【関西のMTBパーク】ゲレンデライドを楽しむならここ!「UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)」を実走レポート

関西で唯一、リフトを使って“ゲレンデライド”が楽しめる「アップかんなべ(UP MTB PARK in KANNABE)」。

実際にどんなフィールドなのか確かめるべく、2025年9月と10月の2回にわたって現地を訪れ、全コースを実際に走ってきました。

本記事では、各コースの特徴や料金、設備、周辺スポットまでを、初めて訪れる人でもイメージできるように、現地の写真とともに徹底レポートします!

目次

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)ってどんなところ?

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)

兵庫県・神鍋高原にある「UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)」は、冬はスキー場として営業する「神鍋高原スキー場」のゲレンデを活用し、春から秋にかけてオープンする常設のマウンテンバイクパークです。

リフトにマウンテンバイクを載せて山頂まで上がり、ダウンヒルを繰り返し楽しめるのがゲレンデ型パークの魅力。アップかんなべでは、初級・中級・上級と乗り手のレベルに合わせた多彩なコースが整備されています。

大阪市内から車で約2時間半、北近畿豊岡道「日高神鍋高原IC」から約15分とアクセスも良好。広々とした駐車場(無料)も完備されており、関西では唯一の“ゲレンデライド”を体験できるスポットです。

営業日はリフトが運行する土日と祝日のみとなっており、リフト券付きの1日利用料金は大人¥4,400。詳しい料金やレンタル情報は記事後半で紹介します。

所在地兵庫県豊岡市日高町山田 420 神鍋高原スキー場内
営業期間4月中旬~11月中旬
営業時間9:00〜16:30
リフト運行日土日祝
駐車場あり(無料)
コース監修プロライダー 阿藤 寛氏
公式サイトkannabe.co.jp/up-mtb-park
Instagram@upkannabe

コース紹介

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)のコース

続いては各コースの紹介です。

UP MTB PARK in KANNABE には全7コースがあり、内訳は初級1つ・中級5つ・上級1つ。一本ずつ、どんな性格のラインなのか見ていきます。

初級:MarshMallow(マシュマロ)

初級:MarshMallow(マシュマロ)

ゲレンデの緩やかな斜面を活かした、初級者向けのコース。路面の大部分が芝で構成されており、凹凸が少なく、マウンテンバイク初心者でも安心して滑走できます。

初級:MarshMallow(マシュマロ)

一方で、途中には勾配のきつい区間や、砂利が転がるセクションもあるので油断は禁物! 初級者はもちろん、中級者にとってもフォームやコーナリングなど、基礎を見直す練習コースとしておすすめです。

山の上から一気に駆け降りる感覚は、まさにゲレンデならでは。初級向けながら、マウンテンバイクの爽快感を存分に味わえる一本です。

初級:MarshMallow(マシュマロ)

中級:MINT(ミント)

中級:MINT(ミント)

MarshMallow(初級)からのステップアップに最適なコース。全体的に道幅が広く見通しも良好で、適度な斜度とリズムのある地形構成により、ビュンビュン下れる流れのいい一本です。

中級:MINT(ミント)

中級のなかでも比較的やさしいコース設計なので、初級コースに慣れてきたらチャレンジしてみるといいでしょう。

中級:MINT(ミント)

中級:KAMIKAZE(カミカゼ)

中級:KAMIKAZE(カミカゼ)

スタート直後から、コース中央に大小の石が敷かれたテクニカルなラインが続きます。その上を走行するにはバイクコントロールの精度が求められ、序盤から気を抜けない構成です。

とはいえ、ルートを少し外せばフラットな路面もあり、走り方を選べるのがこのコースの面白さ。

中級:KAMIKAZE(カミカゼ)

後半は打って変わって、スピードに乗って流れるように下れるセクションへ。テクニカルな前半とフロー感のある後半、そのコントラストがクセになる一本です。

中級:KAMIKAZE(カミカゼ)

中級:TENGOKU(テンゴク)

中級:TENGOKU(テンゴク)

中級から上級への橋渡し的なコース。タイトな“壁のようなカーブ(バーム)”が続き、スピードを保ちながら体を預けて曲がる感覚がクセになる一本です。

中級:TENGOKU(テンゴク)

バームの角度やリズムが絶妙で、コーナリングのスムーズさが試されるセクションが多め。コースの後半はこのあとに紹介する「MILKCHOCOLATE」や「NollieWoods」へとつながります。

ほかのコースで感覚をつかんできたら、腕試しに挑戦してみたいコースです。

中級:TENGOKU(テンゴク)

中級:NollieWoods(ノーリーウッズ)

