B.B.BASEはサイクリスト専用の快適列車
B.B.BASEは東京・両国駅を始発に、千葉県内の4エリアをつなぐサイクリスト専用の列車です。自転車を輪行せずともそのまま電車に乗り入れ可能で、車内の自転車専用ラックに固定し、のんびり座りながら目的地まで向かうことができます。
つまり、輪行する手間もなく、必ず座ることができ、乗り換えなしで自転車の遊び場に連れて行ってくれる、サイクリストにとってこれ以上ない乗り物なのです!
毎週行き先が違う。4つのエリアへ
B.B.BASEが向かうのは、
●内房エリア(館山駅、和田浦駅)
●外房エリア(上総一ノ宮駅、勝浦駅、安房鴨川駅)
●銚子エリア(松尾駅、干潟駅、銚子駅)
●佐原エリア(佐原駅)
の4つ。それぞれ個性豊かで、待ち受ける道も景色も異なります。B.B.BASEは週替わりで各エリアへ訪問するため、もし行きたいエリアがあるのであれば、先に運行表を調べてみましょう。
またB.B.BASEは土曜日、日曜日限定の運行で、本数も1日2本(往復)のみと、一般的な運行形式とは異なるため注意しましょう。
片道それとも往復? 走り方次第で利用して
当日は片道での利用でも、往復の利用でも可能です。例えば、往路は自走、復路はB.B.BASEなど、体力や目的に合わせてフレキシブルに使えます。
筆者は佐原エリアからそのまま霞ヶ浦に抜けて、りんりんスクエア土浦で輪行し帰宅した経験も。自身の目指す走り方に寄り添ってくれるプランなのも嬉しい点です。
停車駅がグンと増えた! どこから乗る? どこで降りる?
両国駅と各エリアを結ぶB.B.BASEですが、内房・外房コースであれば本千葉駅から、佐原・銚子コースであれば東千葉駅から乗車できます。もちろんどの駅も輪行せずに自転車をホームに持ち込めるため、快適性もピカイチなのです。
自転車を持っていない人はレンタサイクルで一緒にいこう
自転車で一緒に走りたいけれど、相手は自転車を持っていない。そんな時に利用したいのが、両国駅の隣で展開中の「レンタサイクル」サービスです。クロスバイクからロードバイクまで自転車の種類も充実しており、ヘルメットやパンク修理キット、保険代などもレンタルに含まれているため、当日は手ぶらで駅に向かえばOK。
「自転車にちょっと興味があるんだよね」という方も気軽にサイクリングデビューしちゃいましょう。
魅惑の遊び場4エリアが大集合
B.B.BASEが運行する4つのエリアの特長を紹介します。それぞれ初級〜上級コースがありながらも、異なった魅力を持つ土地がサイクリストを誘います。さあ、まずはどこへ行こう?
内房エリア
サイクリストなら一度は走りたい南房総を擁する内房コース。フラワーラインを中心に広大な房総の海原が広がります。アップダウンも少なく、初級者でもサイクリングの醍醐味をとことん堪能できるおすすめコースです。
両国からの乗車時間:2時間15分〜3時間
片道料金:4,500~4,700円
外房エリア
ダイナミックな太平洋はもちろん、房総半島内陸部へのアクセスも良い外房コース。養老渓谷や林道を攻めるにも最適なエリアです。里山の風景を楽しみながら、青々とした大自然に乗り込んでいく喜びを全身で体感できます。
両国からの所要時間:1時間30分〜2時間50分
片道料金:4,500円
銚子エリア
房総半島の最東端である銚子は、朝日が眩しい犬吠埼や「東洋のドーバー」こと屏風ケ浦など、海と陸が織りなす造形を巡ることができます。さらに見逃せないのが海の幸! 銚子漁港で水揚げされる新鮮魚介を楽しむのも一興です。
両国からの所要時間:1時間30分〜2時間30分
片道料金:4,400~4,500円
佐原エリア
町の中心部に「小江戸」が広がる佐原は、歴史と文化の町です。日本地図をはじめに作った伊能忠敬にも縁があったり、関東三大神宮の香取神宮が所在していたりと、ポタリングでその地の趣を味わえます。
また利根川を越え、茨城県の霞ヶ浦へ抜けることも可能。そのまま土浦駅にある「りんりんスクエア土浦」を利用することもできます。
両国からの所要時間:1時間30分
片道料金:4,300円
チケットはどこで買える?
