自転車の油汚れで服が汚れた、こんな時どうする?
メンテナンスだけでなく、通勤・通学などよく自転車を使っている人も、気がついたら油汚れが、服についてしまったなんてこともありますね。
この記事では、服に自転車の油がついてしまった時、どうやって落とせばいいのかをお伝えしていきます。
油汚れの原因は「潤滑油」や「機械油」
自転車の油汚れの原因は、メンテナンスなどに使う潤滑油や機械油など。このタイプの油は、粘度があり、汚れが落ちにくかったりします。
チェーンのサビや摩耗から防ぐ「チェーンオイル」や、各金属部品の摩耗を防ぐ「グリス」、「ケミカルオイル」などが、あります。
また、洗車の際に使う「チェーンクリーナー」などにもオイルが含まれるので、それで汚れてしまう方も意外に多いです。
油なので洗濯機で洗っても落ちにくい
自転車に使われる油は、粘度の高いタイプが多く、地面のホコリや汚れを引き寄せる性質があります。また、油汚れは、服の繊維の奥にまで浸透してしまうやっかいな存在。
さらに悩ましいのが、潤滑用ケミカルオイルなどは、”浸透性””水置換性”という、水に浸透しやすい性質がゆえ、繊維の最深部にいきわたってしまうことも。
洗濯用洗剤だけでは、このようなガンコな油汚れが落ちなかったりします。
家にある物で油汚れを落とすことができるかも?
日常生活でも、料理や食事などで油汚れがつくことがありますが、油汚れ落としに適したアイテムは、生活用品の中にあったりします。まずは、下記のアイテムがあるか確認してみましょう。
·クレンジングオイル
·油汚れ落とし専用石鹸
·重曹
上記アイテムを使った、自転車の油汚れの落とし方を4つお伝えしていきます。
落とし方①【中性洗剤(台所用洗剤)】1番手軽な方法
台所用洗剤でも良く使われる中性洗剤。ご家庭で使っているものがあれば、試しやすいですし、なかったとしても入手しやすいですね。
洗剤は、酸性、中性、アルカリ性の3つに分けられ、液体が酸性かアルカリ性なのかを表すペーハー値(pH)によって知ることができます。ペーハー値は、0〜14まであり、中性洗剤は、中間の6.0以上、8.0以下の洗剤のこと。
中性洗剤は、頑固な汚れを落とすのには不向きですが、界面活性剤という成分が含まれていて、油汚れを乳化させて(水と油を混ぜ合った状態にすること)、浮かせて落ちやすくする働きがあります。
<中性洗剤を使った落とし方>
①固形物がついていたら、先に取り除く
②ぬるま湯に服などの汚れた部分を軽く浸し、油をゆるませる
③汚れた所の裏側にタオルをあてておき、汚れた部分に中性洗剤をつける
④ブラシを使って軽く叩く
⑤ぬるま湯または水で軽くすすぎ、汚れの具合を確認
⑥まだ残っている時は、③〜⑤を繰り返す
⑦汚れが落ちていたら、仕上げに洗濯機で洗う
·色落ちする可能性があるので、色柄物は目立たない場所で試してみる(中性といっても、弱アルカリ性寄りの洗剤もあるため)
落とし方②【クレンジングオイル】生地に優しい洗い方
ファンデーションや口紅といった化粧品には、油分が含まれていることが多く、それを落とすために作られたクレンジングオイルは、自転車の油汚れを落とすにも有効です。また、クレンジングオイルがない場合は、オリーブオイルでも代用ができますよ。
<クレンジングオイルを使った落とし方>
①固形物がついていたら、先に取り除く
②汚れた所の裏側にタオルをあてておき、クレンジングオイルを垂らす
③ブラシを使って叩く
④ぬるま湯で軽くすすぎ、汚れの具合を確認
⑤汚れが落ちていたら、最後に洗濯機で洗う
汚れがひどい場合は、落とし方①と組み合わせて、まずは中性洗剤で洗い、その後クレンジングオイルを使って洗うと、より落ちやすくなりますよ。
·色柄物は輪ジミがおきやすいのでよくすすぐ
落とし方③【油汚れ落とし専用石鹸】コスパよく真っ白に
油汚れ落とし専用石鹸は、「弱アルカリ性」で「蛍光増白剤」が入っており、頑固な汚れを良く落としてくれます。まず弱アルカリ性というのは、pHが8以上11未満のこと。油汚れは酸性なので、アルカリ性の石鹸を使うことで、中性になり汚れがよく落ちるのです。
