チューブラータイヤ ロードバイク

走行性能が高いチューブラータイヤ!その特徴とおすすめモデルを紹介します。

ロードバイク用タイヤの1つである「チューブラー」。走行性能が高いタイヤですが、その実態はあまり知られていません。クリンチャーやチューブレスと比較しながら、構造や性能の違いについて解説します。おすすめできる代表モデル5つも紹介します!

目次

アイキャッチ画像:筆者

走りが変わる「チューブラータイヤ」

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

ロードバイク用のタイヤの1つに「チューブラータイヤ」があります。レースなどの競技用として使われることが多いタイヤです。「走りが軽く」、乗り心地もいいため、ツーリングなどの趣味にも使えるタイヤです。

筆者はこれまでクリンチャータイヤを愛用していました。しかしチューブラーを試したところ、走りの軽快さや乗り心地が全く別物でした。現在ではチューブラーをメインで使うほど、気に入っているタイヤです。

走りが全く別物と感じたのは、チューブラーならではの構造の違いがあったからです。

どんな構造?

チューブラーは、クリンチャーやチューブレスとは異なる構造をしています。

ロードバイク タイヤ 種類チューブラー:チューブとタイヤが一体型

クリンチャー:チューブを使用する

チューブレス:チューブを使用しない

チューブラーは、タイヤの中にインナーチューブが縫い込まれていて、ホイールには、タイヤをリムに接着させて固定させます。

クリンチャーやチューブレスと違って、ワイヤービードでリムにはめる構造ではないので、専用のホイールが必要になります(詳細は後述しますね)。

チューブラーのここがポイント。3つのメリット

そんな独自の構造を持つチューブラー。どのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット①ホイールシステムが軽量になる

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

ホイールシステム(ホイール/タイヤ/チューブ)を大幅に軽量化することができます。ホイールの種類にもよりますが、両輪で約100g~200gは軽くなると思われます。

チューブレスタイヤと比較した場合には、タイヤは約50g重くなる傾向があります。しかしホイールの構造上、ビードを掛けるフックが不要のためリムが、軽量になります。また多くの超軽量ホイールは、チューブラー構造を採用しています。それほどまでにホイールシステムの軽量化に貢献してくれるのがチューブラーの特性です。

実際、ホイール全体の外周部が軽くなることで、加速や登坂がラクになることは間違いありません。

メリット②乗り心地がよくなる

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

タイヤ断面を見ると、真円の形をしています。クリンチャーやチューブレスは、ワイヤーでリムに引っかける構造のため、断面が潰れた円のような形です。

一方、チューブラーは、真円になることでしなやかな乗り心地になり、路面からの衝撃を緩和されたように感じます。路面からのギャップをいなすだけではなく、タイヤ時代が潰れにくいためです。細かい振動ノイズが少なくなるというイメージです。

またカーブなどで、車体を倒すような場面でも、タイヤは潰れにくいと感じられます。角度にかかわらず、一定以上のしなやかさを発揮できるのがチューブラーの強みです。

メリット③リム打ちパンクをしにくい

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

リム打ちパンクとは、段差を超える際にタイヤが潰れて、チューブがタイヤとリムに挟まれてパンクすることです。

しかしチューブラーではほとんどリム打ちパンクは起きません。リムにはフックがなくチューブが挟まれる箇所がないためです。その分、空気圧を下げやすいこともメリットになります。

