話題の「OC Handy Compact」を徹底レビュー!自転車にも使える?

高圧洗浄機ブランドとして世界的に知られるドイツ発のケルヒャーから登場した、最新モバイル高圧洗浄機「OC Handy Compact(ハンディエア)」。
手のひらサイズのボディで、電源いらず。ペットボトルやバケツから給水できる新モデルです。
アウトドアやスポーツシーンなど、幅広いシーンでの活用が想定されますが、「これ、自転車にもぴったりなのでは?」と思い、実際に購入して試してみました。結論から言うと、自転車にもかなり“使える”1台でした。
参考価格 | 14,982円(税込) |
最大許容圧力 (MPa) | max. 1.5 |
吐出圧力 | 中圧 |
吐出水量 (l/h) | 150 |
バッテリータイプ | リチウムイオン |
電圧 (V) | 7.2 |
使用時間(一回の充電) | ブーストモード 12分、エコモード 30分 |
充電時間 | 3時間 |
重量(kg) | 0.8 |
寸法(長さ×幅×高さ) (mm) | 254 x 71 x 186 |
ケルヒャー「OC Handy Compact」の特徴
まずは、「OC Handy Compact」の主な特徴を紹介していきます。
手のひらサイズで、驚きの軽さ

本体の重さはわずか約800g。さらにハンドルは折りたたみ式で、使用後はコンパクトに収納できます。
「大きくて重い」という高圧洗浄機のイメージを覆すサイズ感であり、ライド後の洗浄や遠征時の車載など、あらゆるシーンで持ち運びの面倒さを感じさせません。
電源・水道いらずで、どこでも使える

充電で駆動し、2Lペットボトルやバケツから給水できるため、駐車場や遠征先など、電源や水道がない場所でも気軽に洗浄を行えます。
フル充電(USB-C)にかかる時間はおよそ3時間。使用時は、ボタンひとつで「ブーストモード」と「エコモード(ブーストの約半分の圧力)」を切り替え可能です。ブーストモードなら最大約12分、エコモードなら最大約30分の連続使用に対応します。

また、LEDライトがモードとバッテリー残量を知らせてくれるため、使用中も状態をひと目で把握できます。
4-in-1ノズルで多彩な噴射モード

ノズル先端をひねるだけで、ジェット・幅広・シャワー・傾斜の4パターンを切り替えられます。たとえば、フレームを洗うときは幅広モード、タイヤのブロックに詰まった泥を落とすときはジェットモード、といった使い分けが可能です。
パーツに合わせて噴射モードを選べるため、汚れを効率よく落とせて、1台で幅広いシーンに使えます。
洗浄剤ボトルで「泡洗浄」にも対応

付属の「洗浄剤ボトル」にバイククリーナーなどの洗浄液を入れれば、水と一緒に泡状にして噴射できます。水だけでは落としきれない頑固な汚れや、本格的に洗車したいときに便利です。
開封&セットアップ方法をチェック!
このような箱に梱包されて到着しました。シンプルなパッケージデザインです。

それでは、付属品を順に確認していきます。

付属品
- バケツ用給水ホース
- 本体
- ペットボトル用ホース
- 充電コード(USB-C)
- 4-in-1ノズル
- 洗浄剤ボトル
- 取扱説明書
本体のほかに、取り付け用アタッチメントが4つ(給水ホース、ペットボトル用ホース、4-in-1ノズル、洗浄剤ボトル)。加えて、充電コードと取扱説明書が同梱されています。
セットアップは、ペットボトル用とバケツ用の2種類のホースから使いたい方を選び、噴射ノズルを取り付ければ準備完了。洗浄剤ボトルは、必要に応じてセットすればOKです。
セットアップの各ポイントを見ていきましょう。
ペットボトルを使う場合
水を入れたペットボトルのなかにペットボトル用のホースを入れ、その後キャップを締め、

あとはキャップ部分を本体に差し込んでセット完了。

これで、屋外でもペットボトルを“即席タンク”として利用できるようになります。手順はとても簡単です。
バケツを使う場合
水を入れたバケツに、付属の長い方のホースを入れ、クリップでフチに固定します。

このクリップがあることで、使用中にホースが浮いて水面から外れる心配がありません。

あとは本体側にホースを差し込むだけでセット完了です。

なお、水道から直接給水することはできないため、その点には注意が必要です。
噴射ノズル(4-in-1ノズル)を取り付ける
水を噴射する際は、この4-in-1ノズルを取り付けます。

手順は、ノズル側の矢印マークと本体側のカギマークを合わせ、止まる位置まで回すだけ。ノズルを装着すれば、水を噴射できるようになります。
泡洗浄:洗浄剤ボトルを取り付ける
泡洗浄を行う場合は、洗浄剤ボトルにクリーナーを入れてキャップを締め、本体先端の噴出口に差し込むだけ。簡単に泡洗浄が楽しめます。

これで水と一緒に泡を噴射できるようになり、本格的な洗車にも活用できます。
※画像ではホースを外していますが、実際の使用時はペットボトルもしくはバケツ用のホースを取り付けて使用します。
MTBの泥汚れは落ちる? 実際に使ってみた
それでは本題。「OC Handy Compact」は自転車のガンコな泥汚れを落とせるのか、実際に試してみました。
- 泥だらけのMTBで、洗車!
- 水はバケツにためた約5Lを使用
- 手順は、①水洗い → ②洗浄液の噴射 → ③仕上げ洗い
フレームからタイヤの溝まで、全体的に泥が乾いてこびりついた状態です。トレイル帰りを想定した、いわば“リアルな汚れ”で検証しました。



