ビーチクルーザーとは
ビーチクルーザーとは、アメリカ西海岸のサーフィン愛好家たちによって製作された自転車で、ストリームラインの頑丈なフレームに、大きめのハンドル、太目のバルーンタイヤを装備しているのが特徴です。
日本では、「サーファーが浜辺まで移動するための自転車」として広まり、今では海辺だけでなく、街中の移動手段として乗る人も多くいます。
ビーチクルーザーの魅力
一般シティサイクルやスポーツバイクとは少し違うビーチクルーザー。その特徴をみていきましょう。
流線形の頑丈なフレーム
まず特徴的なのが、曲線で構成されたおしゃれなフレーム。他の車種にはない独特のデザインは、ビーチクルーザーならではでしょう。
幅広なバルーンタイヤ
ビーチクルーザーのタイヤ幅は、50~60mmが一般的。ママチャリが35mm、ロードバイクが25mmに対し、倍ほどある極太タイヤを装着しています。
太くて柔らかいタイヤは、路面から伝わる衝撃を緩和してくれるので、乗り心地がいいのが特徴です。
大きなサイズのアップハンドル
幅広で、上側に湾曲したアップハンドルも、ビーチクルーザーならでは。
アップハンドルは、体の近い位置にハンドルがくるので、上体を垂直にしたまま乗ることができます。スピードは出しにくいですが、周りの景色を見ながら走るなど、ゆったり乗るのに適しています。
ただし、ハンドル幅が61cm以上の場合、歩道を走行することはできないので、注意が必要です。車道を走るなら、問題ありません。
足で操作するコースターブレーキ
足でブレーキをかけることができる「コースターブレーキ」が搭載されているモデルがあります。ペダルを逆回転させることで、後輪にブレーキが効く仕組みです。
しかし、ブレーキ操作に慣れていないと、ケガをする恐れも。初心者が公道を走る際は、スムーズに操作できるよう、練習しておきましょう。自信がなければ、一般的な自転車と同じ、前後にVブレーキが付いているモデルを選ぶのがおすすめですよ。
変速なしのシングルギア
変速のないシングルギアは、メカトラブルなく、メンテナンスも簡単で楽ちん。今までのビーチクルーザーはシングルギアが主流でしたが、最近では、変速付きモデルも増えてきました。
どちらが良い悪いはなく、走る地形や乗り方など、自身の用途にあわせて選ぶといいでしょう。
ビークルーザーのデメリット
一般シティサイクルとは仕様の違うビーチクルーザー。少し使いにくい部分もあるんです。
幅広なハンドル
ハンドル幅が広すぎるため、そのままのサイズでは歩道を走ることができません。自転車走行が認められている歩道を走るなら、61cm以下の幅にしましょう。
また、道幅が狭い場所や、人通り・交通量の多い場所では、ハンドルが邪魔になって走りにくく、駐輪の際は、隣の自転車にぶつかってしまうこともあります。
スピードが出しにくい
変速ができないシングルギアに、太いタイヤを装備しているため、スピードを出して走るのは苦手です。また、登り坂の多い地域には少し不向きで、平地をゆっくり走ることに向いています。
荷物運びは苦手
前カゴやキャリアなど、荷物を積むために必要な装備は、オプションで購入しなといけません。最初から付いているママチャリと比べると、その分コストがかかります。
片輪ブレーキのモデルに注意
ビーチクルーザーには、「前後にブレーキが付いている」モデルと、「前後どちらかにしかブレーキが付いていない」モデルがあります。日本では、片輪ブレーキで公道を走ることができません。注意しましょう。
ブレーキについては、記事後半で詳しく解説していきます。
ビーチクルーザーの選び方
初めてビーチ―クルーザーを購入するなら、チェックしておきたいポイントを確認していきましょう。
ブレーキの有無
日常使いで乗るなら、「前後にブレーキが付いているモデル」を選びましょう。ブレーキが付いてない自転車で公道を走ると、道路交通法により違反となります。
変速付きか
シンプルなシングルギアもいいですが、坂道走行や、スピードにのせて走りたいなら、変速付きを選ぶのもおすすめです。走る場所や、乗り方に合わせて選ぶといいでしょう。
おすすめモデル7選
初めてビーチクルーザーを購入する人向けに、おすすめモデルをご紹介します。
ビーチクルーザーの定番ブランドや、街中で乗りやすい変速付きモデル、体力・脚力に自信がない人でも安心の、電動アシスト付きモデルなど、7台ピックアップしました!