チケットの購入は電話かWebサイト「えきねっと」から。おすすめはWeb予約です。前日18時まで予約可能で、主要駅(両国も含む)にある「指定席券売機」でも受け取りができます。
B.B.BASEって実はお得! すごいぞ、バウチャー券
値段は行き先によって異なります。例えばサイクリストに人気の内房コースは、片道で4,700円。例えば、従来通り両国駅からグリーン車を利用して館山駅まで向かうと、3,110円でした。が、実はB.B.BASEの乗車券には現地で使用できる1000円分のバウチャー券が含まれています! つまり、従来とほぼ同じ金額で、倍以上の快適性を手に入れられるのです。
「B.B.BASEって高くない…?」筆者も当初はそう思っていました。けれど改めて手間を考慮してみると、なんて良い極楽列車なのかと頷いてしまいます。
実際に乗ってみたよ
待ちに待ったB.B.BASEの乗車当日。ここでは両国駅からの乗車方法から車内の設備までみていきましょう。
乗り込みは幻の3番線ホームから
JR両国駅にはかつて千葉と東京を結ぶホームとして活躍していた「3番線ホーム」があります。普段は立ち入れない場所ですが、B.B.BASEはなんとその3番線から発車するのです。
両国駅に敷かれた足元の案内標識に沿って、自転車を押していくと……
3番線へつながるスロープが! 乗車券を係員に渡して、車内まで愛車と向かいます。もちろん記念撮影もお忘れなく。
専用ラックへの積み方
車内の目玉は、B.B.BASEのために開発された専用自転車ラックです。前後輪をラックの支柱に沿わせて固定するだけなので、10秒ほどで簡単に設置できてしまいます。またサドルバッグやフレームバッグなども装着したままで車載可能なので、バイクパッキングでも重宝しそうです。
ラックに積めない自転車でも大丈夫!
MTBや小径車など、専用キャリアの規格に合わなくとも、車内へ持ち込みできます。係員にキャリアへの設置ができない旨を伝えれば、空いているスペースに固定してもらえます。
快適な座席で悠々トリップ
各席はボックスシートとなっており、電源も設置されています。
クリートでも滑らない床面
床への配慮も一工夫。床はクリートシューズでも滑りにくい加工がされているため、揺れる車内でもグリップを感じながら歩くことができます。これはなかなか嬉しいポイント!
全コースコンプリートした筆者のマニアックな遊び方
実は何度もB.B.BASEを利用している筆者が、おすすめする変化球的B.B.BASEの楽しみ方。こんな遊び方があってもいいじゃない?
B.B.BASE×キャンプツーリングは最強だ!
房総半島には海沿いや山間部に数多のキャンプ場があります。さらに山間を縫うように幾多もの林道が張り巡らされており、バイクパッキングでのツーリングに最適といえるエリアなのです。……が、今までは首都圏からのアクセスがなかなか難しかったのも事実。それを解決してくれたのがB.B.BASEです。
バッグ類を取り外すことなく、乗り換えなしで目的地まで向かえるため、キャンプ道具を持っていても電車内でストレスを感じることがありません! これはすごいぞ!
電車×フェリーで東京湾を遊びきる
いろんな乗り物に乗れば乗るほど、旅は濃厚になるもの。ならば電車・自転車・船を組み合わせたらどうだろう。そこで考えたのが「東京湾フェリー」を利用するツーリングプランです。
内房の金谷港と神奈川県・久里浜港を結ぶ東京湾フェリーで、千葉県から神奈川県へ。房総半島と一緒に三浦半島も攻略してしまうという欲張りなツーリングも楽しめます。東京湾をぐるりと走りきる贅沢な一日に。
今週末はB.B.BASEで行っちゃう?
実はこんなにも近くにあった最高な自転車の遊び場・千葉県。その距離をもっと近づけてくれたのがB.B.BASEでした。初心者さんから上級者、レース志向からツーリング志向まで、すべてを受け止めてくれる大地が待っています。
天気が良いから? 走りたい道があるから? 理由は何だって大丈夫。
週末限定の極楽列車、出発進行です!
関連記事はこちら