Step1:まずは水だけで全体を洗い流す
まずは水だけで全体を洗い流していきます。小型ながら水圧はしっかりしており、正直、ほとんどの汚れはこの工程だけで落とせる印象です。

一方で、高圧洗浄機で自転車を洗う際に気をつけたいのが、ベアリング部への水の侵入。ホイールのハブやBB(ボトムブラケット)、ヘッドパーツ、ペダルといった箇所に高圧の水をかけると、グリスが流れ落ちたり、サビが生じる原因となります。
そのため、これらの箇所は「ジェット」ではなく、「シャワー」モードなどでやさしく洗い流すのが基本です。
Step2:洗浄剤ノズルで泡洗浄
本格的に洗車したい場合や、こびりついた汚れを落としたいときには、付属の洗浄剤ボトルにバイククリーナーを入れて泡洗浄を行います。

ただし、洗浄液の吐出量は調整できない仕様のため、消費が早め。そのまま原液を入れるとすぐになくなってしまうので、水で少し薄めて使うほうが経済的だなと感じました。
Step3:最後にもう一度水で洗い流す
最後にもう一度水で洗い流し、残った泡や汚れを落としていきます。乾いたタオルなどの布でサッと拭き上げ、チェーンなどに注油をすれば完了です。

泥で覆われていたフレームもピカピカになり、タイヤの溝やチェーンステー、クランクまわりにこびりついていた汚れもきれいに落とせました。



「OC Handy Compact」の良かったところ
正直なところ、「こんなにコンパクトなのに、ここまで使えるのか」と驚かされました。とくに軽さや持ち運びやすさ、そしてどこでも使える機動力は、サイクリスト目線でも大きなメリットです。
ここからは、実際に使用して感じた「良かったところ」を順に紹介していきます。
800gの軽さとコンパクトさ

やっぱりこのコンパクトさは正義です。家の中で保管するときも、車に積んでおくときも場所を取らないのがありがたい。たとえば、画像のように車載コンテナのすき間などにスッと収まります(もちろんホースやバケツも別途必要ではあるものの、それでも省スペース)。
さらに、本体がわずか800gと軽量なため、持ち運ぶにしても疲れにくいですし、洗浄中も片手で扱えます。(2Lペットボトルを装着するとさすがにズッシリきますが)。
高圧洗浄機に抱いていた「大きくて重い」というイメージを、いい意味で裏切ってくれました。
どこでも洗える機動力

バッテリー駆動に加え、2Lペットボトルやバケツから給水できるため、帰宅後に駐車場などでサクッと洗車を行えます。さらに車に積んでおけば、遠征先でも車載前に手軽に汚れを落とせる。
まさにこの製品のキャッチコピー、「帰るまえに、10秒ケルヒャー。」のとおりの使い心地でした。
4パターンの噴射モードが実用的

今回の検証では、ほとんどの汚れを「幅広モード」で落とせました。ただ、スプロケットの歯のあいだに入り込んだ小枝や葉など、幅広では届きにくい汚れもあります。
そんなときは「ジェットモード」の出番。ピンポイントの強い水流で、細かな部分までしっかり洗い落とせました。
用途に応じて4つのモードを切り替えられるのは、かなり実用的だと感じます。
「OC Handy Compact」の気になったところ
全体としてはかなり満足度の高い製品でしたが、細かい部分で「もう少しこうなら…」と思う点もいくつかありました。
ここでは、実際の使用を通じて気づいた「気になるポイント」を率直に挙げていきます。
ペットボトルで洗うには限界がある

2Lペットボトルで給水できるのは便利ですが、やはり水量には限界があります。泥汚れを軽く洗い流す程度であれば十分対応できますが、泡洗浄まで行うとなると少し厳しいかもしれません。
そのため、軽い汚れのときはペットボトル、しっかり洗いたいときはバケツ、といった使い分けが現実的です。
クリーナーの消費が早い

検証パートでも触れましたが、洗浄剤ボトルで泡洗浄を行うと、想像以上にクリーナーの減りが早かったです。噴射量を調整する機能がないため、原液のまま使用するとすぐに使い切ってしまいます。
そのため、今後泡洗浄を行う際は、水で薄めてから使おうと思いました。洗浄力を保ちながらも、コストを抑えて使えるバランスを探るのが良さそうです。
「OC Handy Compact」はこんな人におすすめ!

ここまでの内容をまとめると、「OC Handy Compact」は以下のような人におすすめです。
- 高圧洗浄機がほしいけど大げさなのはちょっと…という人
- 高圧洗浄機のイメージを覆す、軽量・コンパクト設計。
- 自転車やバイクの泥汚れを落としたい人
- コンパクトながら、自転車についた泥汚れなどを洗うには十分な水圧。
- ベランダや駐車場で簡易洗浄をしたい人
- バッテリー駆動のため、電源がない環境でも洗車できる。
- キャンプ・アウトドア用品の洗浄にも使いたい人
- 自転車だけでなく、チェアやテーブル、靴の泥汚れなどにも使える万能さ。
本格的な高圧洗浄機のようなパワーは求めないけれど、“必要十分な水圧でどこでも洗える”という機動力を重視する人には最適なアイテムです。
「OC Handy Compact」は、手軽さと実用性を兼ね備えた、サイクリストにとって頼りになるポータブル洗浄機でした。
軽量コンパクトで扱いやすく、電源いらずでどこでも使える──。これまで愛車の手入れをつい後回しにしていた人ほど、その手軽さを実感できるはずです(筆者がまさに、笑)。
この1台があれば、ライド後の“洗車タイム”がきっと楽しくなるはずです。
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