ただ、pHが12以上のアルカリ性になると、汚れは落ちますが、肌への刺激が強く、衣類の色落ちなどのリスクもあるので、油汚れ落とし専用石鹸には、刺激も少なめな弱アルカリ性が使われています。
蛍光増白剤というのは、頑固な汚れを落として、より白くしてくれる成分。白物の衣類には効果的ですが、色柄物は、色落ちなどの可能性もあるので、注意が必要です。
おもな油汚れ落とし専用石鹸を、あげてみましょう。
- ●ウタマロ石鹸
- ●ウタマロリキッド
- ●ミヨシ純石鹸
- ●シャボン玉スノール純石鹸
ウタマロ石鹸(固形)は、白物の部分洗いには最適なのですが、色柄物ならば、「ウタマロリキッド(液体)」がおすすめです。そして、ミヨシ純石鹸やシャボン玉スノール純石鹸も、ウタマロリキッドと同様、肌や衣類にも優しい、無着色・無香料。ウタマロ石鹸との大きな違いはこれだけなので、お好みで選んでいただければOKですよ。どれも低価格で、コスパよく汚れが落とせるという点も◎。
<油汚れ落とし専用石鹸を使った落とし方>
①汚れた部分をぬるま湯で濡らす
②汚れた部分に石鹸をつけて、もみ洗いをする
③汚れが落ちていたら、洗濯機で洗う
東邦 ウタマロ マホー石鹸
ガンコな自転車の油汚れもまっしろに!白色限定ではあるが”使える”石鹸!
発売60周年を迎える、東邦のベストセラー石鹸。
子供の上履きや、部活で汚れたユニフォームの本来の白さを取り戻すと評判ですが、自転車の油汚れにも使えます。
含まれている”蛍光増白剤”は安全性が確認されているものを使用し、洗い上がりの服に袖をとおしても肌にダメージを与えるということはありません。
重量 | 133g |
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成分 | 純石けん分(98%、脂肪酸ナトリウム)、蛍光増白剤 |
参考価格(税込) | 154円 |
落とし方④【重曹+漂白剤+クエン酸】黄ばみもある汚れに
重曹は、正式名称は”炭酸水素ナトリウム”といい、アルカリ性なので、酸性の油汚れを中和し、汚れを溶けさせやすくできるため、しみ抜きによく使われます。
重曹に漂白剤をプラスすることで、洗浄力がよりアップ、油汚れだけでなく、黄ばみも効果的にとれます。ただ、漂白剤は、色柄物に使うと、色落ちしてしまうので、白物に使うのがおすすめ。また、漂白剤は、酸素系と塩素系の2タイプありますが、衣類を傷める可能性が少ない酸素系がよいでしょう。
汚れがひどい場合には、重曹の代わりに、よりアルカリ成分の高い「セスキ炭酸ソーダ」を使うのも◎。
<重曹+漂白剤を使った落とし方>
①重曹と漂白剤を1:1の比率で混ぜる
②汚れた所の裏側にタオルをあてておき、①をつける
③ブラシで叩いてなじませる
④ドライヤーを使って温める
⑤水で溶かしたクエン酸をかける
⑥水でもみ洗いして、汚れを確認する
⑦汚れが落ちていたら、洗濯機で洗う
·クエン酸は衣服のダメージを軽減するために必要(重曹と漂白剤はアルカリ性なのでクエン酸をかけて中和させる)
自転車の油汚れを落とす時のポイント
服についてしまった、自転車の油汚れを落とす時には、次のことに気をつけましょう。
なるべく早く洗おう
服に油汚れがついてしまった場合、気がついたらすぐに洗うのが鉄則です。これは時間が経つと、より落ちにくくなるためです。出先で気がついた時は、石鹸やクレンジングオイルで軽く洗うだけでも、応急処置になります。
最近では、クレンジングオイルがホテルのアメニティに含まれることがありますし、意外にも入手しやすいアイテムであったりしますので、チェックしても良いでしょう。
ぬるま湯を使おう
油汚れに水をつけると、落ちにくくなってしまいます。その理由は、水と油では水のほうが重く、水が汚れを邪魔してしまい落としづらくさせるため。できればお湯を使って洗うようにしましょう。油がついたお皿も同じですが、水よりもお湯のほうが油分をゆるませてくれ、汚れも落ちやすくなります。
ウールやシルクなどには石鹸や漂白剤はNG
