輪行 マナー ルール

【輪行のルール・マナーまとめ】そのやり方、間違ってませんか…?

自転車を手荷物として電車に持ち込む「輪行」。マスターするとサイクリングの幅が広がる便利な手段ですが、大切なルールやマナーが存在します。他の乗客の方とトラブルになったり、輪行そのものが禁止されたりしない様、ルールとマナーを押さえて正しい輪行をしましょう。

目次

アイキャッチ画像:筆者

「輪行」とは?

輪行とは「公共交通機関に自転車を持ち込むこと」です。特に電車での輪行がメジャーなので、「電車での輪行」を、そのまま「輪行」と指すことも多いですね。今回の記事では「電車での輪行」を「輪行」と呼びます。

輪行は、遠方でのサイクリングも気軽に楽しむことが出来、サイクリングの幅がグッと広がる便利な手段です。

輪行 マナー ルール

しかし、自転車という特殊な荷物を電車に持ち込むのですから、輪行独自のルールやマナーが存在します。実際に輪行をする前に、それらをしっかり押さえておくと安心です。

自転車の種類によって、やり方や注意するポイントも少しずつ異なりますので、この記事ではロードバイクの輪行を想定し解説をしていきます。

輪行のルール

では早速、輪行のルールから見ていきましょう。輪行のルールは、鉄道各社の乗車規定によって定められています。

輪行が禁止されないよう、ルールを守ろう

現在は、JRや私鉄(在来線、特急列車を含む)に関わらず基本的に同じルールで規定されており、誰しも自由に利用できます。

輪行 新幹線

昔は厳しいルールでしたが、サイクリストの働きかけで私たちが気軽に利用できる様になりました。鉄道会社のルール変更次第で、利用がし易くも難しくもなりうるため、その自覚を持った行動が求められています。

前後輪を外して、輪行袋に完全に収納する

輪行のルールとして規定されているのは、自転車の収納についてです。

基本的に鉄道会社を問わず同様の条件となっていますので、鉄道会社ごとにルールを心配する必要はありません。ここでは、JRの規定を参考に話を進めていきます。

JR東日本:手回り品について

抑えるべきポイントは、以下の通りです。

①『タテ・ヨコ・高さの合計が250センチメートル(長さは2メートルまで)以内、重さが30キログラム以内のもの』

②『サイクリングやスポーツ大会などに使用する自転車は、解体し専用の袋に収納したものまたは、折りたたみ式自転車においては折りたたんで専用の袋に収納したもの』

⇒前輪と後輪を外して収納する

⇒専用の袋(ゴミ袋等はNG)が必要

⇒一部が飛び出しているとNG

輪行 マナー ルール

撮影:筆者

市販の輪行袋には、自転車の前輪だけを外すタイプと、前輪と後輪の両方を外すタイプとがあります。

しかしながら、現在の鉄道各社の輪行ルールに適合しているのは、基本的に「前輪と後輪の両方を外すタイプ」のみです。

輪行袋を購入する際は「前輪と後輪の両方を外すタイプ」を推奨します。

輪行 マナー ルール

撮影:筆者

「市販の輪行袋でなくとも、自転車を覆えれば良いのでは?」と考える方もいる知れませんが、「専用の袋」と規定がされていますので市販の輪行袋が無難です。ちなみに、ゴミ袋やビニールシートなど即席のものを組み合わせて自転車を覆う方法は、専用の袋とは認められませんのでルール違反です。

また、規定にある「収納=輪行袋に完全に収納されている状態を指す」というのがJRの見解です。例えばハンドルやフォークの一部が飛び出している状態は、「収納」に当たりませんのでNGとなります。

自転車の飛び出た部分は危険ですので、規定通り全体を覆うことはもちろん、輪行袋の中でも出っ張りを無くすように収納すると安心ですね。

追加料金は不要!

輪行 マナー ルール

JRや私鉄、在来線や特急を問わず、輪行は無料で行えます。普段電車を利用するときと同じ切符を用意すれば良いので、とても分かりやすいですね。

*JR西日本、JR東海、JR九州の特急(新幹線など)で「大型荷物」に指定される大きな手荷物を持ち込む場合は、事前の予約が必要となりました。しかし、自転車の場合は「大型荷物」には該当しませんので、その予約も必要ありません。

実は「マナー」も重要!

