Rider750の基本スペック・特徴
Brytonのハイパフォーマンスモデルである「Rider750」。その基本スペックと特徴を見ていきましょう。
Bryton Rider750
低価格なのに、機能充実のハイエンドモデル!
Rider750は、Brytonのハイエンドモデルに位置するサイコン。本体のみ(ケイデンスセンサーなどは別売)のモデルでも約3万円と、他社と比較してかなり価格を抑えています。
それでも機能は充実しており、コストパフォーマンスが高いと噂されるだけのスペックを備えていますね。
本体サイズ | H92.3×W49.4×D19.7mm |
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画面サイズ(実測) | 61×37mm |
重量 | 93g |
最大駆動時間 | 20時間 |
ナビ機能 | あり(カラー地図) |
マルチSNSS | 対応(みちびき対応) |
無線接続 | Bluetooth、ANT+、Wi-Fi |
価格(税込み) | 32,780円 |
Brytonって?
Bryton(ブライトン)は、自転車用のGPS機器の開発と生産を行う台湾ブランドです。ユーザーが求める使いやすく豊富な機能を、搭載する製品を数多く発売しています。
高機能ながら価格を抑えていて、コストパフォーマンスに優れていることが特徴です。初心者からヘビーユーザーまで幅広くのユーザーに選ばれています。
Brytonのサイコンのラインナップについては、ぜひこちらの記事もご覧ください!
外観をチェック!
それでは、Bryton Rider750の外観からチェックしていきましょう。
付属品は、ハンドルステム用マウント・スポーツマウント(ハンドルの前側に飛び出すマウント)・ストラップ・microUSBケーブル、六角レンチ、予備のネジ、説明書です。予備部品なども充実していますね。
下位機種とは異なり、はじめからスポーツマウントが付属します。このマウントは、別売りで買えば4,400円(税込み)ですので、お得感がありますね。
本体は縦長で、スマホを小さくしたような形状です。サイコンの中ではスリムな印象ですね。
画面は大きくカラー表示で、タッチパネルに対応。ボタンは側面に、充電端子は裏面に備えられています。
付属するスポーツマウントを使用して、バイクに取り付けてみました。
大きめのサイコンですので、存在感がありますね。サイコンの文字も見やすそうです。
スポーツマウントだとサイコンをハンドルの前方かつ角度を付けて設置できますので、視認性が高くなり使いやすいです。
画像のスポーツマウントは、2.5mmの六角レンチで固定。ハンドル・ステム用のマウントはゴムバンド式ですので、工具いらずで装着可能です。
異なる形状のマウントもオプションで販売されていますので、ハンドル周りに、こだわりたい方も、選択肢が広くてよいですね。
スマホやPCとの連携は?
では続いて、スマホやPCとの連携をしてみましょう。
Bryton Rider750は、専用アプリの「Bryton Active」を使用して連携をします。
Brytonはスマホとの連携に力を入れており、PCを使用せずスマホのみで操作が完結させられる設計です。PCからもアクセスは可能ですが、スマホでしか出来ない機能が多々あります。
スマホだけで操作できた方が楽という方には大きなメリットですし、ルート作成やデータ管理をPCで行いたい方には、デメリットとなります。
アプリからは、ルートの作成やサイコンへの送信、走行データの記録、分析など、多様な操作を行うことができます。
走行データは、スマホとサイコンを連携させれば自動的に同期され、Bryton Active内にインポートされていきます。個々のライド記録を詳細に確認したり、消費カロリーをチェックしたりと、様々な使い方が出来ますよ。
走行ログを管理する人気アプリ「STRAVA(ストラバ)」とも連携でき、走行記録やルートなどを自動で同期させることも可能。Bryton Activeアプリさえ立ち上げれば、走行記録の管理を勝手に行ってくれるので、とても楽ちんです。
サイコンとの接続は安定しており、データ移行などに要する時間が短かったのも良い点でした。下位機種であるBryton Rider420と比較して、このデータ移行の速度がかなり早く、上位機種を選ぶメリットの1つでしょう。
多機能なBryton Activeアプリですが、残念ながらアプリ自体の動作が重たく、操作にストレスを感じる場面も多々ありました(iPhone 13mini・最新ソフトウェアを使用)。
実走での使い勝手は?
