日中の暑さをさけた、サイクリング
真夏の日中は、気温の高さに加え、アスファルトからの照り返しも強く、少し走っただけでも体力を消耗してしまいます。「夏でももっと快適に走れないだろうか」と考えたとき、思い浮かんだのがナイトサイクリングでした。
夜になれば気温が下がり、日差しを気にせず走れるだけでなく、道路の交通量も日中より落ち着く時間帯があります。
そこで今回は、夏だからこそ楽しめる夜の横浜へ。ライトアップされた街並みを、自転車ならではのペースで巡ってみることにしました。
今回は横浜ベイエリアを中心に走ります
自転車の機動力を生かして、みなとみらいの夜景をさまざまなスポットから楽しむ。今回のコースは、山下公園からスタート。その後いったん北上し、そこから横浜ベイエリアをぐるっと南下して行きます。
Googleマップで、自転車でのルート検索すると、ハンマーヘッドから象の鼻パークまでが、かなり大回りで表示されます。自転車では走れないと判断しているようですが、実際には走ることができます。そこで、上の地図は徒歩ルートで検索しています。
19:00|マジックアワーからスタート【山下公園】

まだ空に明るさが残る時間帯に、山下公園からスタート。昼から夜へと移り変わる横浜の表情を楽しみながら、今回のナイトライドが始まります。
夕暮れに染まるみなとみらいを眺める

山下公園から見えるみなとみらいの街並みは、日没直後ならではの柔らかな色合い。ビル群に少しずつ灯りがともり始めます。
ベイブリッジと氷川丸も夜の表情へ

視線を反対側へ向ければ、ライトアップが始まった 横浜ベイブリッジ と 日本郵船氷川丸 。港町・横浜らしい景色が広がります。
ピンク色の夕焼けを追いながら次の目的地へ

北へ向かって走り始めると、ビルの隙間から鮮やかなピンク色の夕焼けが見えました。移動しながら景色が変わるのも、自転車ならではです。
19:40|異国の気配を感じる特別な場所【横浜ノース・ドック】
ここからは少し横浜の“裏側”へ。観光地とは異なる空気が漂う、非日常的なエリアに足を伸ばします。今回の移動の中では最長の5.7kmを走ります。
横浜の街を抜けて港の物流エリアへ
パシフィコ横浜など、横浜らしいおしゃれな通りを進みます。

コットン大橋を渡って、さらに進みます。マンション群の夜景が綺麗です。

さらに進んでいくと、中央卸売市場や倉庫群が並ぶ、観光地とは違う風景が現れます。

橋の向こうに、少しだけ「アメリカ」が見える

瑞穂橋に到着。車の往来もまばらです。
瑞穂橋を渡ると瑞穂埠頭が広がります。「横浜ノース・ドック」と呼ばれる 在日米軍施設として使われているエリアです。
橋を渡ることは出来るようですが、基地の撮影は出来ません。独特の緊張感がただよいます。
橋を少しだけ進んで右を見ると、みなとみらいの夜景が広がります。

普段訪れることのない港湾エリアから眺める横浜の夜景はどこか新鮮。
対岸に広がるコットンハーバーのマンション群やみなとみらいの灯りが水面に映り込み、いつもの横浜とは少し違う表情を見せてくれます。
瑞穂橋のたもとには、1954年創業の老舗バー「スターダスト」が佇みます。

ネオンが灯るクラシックな外観はどこか映画のワンシーンのよう。
現代の横浜とは少し切り離されたような、不思議な時間を感じさせます。
非日常的な空間を楽しんだら、次はお馴染みの横浜ベイエリアを巡って行きます。まずは、横浜ハンマーヘッドを目指します。先ほど来た道を戻る感じです。
JR貨物の高島線の踏切を越え、普段の横浜へ戻って行きます。

いつもの景色にホッとします。みなとみらい方面に戻って来ました。

ここからは再び観光エリアへ。
夜のベイエリアらしい華やかな景色をハシゴして行きます。
20:30|港の新しいランドマーク【横浜ハンマーヘッド】
横浜ハンマーヘッド は客船ターミナル、商業施設、ホテルが一体となった新しい人気スポットです。
駐輪場が無料なのは嬉しいポイント。気軽に自転車を停めてゆっくり立ち寄れます。

歴史あるクレーンを活かした複合施設

この施設の名前の由来にもなっているのが「ハンマーヘッドクレーン」。
1914年に横浜港の荷役用として設置された歴史的遺構で、かつて横浜港の発展を支えてきました。現在はクレーンをシンボルとして残しながら、海を望むデッキで夜景とともに食事や休憩を楽しめるスポットとなっています。
デッキから眺める洗練された横浜夜景

デッキの角を曲がって、違う角度から。

海風が心地よいハンマーヘッドデッキでは、レストランのデッキ席も充実。
目の前に横浜の夜景が広がる中で食事を楽しむことができます。夏のナイトライドにぴったりの休憩スポットになっています。
次はハンマーヘッドから赤レンガ倉庫前を抜け、「象の鼻パーク」を目指します。距離にして650m、5分ほどで到着です。
20:50|海がすぐそこにある開放感【象の鼻パーク】
象の鼻パーク は横浜港発祥の地として整備された公園です。
海と街がもっとも近く感じられる場所のひとつ。ゆっくり景色を楽しみたいスポットです。
開港の歴史を感じる水辺空間

