自転車のサドル交換のやり方と必要な工具、注意点を解説

1人でできる!自転車のサドル交換|車種別に写真で解説

自転車のサドルは、基本的にはレンチ1本あれば交換ができます。お尻が痛い、サドルの表面が破れた、もっと軽くしたいなど、サドル交換を考えている方は交換に挑戦してみるのがおすすめです。ただし、シティサイクルとスポーツバイクでは対応する規格や必要な工具が異なり、選び方を間違えると取り付けられないこともあります。

そこでこの記事では、車種別にサドル交換手順を写真とともに解説します。

目次

自転車のサドル交換に挑戦してみよう

自転車のサドルを自分で交換する作業
撮影:編集部

自転車のサドルは、基本的にはレンチ1本あれば交換が可能です。ボルトやナットを緩めて古いサドルを外し、新しいサドルを取り付けるだけです。

自転車の整備をしたことがない人でも、それほど難しい作業ではありませんので、本記事を読んで、ぜひ挑戦してみましょう。

ショップに依頼する場合の費用とメリット・デメリット

自転車ショップでのサドル交換

サドル交換作業は、対応している自転車ショップに依頼することもできます。工賃の目安は数百円から1,500円程度です。

ショップに依頼すれば、規格確認や取り付け作業、乗車姿勢に合わせた高さや角度の調整まで、まとめて任せられます。

一方、他店で購入したサドルで交換を依頼すると工賃が割高になったり、そもそも他店で買ったサドルの交換を対応してもらえない場合もあるなど、デメリットもあります。

自転車を快適に乗るために、サドル交換はおすすめ

色々な自転車のサドル
撮影:編集部

サドルは体を預ける重要なパーツです。座り心地や疲れやすさを大きく左右するため、自分に合うものへ交換すれば、より快適に自転車を楽しめるでしょう。

また、サドルは消耗品です。表面の摩耗や破れ、内部のクッション材のへたりが見られたら、交換を検討しましょう。

  • 座り心地を良くしたい
  • 表面が破れた
  • 軽量化したい
  • 見た目をカッコよくカスタムしたい

価格帯は数千円の定番モデルから数万円のレース向けまでさまざまです。ママチャリなら数千円でも座り心地は変わり、ロードバイクなどなら軽量化もできます。

【シティサイクルの方は要チェック】サドルのタイプを事前に確認しよう

シティサイクルのサドル

ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクは、スポーツバイク用のサドルを選べばほぼ問題なく取り付けられます。一方シティサイクルは、車体によってサドルの仕様が異なるため、購入前の確認が必要です。

シティサイクルは、サドルとシートポスト(サドルの下から車体に伸びる金属の支柱)を分離できるかどうかで、選ぶべきサドルが変わります。

シティサイクルのやぐらタイプのシートポスト
撮影:編集部

現在、販売されているシティサイクルのほとんどは、分離できるタイプです。サドルの裏側の2本のレールに、シートポスト先端の「やぐら」と呼ばれる金具がこれを挟み込んで固定しています。このタイプなら、サドル単体を購入すれば交換できます。

一方、サドルとシートポストが一体になった製品もあり、その場合はシートポストごと交換する必要があります。まずは自分の自転車のサドル裏を確認してみましょう。

シティサイクルの27.2mm径のシートポスト
撮影:編集部

シートポスト一体型のタイプの場合は、シートポストの太さ(ポスト径)の確認が必須です。サイズは25.4mmまたは27.2mmが一般的で、今付いているものに合わせて選びます。上の写真のように、シートポストに刻印されている場合もあるので、チェックしてみましょう。

ノギスでシートポスト径を測る
撮影:編集部

シートポストに刻印がない場合は、上の写真のようにノギスを使って測ります。ノギスはホームセンターなどで売られていて、安い物なら千円前後で手に入ります。定規だと正確なサイズを測るのが難しいので、ノギスを使いましょう。

シティサイクルのサドル交換手順

シティサイクルのサドル
撮影:編集部

シティサイクルのサドル交換は、サドルからやぐら部分をナットを緩めて外し、新しいサドルにやぐらを取り付けて差し直すのが基本の流れです。

工具:モンキーレンチかコンビネーションレンチを用意

シティサイクルのサドル交換に使うモンキーレンチとコンビネーションレンチ
撮影:編集部

工具はモンキーレンチ(写真上部)、またはコンビネーションレンチ(写真下部)などを用意しましょう。

モンキーレンチはナットのサイズに合わせて対応できるので便利ですが、ナットへの固定や力加減が合わないと、ナットの角が潰れて外せなくなってしまう可能性があります。

トラブルなく確実に作業するなら、サイズ展開があるコンビネーションレンチ等を使うのがおすすめです。やぐら部分のナットの大きさに対応したコンビネーションレンチを使いましょう。