では、実際に走行してみての感想を書いていきましょう。
操作や設定が簡単!初心者でもわかりやすい
電源をONにすると、まず使用するバイクを選択する画面が表示されます。
Rider750は、バイクのプロフィールを3台まで登録し、バイクごとにサイコンの表示項目や連携するセンサーなどの設定ができるのです。バイクを複数台お持ちの方や、乗り方によって走行距離や表示項目を管理したい…という方には、もってこいな機能ですね。
バイクを選択すると、自動でGPSの測位が始まり、マップ上に現在地が表示されます。Rider750は「みちびき」に対応していますので、日本でも正確な位置測位ができて良いですね。
あとはボタン1つで、計測開始・停止をするだけ。「すぐ使える」をモットーにしているBrytonらしく、操作は簡単です。
Bryton Rider750は画面が大きくカラー表示ですので、視認性は非常に高いです。ぱっと見でも数字や地図を確認しやすく、走行中でも迷う事がありませんでした。
表示させる項目の内容や数、配置は自由に変更可能ですので、お好みの画面表示で使用することが出来ます。なんと99以上の項目に対応しているらしく、レビューでもそのすべてを使いきれないほどでした。
操作感やUIがスマホに似ているので、初めてサイコンを使うという方でも、違和感なく馴染めそうですね。
タッチパネルで直感的な操作ができる
Rider750は、タッチパネルで操作できることも特徴の1つ。実際に触ってみて、想像していたよりも快調に動作するのが驚きでした。
タッチ感度は十分実用的で、多少濡れても問題なく反応します。
少々ストレスだったのは、スワイプやスクロール。意図せずスワイプと判断されてしまったり、スクロールは読み込みに少し時間がかかったりし、完全に思い通りとはいきませんでした。流石に、スマホの様にはいかないようです。
物理ボタンのみでは、ある操作のために何度もボタンを押すことがありますが、タッチパネルなら直感的に素早く操作できます。アイコンを多用した画面表示も分かりやすく、サイコンに不慣れな方でも扱いやすでしょう。
ちなみに、物理ボタンのみでの操作に切り替えることも可能で、豪雨などもしもの時も安心です。切り替えはサイコン側面のボタンを押すだけですので、走りながらでも適宜変更できる便利さも魅力ですね。
一方で、タッチパネルゆえ、操作が認識されない事もゼロにはできません。特にロンググローブを使用する冬場などを考えると、タッチパネルでの操作が基本なのは好みが分かれるでしょう。速さや距離を追求するシリアスなライダーには、物理ボタンの方が適しているかも知れません。
バックライトが暗いのが残念
使いづらいと感じたのは、画面の明るさ。
設定から明るさを最大にしても、他のサイコンと比較して暗いです。日差しの強い日中に使用するなら、もう少し画面が明るく出来ると良いですね。
特に暗めのサングラスをしていると、日中に見づらいと感じるシーンがありました。画面の反射や、タッチ操作で指紋が付きやすいのも相まって、太陽の角度によっては見づらい瞬間があるかも知れません。
どんな機能が備わっている?
