ヘッドパーツって、どんなパーツ?
ヘッドパーツは、ハンドル下部のフレーム部分「ヘッドチューブ」にセットし、ハンドルと前輪をつなぐ「フロントフォーク」をスムーズに回転させるパーツです。
ロードバイクのハンドルがスムーズに動くのは、ヘッドパーツのおかげ。「乗りやすさや」、「ハンドリング」に、大きく影響するのがヘッドパーツです。
ヘッドパーツの種類と特徴をおさえよう
ヘッドパーツには規格で複数の種類があります。
ヘッドパーツ交換を考えるなら、同じ規格・サイズのヘッドパーツを準備する必要があります。それぞれの規格の特徴をおさえましょう。
インテグラル
アルミやカーボンフレームのロードバイクで使われることが多いタイプ。フレーム内部にベアリングをセットする取付け方法で、ヘッドチューブの上下に取付ける。メーカーごとに違いがあるので互換性は確認が必要。
特徴としては、ベアリング本体はヘッドチューブに隠れ、カバーがかかっている状態です。
インターナル
外観・構造はインテグラルと似ていますが、ヘッドチューブを受けるための段差がある。キャップで閉じるような外観のインテグラルと比べ、インターナルは段差部分も露出している。
ゼロスタック、セミインテグラル、ロープロファイルとも呼ばれます。ベアリング本体はヘッドチューブに隠れていますが、セットした状態でベアリングを押さえるキャップのつばが出ています
アヘッド
ヘッドチューブの外部に取付けるタイプで、取付けには「圧入」という作業が必要。構成部品が多く玉当たり調整や、定期的なグリスアップなどのメンテナンスが必要なモデルが多い。
ベアリング本体はヘッドチューブの外にあります。取付けは圧入という押し込む作業が必要で、カーボンフレームには使用されません。
ノーマル
フォークコラムにネジが切ってあり、ヘッドパーツ上側のボルトで締付けて取付けるタイプ、フォークコラムの中に差し込む「スレッドステム」を取付ける。ピスト、ランドナーやスポルティーフなどのビンテージバイク、ママチャリに多い。
上部にはナットがあり、スレッドステムを取付けるタイプです。
剛性の高い「テーパー」というモデルも
より剛性を高めるために多くなってきているテーパーヘッドは、インテグラル・インターナル・アヘッドの下側を大径にしたものです。上側は31.8mmが主ですが、下側の径は数種類あるので確認が必要です。
インテグラル・インターナル・アヘッド共に、上部のベアリングより下部のベアリングが大径になっているものです。径は数種類あります。
ヘッドパーツの交換は大変?
インテグラル、インターナルはカートリッジ式が多く、ヘッドチューブ廻りのメンテナンスをされている方なら、交換はそれほど難しくないでしょう。
アヘッド式は圧入という作業が必要で、特殊な工具を使用するので交換する場合はショップに相談が良いでしょう。
ヘッドパーツのサイズ
コラムの外径や、ヘッドチューブ内径によって、ヘッドパーツのサイズも変わります。コラムの外径は大きく分けて25.4・28.6・31.8・38.1があり、ママチャリからスポーツバイクまで、多くの自転車がこのサイズです。
ヘッドチューブ内径は30~40mm前後が大半ですが、規格の違いやメーカーの採用サイズが違います。サイズ選定は実車やメーカー資料を確認したり、不安な場合は自転車ショップに相談しましょう。
インテグラルのヘッドパーツ3選
シールドベアリングを採用している、グレードアップに最適なインテグラル3モデルをご紹介します!
TOKEN OMEGA C1TBT
金属加工を得意とするパーツブランド、トーケン。オメガシリーズはインテグラルの他にカンパニョーロタイプモデルやテーパーモデルなどを幅広く展開しています。
カラー | マットカーボン |
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対応コラム | 1-1/8" |
重量 | 70g |
WOLF TOOTH Premium IS
軽量で耐久性の高い製品が持ち味のウルフトゥース、テーパーモデルに対応できるよう上部ユニットと下部ユニットは別売りとなっています。
カラー | グリーン・シルバー・イエロー・オレンジ・レッド・ブラック・ブルー・パープル |
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重量 | 7mm/52g・15mm/59g・25mm/66g |
KCNC KHS-PT1860テーパー
削り出しなど制度の高い金属加工製品を造るKCNC。精度の高いベアリングとKCNCらしい美しい仕上がりのトップキャップで、精度だけではなくビジュアル面でも納得の製品です。
カラー | ブラック・レッド |
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対応コラム | 1-1/8×1-1/2 |
重量 | 92g |
インターナルのヘッドパーツ3選
精度の高い製品を制作する3メーカーのインターナル3モデルをご紹介します!