中級:NollieWoods(ノーリーウッズ)

木々の間を縫うように走る、林間セクションがメインのテクニカルコース。根が張り出した路面とタイトなコーナーが連続し、バイクコントロールの正確さが試されます。

中級:NollieWoods(ノーリーウッズ)

このパークの中でも少し毛色の異なるコースで、走りに変化をつけたいときにもおすすめ。初級「MarshMallow」もしくは中級「KAMIKAZE」から合流できます。

中級:NollieWoods(ノーリーウッズ)

中級:MILKCHOCOLATE(ミルクチョコレート)

中級:MILKCHOCOLATE(ミルクチョコレート)

スタート直後の程よいサイズのパンプは、スキルのあるライダーならジャンプでも抜けられるセクション。続くリズミカルなバームでは、後半にかけて自然とスピードが上がっていきます

中級:MILKCHOCOLATE(ミルクチョコレート)

さきほどの「NollieWoods」と同様、「MarshMallow」「KAMIKAZE」から合流できます。連続するバームをテンポよく抜けていく感覚が楽しい一本です。

中級:MILKCHOCOLATE(ミルクチョコレート)

上級:KITAKABE(キタカベ)

上級:KITAKABE(キタカベ)

パーク最上部に設けられたスタート台から始まる上級コース「KITAKABE」。

急勾配の斜面に加えて、連続するパンプやタイトなバームが配置され、スピードを保ちながらラインをつないでいく技術が求められます。ところどころにジャンプセクションもあり。

上級:KITAKABE(キタカベ)
上級:KITAKABE(キタカベ)

ブレーキングや体重移動、ライン取りなど、バイクを自在に操る総合スキルが問われます。経験者でも気を抜けない、上級者向けのチャレンジングなコースです。

上級:KITAKABE(キタカベ)
上級:KITAKABE(キタカベ)

スキルアップエリア(パンプトラック)

スキルアップエリア(パンプトラック)

受付棟の隣には「パンプトラック」と呼ばれるスキルアップエリアも設置されています。

パンプトラックとは、ペダルをこがずに体の上下動(パンピング)だけでスピードを維持する練習用コースのこと。マウンテンバイクの操作や体重移動など、基礎的なテクニックを習得できます

初めてマウンテンバイクに乗る人は、まずここで感覚をつかんでからダウンヒルコースにチャレンジしてみましょう。

レベル別おすすめの回り方

ここまで、UP MTB PARKに設置されている7つのコースとスキルアップエリアを紹介してきました。「自分は初心者だけど、1日中楽しめるかな?」「どのコースから走ればいいんだろう?」と気になる人も多いはず。

そこで次は、初心者・中級者・上級者それぞれにおすすめの回り方について紹介します!

初心者は「パンプトラック」「マシュマロ」から

初級コース「マシュマロ」
穏やかな芝の斜面が続く「マシュマロライン」

午前中はとにかく「パンプトラック(スキルアップエリア)」と「マシュマロライン」で基礎固め。パンプトラックでバイクコントロールに慣れてからマシュマロラインに出ると、すぐに感覚をつかめるはずです。

慣れてきたら、午後から中級コースに挑戦してみるのもいいでしょう。なかでも「ミント」は、マシュマロラインに慣れた人のステップアップにぴったり。とはいえ、1日中マシュマロを走っているだけでも十分に楽しめます

中級者は「カミカゼ」や「テンゴク」へ挑戦

中級コース「テンゴク」
連続するバームが続く「テンゴク」。この先で「ノーリーウッズ」や「ミルクチョコレート」に分岐する

中級者は、「カミカゼ」や「テンゴク」にトライ。とくにテンゴクから「ノーリーウッズ」や「ミルクチョコレート」へとつなげる流れは、走りごたえもあっておすすめです。

スピード感のあるフローラインから、テクニカルなバームが続くコースまで、中級コースはバリエーションが豊富。すべてのコースを走り切ったら、仕上げに上級「キタカベ」で腕試ししてみては。

上級者は「キタカベ」で遊びたおす

上級コース「キタカベ」
パンプとバームが続く、上級者のためのチャレンジライン「キタカベ」

上級者は、やっぱり「キタカベ」で一日じっくり遊び尽くしたい。スタート台から始まるコースにはパンプやバームが連なり、スピードコントロールとライン取りの技術が試されます。

中級コースでは物足りなくなったライダーには、この一本が最高の遊び場になるはずです。

現地の設備や利用のながれ

「行ってみたいけど、どんな流れで利用するの?」、そんな人のために、現地での過ごし方や設備をまとめました。

駐車場や受付場所、リフトの使い方、昼食スポットまで、初めて訪れる人でも安心して楽しめるようにポイントを整理しています。実際の導線をイメージしながらチェックしてみてください。