Rainbow(レインボー) TYPE-X Cruiser
ベーシックなシンプルデザイン
フレームとホイールのカラーリングがおしゃれなビーチクルーザー。どんなシーンでも使いやすい定番の形。まずは手頃な価格のモデルからはじめたい人におすすめです。
カラー | マットグレー、カーキ、ピンク、ストレートブルー、ウッディ |
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サイズ | 全体1840×全幅690mm |
最低シート高 | 820mm |
タイヤサイズ | 26×2.125インチ |
変速 | シングルギア |
前ブレーキ | ドラムブレーキ |
後ろブレーキ | コースターブレーキ |
重量 | 約16.5kg |
参考価格(税込み) | 36,850円 |
Rainbow(レインボー)/PCH 101 26″ストレッチ 7D
女性でもまたぎやすい、スタッガードフレームのビーチクルーザー。これなら、身長が小柄でも乗りやすいでしょう。泥除けにチェーンガード、スタンドが標準装備。7段変速も付いて、街中走行に使いやすいスペック。
カラー | ・ホワイト ・ミント |
サイズ | 全体1870×全幅690mm |
最低シート高 | 780mm |
タイヤサイズ | 26×2.5インチ |
変速 | 7段 |
前ブレーキ | Vブレーキ |
後ろブレーキ | Vブレーキ |
重量 | 約17.5kg |
参考価格(税込み) | 56,000円 |
PCH 101 26″ ストレッチ 7Dの公式ページはこちら
Rainbow(レインボー)/PCH 26″ クルーザー ブラック コンポーネント
Rainbow定番の形をしたモデル。ブラックを基調としたカラーバリエーションは、全5色。クールでかっこいいデザインが揃います。シングルギアにコースターブレーキ装備の、スタンダードなビーチクルーザーです。
カラー | ・ジョーカー ・ダース・ベイダー |
サイズ | 全体1950×全幅690mm |
最低シート高 | 810mm |
タイヤサイズ | 26×2.5インチ |
変速 | シングルギア |
前ブレーキ | キャリパーブレーキ |
後ろブレーキ | コースターブレーキ |
重量 | 約18kg |
参考価格(税込み) | 47,300円 |
PCH 26″ クルーザー ブラック コンポーネントの公式ページはこちら
ELECTRA/TOWNIE® ORIGINAL 7D EQ
鮮やかなフレームカラーが可愛らしい、ELECTRAを代表するビーチクルーザー。軽量アルミフレームに7段変速付き。前後ブレーキには、初心者でも操作しやすいVブレーキを採用。全6色の車体カラーは、フレームの形だけでなく、色にもこだわりたい人におすすめです。
カラー | ・Palm ・Pineapple ・Matte Violet ・Curry ・Cobalt ・Arctic Blue |
フレーム | アルミニウム |
タイヤサイズ | 26×2.0インチ |
変速 | 7段 |
前ブレーキ | Vブレーキ |
後ろブレーキ | Vブレーキ |
参考価格(税込み) | 63,800円 |
TOWNIE GO!オリジナル 7D EQ STEP THUR公式ページはこちら
ELECTRA(エレクトラ) TOWNIE GO!8D STEP OVER
電動アシスト付きビーチクルーザー
ドイツのBOSCH社モーターユニットを搭載した、電動アシスト付きモデル。走行モードや地形にもよりますが、一回のフル充電で走れる距離は、最大で100kmとパワフル!時速24kmまでアシストしてくれるので、スピード維持しやすく、普段使いだけでなく、サイクリングにもぴったりです。
カラー | マットブラック、ポセイドンブルー |
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タイヤサイズ | 26インチ |
変速 | 8段 |
前ブレーキ | 機械式ディスクブレーキ |
後ろブレーキ | 機械式ディスクブレーキ |
バッテリー | BOSCH ACTIVE LINE GEN 3 |
サポートモード | エコ、ツアー、スポーツ、ターボ |
走行距離 | モードと地形に応じて50~100km |
最大アシスト速度 | 24km/h |
参考価格(税込み) | 261,800円 |
a.n.design works(アンデザインワークス) CB26BC
スポーティーすぎず、ゆったり楽しむ
