高い信頼を集める、シマノのMTBコンポ
MTBのコンポは、「バーハンドルに適した形状」、「オフロードを走る耐久性の高さ」、「速度よりもトルクに特化したギア比」など、MTBの走り方にあった特徴があります。
シマノは、マウンテンバイクに限らず、自転車業界ではトップシェアを誇るコンポーネントメーカー。シマノのコンポは、最も実績と信頼あるMTBコンポと言えるでしょう。
シマノのMTBコンポグレード紹介
シマノの数あるMTBコンポグレードの全ラインナップを、ご紹介します!シマノではグレードによってコンポーネントの中にホイールやペダルなども入っています。
XTR
シマノMTBコンポのトップグレード、XC・エンデューロなどレーシングでの使用を想定し、常に最新のテクノロジーを投入されている、MTBコンポの代名詞ともいえるグレードです。
Deore XT
XTRのテクノロジーからフィードバックされた性能、あらゆるシーンを想定し耐久性・コストパフォーマンスも高くレースからトレイルライドまで、幅の広いMTBライドを可能にするグレードです。
SLX
Deore上位版としてあったDeoreLXをよりMTBライディングに向けて変化したSLX。ホビーレースや気軽なトレイルライドに、高い耐久性は普段の街乗りやサイクリングでも頼もしい存在です。
DEORE
シマノMTBコンポのエントリーグレードに位置するDeore。エントリーといえどトレイルライドや未舗装路での信頼は高く、普段の使用でも耐久性や確実なシフティングはストレスの低いライディングができるでしょう。
ALIVIO
9速システムでは初のシャドーRDを採用、オフロードでのヒットの心配が減り、よりライディングを楽しみたい方へ向けたグレード。Vブレーキと油圧ブレーキのランナップや、シフターとブレーキレバーを一体にしたラピッドファイヤーも採用しています。
ACERA
リアは9速、フロントはダブルとトリプルでラインナップされた、ダート走行にも街乗りにも使いやすいグレードです。シフターはブレーキレバーと一体のEZ-ファイヤーを機械式・油圧式とも揃えています。
ALTUS
フロントはダブルとトリプルに対応、リアは7・8・9速と幅広いラインナップがある。ブレーキは機械式・油圧式に対応し、ラピッドファイヤーシステムなどのシマノMTBテクノロジーも入り、安心してライディングを楽しめるモデルです。
Tourneyシリーズ

ロードバイク・MTB・クロスバイクと、4つのグループで幅広く対応しているターニー。MTBコンポではサムシフター・グリップシフター・EZ-ファイヤーなど揃う、多くの選択肢が揃ったグレードです。
SAINT
正確なシフティングと確実な制動力、高い耐久性が要求されるワールドカップレベルのダウンヒルの使用を想定したレーシンググレード。20mmスルーアクスルのフロントハブやオフロード用フラットペダルなど、ダウンヒルを楽しむための製品も揃っています。
ZEE
ポジション的にはダウンヒルモデルのセカンドグレードだが、レーシング向けのSAINTとアグレッシブなトレイルライディングでの信頼性も高いZEEとして住み分けされている。耐久性はダウンヒルにも使える、より幅の広いグレードです。
MTBコンポをアップグレードするなら!
完成車からのアップグレードで、使うシーンによっておすすめのMTBコンポ4グレードを紹介します!
XC競技なら「XTR」
軽量・確実でスピーディーなシフティングなど、レースを想定したグレードなので、XCなど本格的な競技を目指すライダーならXTRでしょう。
精度・重量ともにトップクラスですが、メンテナンスや確実なセッティング、耐久性もあくまでゴールをするためのものと考えられます。価格も安いとは言えませんが、競技で使用する機材としてはコストパフォーマンスは高いといえます。
トレイルライド・レースなら「Deore XT」
XTRのテクノロジーを受け継ぎ、本格的なレース、トレイルライドでも確実な操作を行えが、DeoreXTです。
あらゆるシーンに対応するため、最新型ではLINKGRIDEもラインナップされ、激しいトレイルライドからダブルトラック、フラットダートなど幅広いオフロード走行に応えます。レースや様々なオフロードを走りたい方、DEOREクラスからのステップアップを考えている方におすすめです。
トレイル・ホビーレースなら「SLX」
ちょっとしたオフロードライディングからホビーレースまで、MTBに慣れてきてイベント参加や本格的トレイルに入ろうという方におすすめなのが「SLX」。
1×12・2×12がラインナップされ、ちょっとしたレースから街乗りのサイクリングまでカバーできるギア比が揃い、DEORE以下からのステップアップに最適なグレードです。
トレイル・サイクリングならDEORE
リアは10・11・12速、クランクセットはシングル・ダブル(10・11のみ)とリンクグライドも揃ったMTBコンポでは最大幅のラインナップ、上位から受け継ぐ12速が採用されているのもDEOREまでです。