手順1|やぐらのナットを緩めて古いサドルを外す

シティサイクルのサドルのやぐらナットを緩める
撮影:編集部

まずは、サドル下のやぐら部分にあるナットを、各種レンチで反時計回りに緩めます。やぐらのナットは両側に2つありますが、片方だけ緩めればOKです。

ナットが固い場合は、レンチを確実に奥まで差し込んでから力をかけてください。モンキーレンチを使う際は、可動部のガタつきをなくしてから回さないと、ナットの角が潰れてトラブルの原因になります。

シティサイクルのサドルのやぐらを外した
撮影:編集部

ある程度ナットを緩めると、シートポストからサドルを引き抜くことができます。

シティサイクルのサドルを取り外した状態
撮影:編集部

上の写真のように、やぐらパーツがサドルレールに付いた状態で取り外せばOKです。ばね付きタイプのサドルでも基本的な手順は同じです。

手順2|やぐらパーツを新しいサドルに組み替える

やぐらパーツの分解
撮影:編集部

次に、やぐらパーツを分解して新しいサドルに移設するために、ナットをさらに緩めて取り外します。ここでも、ナットを緩めるのは片側だけです。

やぐらパーツの分解ナットを外したところ
撮影:編集部

ナットを完全に取り外すと、やぐらとレールを固定しているパーツも外れます。小さいパーツなので無くさないように注意しましょう。

やぐらパーツからボルトを外したところ
撮影:編集部

片側のナットが外れたら、中心を貫通しているボルトを反対側から引き抜きます。

シティサイクルのサドルのやぐらの取り外し
撮影:編集部

ボルトを抜いたら、レールの間に挟まっているパーツを引き抜きましょう。レールに固く挟まれて取りづらい場合は、レールを少し広げながら力を入れると外れやすいです。

シティサイクルのサドルのやぐらパーツ
撮影:編集部

外したやぐらパーツは、取り付ける順番に並べておくと分かりやすいです。すべてのパーツが外れたら、新しいサドルに付け替えていきます。

新しいサドルにやぐらを移設
撮影:編集部

取り外したやぐらパーツを逆の手順で新しいサドルに取り付けていきます。

レールの間にパーツを入れるときは、少し力を入れて押し込むとやりやすいです。やぐらパーツの向きを間違えると、シートポストが差し込めないので注意しましょう。

今回はスポーツバイク用のサドルに交換してみます。シティサイクルのやぐらタイプのシートポストでも、レール幅が同じサドルなら交換可能です。

新しいサドルにやぐらパーツを取り付けた状態
撮影:編集部

すべてのパーツを外した時と同じ状態で組み付けます。

この時点では、ナットはまだ固く本締めせず、手で軽く締めておけばOKです。

シティサイクルのシートポストの取り付け
撮影:編集部

外した時と同じように、シートポストの先端にやぐらパーツを差し込んで仮付けします。まだナットは仮止めの状態で、次の調整で動かせるようにしておきましょう。

手順3|前後位置・角度を調整して本締めする

シティサイクルのサドル調整
撮影:編集部

最後に、サドルの前後位置と角度を決めてから、ナットをしっかり本締めします。前後位置は実際に走ってみないと分かりづらいため、レールの調整範囲内の中心あたりにしておくのがおすすめです。

サドルの角度は水平を基本にしましょう。こちらも、新しいサドルで実際に走ってみながら微調整するとちょうどいい角度を見つけやすいです。

位置が決まったらナットをしっかり締め、手で揺すってガタつきや音がないか確認して交換完了です。

スポーツバイクのサドル交換手順

ロードバイクのサドル交換前
撮影:編集部

スポーツバイクのサドル交換は、シートポスト上端のボルトを六角レンチで緩め、レールを差し替える流れです。

工具:六角レンチ(アーレンキー)を用意

ロードバイクのサドル交換に使う六角レンチ
撮影:編集部

一般的なスポーツバイクのサドル交換では、六角レンチ(アーレンキー)を使います。5mm、6mmを使うことが多いですが、事前にサイズを確認しておきましょう。ほかの部分の整備に使うことも多いので、セットで持っておくと便利です。

