実際に走ってみた!しまなみ海道レポ
しまなみ海道の遊び方は無限大。一例として、編集部2名が、それぞれ走ったサイクリングルートを紹介しましょう。ぜひ「しまなみサイクリング」のイメージを膨らませてみてくださいね。
走る前に、服装や持ち物を考えよう
モデルルートの紹介の前に、しまなみ海道を走る際、準備しておきたいことを、まとめました。瀬戸内海に面したしまなみ海道は、天気がいいと日差しが強く、時期によってはサイクリング中に汗ばむこともあるでしょう。
快適に走れるよう、服装や持ち物選び方について紹介します。
【暑い時期】通気性のいい服装を
夏に限らず、長い距離を自転車で走れば、汗ばむこともあるでしょう。服装は上下とも、通気性の良いデザインを選んでください。
速乾性がある素材なら、汗をかいてもサラッとした着心地が続くでしょう。また日焼けが気になる人は、ラッシュガードなど紫外線対策できる上着を着てもいいですね。サイクリングの後のために、着替えもあると安心です。
【寒い時期】は、脱ぎ着しやすい服装がおすすめ
海風が冷たい冬は、厚着をしがち。ですが、サイクリングをしていると、だんだん暑くなってきます。前開きなど、着脱しやすい服装なら、サッと体温調節ができますよ。
筆者のおすすめは、ネックウォーマー。走り出しは首元が冷えやすいので、首を風から守れるアイテムが便利です。
飲み物やボトルを用意。熱中症対策を忘れずに
サイクリングをするなら、飲み物は用意しておきましょう。特に夏場は熱中症を起こしやすいため、こまめに水分補給できるようにしたいです。
ママチャリならハンドルに、クロスバイクなどのスポーツバイクなら、フレームに取り付けできる「ボトルホルダー」があると便利。バッグから、ボトルを取り出す手間なく飲めるので、ぜひ活用してみてください。
ボトルホルダーについて、詳しくはこちらから。
すぐに地図が確認できるアイテムがあると◎
しまなみ海道では、ブルーラインが道標になります。ブルーラインに沿って走れば、サイクリングコースから外れることはありませんが、線が途切れている箇所や、分岐している箇所もあります。
そんな時は、スマホの地図アプリがすぐ開ける状態だと安心。ハンドルに取り付けできる「スマホホルダー」があれば、手元に地図を表示した状態で走れますよ。
また一部の「サイクルコンピュータ(サイコン)」なら、スピードや距離もリアルタイムで追えるほか、GPS機能で地図も確認できます。
スマホホルダーについて、詳しくはこちらから。
サイコンについて、詳しくはこちらから。
安全対策も怠らずにしよう
季節関係なく、サイクリング時はグローブを用意しましょう。万が一の転倒の時なども、手を守ってくれます。冬は防寒になることはもちろん、夏は紫外線対策にもなります。夏は、通気性が良い、指切りタイプのグローブがおすすめ。グローブがあれば、手汗でハンドルが滑る心配もありませんよ。
クッション性があるグローブなら、地面からの衝撃を吸収してくれるので、長距離も快適に走れるでしょう。
また自転車のチェーンにパンツの裾が巻き込まれないよう、足元は裾が広がっていないデザインがおすすめ。もし裾が広がったデザインなら、ゴムなどで足首に裾を巻き付けておくと、安心ですよ。
サイクルグローブについて、詳しくはこちらから。
日帰りで約30km!グルメを楽しむサイクリング
では、さっそくモデルコースを紹介します。まずは、手ぶらで楽々!日帰りサイクリングを紹介します。
・ランチや休憩時間を、ゆっくりと楽しみたい
・寄り道も楽しめるスケジュールがいい
・写真をたくさん撮りたい
編集部Rが、2023年1月末に走った記録です。初めてスポーツバイクにチャレンジする人も、ぜひ参考にしてみてください。
走ったルートはこちら。距離はおよそ30kmで、向島をメインにしたルートです。
朝、広島空港からバスと電車を使って、尾道駅へ到着。駅近くの「しまなみジャパン」でレンタルサイクルしました。
レンタルしたのは、世界的スポーツバイクメーカー「GIANT」のクロスバイクです。チェーンロックやドリンクホルダーも付いていますよ。ヘルメットもレンタルできるので、手ぶらでOK!
黄色いフレームが、青空や瀬戸内海のブルーによく映えますね。
いざ、尾道の隣の向島に向けてフェリーで出発!フェリーには、自転車をそのまま載せられますよ。階段などなく、簡単に乗車できます。
ちなみに運賃は大人が100円、自転車が10円。およそ12分間隔で来るので、帰り時間も気にせず利用できそうです。
向島まではあっという間。降り場が近づくと、なんだかワクワクしてきます!さあ、サイクリングへ出発!