スポーツバイクのようなフィットネス感覚ではなく、街中やビーチをマイペースに走りたい人向けモデル。太いタイヤに、ゆったりとした姿勢で乗れるハンドル、安定感のある長めのホイールベースは、初心者でも乗りやすいでしょう。泥除け、スタンド標準装備で、通勤通学にもおすすめです。
カラー | マットブラック、ジェットグレー |
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フレーム | スチール |
全長サイズ | 1850mm |
対象身長 | 155~185cm |
タイヤサイズ | 26x2.125インチ |
変速 | シングルギア |
前ブレーキ | キャリパーブレーキ |
後ろブレーキ | バンドブレーキ |
重量 | 約18.0kg |
参考価格(税込み) | 66,880円 |
チャリンクス バンバリ ビーチクルーザー
極太タイヤ装備!バイクパッキングにもおすすめ
約7.6cm幅の極太タイヤ装備で、安定感と乗り心地は抜群!独特な形をした流線形のフレームには、バッグを取り付けることも可能。バイクパッキングをして、アウトドアを楽しみたい人におすすめです。走るペースに合わせて調節できる、6段変速付き。
カラー | ブラック、カーキ |
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フレーム | スチール |
対象身長 | 160cm~ |
タイヤサイズ | 26×3.0インチ |
変速 | 6段 |
前ブレーキ | Vブレーキ |
後ろブレーキ | Vブレーキ |
メーカー希望小売価格(税込み) | 65,890円 |
ビーチクルーザーは、ノーブレーキ自転車なのか
ノーブレーキ自転車で公道を走るのは違法です。ビーチクルーザーは大丈夫なのか、確認していきましょう。
前後ブレーキが付いていればOK
一般シティサイクルやクロスバイクと同じ、「前後ともVブレーキ」仕様のビーチクルーザー、または、「前はVブレーキ、後ろはコースターブレーキ」が付いているモデルは、公道を走っても違反にはなりません。
ただし、「前はブレーキなし、後ろはコースターブレーキ」のような、どちらか片方にしかブレーキが付いていない場合は、違反になります。海外からの輸入自転車に多いので、購入の際は注意しましょう。
Vブレーキについてはこちらから!
違反車両と誤認される可能性
「前はVブレーキ、後ろはコースターブレーキ」のモデルは、見た目は片輪だけにしかブレーキが付いていない自転車のため、警察に違反車両として認識される場合があります。
日本では、ピストバイクに使われる「固定ギア」のように、ペダルを止めて後輪をロックする方法は、ブレーキとして認められていません。そのため、一般的ではないコースターブレーキも、ブレーキとして認識されない可能性があります。
もし警察に指摘を受けた際は、コースターブレーキの説明ができるようにしておくといいでしょう。
ピストバイクについてはこちらから!
足だけで操作できるコースターブレーキとは
コースターブレーキとは、ペダルを逆回転させることにより作動するブレーキ装置で、JIS規格(日本産業規格)にも認められています。
ペダルをある一定の角度以上逆回転させると、車輪の中心(ハブ)の中で、車輪を締め付けて制動させるシステムで、ギアが固定されているわけではないため、ペダルは空回りします。
よく、見た目が似ていることから、ピストバイクの「固定ギア」に間違われることがありますが、仕組みが違う別物です。
固定ギアとは、ペダルを前にこげば進み、後ろにこげば後ろに進むギアのこと。ペダルは空回りせず、ペダルの動きにホイールが連動します。ペダルを止めるとホイールが止まるため、その場に停止することはできますが、固定ギアはブレーキとして認められていません。
初めてなら、実際に乗って違いを確かめよう
初めてビーチクルーザーを購入するなら、ネット通販を利用するのもいいですが、実際に車体を取り扱っているショップに行ってみましょう。
店頭に車体を展示しているショップなら、どんな自転車か見比べることができますし、もし試乗車があれば、走りを体験することも可能です。
ビーチクルーザー専門店や大型総合自転車ショップ、ホームセンターでも取り扱っている場合があるので、ぜひチェックしてみてください。
人とはちょっと違う、ビーチクルーザーで出かけよう!
おしゃれなフレームの形に、幅広のハンドル、太いタイヤが目を惹くビーチクルーザーは、人とはちょっと違う自転車に乗りたい人にぴったりのモデル。ビーチクルーザーに乗って、日常をおしゃれに、スポーティーに楽しみましょう!