TANGE TG36ZSL
歴史のあるメーカーTANGEが確立したヘッドセット・ボトムブラケットを専門に作るメーカーが丹下精機。現在は台湾に拠点を移し高品質なパーツを製造しています。テクノグライドはTANGEの定番ともいえるモデルです。
カラー | ブラック |
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対応コラム | 1-1/8" |
重量 | 112g |
TOKEN TK035A-55
プレミアムベアリングを採用したトーケンのテーパー対応インターナルモデル。素材にはアルミニウムを採用したトーケンの高品質モデルです。
カラー | ブラック |
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対応コラム | 対応コラム |
重量 | 130g |
CHRIS KING INSET2
品質の高いヘッドパーツ・ハブなどのベアリング製品を製造し、コアなファンも多いクリスキング。仕上げの美しさとカラー展開で、性能だけではなくビジュアル面も人気のモデルです。
カラー | ブラック・シルバー・ネイビー・レッド・ピューター・ピンク・グリーン・ゴールド・マンゴー・ドレッド・パトリオット・ブラウン |
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対応コラム | 1.5 Tapered Fork |
対応チューブ | 上44mm/下56mm |
アヘッドのヘッドパーツ3選
アヘッドの定番ともいえる製品3モデルをご紹介します!
CHRIS KING NOTHREADSET
クリスキングの定番モデル、外部に取付けるアヘッドは仕上がりの良いクリスキングのカラーとフレームとのマッチングも楽しめます。ベアリング製造にこだわりもあり、性能も満足できるでしょう。
カラー | ブラック・マットマンゴー・ネイビー・シルバー・マットターコイズ・マットジェット・マットスレート・マットパンチ・マットバーボン・バイオレット |
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対応コラム | 1-1/8" |
重量 | 98g |
RITCHETY CLASSIC HEAD SETS
幅広くクオリティの高いサイクルパーツを展開するリッチー、クラシックヘッドセットはリッチー得意のクロモリフレームにもマッチするシンプルで美しい仕上がりのパーツです。
カラー | シルバー |
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対応コラム | 1-1/8 |
MORTOP ヘッドセット HS-85
製品の設計から制作まで行う2005年に創業された台湾のメーカー、ステム・BB・ホイールなど幅広く金属加工製品を取り扱っています。カラー展開も豊富で、フレームとのマッチングでビジュアル面でもアップします。
カラー | ブラック・シルバー・レッド・ブルー・チタン・ゴールド・ピンク・グリーン |
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対応コラム | 1-1/8 |
重量 | 85g |
ノーマルのヘッドパーツ2選
ヴィンテージやピストにぴったりなノーマルヘッドパーツ2モデルをご紹介します!