向島を走っていると、赤い橋が見えてきました。「向島大橋」です。岩子島という小さな島を結ぶ橋で、歩道もありますよ。
最初の休憩スポットに到着。アイスクリーム店の「tsubuta SANK!」です。瓦屋根の一軒家に見えますが、中は小さなイートインスペースもある、おしゃれなカフェです。
メニューはこちら。冬季限定でぜんざいや、ホットのジンジャーエールもありました。せっかくならアイスが食べたいけど、身体が冷えちゃいそう!そんな時は、アイスクリームぜんざいがピッタリかもしれませんね。
店内はこんな感じ。特に冬場は長居したくなる、居心地のいい場所でした。
ひと息ついたところで、再出発。こちらは向島と因島をつなぐ、因島大橋です。橋の長さは1,270m。人のサイズと比べると圧巻ですね。
因島大橋は、自転車でも通行できます。橋は二層になっていて、下層部は自転車で通れます。白い鉄骨がどこまでも続く景色を楽しめますよ。しまなみ海道でも特に有名なスポットなので、ぜひチェックしてみてください。
ランチは、瀬戸内海に近いエリアを中心に展開する、回転寿司店へ。瀬戸内産の魚介類を使ったネタが楽しめます!
しまなみ海道に来たら、やっぱり海鮮ですよね!海鮮丼も定番ですが、好きなネタを好きな量だけ楽しめる回転寿司も、おすすめです。ただし、サイクリング中なら食べ過ぎ注意!
道中は、おいしそうなみかんの樹をよく見かけます。しまなみ海道ならではの風景と言えるかもしれませんね。
食後のデザートタイムです!果物いっぱいのパフェをいただきに来ました。
パフェのメニューが多すぎて目移りしました。完熟フルーツぎっしりで、幸せ〜!走った後にちょうどいい酸味です。個人的には、この旅でいちばん印象的なグルメでした。
冬は日が短いですが、たくさん寄り道して、写真を撮っていても、日が暮れる前に戻って来れました。おいしいグルメにたくさん出会った、大満足な一日でした。
1泊2日で、合計約150km!ブルーラインを越えた冒険ライド
次に、泊まりがけで走る人にぜひおすすめしたい、しまなみ満喫スケジュール!筆者である編集部Hが、ブルーライン沿いの定番コースを越えて、ちょっと冒険してみました。
・ほどよくロングライドしたい
・「しまなみ」らしい宿泊施設を利用したい
・写真をたくさん撮りたい
今回は、しまなみ海道を知り尽くしたメンバー先導の、グループライドに参加しました。イギリスの自転車ウェアメーカー「Rapha」が手がけるサイクリングクラブ「RCC」の企画です。ぜひRCCもチェックしてみてください!
1日目:約55kmのコースで、大三島を散策!夜はBBQ
2023年3月中旬、朝8時半に、大三島の宿泊施設「WAKKA」へ集合。40名ほどの参加者で4グループに分かれて出発しました。小雨の降る朝で、薄いダウンを着てちょうどいいくらいの季節でした。
序盤からブルーラインでない、砂利道や舗装の少し荒れた場所を抜けていきます。地元の人が通るであろう道沿いには、鈴なりのみかん!瀬戸内ならではの風景ですね。
短い斜面をのぼると、遠くに島と島を繋ぐ橋が見えました。くもり空でも、しっかり遠くが見えますね。
下り坂は寒い!少しのぼれば、海と島の美しい風景を楽しめますが、長く停車していると身体が冷えました。3月に走るなら、防寒対策も必要かもしれません。
ランチは大三島のBUBUKAというカフェへ。曲げわっぱに入った鯛めしや、地元の海鮮、野菜を使った定食をいただきました。シャキシャキ野菜や、プリッとしたひと口サイズのタコもおいしかったです。
こちらはみかんジュース。実際に見ると、よりこっくりとした色味でした。もちろん味も超濃厚。みかんをそのまま飲んでいる気分になります。瀬戸内は柑橘類でも有名。さまざまな種類のみかんやレモンが栽培されているので、味比べしたくなります!
初日は大三島がメインですが、隣の伯方島にも足を伸ばしました。午後からは少し日差しも出てきました。
こちらは伯方島の開山公園にある、東家からの展望。季節によっては、東家周辺がツツジでいっぱいになるそうです。ピンクとブルーのコントラスト、きっと綺麗なはず!