それでは、Rider750の機能や、その使用感をさらに詳しく見ていきましょう。
大きい地図で分かりやすいナビ機能
Rider750で最も使いやすいと感じたのは、ナビ機能です。
個人的な感想ですが、Rider750の地図とナビ表示は分かりやすく、他のナビよりも見やすいと感じました。曲がる際の事前通知(ピーと音が鳴る)も的確な位置で、交差点を通り過ぎてしまうことが無かったのも良かったです。
画面が大きく縦長なお陰で、自分がこれから走る方向の地図を広く表示されるのも嬉しいですね。ただし、ノースアップ(常に北を上に表示する方法)では、逆にデメリットとなってしまう事には要注意です。
ルートから外れてしまった際にも、通知音とともに知らせてくれます。
この時、復帰するためのルートを自動で検索し、再びナビしてくれるのも特徴の1つ。例えば、ツーリング中に気になる場所があって寄り道しても、勝手にルートを修正してくれます。気ままなライドを楽しみたい方にも、安心な機能です。
音声検索にも対応!その場でナビを開始できる
Rider750は、なんと音声検索にも対応しています。Bryton Activeアプリと接続しておけば、スマホは一切触らずに、その場で音声検索で目的地までのナビを開始することができるのです。
通常、サイコンのナビ機能は「スマホやPCで作成したルートを、サイコンに送って表示させる」というもの。それを、ルート作成や送信の手間を一切かけず、カーナビの様に利用できるのは画期的です。
もちろん、スマホで道のりを細かく指定して、ルートを作成することも可能。「アプリ内でルートを検索⇒そのデータをサイコンに送信⇒サイコンに表示させる」といった使い方も出来ます。
アプリの挙動が重いため、長いコースを作成するのには不向きですが、ポタリング等で次の目的地までをナビするような使い方にはもってこいでしょう。
ビジュアルで見やすいUI
ルートの標高グラフやパワー表示など、ビジュアルで見やすいUIが採用されています。
例えば標高グラフでは、この先のコースプロファイルを簡単に確認できます。この先の登りに備えて体力を温存する…などの判断がしやすくて良いですね。
表示の拡大縮小もタッチ操作なら簡単にできるため、視覚的に分かりやすいと感じました。
バッテリーはやや不安?
バッテリーは、公称で最大20時間稼働。比較的長時間持ちますので、多くのサイクリストにとって必要十分な稼働時間ではないでしょうか。
ただし、バックライトやナビ機能を使用していると、バッテリーの減りが20時間は持たないペースでした。ブルベ等の本格的なロングライドで使用するには不安ですので、充電しながらの使用となりそうです。
モバイルバッテリー等に接続すれば使用時間を伸ばせますが、充電ポートは本体の裏側にありますので、マウントやハンドル、バッグ等と干渉しないように要注意ですね。
価格は?
最後に、価格について考えてみましょう。Bryton Rider750は、本体のみで32,780円(税込み)です。
これだけの機能と性能を詰め込んだサイコンで、3万円台前半という価格は驚きです。他社のサイコンと比較しても、コストパフォーマンスが良いモデルと言って間違いなさそうです。
Grarmin等の他の大手ブランドと比較すると、トレーニング用途やタッチパネルの操作が厳しいハードユースでは、やや使い勝手で劣るでしょう。本体の質感やボタンの押し心地など、価格なりな感触がする部分もありますが、全体的によくできていると感じます。
こんな人におすすめ!
Bryton Rider750をおすすめしたいサイクリストを、私なりに挙げてみました。あくまで個人的な意見ですので、参考までにしていただければ幸いです。
Rider750をおすすめしたいのは、以下のようなライダーです。
・安価で本格的なナビ機能が備わったサイコンが欲しい方
・ハードなライドより、日帰りでポタリングやグループライドが多い方
・スマホでライド記録やルートの管理をし、サイコンもスマホ感覚で使用したい方
逆に、Rider750が向かないと思う方は、レースやトレーニングに本気で取り組みたい方や、ブルべなどの冒険的なライドをする方です。
もちろんRider750でも十分にそれらの用途に対応できますが、ほかにも更に使いやすい選択肢があるかもしれません。GarminやWahooよりも、都市型な使用が似合うサイコンかも知れません。
まとめ
多機能かつ高性能で、幅広いサイクリストにおすすめ出来るサイコンです。
ナビ機能をはじめ、実際に使用していても使いやすいと感じました。初心者から上級者まで、満足できる性能があると思います。ポタリングや1日100㎞程度までのサイクリングが主な用途で、データ管理を全てスマホで行っている方には、特におすすめですよ。
価格から考えても魅力的で、かなりコストパフォーマンスが高いと思います。
他のサイコンとの比較は、こちらの記事で行っています。ぜひこちらの記事もご覧ください!