ここは少しマイナス。3つのデメリット

走りにおいてはメリットが多いチューブラーですが、その反面、導入のハードルや、管理が面倒になる部分もあります。

デメリット①クリンチャー用のホイールと互換性がない

前述したように、チューブラーは、タイヤとリムを接着させて固定させるので、クリンチャーやチューブレスホイールとの互換性はありません。

チューブラーを使いために、新しいホイールを準備しなければならないという、ハードルの高さがあります。

デメリット②ホイールの選択肢が少ない

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

そして、そのチューブラー用のホイールですが、種類が少ないことも事実です。各ホイールメーカーのラインナップにも少なく、選択肢が限られることもしばしば。

他のホイールに比べ、デザインや予算などに、制限が出てくることもあるでしょう。

デメリット③パンク対策には、タイヤを持ち運ぶ必要がある

出先でのパンク対策として、クリンチャーの場合、基本的にはチューブだけを携帯しますが、チューブラーはタイヤ自体を携帯する必要があります。

チューブラータイヤは、パンクした時、縫い込まれたチューブだけを修理または交換することが難しいため、パンクしたらタイヤごと交換する運用になります。

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

上記のように、チューブラータイヤとチューブを比べると、2倍以上、大きさに違いがあります。荷物を少しでも少なくしたい時など、工夫が必要になってくるでしょう。

おすすめチューブラータイヤ5選

ここからは、チューブラータイヤをお探しの方に、おすすめしたい各メーカー代表的なチューブラータイヤを紹介しましょう。

CONTINENTAL SPRINTER

ロードバイクユーザーから人気の高いCONTINENTAL。SPRINTERは、中級価格帯ながらレースにも使える高い耐久性を持っています。しなやかな乗り心地と高いグリップで、カーブの多いシーンでも活躍します。これ一本で、レースからツーリングまでまかなえる信頼性の高いタイヤです。

サイズ22c、25c
重量275g (22c)、295g (25c)

VITTORIA RUBINO PRO

根強いファンを持つタイヤメーカーVITTORIA。RUBINO PROシリーズはクリンチャー・チューブレスも用意されていて、どのタイプを選択しても高いトータルバランスを持った性能を実感できます。チューブラーとしてはCORSAに次ぐセカンドグレードですが、耐久性も高いことも特徴です。

サイズ23c、25c、28c
重量285g (23c)、295g (25c)、335g (28c)
TPI180/3レイヤー

Michelin POWER COMPETITION

フランスに本社を置く他国製タイヤメーカーMichelin。自転車ではなく、自動車、バイク、航空機向けのタイヤも製造しています。


POWER COMPETITIONは、グリップ性能が高く、濡れた路面でもグリップ力が発揮できるオールシーズンタイヤです。路面と接するトレッド面には補強材が覆われており、耐久性も確保されています。

サイズ23c、25c、28c
重量260g (23c)、280g (25c)、300g (28c)

TUFO S33 PRO

東欧チェコのタイヤメーカーTUFOは、ロードバイクタイヤをメインに独自開発・展開をしているメーカーです。S33PROは耐久性も高く練習用チューブラーの位置づけですが、センター部をスリック・サイドを杉目にするなど走りに関してもクオリティが高く、安価で購入できるので初めてのチューブラーやスペアに最適です。

サイズ21c、24c
重量260g (21c)、310g (24c)

SOYO Upstream

ダイワボウが展開する自転車用タイヤブランドがSOYOです。トラック・競輪用もラインナップされていますが、Upstreamはロードバイク用として作られたチューブラータイヤで、職人の手作りによる国産品です。縫い目のないシームレス化による軽量など国内ではトップクラスのチューブラータイヤといえます。サイズ:22c ・重量:240g (22c)

よくある疑問「パンク修理が大変でしょう?」

チューブラータイヤ ロードバイク パンク修理

撮影:S.K.

筆者の個人的な感想ですが、「すごく大変になることはない」と思います。パンク修理ではチューブのみの交換ができないので、チューブラータイヤごとの交換になります。

そもそもですが、チューブラータイヤは専用テープか接着剤で固定されています。

チューブラータイヤ ロードバイク パンク修理

クリンチャーのようにワイヤービードが入っているわけではありません。そのためタイヤの付け外しが簡単なことが特長です。

作業時間だけで見た場合、クリンチャー10分、チューブラー15分といったところでしょうか。おもに時間がかかることは、接着させるためのテープ貼り作業です。

逆に手間を見た場合、クリンチャーよりも簡単だと筆者は思います。ワイヤービードがないため、タイヤの着脱が簡単です。力いっぱいに腕力を掛けなくともタイヤの付け替えができるので、タイヤ着脱が苦手な方には楽だと感じられると思います。

空気入れ作業もクリンチャーとまったく変わりません。出先でのパンク修理でも、そこまで大変になることはないのでしょうか。

チューブラータイヤで、「走り」を楽しもう

チューブラータイヤ ロードバイク

撮影:筆者

タイヤを変えるだけでも、乗り心地が大きく変わります。

特にチューブラータイヤは、走りを軽やかにする構造なので、より軽快な走りを追求できます。タイヤにこだわりたい方は、チューブラータイヤはいかがでしょうか。