楽しいはずの自転車キャンプが…
愛車にキャンプギアを積み込んで、いざキャンプツーリングへ。
胸を躍らせ始めた自転車キャンプですが、キャンプに失敗は付き物です。楽し気な理想とは裏腹に、現実では辛い失敗が何度も起こることも…。
特に自転車でのキャンプとなると、自転車ならではの失敗も多々あります。そんな自転車キャンプでの失敗談を、ご紹介していきましょう。
失敗①荷物が多すぎ!自転車に全部積めない
昨今は身軽な「バイクパッキング」スタイルが流行していますが、いざ自分がその真似をしてみると、意外と積載量が少ないことに驚くでしょう。
私も初めてバイクパッキングで荷物を積んだ時、その積載量に絶望しました。
バッグを取り着けるまでは良かったんです。なんだか、それっぽくなってきたなと、浮かれ気分でパッキングをしていきます。
「テントやマットを入れて…着替えも欲しいしクッカーも。あ、焚火台も積まなきゃ。このナイフも持って行きたいな~」
そんな風に、理想のキャンプ装備をバッグに収納していきます。
しかし、あっという間にサドルバッグが埋まり、フロントバッグが埋まり…。そして、ある時ふと気が付きます。
「これ、絶対全部は入らない…!!」
優雅なキャンプ姿を想像していても、実際にはそんなに沢山の道具は、自転車には積めません。
結局、持って行くことが出来たのは最低限の装備だけ。自転車キャンプの基本は、何を持って行くかではなく、何を持って行かないか、だったのです。
【同じ失敗をしないために!】
●自転車用のバッグは、容量に余裕をもって計画する。
●装備は超厳選!先に必需品をパッキングする。
失敗②峠がキツすぎ…キャンプ場に間に合わない?
テント、マット、シュラフ、クッカー…。忘れ物が無いかチェックして、いよいよ自転車キャンプへ出発!初めは重たい自転車の感覚に戸惑いつつも、どっしりと安定感のある走りも楽しみのうちになるものです。
しかし、峠に差し掛かった時、そんなのんきな考えは砕け散りました。
「え?なにこれ重すぎじゃ…っ!?」
ギアはとっくにインナー×ロー。それなのに、ペダルが重すぎて全然回りません。そう、キャンプ装備を満載した自転車は、登り坂にめっぽう弱いのです。
キャンプ場は山奥。峠を登らねば辿り着きません。
少しは時間に余裕を持ってプランニングしたはずが、登りに時間をかけすぎて、チェックインの時間に間に合うか怪しくなってきました。
「そうだ、遅れるかも知れないとキャンプ場に電話しよう。」
と携帯を取り出すも、『圏外』の二文字を突き付けられます。峠では圏外もよくあることですが、まさかここで追い打ちをかけてくるとは…。
もう頑張るしかありません。カジュアルに着てきたシャツは汗でびしょ濡れ、ゆるポタ気分なんかとうの昔に消え去りました。
それなのに、依然として眼前に立ちはだかる、斜度10%を超える無情な坂。しかも舗装状態が酷く、凹凸が激しい道です。どうしてこんな、辛い思いをしに来てしまったのでしょう?優雅な休日のつもりが、ハードなトレーニングとなってしまいました。
キャンプ装備をしての峠がこんなに辛いと分かっていたら、もっとアクセスし易いキャンプ場を選んでいたのにと、数日前の自分を呪うのでした。
【同じ失敗をしないために!】
●キャンプ場までの道は「登り少なめ」で計画する。
●時間に十分余裕をもって出発する。
失敗③寒すぎて地獄の夜を明かす
キャンプの大敵、『寒さ』。
日常生活でも夜は寒いという認識はありますが、実際に屋外で一晩を明かすとなると、その寒さは想像の比ではありません。
シュラフの対応温度を信じ、
「荷物も増やしたくないし、防寒ジャケットはいらないか。」
と保温着を家に置いてきた筆者。
しかし、『暖かさの感じ方には個人差があります』という注意文句を、身をもって体験することになるのでした。
…寒い。
寒い寒い、とにかく寒い。冷気が身体全体を包み込み、テントの中で一人ブルブルと震えている。足元はスース―するし、肩や首は誰かに冷たい腕で抱き着かれているかの様です。朝はまだかと時計を見ますが、5分が1時間の様に感じます。
車でキャンプ場に来ていたら、エンジンをかけて暖を取ることも出来たでしょう。いえ、そもそも、自転車に積むから荷物を削り、防寒着を置いてきたのでした。
荷物を少なくしたい自転車キャンプですが、削ってはいけない装備もあるのだと、眠れぬ夜を過ごして悟りました。
【同じ失敗をしないために!】
●シュラフや防寒着の対応温度は鵜呑みにしない。
●カイロ等で寒さに備えておく。
▼▼シュラフの記事はこちら▼▼
失敗④買い出しで容量不足。夕飯も持ち運べない!