DIA-COMPE CLASSIC
ランドナーやスポルティーフなどスレッドステムを使用したフレームにベストマッチなヘッドセット。カラー展開も豊富でフレームのアクセントとしても最適です。
カラー | CPメッキ・レッド・ブラック・ブルー・ゴールド・ピンク |
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対応コラム | 1" |
重量 | 110g |
TANGE LEVIN
丹下精器の名品レビン。レースでの使用を想定しNJSの認定品でもあります。トラック競技にも、ストリートピストにもおすすめです。
カラー | シルバー |
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対応コラム | 1" |
重量 | 170g |
ヘッドパーツのメンテナンス
ヘッドパーツの大半は「シールドベアリング」と「ベアリング」のタイプに分かれます。その2タイプの一般的なメンテナンス方法をご紹介します。
「シールドベアリング」を使ったタイプ
「アヘッドタイプ」で「シールドベアリング」を使用したヘッドパーツメンテナンス例です。
①ブレーキキャリパーを外しておく。
フォークを抜くため、ブレーキキャリパーを外しておきます。Vブレーキ・カンチブレーキは台座から、キャリパーブレーキはフォーク後ろのボルトを外します。
②ヘッドキャップ・ステムを緩め、ステム・スペーサーなどを順に外す。
ステム・コラムスペーサーの取付け順を覚えておきましょう。忘れないよう、取り付け順を撮影しておいてもいいですね。
パーツは外した順番に置いておくと、取り付け時に便利ですよ。
③上のヘッドパーツを外す。
固定されていないので手でも外せますが、固着している時はマイナスドライバーなどの工具を差し込んで外します。その際、カバーやパッキンなどを傷つけないよう注意しましょう。
④フォークコラムを抜き、下のベアリングを外す。
フレームを保持してフォークを抜きます。パーツが緩いとフォークと一緒に外れる場合があるので注意しましょう。
⑤ヘッドチューブ・ヘッドパーツの汚れやグリスを落とす。
ヘッドパーツは複数の部品で構成されているので、順序・上下を確認しましょう。
金属はパーツクリーナーで洗浄できますが、樹脂・ゴム・シールドベアリングはクリーナーでダメージを受ける可能性があるので、使わずに汚れを拭き取ります。
フォークコラムの汚れや古いグリスを拭き取ります。
ワン部分は圧入されているので外さず、フレームに付いた状態で洗浄します。
⑥グリスを塗布しながら、順にセットする。
パーツ類がセットされる部分にグリスを塗布します。
グリスを塗布しながら、外したパーツを順番に取り付けたいいきます。
⑦最終チェック
取り付けおわったら、ガタツキや固くないかをチェックしましょう。
ハンドルを左右に動かし、ハンドルに力をかけたり5cmほど上げて落とすなどして、取付け確認をします。動きが硬かったり、ガタつきや異音がする場合は組み直してみましょう。
ベアリングを使用したタイプ
インターナルタイプ・ボールベアリングを使用したヘッドパーツのメンテナンス例です。
①ブレーキキャリパーを外しておく。
ロードバイクのキャリパーブレーキは、フォーク裏側の穴の中にボルトがあります。
②ヘッドキャップ・ステムを緩め、ステム・スペーサーなどを順に外す。
取り外したパーツは順序・上下を確認しておきましょう。
ハンドルは無理に動かさず、ワイヤーにダメージが無いように気をつけましょう。
③上のヘッドパーツを外す。
固着している場合もありますが、無理に外すと樹脂類やパッキンがダメージを受けるので、ゆっくりと外しましょう。
このタイプのベアリングはリングに取付けられているのでバラバラになる心配はありません。
④フォークコラムを抜き、下のベアリングを外す。
フォークコラムを抜き、ヘッドパーツを外します。
⑤ヘッドチューブ・ヘッドパーツの汚れやグリスを落とす。
取り外したヘッドパーツ部品は順序・上下を確認し並べておきましょう。
⑥取り出したベアリングの洗浄。
他のパーツはシールドベアリングのものと同様ですが、ボールベアリングはパーツクリーナーで洗浄します。
古いグリスや汚れが残るとボールに傷がつき動きが渋くなってしまいます。
⑦グリスを塗布しながら、順にセットする。
グリスを塗布しながら、ヘッドパーツの部品を組付けます。
ボールベアリングにグリスが行き渡るよう、少し多めに入れましょう。
⑧最終チェック
同様に動きのチェックをします。動きが硬い場合はどこかのボルトが締まりすぎていて、ガタつきがある場合はボルトの締めが緩くなっています。
走行前に簡易的チェックもできると◎
ヘッドパーツは、ヘッドキャップのボルトでコラムを締め、上下からヘッドチューブを挟むように取付けられています。ボルトは締めすぎても緩すぎてもNGです。
走行前点検として、ハンドルに力をかけてみたり前輪を5cmほど上げて落とし、異音やガタつきがないか確認、ハンドルを左右に動かしスムーズに動くかどうかを確認しましょう。
ヘッドパーツにも、こだわりを!
精度の高いヘッドパーツに交換し、定期的にメンテナンスができたら、ハンドリングも快適になり、よりロードバイクを楽しめるでしょう。
ヘッドパーツにも、こだわりが持てたら、ロードバイクのカスタム上級者かもしれませんよ。