▼アーレンキーの種類や選び方についてはこちら

手順1|交換前にポジションを測っておく

ロードバイクのサドル前後位置を測る
撮影:編集部

スポーツバイクはサドルの位置が走行性能に直結するため、まずはサドル交換前のポジションをメジャーで測っておきましょう。元のポジションの記録を残しておくことで、新しいサドルの調整がスムーズになります。

前後位置の基準になるのは、ハンドルからサドルまでの距離です。ハンドルバーの中央からサドル先端までと、後端までの2カ所を測っておけば、新しいサドルを取り付けたあとの目安になります。

手順2|固定ボルトを緩める

ロードバイクのサドルのボルトを緩める
撮影:編集部

サドルを取り外すには、シートポスト上端にある固定ボルトを六角レンチで反時計回りに緩めます。

サドルの固定方式はシートポストによって異なり、ボルト1本のタイプと2本のタイプがあります。上の写真のように、固定ボルトが2本の場合は、片方だけを一気に緩めず交互に少しずつ回してください。

手順3|古いサドルを取り外す

シートポストからサドルを外したところ
撮影:編集部

ボルトが緩んだら、レールを挟んでいる固定パーツからサドルを取り外します。

今回は1本のボルトを完全に抜いて、上の固定パーツをずらしながらサドルを取り外しました。固定ボルトが1本のタイプは、完全に抜かず緩めるだけでサドルを外せるケースもあります。

固定パーツは上下2枚に分かれている構造が一般的で、外れた部品の向きを覚えておく必要があります。組み付けるときに、向きを間違えるとレールが正しく挟まりません。

手順4|新しいサドルを取り付ける

新しいサドルをシートポストに仮付け
撮影:編集部

新しいサドルのレールを固定パーツに挟み込み、ボルトを軽く締めます。手で締まるところまで回すか、六角レンチでガタつきがなくなるぐらいに調整しておくのがポイントです。

この時点で、レールが左右均等に収まっていて、固定パーツが正しい状態になっているか、目視で確認してください。レールや固定金具がずれている状態だと、しっかり固定できないだけでなく、サドルやシートポストの破損にもつながります。

手順5|前後位置・角度を調整して本締めする

ロードバイクのサドルの角度調整
撮影:編集部

手順1で控えた数値をもとに、サドルのポジションを調整して固定ボルトを締めます。まずは定規などを使って角度を水平にしてから、前後位置を調整すると分かりやすいです。

撮影:編集部

ポジションが決まったら、固定ボルトを本締めします。2本ボルトがあるタイプのシートポストは、少しずつ交互に締めましょう。

カーボンレールのサドルは締め付け過ぎに要注意!

シートポストの締め付けトルク表記
撮影:編集部

カーボンレールのサドルや軽量シートポストでは、固定ボルトの締め付けトルクが指定されていることもあります。ボルトを締めすぎると破損する可能性があるので要注意です。

特に、破損しやすいカーボンレールのサドルを選ぶ場合は、締め付ける力を管理できるトルクレンチと呼ばれる工具で指定値を守って取り付けましょう。

▼トルクレンチの関連記事はこちら

サドル交換後にしっくりこない時は微調整を行う

新しいサドルに交換後、同じ位置に取り付けても形状や大きさが変わっているため、しっくりこない場合もあります。その場合は前後や角度を微調整してみましょう。

前後の位置:レールの目盛りを目安に

撮影:編集部

サドルのレールには、固定パーツで挟んでよい区間を示す目盛りが刻印されていることがあります。上の写真のように、調整範囲を超えた位置で固定すると、レールの根元に想定外の力がかかり、曲がったり折れたりする原因に。

調整の際は、刻印の範囲内に収まっているかを確認してからボルトを締めましょう。目盛や刻印がないサドルの場合は、レールの端を避けて調整してください。

角度:水平をベースに微調整を行う

極端な前上がりのサドル
撮影:編集部

角度についても、極端な前上がり・前下がりで固定すると、やぐらや固定パーツに無理な負荷がかかります。水平を基本にして微調整しながらベストポジションを見つけましょう。

よくある質問

サドル交換に関して、よくある質問にまとめてお答えします。

自転車のサドル交換はどこで頼める?