キャンプ場に近くに、買い出しが出来る店がないことは少なくありません。その時も、買い出しをしてから数十kmを走行する予定でした。
今日の夕食は何にしようかと、あれこれ買い込みます。「あれも食べたい、これも買っちゃおうか」と、普段とは違い大盤振る舞いです。
しかし、買い物袋いっぱいの食料を持ち自転車に戻ったとき、自分の犯した過ちを悟ったのでした。
「あ、食材を入れる余裕無いじゃん…。」
寒さ対策にと、バッグの空き容量には防寒着を詰め込んできました。パッキングには、もうジャケット1枚分の余裕すらありません。
私は、防寒着は忘れませんでしたが、途中で買い出しをする食材のスペースを忘れてきました。
結局、寒くないのに防寒着を着て空きスペースを作り、汗だくでキャンプ場に到着。買い出し用の余剰空間も、必要な装備のうちなのだと学びました。
コンパクトになるサコッシュを持ち運んでおくと、荷物が増えた際にも便利です。
【同じ失敗をしないために!】
●買い出しの分も見越したパッキングをする。
●サコッシュやコンパクトなザックを用意する。
FAIRWEATHER packable sacoche x-pac
コンパクトに折りたためる軽量サコッシュ
素材 | X-PAC |
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展開時サイズ | 縦45cm、横46cm |
収納時サイズ | 縦11.5cm、横16cm |
生産国 | 日本 |
失敗⑤何もかもずぶ濡れ…テントの中に雨が降る!?
ある夜、顔に水滴が落ちて目が覚めました。
テントの中で寝ているはずですから、そんな事あり得ません。寝ぼけた頭でも、異常事態なのは薄々感じました。
眠い目を擦っていると、また顔面にポツリ。
何事かと起き上がると、テントの中はずぶ濡れで、装備もひたひたになっています。マットの上に寝ている自分は、かろうじて濡れていないのが不幸中の幸いでしょうか。
テントが崩壊したとか、穴が空いていたとか、そういう訳ではありません。当時使用していたテントが雨に弱い安物だったため、雨がしみ込み、天井から雨水がしたたり落ちていたのです。
また、外気温との差により結露も発生していたらしく、それも追い打ちをかけているようでした。
装備がずぶ濡れになり、その後のライドが悲惨になったのは言うまでもありません。なにせ、全て濡れており、濡れた装備を拭く手段すらないのですから…。使用している装備の性能は、よく把握しておくべきだと実感したのでした。
もし結露がひどい場合には、濡れても何度も絞って拭ける「スイムタオル」が便利です。
【同じ失敗をしないために!】
●装備の性質やスペックを把握しておく。
●テント内でも装備を濡らさないよう、防水の袋をにしまっておく。
ミズノ スイムタオル
カラー | サックス 、ブルー 、ライトグリーン 、グリーン、イエロー、オレンジ 、レッド、ラベンダー、蛍光ピンク |
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サイズ | 34×44cm |
素材 | PVAスポンジ(本体)ポリエステル(中芯) |
原産国 | 日本製 |
失敗⑥テントやマットが破損!今晩の寝床が崩壊
装備を軽くしたい自転車キャンプでは、「U.L.=ウルトラライト」と言われる、超軽量なスタイルのギアが重宝します。私のキャンプ装備も、少しずつ軽量化を進めていきました。
しかし、U.L.ギアで忘れてはならないのが、耐久性が低いモデルもあること。
ある日はテントポールが折れてテントが形を成さなくなったり、またある日はエアマットに穴が空いてマット無しで寝たり…と、散々な寝床で夜を明かす羽目になったこともあります。
破損の原因はギアの扱い方で、無理な力をかけてしまったり、尖ったもので穴をあけてしまったり…というものですが、その時は後悔先に立たず。
これから寝ようという時に、目の前であっけなく今晩の家が崩壊するときの喪失感は、形容しがたいものがあります。
これも車であれば車中泊という選択肢もありますが、自転車はそうもいきません。装備の状態チェックは怠らず、扱いにも気を付けたいですね。
また、もしもの際のため、リペアキットを携帯しておくと安心です。
【同じ失敗をしないために!】
●テントやマットのリペアキットを携帯する。
THERMAREST エアマット修理キット インスタント フィールドリペアキット
フィールドでの応急修理キット
内容 | 洗浄アルコールワイパー×3 ・透明パッチ×3 ・グルードット×6 |
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それでも楽しい自転車キャンプ
以上、自転車キャンプの失敗談をご紹介してきました。
「なんだか、自転車キャンプは辛そう。。」と感じた方もいらっしゃるかも知れませんが、これだけの失敗をしながらも、筆者は自転車キャンプを、し続けています。それは、やっぱり辞められない楽しさが、自転車キャンプにはあるからです。
自転車キャンプにおすすめな装備は他の記事でご紹介していますので、ぜひそちらも参考に、楽しいキャンプライドを堪能してみてください。
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