駐車場はかなり広い

駐車場

パーク近くの駐車場はとても広々。満車になることはまずないでしょう。しかも、駐車料金は無料です。

受付棟「ベルハウス」は、駐車場の奥に進み、右側の坂を少し登ったところにあります。バイクを降ろしてそのまま乗っていけばすぐ着く距離なので、準備ができたらそのまま受付へ向かいましょう。

受付は「ベルハウス」

ベルハウス

リフト券やレンタルの受付・支払いは、すべて「ベルハウス」で。現金のほか、クレジットカードやPayPayにも対応しており、料金は受付時に支払います

リフト券をつけたヘルメット

受付でリフト券を受け取ったら、自転車のトップチューブやヘルメットなどスタッフから見える位置に貼り付けましょう。

リフトの乗り方

リフトにMTBを載せているスタッフ

リフトの利用方法はとても簡単。

まずはスタッフに自転車を預け、自分が先にリフトへ乗り込みます。そのあと、スタッフが自転車を専用のリフトに載せてくれるので、頂上に着いたら自分が先に下りて待機。続いて到着した自転車を受け取り、コースへ向かうだけです。

リフトの乗り場ではスタッフが丁寧にサポートしてくれるため、初めてでもまったく問題ありません。

ランチが食べれるレストランも!

ロッヂ ユートピア

リフト乗り場のすぐ隣には、レストラン「ロッヂ ユートピア」があります。営業時間は11時30分から14時まで。日によっては、宿泊団体予約などでお休みの場合もあるようです。

ゲレンデで遊んだあとに、温かい料理をゆっくり味わえる休憩スポットですね。

チキン南蛮定食

この日はチキン南蛮定食(¥970)を注文。ボリューム満点で、疲れた体に染みるおいしさでした。なお、支払いは現金のみですのでご注意ください

自動販売機は4台設置

自動販売機

受付棟前には、飲み物用とアイス用の自動販売機がそれぞれ1台ずつ。さらに「ロッヂ ユートピア」前と店内にも飲み物用の自販機が1台ずつあり、パーク内には計4台が設置されています

トイレは2か所

トイレ

トイレは駐車場と受付棟(ベルハウス)の2か所にあります。とくに受付棟のトイレは清潔に保たれていて、利用しやすい印象でした。

洗車場もあり

洗車場

ライド後の洗車も安心。リフト前に無料の洗車場があり、ホース・ブラシ・スポンジのほか、Muc-Off(マックオフ)の洗浄液も設置されています。

利用料金

続いては、利用料金について紹介します。料金体系はシンプルで、リフト券とコース利用料がセットになっており、半日券または1日券から選べます。

また、レンタル用品も充実しているため、手ぶらでも気軽にマウンテンバイクを楽しめます

リフト券込みコース利用料

リフト
区分内容料金
大人(高校生以上)1日券(9:00〜16:30)¥4,400
子ども(中学3年生まで)1日券(9:00〜16:30)¥3,300
半日券(午前9:00〜13:00/午後12:00〜16:30)共通¥3,300
1回券大人・子ども共通¥700
回数券(7回分)大人・子ども共通¥4,500
シーズン券オープンからシーズン終了まで¥40,000
※料金は税込、保険料別。最新情報は公式サイトを要確認

バイクレンタル

レンタルバイク
車種バイクのみ(1日)バイクのみ(2時間)バイク+装備フルセット(1日)バイク+装備フルセット(2時間)延長料金(1時間ごと)
e-MTB(TREK Rail 9.7)¥10,000¥7,000¥15,000¥10,000×
フルサスペンションバイク¥8,000¥5,500¥12,000¥8,500+¥3,000
ダートジャンプバイク¥5,000¥3,500¥9,000¥6,500+¥2,000
キッズマウンテンバイク¥5,000¥3,000¥8,000¥5,000+¥2,000
※すべて税込価格。レンタルの事前予約は不可

レンタルバイクは種類も豊富で、フルサスペンション6台、ハードテイル3台、E-MTB(電動アシスト)2台、ジュニア3台、キッズ3台を用意。幅広い層が楽しめる構成になっています。

安全装備レンタル

ヘルメット
商品料金
ヘルメット¥2,500
プロテクター(ヒジ)¥1,500
プロテクター(ヒザ)¥1,500
ゴーグル¥1,500
グローブ¥1,000
※すべて税込価格。バイクレンタルの「フルセット」にはこれら一式が含まれます

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)に関するよくある質問

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)

それでは最後に、よくある質問とそれに対する回答を見ていきましょう。

初心者でも走れますか?