サドル交換できるホームセンターの自転車コーナー

自転車のサドル交換を依頼する場合、身近な選択肢は自転車ショップとホームセンターの2つです。お住まいの地域やアクセスの良さなどを考慮して選びましょう。

大手の自転車ショップやホームセンターであれば、作業工賃が店内に掲示されていたりします。小さな自転車ショップの場合でも対応してくれる場合が多いので、ショップスタッフの方に相談してみましょう。

サドルの交換時期はどれくらい?

破れて交換時期を迎えたサドル
撮影:編集部

自転車のサドルに明確な交換時期は決まっておらず、劣化のサインが出たタイミングが目安です。判断材料は主に次の3つです。

  • 表面の破れやひび割れ
  • 座ったときに底付きするようなクッションのへたり
  • レール部分の曲がりやガタつき

サドルの表面が破れたりひび割れたりすると、内部に雨水が入り込み、座ったときにお尻が濡れる原因になります。また、水分が染みこむとクッション材の劣化も進みます。

レール部分の曲がりやガタつきがあると、サドルが外れて事故につながるリスクもあるので気づいた時点で交換するのが理想です。

メンテナンス方法は?

自転車のサドルの拭き取りメンテナンス
撮影:編集部

自転車のサドルのメンテナンスは、表面の汚れを拭き取り、レールやボルト周りの緩みを定期的に確認するのが基本です。

合成皮革やビニール素材のサドルは、水に濡らして固く絞った布で拭くだけで十分です。汚れが落ちにくい場合は自転車用のクリーナーや薄めた中性洗剤を使い、洗剤成分が残らないよう水拭きで仕上げます。パーツクリーナーなどの溶剤系クリーナーは素材を傷めるため避けてください。

本革サドルは水濡れに弱く、濡れたまま放置すると型崩れや変色の原因になります。雨天時はサドルカバーで保護し、専用のレザーオイルやクリームで定期的に油分を補給する必要があります。

サドルは走行中の振動で少しずつ緩むため、ボルトの緩みも定期的にチェックしましょう。乗る前に毎回サドルを手で軽く動かして確認する習慣をつけると、走行中のトラブルを防げます。

交換したのにお尻が痛いのはなぜ?

サドルを交換したのにお尻が痛い場合は、形状が体に合っていないか、取り付け位置が適切でないケースがあります。

自転車サドルの調整
撮影:編集部

まずは、サドルの高さ・前後位置・角度を調整してみましょう。

サドルの取り付け位置が合っていないと、余計な圧力がかかりお尻が痛くなることが多いです。適切なサドルの取り付け位置は、体格や自転車のポジションなどさまざまな要素で変わります。微妙な調整で体にフィットすることもあるので、走りながらいろいろ試してみてください。

また、サドルを交換した直後は、お尻が馴染むまでの間痛くなることもあります。骨盤まわりの筋肉と皮膚が慣れるまでに時間がかかるため、乗車距離を少しずつ伸ばしながら様子を見てみましょう。

いろいろ試してみてもお尻が痛くなる場合は、座面の幅や形状などが体に合っていない可能性があります。残念ですがほかのサドルへの交換も検討してみましょう。

交換の前にサドルカバーを試してみるのもアリ

自転車のサドルカバー
出典:Amazon

今のサドルのお尻の痛みや表面の破れといった悩みを手軽に解決したいなら、サドルカバーという選択肢もあります。

サドルカバーは今のサドルにかぶせて使うアイテムで、工具不要で取り付けでき、価格帯もリーズナブルな物が多いです。ジェルや低反発ウレタン入りのサドルカバーはお尻への圧迫を和らげ、表面がビニール製のタイプは破れた箇所を覆って雨水が入りにくくなります。

ただし、座面の幅や形状そのものは変えられず、破れの進行を止めることもできません。あくまでサドル交換までのつなぎや、お尻の痛み改善のお試しなどで使ってみるのがおすすめです。

▼自転車のサドルカバーについてはこちら!

サドル交換で自転車をもっと快適に、楽しもう!

自転車サドルの交換
撮影:編集部

サドルは自転車の中でも交換しやすいパーツですが、乗り心地の改善や見た目のカスタムなど費用対効果も大きいポイントです。今のサドルに不満を感じている方や、もっと快適にしたい方は、ぜひご自身でのサドル交換に挑戦してみてください。

ご自身に合うサドルを見つけられれば、自転車ライフがもっと快適に、楽しくなるかもしれません。

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