輪行は、たとえ上記のルールを守っていても、大きな荷物なので周りの方に迷惑をかけてしまう可能性が高いです。

周りを良く見て、相手の目線で考える

輪行 マナー ルール

撮影:筆者

最も重要なことは、周囲に気配りを欠かさない事です。

乗客の殆どの方は「輪行」という言葉すら知らない状態ですので、正体不明の大きな荷物を持つ我々は、どうしても煙たがられてしまいます。また、自転車が誰かにぶつかってしまうと、相手の怪我やバイクの破損にも繋がります。

トラブルを避け、お互いに気持ちよく電車を利用する為には、周囲への配慮が欠かせません。

では、具体的にどんな事に気を付ければよいのでしょう?3つのポイントに分けてご紹介していきます。

Point①迷惑にならない場所を選ぼう

まずは、駅構内や車両の中での場所選びです。

輪行作業は邪魔にならない場所で

輪行 マナー ルール

撮影:筆者

自転車の解体や組み立ては、駅の出入り口から少し離れた人通りの少ない場所で行いましょう。足元の点字ブロックにも要注意です。

スペースを広く使える場所の方がゆったりと落ち着いて作業出来ますので、初心者の方は特にミスを減らす事にも繋がります。

先頭か最後尾の車両を使い、通路に注意

輪行 マナー ルール

基本的に、車内で自転車を置きやすいのは先頭か最後尾の車両です。車両の端にある壁にバイクを持たれかける様にすると、バイクも安定しますし邪魔にもなりません。先頭や最後尾は乗客も少ないことが多いので、より輪行に適しています(例えばホームへの階段が最後尾に近ければ、先頭まで歩くととても快適に利用出来ます)。

また、自転車を壁に立てかける際は、肩ひもを手すりに結ぶ等して自転車をしっかり固定しましょう。急停車やカーブの際に倒れると危険です。

車内では、ドア付近や車掌さんの通路の邪魔にならないよう気を付けましょう。「壁かと思っていた場所に扉があった」なんて事もありますので、自転車を置いて良いか車掌さんに一言確認をすると安心です。

輪行 マナー ルール

新幹線を利用する場合は、最後尾の座席の裏側に自転車を置くと邪魔になりません。

ただし、指定席の場合は最後尾の座席の方に使用権があるのが一般的ですし、リクライニングが制限されることもある為、必ず周りの方に確認をしてから置くようにしましょう。

もしこのスペースが空いていなければ、デッキを利用するのも手です。車掌さんにどちらのドアが開くか確認しておくと通路を妨げませんので、出来るだけ確認をするのがおススメです。

Point②臨機応変に動く

輪行では、状況に応じて臨機応変な対応も求められます。

路線の混雑を避ける

通勤ラッシュ

混雑した車両ではトラブルになる可能性が高いので、混む時間帯や路線は避けましょう。見知らぬ土地であっても、朝と夕方のラッシュ帯で輪行しないのが安全です。

いざ駅に付いてから電車を確認すると選択肢が無いこともありますので、電車を調べたうえでプランを立てるとスムーズで良いですね。

大人数で固まらない

大人数で固まると邪魔になりやすく、周りも見えなくなりがちです。

車内で自転車を置きやすいスペースも限られていますので、人数によっては車両を分散するのも良いでしょう。

車いすやベビーカーの方にも注意

輪行 マナー ルール

車いすスペースは輪行でも使用可能ですし、他の方の迷惑になりにくい場所なので有効活用するのは1つのテクニックです。

ただし、車いすやベビーカーの方が必要としていないか気を配り、状況に応じてスペースを譲ることをお忘れなく。

Point③自分の身なりも要チェック

最後に、服装等についてです。輪行をする前に、一度客観的に自分を見てから電車に乗りましょう。

汗の匂いや汚れ、大丈夫ですか?

輪行 マナー ルール

撮影:筆者

帰路で輪行をする場合、サイクリングでかいた汗や汚れが付着しています。公共交通機関を利用する訳ですから、最低限の配慮は欠かせません。

着替えを持っていったり、温泉で汗を流したりしてから輪行するプランも素敵ですが、その余裕が無いときはボディーシートを利用すると便利です。

また、雨の日は特に泥汚れ等も酷いので、周りを汚さない配慮をしましょう。

レーパンそのままはNG?

輪行 マナー ルール

撮影:りっけい

ロードバイクに乗る方であれば、ピチピチのレーパン姿も見慣れているでしょうし、そのまま輪行すると荷物も減らせるので楽です。

しかし、あのレーパン姿は一般の方からすると異質な存在。大きな荷物を持った汗臭い変質者…なんて思われかねませんので、出来る限りオーバーパンツを履く等の対応をしましょう。

見た目を度外視しても、ポケットのあるパンツは輪行で便利です。安いもので構いませんので、薄手のパンツを輪行セットに加えるのがおススメです。

ルールとマナーを守って充実のサイクリングを!

輪行 マナー ルール

いかがでしょうか?輪行のルールとマナーについて解説してみました。

繰り返しになりますが、輪行では周囲への気配りが大切です。記事内でご紹介している方法が全てではありませんし、状況次第で最適な行動は変わりますので、常に臨機応変な対応を心がけましょう。

輪行をするとサイクリングの世界がグッと広がりますので、ぜひ輪行を活用して充実のサイクリングをお楽しみください!