入り口には象のお出迎え。ここから先は自転車から降りて進みます。
幻想的な光る壁のオブジェ

園内には、やわらかな光を放つ壁状のアートオブジェが設置されており、夜の象の鼻パークを幻想的な雰囲気で包み込んでいます。
赤レンガ倉庫を海越しに眺める贅沢

自転車を押して岸壁に向かいます。海がすぐそこにありました!
目の前は赤レンガ倉庫。ライトアップされた 赤レンガ倉庫と海の近さが、この場所ならではの魅力です。
そして次は、象の鼻パークとまさに”目と鼻の先”にある、大さん橋に向かいます。
21:00|24時間楽しめる横浜屈指の展望スポット【大さん橋】

大さん橋国際客船ターミナルは国内外の大型客船が寄港する港の玄関口です。
横浜夜景の定番スポットですが、自転車は駐輪場に停めて楽しみます。駐輪場は無料です。
24時間開放の「くじらのせなか」へ
広大な屋上広場「くじらのせなか」からは、横浜ベイエリア全体を見渡すことができます。24時間開放されていると、今回初めて知りました。

夏のナイトライドにはとてもありがたいですね。とにかく広くて心も開放的になります。
まずは、みなとみらい方面をチェック。

文句なし、まるで絵葉書のような夜景が目の前に広がります。
ベイブリッジ方面もチェック。

ベイブリッジも綺麗に見えました。
視界を遮るものがないので、360度夜景を楽しめます。そして、広い!海の夜風を受けながら、気持ちの良いお散歩となりました。
時刻は21時すぎ、小雨が降って来ましたが、最後の目的地、「港の見える丘公園」を目指します。大さん橋からの距離は2km、海沿いから少しだけ離れて、谷戸坂という急坂を登ります。
21:30|最後は坂を登ってご褒美夜景へ【港の見える丘公園】
港の見える丘公園 は、横浜港やベイブリッジを一望できる人気のビュースポット。
園内には美しいバラ園が広がり、周辺には 神奈川近代文学館 や歴史ある 山手西洋館 が並ぶなど、横浜の歴史や文化にも触れられる魅力的な公園です。
横浜らしい夜景を横目に、最後のビュースポットへ
大さん橋を後にし、横浜港に沿って走る海岸通り、本牧通り(主要地方道82号線)を経由して目的地である 港の見える丘公園 へ向かいます。
道中には、老舗ホテルとして知られる ホテルニューグランド 。

そしてライトアップされた 横浜マリンタワー 。

次々と現れる横浜らしい景色を楽しみながら走る時間が続きます。
横浜らしい急坂・谷戸坂を登る

最後に待つのはしっかりした登坂。短いながら脚にきます。最後はひいて登りました。
やっと到着!

そしてまるで劇場を思わせるような見事な照明。

落ち着いた雰囲気で、夜でも安心できる環境でした。そして、いよいよ最後の夜景を見下ろします。
高台から見下ろすベイブリッジ

港の見える丘公園 から見下ろすベイブリッジは格別です。
海辺から高台まで巡ったからこそ、最後の景色がより印象深く感じられます。最後まで諦めずに登って来て良かった、そう思わせてくれる夜景で締めくくることができました。
夏のナイトライドを安全に楽しむために

夜は涼しく快適な一方で、昼間とは違う注意も必要です。快適さだけでなく安全面にも気を配りましょう。
明るいフロントライトを用意する

夜間走行でまず重要になるのが、前方をしっかり照らせるフロントライトです。街灯のある市街地でも、路面の小さな段差や舗装の傷みは意外と見落としがち。
市街地であれば300ルーメン程度の明るさがあれば十分ですが、海沿いや公園周辺は場所によって暗くなることもあるため、400〜500ルーメンなど、余裕のあるライトを選んでおくと安心です。
▼自転車ライトの記事はこちら
リアライトも大切です

夜間は自分が見えること以上に、「周囲から見つけてもらうこと」も大切です。
後方から接近する自動車や他の自転車に自分の存在を知らせるためにも、リアライトを装着しておくと安全性が高まります。点滅モードを活用すれば、視認性もさらに向上します。
▼テールライト・反射材の記事はこちら
雨への備えも忘れずに

夏は夕方以降でも急な雨に見舞われることがあります。
特に近年は短時間で激しく降るゲリラ豪雨も珍しくありません。出発前に天気予報を確認するのはもちろん、スマートフォンを防水ケースに入れておく、小さく畳めるレインウェアを携帯するなど、万が一への備えがあると安心して走れます。
この日も最後に雨が降りましたが、コンパクトな撥水ウインドブレーカーでかなり助かりました。薄くて、ベタベタになった気がしましたが、脱いだらTシャツは濡れていなくて、ウインドブレーカー自体もすぐに乾いて快適でした。

夏だからこそ、夜の横浜を走ってみよう

真夏はどうしても昼間のライドが厳しくなりがちですが、時間帯を変えるだけでサイクリングはぐっと快適になります。
今回巡った横浜ベイエリアは、どこも有名なスポットばかり。それでも、見る場所が変わるだけで夜景の印象は大きく変わります。
この夏はぜひ、昼とは違う横浜の景色を楽しむナイトサイクリングに出かけてみてはいかがでしょうか。