しまなみ海道とは
広島県の尾道市と、愛媛県の今治市をつなぐ道「しまなみ海道」。海を臨む道として知られますが、「しまなみ海道」は愛称で、正式名称は「西瀬戸自動車道(西瀬戸道)」という、高速道路です。
その「西瀬戸自動車道」に併設されたのが、全長約70km、自転車専用道路の「しまなみ海道サイクリングロード」。海外のメディアで世界7大サイクリングルートに選定されたこともある、「サイクリストの聖地」です。
自転車で走る場合は、立ち寄る場所や体力にもよりますが、半日程度かかります。観光も楽しむ場合、10時間程度が目安となるでしょう。
ブルーラインに沿って、快適に走れます
しまなみ海道には「ブルーライン」と呼ばれる、サイクリングコースを示す線が道路に引かれています。ブルーラインに沿って走れば、道に迷わないでしょう。
ブルーラインは一本ではなく、尾道・今治間の70kmを導く「本線」のほか、島を外周するコースにも引かれています。外周コースは、しまなみ海道が通るすべての島に存在します。本線と比べると、多少坂道のキツい場所もありますが、より島の風景を楽しめますよ。本線を走っていると、外周コースとの分岐がある箇所があるので、チェックしてみてください。
通行料金は、尾道今治間で計500円
自転車で特定の橋を通る際、通行料金が発生します。すべて合わせると、片道500円。ちなみに原付も同じ料金で通行でき、歩行者は無料です。
橋の手前にある料金所で、料金箱に小銭を入れて通行します。また、観光案内所などで料金所で使えるチケットを販売しているので、都度小銭の用意が面倒な時は、事前にチケットを買うのも手でしょう。
【料金所の場所と料金】
料金所 | 料金 |
因島大橋 | 50円 |
生口橋 | 50円 |
多々羅大橋 | 100円 |
大三島橋 | 50円 |
伯方・大島大橋 | 50円 |
来島海峡大橋 | 200円 |
ただし、2024年6月31日までは、自転車の通行料が無料に!無料期間は、変わる可能性もあるので、お出かけ前にチェックしてみてください。
しまなみ海道の魅力
ブルーラインに沿って、迷わず走れるだけのサイクリングコースではありません。世界中から観光客が集まる、しまなみ海道ならではの楽しみを紹介しましょう。
①海!島!絶景を堪能
しまなみ海道は、日本有数の長距離サイクリングロード。いくつもの島を通りながら、海峡を横断できます。天気が良ければ、海の絶景を堪能できますよ!
島には、少し登れば島々と海が見渡せるスポットも!。シャッターチャンスが多くて、何度も停車して写真を撮りたくなるかもしれません。
②走り方・楽しみ方が無限大!
しまなみ海道といえば、尾道から今治を走る70kmコースをイメージする人も多いでしょう。ですが、今治からスタートする人、しまなみ海道の一部だけ走る人、近隣の島を走る人もいますよ。
走り方はさまざまあるので、ぜひいろんなコースを走ってみてください。ちなみに初めてしまなみ海道を走る人、普段自転車に乗らない人の場合、半日で40km程度を目安にすると良いでしょう。
③充実した観光地や商業施設
国内や海外からも、サイクリングで多くの人が集まるしまなみ海道には、周辺に、飲食店、特産品のショップ、宿泊施設などが充実していますよ。
見晴らしの良いカフェはもちろん、ご当地グルメや特産品を使った食事が楽しめるレストランなど、ご飯だけでも迷ってしまうかも!
また、スポーツバイクでも駐輪しやすい「サイクルラック」があるお店、さらには自転車ごと入店できる施設もあります。自転車の駐輪にも困ることも少ないでしょう。
しまなみ海道を楽しむプラン
景色はもちろん、観光地や飲食店も楽しめるため、しまなみ海道ではさまざまな過ごし方ができます。楽しみたい時間別に、簡単なプランを紹介しましょう。
【半日】島を1周&走る距離が短めもOK◎
しまなみ海道を尾道から最初に通る島、「向島」。
向島は一周が約18kmで、自転車なら2時間ほどで走れるでしょう。ランチや休憩を挟んでも、3時間ほどで尾道へ戻れるでしょう。普段自転車に乗らない人や、ママチャリで走る場合でも、向島一周なら程よい運動量かもしれません。物足りない場合は、向島のお隣、「因島」まで足を伸ばしてみるのも、手ですよ!