はい、問題ありません。

初めての方は、まず「スキルアップエリア」で感覚をつかんでから、初級コース「マシュマロ」を走ってみましょう。路面の大部分が芝で走りやすく、初心者の方はこのコースをメインに走るだけでも十分に楽しめます

子どもでも走れますか?

もちろん大丈夫です。

実際、取材で訪れた際も一緒に走っている親子をたくさん見かけました。家族でマウンテンバイクを楽しみたい方にもおすすめです。

雨の日でも営業していますか?

雨天でも営業しています

ただし、台風や強風などの荒天時にはリフトが運休となる場合があります。天候が不安定な日は、直接施設に問い合わせてみるといいでしょう。

リフトは毎日動いていますか?

リフトの運行は土・日・祝日のみ。運行時間は9:00〜16:30です。

平日はリフト運行がないため、走行を予定している方は注意してください。

昼食を食べる場所はありますか?

リフト乗り場のすぐ隣にある「ロッヂ ユートピア」で食事ができます

また、パーク周辺にもレストランがあり、自転車圏内には「アグリガーデン」や「和楽」などの飲食スポットも点在しています。

支払方法は?現金以外も使える?

支払いは現金のほか、クレジットカードやPayPayにも対応しています。リフト券、レンタル含め料金はすべて受付時に支払います。

周辺スポット

パーク周辺には、コンビニやレストラン、日帰り温泉など立ち寄りスポットも充実しています。

コンビニは車で2分

最寄りのコンビニは「ローソン神鍋高原店」。パークから車で約2分の距離にあり、ドリンクや軽食の買い出しにも便利です。

レストランは複数あり

パーク周辺には食事スポットも点在。自転車圏内には、地元野菜を使った料理やパスタが楽しめる「アグリガーデン」や、手打ちそばが人気の「和楽」などがあります。

ライドの合間や帰り道に、地元の味を満喫できるのうれしいポイントです。

日帰り温泉は車で1分

道の駅「神鍋高原」に併設された日帰り温泉「ゆとろぎ温泉」は、パークから車でわずか1分。ライド後にすぐ汗を流せる距離感です。

走り終えたあとの温泉はまさに格別。1日の締めくくりにぜひ寄ってみてください。なお、リフト券を温泉の受付で提示すると、入浴料が100円割引になります。

実際に訪れてみた感想

マウンテンバイク

今回9月と10月にわたって、2回に分けて取材で訪れましたが――結論、めちゃくちゃ楽しかったです

筆者は普段トレイル(実際の山)を走っているのですが、自力で登るのはやっぱり体力を使う。でも、リフト付きのゲレンデなら体力を温存したまま上に上がれるので、本数を重ねても疲れにくく、テンポよく走れますね。

それから自分のレベルは「中級くらい」だと自負しているのですが笑、中級コースのバリエーションが豊富で、1日中走っていてもぜんぜん飽きません。むしろもっと走りたいと思うくらいです。

とはいえ、もちろん初級者も上級者も楽しめます。取材中も、はじめてMTBに乗ったであろう人からベテランライダーまで、それぞれのスタイルで思い思いに走っているのが印象的でした。

総じて、アクセスの良さ・設備の充実度ともに申し分なし。関西圏のMTBライダーはもちろん、これからゲレンデデビューしたい人にもおすすめできるスポットです。

現地スタッフさんからひとこと

UP MTB PARK in KANNABEのスタッフ
UP MTB PARK スタッフ・山下さん

UP MTBパークは、上級者はもちろん、初心者の方でも安全に楽しんでいただける施設です。

「普段はロードバイクしか乗っていない」
「お子様と一緒にコースを走ってみたい」
「お友達同士で一度はチャレンジしてみたい」

そんな方も、手ぶらでお越しください。レンタルをご用意しておりますので安心です。MTBで自然を感じながら、心も体もリフレッシュしませんか。皆様のお越しをお待ちしております。

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)でゲレンデライドを楽しもう!

UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)

関西では唯一のゲレンデ型マウンテンバイクパーク「UP MTB PARK in KANNABE(アップかんなべ)」。

快適に過ごせる充実した設備、リフト付きで効率よく走れる環境、バリエーション豊富なコース構成など、どのレベルのライダーにとっても楽しめる要素がそろっています。

一度走り出せば、風を切って駆け下りる爽快感にきっとハマるはず。神鍋高原の雄大な自然の中で、マウンテンバイクの新しい楽しみ方を体感してみてください!