シマノの技術を体感でき、アリビオやアセラを採用しているレクリエーションMTBの最初のステップアップに最適です。
シマノMTBコンポ早見表
シマノの本格的MTBコンポとされている4グレードの特徴を、表まとめました。
変速数 | クランクセット | 電動 | LINKGRIDE | 用途 | 形式 | |
XTR | ・12 | ・シングル ・ダブル | 〇 | 無 | ・XCレース | ・M9100 ・M9050(Di2) |
XT | ・12 ・11 | ・シングル ・ダブル | 〇 | 有 | ・XCレース ・トレイル | ・M8100(12S) ・M8050(Di2) ・M8130(11S・LINKGRIDE) |
SLX | ・12 | ・シングル ・ダブル | × | 無 | ・トレイル ・レース | ・M7100 |
DEORE | ・12 ・11 ・10 | ・シングル ・ダブル (11・10S) | × | 有 | ・トレイル ・サイクリング ・レース | ・M6100(12S) ・M5100(11S) ・M4100(10S) ・M5130(10S・LINKGRIDE) |
街乗りメインならLINKGRIDEも
DeoreXT 11SとDEORE10Sに採用されているシステムで、街乗りや一定のコースを走るなど同じギアの使用が多い場合、特定のギアが摩耗しチェーン飛びなどのトラブルが起きやすくなります。
LINKGRIDEは、スムーズなシフティングを維持しながら耐久性を高め、通勤などの一定のサイクリングでもパフォーマンスを保つことができるシステムです。
休日のトレイルから街乗り・通勤まで、マルチにMTBを使いたいという方はチェックしてみましょう。
MTBコンポのカスタムおすすめポイント
コンポのグレードアップなどを考えている人のための、カスタムする際のポイントをまとめました。
油圧ディスクブレーキにしたい!
VブレーキのMTBの方は、油圧式のディスクブレーキにしたいと考える人も多いでしょう。その時は、まずフレーム・フォークがディスクブレーキに対応するかチェックが必要です。
機械式のVブレーキと、油圧式のディスクブレーキではブレーキキャリパーを取付ける台座の位置・形状が異なります。わからない点などは、ショップに相談してみても良いでしょう。
上位グレードを、一部に導入するのもアリ!
すべてのコンポのパーツを上位グレードに変更するには、予算的に難しい場合もありますね。
そんな時は、ブレーキだけを上位グレードに、変速系のみを12速化など、ポイントを絞って少しづつのカスタマイズもすることができます。
ただし、クランク・ディレーラー・スプロケットなどは、グループ使用で最適になるよう設計されているので、互換性のチェックも忘れないようにしましょう。
コンポには、その他にこんなパーツも
シマノのMTBコンポは、変速・駆動・制動系以外に、ホイールやペダル、ハブやボトムブラケットなども揃っています。スモールパーツに上位グレードを使ったり、同一のグループで決めるのもいいですね。
スラムのMTBコンポはどう?
3大コンポーネントと呼ばれるシマノ・スラム・カンパニョーロ、MTBコンポをリリースしているのはシマノとスラムの2メーカーで、大半の完成車にはどちらかのメーカーのコンポが付いています。
コンポーネントのカスタマイズとなると、グレードだけではなくメーカーも変えるという選択もありますので、スラムのMTBコンポについてもご紹介します。
スラムも一流コンポメーカー
スラムコンポの特徴は、まずシマノ同グレードと比較して軽量、デザインはシマノがグレードごとのシリーズカラーなのに対し、ほぼすべてのグレードが黒基調でシャープな印象になります。
シマノとスラムは、どちらも世界で認められ、プロ選手への供給がされているように、どちらも一流のMTBコンポです。デザインやシフト操作、ブレーキタッチなど個人の感覚に近い部分で、どちらが自分の好みかで選ぶのがいいでしょう。
シフティング方式が大きく異なる
シマノとの大きな違いはシフティングで、スラムでは「トリガーシフター」を採用しており、シマノが親指・人差し指でシフト操作をするのに対し、スラムは親指のみでシフト操作を行います。
シマノとスラムはどちらも独自のシフティング機構なので、シフターとディレイラーを組合わせることはできませんが、チェーンやスプロケットなど一部のパーツでは互換性があるとされていますが、メーカーでは同一メーカー製品の使用が推奨され、使用は自己責任となってしまいます。
MTBコンポ交換で走りを広げよう!
MTBコンポーネントは、使い方によってグレードが分かれますが、街乗りで満足していたコンポもトレイルを走るようになると耐久性に劣っていたり物足りなさを感じたりすることも。
さらにイベントやレースに参加しだすと、性能の高いコンポがほしくなったり、場合によっては不可欠になることもあります。
もっとMTBを楽しみたくなったら、コンポーネントも最適なグレードを選びましょう!