ウールやシルクは、とてもデリケートな素材。これらの素材のタンパク繊維は、アルカリに弱い性質があるので、石鹸や漂白剤を使うと、収縮してしまったり、色が抜ける原因となります。ウールやシルクには、中性洗剤や、専用の洗剤などを使って洗いましょう。
デリケートな衣類はクリーニングに出すのが無難
デリケートな素材を使った服や、思い入れのある服などは、汚れは確実に落としたい反面、色落ちや、生地が傷むのもさけたいですよね。そういった汚れも、クリーニングに出せば、プロがしっかりとしみ抜きをしてくれますし、家でやりがちな色落ちといったトラブルを避けることができます。
また、どんな方法を使っても油汚れが落ちなかった場合や、忙しくて洗う時間がないといった場合、ネットのしみ抜きサービスが便利。申込書と品物をお店に発送すれば、きれいにしみ抜きをして、送り返してくれますよ。
油汚れを落とすのに便利なグッズをご紹介
油汚れを落とすためには、どんなアイテムを使うと便利かをご紹介します。
●洗面器(ボールなど)
洗面器は、油汚れを浮かして汚れを落ちやすくするために、お湯などをためて使います
●ブラシ(使い終わった歯ブラシ)
油汚れを落とすために、ブラシを使って叩いたり、こすったりすることができます。専門のブラシでなくても、使い終わった歯ブラシでもいいので、掃除用に1、2本は、とっておくと良いですね。
●汚れてもよいタオル1〜2枚(汚れを移す)
中性洗剤や、クレンジングオイルを使って汚れを落とす時には、あて布が必要です。浮いてくる汚れをタオルに移して、落とすためなので、汚れてもいいものを用意しましょう。
事前の油汚れ対策も、おすすめです。
服についた油汚れは、どうしても落ちにくいもの。被害を最小限にするために、こんなことにも注意してみてはどうでしょうか。
汚れてもいい服で自転車に乗ろう
自転車のメンテナンスや洗車などは、油汚れだけでなく、水しぶきや泥がかかったりすることもありますので、汚れてもいい服を着て行うようにしましょう。そのほかにも、サイクリング、買い物など、自転車に触れるときは、大事な服を着ないようにするなど、意識することも大切です。
チェーンに巻き込まれやすい服に注意
すそが長い、ワイドパンツのような広いズボンやスカートなどは、チェーンに巻き込まれやすく、チェーンの油で汚れやすいです。自転車に乗る時は、チェーンに巻き込まれにくい服を選ぶだけでなく、そういった服を着る場合は、裾バンドなどを利用して、巻き込まれにくい工夫をしましょう。
オーストリッチ(OSTRICH) ズボンクリップ B [2本1組]
自転車のスソ汚れ防止!反射テープで夜間走行も安全に
日本の自転車用品メーカー・オーストリッチが発売している中で、最もシンプルなズボンクリップ。
マジックテープで巻きつけるタイプなので、足首にしっかりフィットしてくれるのがうれしい!
普段着で乗る機会が多い人は、油汚れだけでなく、巻き込み防止ためにも1組所持しておくとよい商品。
カラー | ブラック・グレー・ブラウン・ピンク |
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材質 | ゴム |
長さ | 325mm |
ドライ系のチェーンオイルを使う
ドライ系のチェーンオイルは、粘度が低いためチェーン自体が汚れにくく、仮についてしまっても、きれいな油の状態であれば被害が小さく済むことも多いです。ただ、チェーンオイルの効果が切れるのはウェット系より早いため、こまめな注油が必要というデメリットも。
ドライ系かウェット系か、選ぶポイントは、どちらに重点を置くかということ。こまめに注油やメンテナンスができるならドライ系が、それほど頻繁に注油はできないけれど、多少の服の汚れは気にならないならウェット系が良いかもしれません。
自転車の油汚れをきれいに落とそう
自転車の油汚れは、メンテナンスだけでなく、乗っているだけでも、多少はついてしまうもの。ただ、適切な洗い方をすれば、きれいに落ちるでしょう。
普段の生活でも応用できますので、この機会に専用石鹸や重曹など必要なアイテムをそろえてみてはいかがでしょうか。