観光しつつ、サイクリングを少し楽しみたい人は、尾道からなら向島一周。今治からなら、片道約6kmの「来島海峡大橋」を往復などが、おすすめです。
【日帰り】長距離コース、島巡りを満喫
1日あれば、尾道〜今治の70kmも楽しめるでしょう。また、瀬戸内海の気になる島に渡る楽しみ方もあります。
各島へは、自転車と一緒に乗船できる船が出ているので、行きたい島へすぐ向かえますよ。
【1泊2日〜】サイクリング&人気スポットを巡ろう!
宿泊すれば、楽しみ方の幅も多くなります。また、しまなみ海道が通っていない、近隣の島へ行くのもおすすめ。近隣には「ゆめしま海道」「とびしま海道」など、他にもサイクリングコースがありますよ。
定番のコース以外も冒険してみたい人は、ぜひ泊まりがけで予定を組んでみてくださいね。
【プランに迷ったら】イベントやツアーを活用するのも良いでしょう
しまなみ海道のイベントやツアーを利用してみるのも、おすすめ。有名なフォトスポットや、ランチを楽しめるでしょう。
しまなみ海道をすでに走ったことがある人も、新しい発見があるかもしれませんね。ツアーは、旅行会社などで予約できますよ。
自転車がなくてもOK!レンタルサイクルがあります
しまなみ海道周辺には、レンタルサイクルのお店が複数あります。自転車を現地まで運ばなくても良いので、より気軽に走れますね。
こちらでは、返却場所が複数あるお店、もしくは乗り捨て可能なお店を紹介します。
タンデムやe-bikeも!『しまなみジャパン』
尾道駅、今治駅近くなど、返却場所が13箇所にあるレンタルサイクル。途中で返却して、船で出発地点に戻る、といったプランも立てられるでしょう。ママチャリやクロスバイクはもちろん、電動アシスト自転車やタンデム自転車(2人以上で乗れる自転車)などもレンタルできますよ。
パンクなど、自転車のトラブルに見舞われても、スタッフが現地まで駆けつけてくれるサービスもあります。
尾道駅近くのショップの地図はこちら
スポーツバイクが充実『GIANT STORE』
世界的スポーツバイクメーカーGIANT(ジャイアント)の公式ショップ。自転車の販売はもちろん、レンタルサイクルもあります。GIANTのバイク購入を検討しているなら、試乗も兼ねてサイクリングできますね。
尾道と今治に1店舗ずつあり、尾道店は自転車に特化した商業施設「ONOMICHI U2」の中に、今治店は今治駅内にあります。
尾道店の地図はこちら
おすすめのフォトスポット&ランチスポット
ここからは、しまなみ海道に行ったらぜひ立ち寄りたい、有名スポットを紹介します。まずは写真映え間違いなし。フォトスポットから、チェック!
絶景!しまなみ海道のフォトスポットをご紹介
しまなみ海道が「サイクリストの聖地」と呼ばれる理由のひとつは、景色の美しさ。ここからは、サイクリング中につい立ち止まりたくなる、わざわざでも寄りたくなる、フォトスポットを、厳選して紹介します。
因島大橋(いんのしまおおはし)
尾道のすぐ隣にある向島と、因島をつなぐ橋で、しまなみ海道の橋の中でも特に有名。全長は1339mで、二層構造になっています。自転車は下の層を通行でき、橋の白い鉄骨が先まで続く光景を撮影できます。
橋の下からなら、「しまなみ海道らしい」海と橋の写真が撮れますよ。
来島海峡大橋
大島と今治をつなぐ、巨大な橋。全長は4,105mで、海を眺めながら走ることができます。まっすぐで、勾配も少めなので、今治からしまなみ海道を走ってみたい人にもおすすめのスポット。
今治城
今治駅にほど近い、言わずと知れた美しいお城です。お堀の外からお城全体を撮ることもできますが、門をくぐった先にサイクルラックがあるため、自転車を押し歩きながらエリア内を散策もできますよ。天守などの観覧は有料なので、ご注意ください。
トイレもあるので、休憩スポットとしてもおすすめ。ちょっとお城みたいですね。
番外:亀老山展望公園
今治の手前に位置する、大島の展望台。全国的にも有名な絶景スポットで、来島海峡大橋や来島海峡を一望できます。
ただし公園までは、急な坂が続く険しい道のり。ママチャリやクロスバイクでは、走るのが難しいスポットなので、番外にしました。
坂道に慣れていれば問題ないかもしれませんが、電動アシスト付き自転車でチャレンジしてみるのも、ありです。
しまなみ海道のおすすめランチ!
