速く走り続けるなら、エアロロード!
エアロロードは、ロードバイクの中でも「エアロ=空力性能」を特に向上させたモデルです。空気抵抗を減らすフレームは、前面の面積が少なく、前後の方向に幅が広いのが特徴です。
「抵抗」の大部分は、空気抵抗なんです。
ロードバイクで走ると、「空気抵抗」、タイヤの「転がり抵抗」、「駆動系の抵抗」など、様々な抵抗をうけることになります。
なかでも空気抵抗は、速度が上がるにつれ増えていき(具体的には速度の二乗に比例)、時速15km/hでも全走行抵抗の5割、時速30km/hになると8割になると言われています。ですので空気抵抗を減らすことが、高速走行時の快適さにつながります。
「カッコイイから」で選ぶ人もいます
エアロロードのもう一つ魅力は「カッコよさ」です。エアロを追求した機能的なフォルムは存在感バツグン。ディープリムホイール、空気を切り裂くようなスタイリングは、魅力的ですよね。
平地で、ずば抜けて速いエアロロード
エアロロードが最も得意とする場面の「平地」。速いと言っても、倍の速度が出るわけではありませんが、エアロロードの設計の違いが、スピードの大きな差となって現れます。それでは、どのような特徴があるか見ていきましょう。
「エアロダイナミクス」設計
いかに空気抵抗を減らすかを追求した結果が、エアロロードのスタイルになっています。フレームは薄く平たく、ハンドルバーやシートポストは、飛行機の翼の断面のような形状をしています。
また、各パーツの段差を減らしたり、ワイヤーやケーブルはフレーム内を通して外に飛び出さないようになっています。
パワーを効率的に伝えるフレーム剛性
昔は薄く平たいフレームのエアロロードは、剛性が足りないと言われることがありましたが、最近はカーボン素材と加工技術などで、十分なフレーム剛性を備えるようになってきました。これによりペダルをこぐ力を無駄なく路面に伝える、エアロロードが多く作られています。
ディープリムホイールとの相性が良い
空力性能に着目して開発されてきたのがディープリムホイール。当然エアロロードとの相性はバツグンです。上位モデルの完成車では、フレームと一緒に開発されたディープリムホイールが装備されているモデルも多くあります。見た目的にもフレームに負けない存在感で、迫力あるシルエットが魅力です。
速すぎる最新のエアロロード、主要4台
それでは各社が技術の粋を集めて開発した、最新のエアロロード4モデルをご紹介しましょう。
SPECIALIZED/S-Works Venge
Speciallizedのエアロロードシリーズ、「S-Works Venge」。Vengeのエアロ形状は、コンピュータ上での解析を元に精密にデザインされ、さらにSpeciallizedの自社風洞施設Win Tunnelで検証された形状をしています。ステムやハンドルは、そのまま使えば最高の剛性とエアロを得られますが、お好みで一般的なハンドルやステムに交換することも可能。重量、剛性を犠牲にすることなくエアロ性能を高め、平地で速いだけでなく、ヒルクライム、スプリントまで、ライダーの思うがままに走ることができます。
cervelo/S5 Disc
もともとエアロ重視のトライアスロンバイクやTTバイクに強いcerveloが送り出すエアロロードが「S5」。前後のタイヤとのスキマを無くすようにエグれた特殊なフレーム形状が特徴です。すべてのケーブルをフレームに内蔵する機能や、専用のステム&ハンドルを装備し、エアロ性能を向上。またフレームの重量を増やすことなくボトムブラケットとヘッドチューブの剛性をアップし、激しいスプリントに耐える強靭性を備えています。
cannondale/SystemSix Hi-Mod Dura Ace Di2
cannondaleが「世界最速」と謳うエアロロードがSystemSix。名前の「Six」が示すように、6つのエリア:フレーム、フォーク、シートポスト、ハンドル、ステム、ホイールが一体となって空気抵抗を抑え、快適性を高め、最高速度を出すための剛性を最適化するよう設計されています。なかでも太めのタイヤを前提に設計されたKNØT64ホイールは、高い快適性、低い転がり抵抗、高いグリップ力など太いタイヤが持つアドバンテージを兼ね備えたホイールとなっています。
