているので、反時計方向に回しネジを外します。
シャフトを引き抜く
ネジが外れたらそのまま真っすぐ引き抜きましょう。
ホイールを外す
シャフトを抜くと、ホイールはそのまま外すことができます。
スルーアクスルのデメリット
ディスクブレーキを使用する上では大きなメリットがあるスルーアクスルですが、デメリットはあるのでしょうか。
クイックリリースと比べると重め
剛性が高く頑丈なスルーアクスルですが、重量はクイックリリースと比べ重め。軽さを追求するのであれば、スルーアクスルは車体の重量が増える要因になるでしょう。
脱着に少し手間がかかる
慣れてしまえば問題ありませんが、レバーを起こせばホイールが外れるクイックリリースと比べると、スルーアクスルは着脱に多少の手間があります。
スルーアクスルは種類が多い
スルーアクスルはロードバイク向けやマウンテンバイク向けで推奨される軸の太さが違い、エンド幅も数種類あるなど規格が多くあります。ホイールメーカーなどでは、それぞれの規格に合わせたアダプターを付属させるなど対応していますが、選ぶ際は注意が必要です。
スルーアクスルはこんな時も注意
スルーアクスルとクイックリリースは、同じ用途のパーツでも形はまったく違います。スルーアクスル車に乗りかえるときは、こんなところにも注意が必要です。
輪行でエンド金具が違う
スルーアクスルを搭載しているバイクは、エンド幅と軸の太さが違うので、エンドに取付けるアイテムが違います。輪行で使うエンド金具など、スルーアクスル車とは違いますので注意しましょう。
また、車載用のマウントも、フォークダウンタイプはクイックリリース車と違うマウントになります。他にメンテナンススタンド・固定ローラーなども変わりますので注意が必要です。
広がるスルーアクスル搭載車
スルーアクスルについての知識があればスポーツバイク選びにとても役立ちます。メリット・デメリットを理解して、自分にあった自転車ライフを楽しみましょう!