スマートトレーナーとは
スマートトレーナーは、パソコンやスマホ、タブレットと接続することで、負荷を自動的に変更することができるトレーナー(ローラー台)のこと。バーチャルサイクリングソフトと組み合わせると、バーチャル空間で勾配が変化すると、それに応じてトレーナーの負荷が自動的に変化し、リアルな走行感が楽しめるようになります。
またパワーメーターを内蔵するモデルも多く、パワーメーターを持っていなくても、パワーを基準にしたより効果的なトレーニングに取り組むこともできます。
人気の理由はここにあり!
スマートトレーナーは、ここ1~2年で一気に人気がでてきました。その理由をいくつかご説明します。
ゲーム感覚や実戦形式でトレーニング
パソコン・タブレット・スマホの専用サービスと連携することで、ゲーム感覚や実戦形式でトレーニングすることができます。1週間から2か月程度のトレーニングメニューを日々クリアしていくことで、アプリの中でレベルアップするのはもちろん、実際の自分の能力もレベルアップ!
また実戦形式のメニューをリアルな走行感でこなせばモチベーションもアップし、より効果的なトレーニングにつながります。
もっとストイックに!エルゴモード
スマートトレーナーのもう一つの特徴が「エルゴモード」です。これは目標とするパワーになるように自動的に負荷が変わるモードのこと。例えば目標パワーが200Wの時に、190W、180Wとパワーが下がってくると、「オラオラ、もっと踏め~」とばかりに負荷が重くなって200Wを出させようとする地獄のモードです。きっちりトレーニングメニューをこなしたい、ストイックな方にピッタリのモードですね。
自宅でのフィットネスにも最適
クラシックトレーナーでのトレーニングは実走感に乏しく、どちらかというとツラい、厳しいものです。スマートトレーナーなら、まるで外を走っているかのような気分で楽しめるので、自宅でのフィットネスにも最適。天気の悪い日や、外が暗くなった仕事終わりでも、ロードバイクを漕ぐことができます。さらに事故や落車の心配もなく集中してトレーニングできるというのもメリットですね。
スマートトレーナーの楽しみ方
スマートトレーナーは、パソコンやスマホと連携することでいろいろな楽しみ方ができます。
「Zwift」などのレースやイベントに参戦
バーチャルサイクリングソフトで圧倒的なユーザー数を誇る『Zwift(ズイフト)』。これを楽しむためにスマートトレーナーを導入したいという人も多いでしょう。ズイフトとスマートトレーナーを連携させると、バーチャル空間の勾配にあわせてペダルの重さが変わり、本当に坂道を上っているかのような苦しさ、いや楽しさが味わえます。このリアルな実走感に加えて、別の場所にいる他の人と、バーチャル空間を一緒に走ることができるのも楽しみ。
またZwift内では、トレーニングイベントやバーチャルレースが行われており、Zwift環境が整っていれば誰でも参加可能。上り坂でアタックをかけたり、ゴール前スプリントでライバルの後ろで風をよけて脚をためたり、スマートトレーナーなら実戦さながらの駆け引きが楽しめますよ。
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ワークアウトで追い込む
もう一つの楽しみ(苦しみ?)方は、ワークアウトで追い込むこと。事故や落車の心配がないスマートトレーナーなら、限界まで追い込むことができます。バーチャル空間を走りながらなら、ワークアウトの苦しさをバーチャルな景色を見て紛らわすこともできますし、何よりただローラーを回すトレーニングより楽しいので、毎日やろうという気になれるのもいいですね。
またエルゴモードならさらにストイックに追い込めます。ツラいトレーニングが少しでも楽しくできるスマートトレーナーで、基礎体力向上や苦手分野を克服するのもアリです。
どんな種類がある?選び方も解説
スマートトレーナーには大きく2つの種類があります。それぞれの特徴と選び方についてご説明しましょう。
①おすすめはダイレクトドライブ式
ダイレクトドライブ式は、リヤホイールを外してロードバイクをセットするタイプのスマートトレーナーです。チェーンがトレーナーのギヤ(スプロケット)を回し、内部の負荷ユニットを駆動するので、振動が発生しにくく音が静かなのが特徴。
また大きなパワーを受け止めることができるので、キツい勾配まで再現できます。価格はおおよそ8万円台から20万円以下となっています。
②価格抑えめのタイヤドライブ式
タイヤドライブ式は、いわゆる固定ローラーといわれているトレーナーの負荷調整を、自動で行えるようユニット化したもの。ロードバイクをリヤハブ部分で固定し、リヤタイヤをローラーに押し付けることで負荷装置を回すタイプです。ダイレクトドライブ式に比べると音や振動が大きく、タイヤも消耗しますが、バイクをセットするのが簡単なので、やりたいときにすぐ始めることができます。また価格も4万円台からと、抑えめで始めることができます。
③再現できる勾配(斜度)もチェック
スマートトレーナーを選ぶ時は、再現できる勾配(斜度)もチェックしておこう。Zwift内のコースでの最大斜度は15%程度なので、この程度を目安にしたいところです。ただ15%の勾配と言えば実走でも相当キツい坂なので、これが再現できてもマトモに漕げるかどうか?ロードバイク初心者の方なら、6~7%程度の勾配が再現できれば十分苦しく、いや楽しく上ることができるでしょう。
④集合住宅なら、振動や音の小さいモデルを
スマートトレーナーは、意外と振動や音が大きいもの。人間とロードバイクと合わせて数10kgの重さを支えているうえ、タイヤや負荷装置が回転することで振動が発生しているのです。この振動がトレーナーから床を伝わって上下左右の部屋に伝わり、洗濯機のような音が響くと言われています。マンションなどの集合住宅の造りにもよりますが、騒音が気になりそうな場合は、なるべく振動の小さいダイレクトドライブ式を選ぶことをお勧めします。
スマートトレーナーの主要ブランド
Tacx(タックス)とELITE(エリート)は、クラシックトレーナー時代からの老舗。どちらもトレーナーとしての造りに定評があります。