Canyon/Aeroad CF SLX Disc 9.0 Di2
ドイツのブランド、Canyonの送り出すピュアレーシングエアロロードがAeroad CF SLX。エアロロードとしてはベーシックなつくりですが、ワールドツアーを戦うモビスター・チームと共同プロジェクトを組んで開発に取り組むなど、その実力は折り紙付きです。そしてなんといってもコスパ最強!Canyonのバイクはお店で売っていません。Canyon公式サイトからの直販のみで、小売店を経由するコストを抑えることで驚きの価格を実現しています。
低予算ではじめるエアロロード、おすすめ4台
エアロロードはカッコイイけど、高くて手が出ない、なんて諦めていませんか?ここでは、しっかりエアロなデザインでありながら、低予算で始められるエアロロードのおすすめモデル4台をご紹介します。
MERIDA/REACTO 400
標準価格:186,890円(税込み)
MERIDAのエアロロードREACTシリーズのエントリーモデルがREACT400。アルミフレームでありながらMERIDA独自の加工技術で、上位カーボンフレームモデルと同様の空力性能を持つエアロ形状を実現しています。また後輪のブレーキは空気抵抗を減らすためBB下にマウントされているのも特徴。完成車で20万円を切る驚異的な低価格で、エアロロード入門におすすめです。
Bianchi/ARIA DISC 105
標準価格:352,000円(税込み)
ビアンキのミドルグレードエアロロードがAria。AriaはトライアスロンバイクAquilaCVとロードバイクのトップモデルOltreXR4の開発で得た、数値流体力学(CFD)解析データと風洞実験データをもとに開発されています。空気抵抗を減少させるため、フレームとフォークが統合されたデザインとなっているのが大きな特徴です。
GIANT/Propel Advanced 2
標準価格:247,500円(税込み)
GIANTのエアロロードPropelのエントリーモデル。上位モデルと同形状のエアロフレームで、メインコンポをShimano105とすることで価格を抑えています。また独自形状のPropel専用ブレーキのSPEED CONTROL SLを装備し、フレーム・フォークと一体化してエアロ性能を向上させています。
Canyon/Aeroad CF SL 7.0
標準価格:306,900円(税込み)
Aeroad CF SL 7.0は、CanyonのエアロロードシリーズAeroadのベースモデル。上位モデルと同様の空力性能で、高速巡航スピードに対応しています。そしてこの価格で、カーボンディープリムホイールReynolds AR58を装備。エアロ性能はもちろん、見た目のカッコよさにもこだわりたい貴方にピッタリです。
少しマイナスなトコロも知っておこう
エアロ、剛性、カッコよさと、エアロロードのメリットをご紹介してきましたが、マイナス点もあります。
車体重量が重い
エアロロードは、複雑なフレーム形状と剛性を両立させるため、車体重量が重くなりがちです。素材と技術の進歩で、より軽量なモデルも登場してきていますが、現状は軽さ命のヒルクライムには不向きといえるでしょう。
横風の影響を受けやすい
エアロロードの広いフレームは横風を受ける面積が広く、強い横風を受けると大きくふらつくこともあります。ディープリムホイールを履いていると、ハンドルを取られてなおさらです。
速さ×カッコイイなら、エアロロード!
まだまだ進化を続けるエアロロード。エアロダイナミクスを追求し空気抵抗を極限まで減らしたフォルムは、スピードが上がれば上がるほどその効果を発揮します。そして迫力のスタイルは、乗るのも、見るのもカッコイイのひとこと。エアロロードで速さとカッコよさを手に入れよう!
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