サイクリングを頑張ったら、ご褒美に美味しいグルメはいかがですか!しまなみ海道の特産といえば、レモンなどの柑橘類、魚介類などがあります。ここでは、特産物を活かしたメニューがあるお店、眺望の美しいお店など、お昼時におすすめのスポットを少しだけ紹介しましょう。
モーモーキッチン
向島にある、眺望も楽しめるレストラン。モーニングやランチで、ボリューミーなメニューをいただけます。こちらは「オトナのお子様ランチ」。いろんなおかずを少しずつ食べられますよ。
モーモーキッチンの地図はこちら
BUBUKA
大三島にあるカフェ。地元の食材を使ったランチや、こだわりのドリンク、酵母パンなどをいただけます。ランチは、小鉢に入ったいろんなおかずを堪能できますよ!
11時から17時までの営業が多く、おやつの時間にはブラウニーなど、手作りデザートを食べに訪れる人もいます。
BUBUKAの地図はこちら
「海賊むすび」を食べ比べよう
しまなみ海道の隠れた名物「海賊むすび」は、ご存知ですか?昔、瀬戸内海で航海をしていた「村上海賊(村上水軍)」が、食べていた”海賊めし”に思いを馳せて、生まれたおにぎりです。
海賊むすびの具は、主に明太子などの海産物ですが、種類はさまざま。しまなみ海道周辺には、海賊むすびを販売するお店が複数あるので、ぜひ食べ比べてくださいね。サイクリング中のちょっとした休憩にも、腹持ちのいいおにぎりはピッタリ!
しまなみ海道の周辺宿泊施設なら、ココ!
しまなみ海道周辺で宿泊すれば、海道を往復できたり、ブルーラインを越えてちょっと冒険できたりと、よりしまなみ海道を満喫できますよ。ここからは、自転車を館内に持ち込めるなど、サイクリング中でも利用しやすい宿泊施設を紹介します!
ONOMICHI U2(HOTEL CYCLE)
2014年にオープンした、尾道駅近くの複合施設。館内には地元の特産物を扱うレストランや、レンタルサイクルも行う自転車ショップ「GIANT STORE」なども併設されています。
宿泊施設はHOTEL CYCLEという名称で、室内に愛車をかけられるラックがありますよ!コーヒーが飲み放題のほか、バーチャルサイクリングの体験もできます。
HOTEL CYCLEの地図はこちら
WAKKA
しまなみ海道の真ん中、大三島にある、自転車持ち込みOKの宿泊施設です。ドミトリーがあり、他のサイクリング中の人と知り合えるきっかけがあるかもしれませんね。またコテージやドームテントに滞在すれば、窓から瀬戸内海を一望できますよ。
施設内にはカフェもあり、宿泊者は夜に海鮮たっぷりのBBQ、もしくはブイヤベースを楽しめます。
WAKKAの地図はこちら
今治国際ホテル
今治駅から徒歩10分ほどの場所にあるホテル。老舗で風格のある建物ですが、客室内へ自転車の持ち込みができます。
館内には天然温泉の大浴場や露天風呂、サウナなどがあり、サイクリング後の身体を癒すことができるでしょう。
今治国際ホテルの地図はこちら
それでは、次ページで実際に編集部員が、しまなみ海道を走ったレポートをご紹介!