大阪のサイクリングロードの特徴
海に近い場所に位置する大阪は、淀川をはじめとし様々な川が流れており、川沿いを走るコースが多くあります。水面を眺めながらのんびりポタリングするだけでも、ちょっとした気分転換になるでしょう。町中にルートが引かれているサイクリングロードならば、都会と自然のコントラストを楽しむことができます。
なお、大阪のサイクリングコースは片道で20kmを超えるコースが一般的。そのため、補給せずに走り続けるとハンガーノックになる恐れもあります。できれば携行食や飲料を持っていくようにしましょう。
一方、数は少ないものの、山間部に入っていくようなサイクリングロードもあります。アップダウンが激しいコースに入るときは、無理せず自分のペースで走るようにしましょう。速さを競うよりもマイペースを保って気持ちよく走ることが、サイクリングを楽しむコツです。
大阪でおすすめのサイクリングロード5選
北大阪サイクルライン
大阪市役所を起点として、吹田市の万博記念公園へ伸びる、全長約20km超のサイクリングコースです。ルートの前半は淀川沿いを、後半では大阪モノレールの線路沿いを走ります。
淀川沿いは府内で最も道幅の広いサイクリングロードであり、週末には多くのサイクリストが見られます。一方、ルート後半となる大阪モノレールの線路沿いでは、主に歩道を走ります。原則として自転車は車道を走らなければならないので、歩道では必ず歩行者を優先しましょう。
終点となる万博記念公園の外周では歩行者道と自転車道が分離しており、ぐるっと一回りすることができます。そして万博記念公園には遊べるスポットが盛りだくさん。公園のシンボルとなっている太陽の塔や、すぐ近くには2015年に完成したエキスポシティがあり、グルメやショッピングも楽しめます。観覧車に搭乗すれば、大阪の町並みが一望できます。
なにわ自転車道
大阪の神崎川に沿って走り、阪神電鉄の出来島駅まで向かうサイクリングコース。北大阪サイクルラインから途中でルートを変更してアクセスすることができます。自転車止めがなく、快適に走ることができるコースです。
川面を眺めつつ、橋の下をくぐりながら自転車を走らせていくので、町中でのちょっとした冒険感が味わえます。ルート上にはサイクリングロードの目印が等間隔で設置されており、道がわかりやすいのも特徴。なお、道幅が多少狭いため、反対側から走ってくる自転車や歩行者には注意が必要です。スピードは抑えて走りましょう。
神崎川の橋のたもとでコースを少し外れると、大阪でも屈指の人気を誇るラーメン店である『桐麺』の本店があります。醤油、塩、味噌、カレーと、さまざまな味が高いレベルで楽しめる珍しい店です。ライド中の塩分補給も兼ねて、ぜひ行ってみてください。
北河内サイクルライン(北河内自転車道線)
府内を走る第二京阪を併走し、京阪電鉄牧野駅を経由して淀川沿いをぐるりっと回るサイクリングロードです。第二京阪沿いでは褐色の自転車道が目印になっています。
ルートの全長は約40kmもあり、一部ではアップダウンが少しきつい場面も。できればスポーツ自転車を用意して走るのが良いでしょう。道そのものは比較的走りやすいため、目的に応じてルートの一部を利用するのもおすすめです。
ルート上にあるJR藤阪駅の近くには、『pan de シャンボール』というパン屋があります。玄米を生地に利用したパンは栄養価が高く、ライド中の補給食としてもぴったり。バーガーやサンドイッチのほかに、クイニーアマンやあんパンもおすすめです。店内にはイートインスペースも用意されているので、美味しいパンにゆっくりと舌鼓を打ちながら後半のライドに備えましょう。
南河内サイクルライン
大阪市と堺市の境界を流れる大和川に沿って走り、近鉄柏原南口駅あたりで南下して河内長野市へ向かう南河内サイクルライン。ひたすら川沿いを走るサイクリングロードです。河川敷よりも高い場所にあるため、川面や対岸の町並みを眺めながら走ることが可能。春には道沿いに咲く桜を満喫できます。
大和川を渡らずにルートを直進すれば、柏原市民文化会館、通称リビエールホールが見えます。サイクルラックや自動販売機、トイレを完備している公営の施設です。ちょうど利用しやすい場所にあるので、疲れたと感じたときにはぜひ行ってみましょう。また、リビエールホールの前を走る道を大和川に沿って走れば、さほど苦労せずに奈良へ行くことができます。
なお、府内のヒルクライマー達が集う十三峠や葡萄坂、そして南河内グリーンロードは、南河内サイクルラインからそれぞれアクセス可能です。そのため、サイクルロード上には猛スピードで駆けていくサイクリストの姿も多く見られます。
牛滝蕎原(そぶら)ほの字の里コース
大阪の南側、泉大津市から市街地を抜けて岸和田市へ南下し、府道40号を進んでいくサイクリングロードです。岸和田市内の古い町並みを抜けて、少しずつ牛滝の集落を登っていきます。ルートの後半は登り基調になるため、ママチャリやクロスバイクでは少し辛いかもしれません。
終点では牛滝ののんびりとした風景と山々がサイクリストを迎えます。また、付近には大阪の峠でも屈指の難易度を誇る、和泉葛城山への入り口も。そのため、ベテランのサイクリストもよく走るルートになっています。
牛滝を上ったあとは、すぐ近くの蕎原を回る、ほの字の里コースもおすすめです。全長約20kmのコースでは、和歌山方面に続く山々の自然を感じることができます。ルートのちょうど真ん中あたりにある『奥水間温泉』では、レストランや日帰り温泉を楽しむことも可能。ここで牛滝を登った疲れを癒やすのも良いでしょう。
トトロ街道
南海電鉄高野線の三日市町駅と美加の台駅のちょうど真ん中あたりを起点とする、全長約5km弱の短いサイクリングロード。南河内サイクルラインの終点となる河内長野市から国道371号線を南下すれば、容易にアクセスできるでしょう。もちろん、2つのルートを組み合わせることによって、少し長めのサイクリングを楽しむことも可能です。
トトロ街道の特徴は何といってもその幻想的な雰囲気にあります。ルートから見える南海高野線の廃線跡は、まるで文明が崩壊した跡のような雰囲気です。一方、木々囲まれた細い道は、『となりのトトロ』の世界観にそっくり。ここは本当に大阪なのだろうかと、不思議な気持ちになるはずです。
三日市町の近くにはモダカというインド料理店があります。日替わりで提供されるカレーとナンのセットは絶品。隠れ家風のおしゃれなお店はトトロ街道と併せて、ちょっとした異国ツアーに来た気分にさせてくれるのではないでしょうか。
大阪でサイクリングを楽しもう!
大阪のサイクリングロードは、車や徒歩ではなかなか行くことのない場所ばかりです。地図を片手に自転車を走らせれば、大阪にこんな所があったのかと新鮮な驚きが得られることでしょう。ルート周辺にはほかにも多くのグルメスポットや見どころが満載。ぜひ自分だけの目的地を見つけに、サイクリングコースを利用してみましょう。