スマートトレーナーの普及とともにトップブランドに躍り出たのがwahoo(ワフー)。坂道の傾きを再現するKICKR CLIMBや、走行中の風を吹き付けるKICKR HEADWINDなど、新機能も次々リリース中です。台湾の新興ブランドXplova(エクスプローバ)は、お求めやすい価格のスマートトレーナーをリリース。そしてジャパンブランドのMINOURA(ミノウラ)は、高品質とアフターサービスが安心ですね。
5万円前後のおすすめモデル
このクラスのスマートトレーナーは、タイヤドライブ式になります。最大パワーや再現斜度がやや物足りないように見えますが、ロードバイク初級者の方には十分な負荷がかけることができます。初めてのスマートトレーナーとしておすすめです。
Tacx(タックス) FLOW SMART
駆動方式 | タイヤドライブ |
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再現斜度 | 6% |
最大出力 | 800W |
パワー精度 | ±5% |
サイズ | 68x65cm |
重量 | 9.4kg |
wahoo(ワフー) KICKR SNAP
駆動方式 | タイヤドライブ |
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再現斜度 | 12% |
最大出力 | 1500W |
パワー精度 | ±5% |
サイズ | 74x66cm |
重量 | 17.2kg |
10万円前後のおすすめモデル
この価格帯だと、ダイレクトドライブ式の普及モデルとなります。初めてのスマートトレーナーとして、最大パワー、再現斜度とも十分でしょう。ダイレクトドライブ式で、音や振動が気になる方におすすめです。
Tacx(タックス) FLUX S SMART
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 10% |
最大パワー | 1500W |
パワー精度 | ±3% |
サイズ | 67x64cm |
重量 | 22.8kg |
ELITE(エリート) SUITO
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 15% |
パワー精度 | ±2.5% |
サイズ | 76x56cm |
重量 | 14.5kg |
XPLOVA (エクスプローバ) NOZA S
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 18% |
最大パワー | 2500W |
パワー精度 | ±2.5% |
サイズ | 59x51cm |
重量 | 17kg |
wahoo(ワフー) KICKR CORE
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 16% |
最大パワー | 1800W |
パワー精度 | ±2% |
サイズ | 58x51cm |
重量 | 18.1kg |
15万円以上のおすすめモデル
各社スマートトレーナーのハイエンドモデルになります。これでもの足りないということはないでしょう。インドアサイクリングにどっぷりハマってください!
MINOURA(ミノウラ) スマートターボ KAGURA神楽
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 25% |
サイズ | 170x71cm |
重量 | 25.6kg |
Wahoo (ワフー) KICKR Smart
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 2200W |
最大パワー | ±2% |
サイズ | 71x51cm |
重量 | 24.9kg |
Tacx(タックス) NEO 2T Smart
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
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再現斜度 | 25% |
最大パワー | 2200W |
パワー精度 | ±1% |
サイズ | 75x58cm |
重量 | 24.8kg |
ELITE(エリート) DRIVO 2
駆動方式 | 駆動方式:ダイレクトドライブ 再現斜度:24% 最大パワー:----W パワー精度:±0.5% サイズ:79x76cm 重量:18kg |
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再現斜度 | 24% |
パワー精度 | ±0.5% |
サイズ | 79x76cm |
重量 | 18kg |
必要なアイテムも揃えよう
スマートトレーナーをフル活用するために揃えておきたいアイテムをご紹介します。
パソコン・タブレット・スマホ
バーチャルサイクリングを楽しむのに必須のアイテムがパソコン、タブレットやスマホ。スマートトレーナーはこれらのソフトやアプリから操作することで、負荷を変化させるようになっています。
ディスプレイスタンド
パソコン、タブレットやスマホの画面が見やすいようにセットしておくディスプレイスタンドも準備したいですね。大型モニタに画面を移す場合でも、バーチャルサイクリング中にソフトを操作したり、チャットでおしゃべりするので、ディスプレイスタンドにセットしておくと便利ですよ。
トレーナーマット
インドアでのトレーニングは真冬でも大量の汗をかくもの。床が汗でびしょびしょにならないよう、トレーニングマットを敷いておきましょう。防振効果もあるので、騒音も少し低減することができます。
防振材
マンションなどの集合住宅などの場合、騒音対策も気にしたいところ。防振材は、スマートトレーナーと床の間に挟み込むことで、振動が床に伝わるのを防いでくれます。トレーナー専用に設計された防振パッド『ブルカット3』を使えば、周りに気を遣わずに自分の世界に集中ができますよ。
スマートトレーナーで自転車を楽しもう!
最近急速に人気がでてきたスマートトレーナー。価格もだいぶお手頃になってきて、これからチャレンジしてみようという方も増えてきました。インドアでも実走とほどんど変わらない走行感が楽しめ、雨でも夜でも気にすることなく、好きな時に安全に走れるスマートトレーナーで、自転車を楽しもう!