伯方島と言えば、塩!と言うことで、道の駅「伯方S・Cパーク」にて、塩ソフトをいただきました。駐輪場には、スポーツバイクがびっしり。アイス屋も大行列でしたが、並んだ甲斐がある美味しさでした。
ちなみにここには、人の形をした自転車スタンドがあります。その名も「シクロ・ツーリスト」。しまなみ海道に全部で”6人”のスタンドが設置されているので、ぜひ探してみてくださいね。
16時半ごろ、出発地でもある宿の出発地WAKKAへ到着!サイクリング向けの宿泊施設で、フロントに愛車を持ち込むこともできちゃいます。
施設内には、ドミトリー、コテージ、テントの3種類の宿泊施設があります。ドミトリーは男女別に分かれていて、カードキーをかざして入室するため、セキュリティもばっちり。
3月の中旬ということもあり、施設内のあちこちでミモザが満開を迎えていました。
テントのすぐ横は瀬戸内海!さらに多々羅大橋、生口島などを眺めることができます。テント内は空調が効いていて、おしゃれなキャンプ用家具が設置されています。グランピング気分が味わえますね。
こちらはコテージ内部。施設内には、共用のシャワールームがありますが、コテージは専用のシャワーも使えます。もちろん空調も完備。愛車を室内に保管でき、ゆっくりくつろげました。
施設内はこんな感じ。共用のお手洗い、シャワールームのほか、コインロッカーもあります。アメリカ三大スポーツバイクメーカーのひとつ「スペシャライズド」の、e-bikeレンタルもできますよ。
夜は施設のカフェの外で、BBQ!海鮮はもちろん、霜降りのお肉やアヒージョ、デザートのスモア(焚き火で溶かしたマシュマロを、クラッカーで挟んで食べるスイーツ)を堪能しました。ドリンクメニューには、地ビールや柑橘を使ったカクテル、ジュースなどもありましたよ。
WAKKAでは、夏場はBBQ、冬はブイヤベースの夕食をいただけます。瀬戸内海の静かな夜景を眺めながら、ほっと一息つけるでしょう。
2日目:約100kmのロングライド!フェリーでゆめしま海道へ
朝7時に、施設内にあるカフェで朝食をいただき、約100kmのロングライドへ出発!
2日目は快晴で、瀬戸内海に面したカフェには、朝日が降り注いでいました。あたたかい日差し、サクサクのクロワッサンで、椅子に根が張ってしまいました。笑
2日目は、尾道側の島々を巡ります。もちろん、前日に続き、ブルーラインを脱線しまくりのコース。
こちらは因島「白滝フラワーイン展望台」付近の様子。展望台というだけあり、少々のぼり坂が続きました。斜度がキツいポイントもありましたが、抜けた先の景色は格別!
ランチは向島にある「モーモーキッチン」にて。尾道からも近いので、日帰りサイクリングにもおすすめのランチスポットです。
上の、小皿がたくさん載ったプレートは、「オトナのお子様ランチ」。品数が多く、十分お腹いっぱいになりました。
それでも物足りない人には、ハンバーグが2段になった「ハンバーグランチ」もありますよ。
デザートは別腹!同じく向島にあるアイスクリーム屋「tsubuta SANK!」にも行きました。地元の柑橘類を使ったジェラートはもちろん、いちごやショコラオランジュなど、オリジナルのフレーバーから選べます。
ちなみに入店したお昼時は、観光客やサイクリング中のお客さんで大賑わい。一部のフレーバーは売り切れ間近でした。全種コンプを目指すなら、特に夏場は早めの来店がおすすめです。
午後からは、しまなみ海道に隣接する島々のサイクリングロード「ゆめしま海道」を走りました。ゆめしま海道へは、フェリーで向かうことができますよ。海道とは言っても、しまなみ海道と比べると短い距離なので、寄り道としても楽しめるでしょう。
ただしフェリーの運行時間が決まっているため、帰りのフェリーの時間には要注意!
旅のクライマックスは、生口島にあるオブジェ「ベルベデールせとだ」での記念撮影。干潮時には、オブジェにのぼることができます。爽やかな黄色が、青空に映えますね。
こんな感じで、1泊2日の大満足サイクリングが終了!印象的なシーンはたくさんありますが、ぜひご自身の目で確かめてみてくださいね。
どうやって行く?しまなみ海道までのアクセス
最後に、現地のしまなみ海道までの主な交通手段をまとめました。東京、大阪などから行く場合は、今治より尾道の方が、アクセスしやすいかもしれません。
東京から尾道の場合
車はもちろん、新幹線、飛行機で行く手段があります。
【東京から尾道までの時間・費用めやす】
かかる時間 | 交通費(片道) | 備考 | |
車 | 約10時間(高速道路利用) | 約16,000円 | ETC利用・普通車平日 ガソリン代別 |
新幹線+電車 | 約4時間 | 約19,000円 | のぞみ利用 |
飛行機+バス | 約4時間 | 約40,000円 | シーズンや利用航空会社、予約のタイミングで変化 |
車で行く場合
高速道路を利用して、およそ10時間です。休憩を挟む場合や、連休など混雑する日は半日以上かかるため、時間に余裕をもって行きましょう。
大阪付近で渋滞に巻き込まれやすいため、大阪を抜けるタイミングが通勤ラッシュ時間に被らないよう、調整することをおすすめします!
新幹線で行く場合
福山駅で降り、JR山陽本線の福山駅から尾道駅まで向かいましょう。「こだま」に乗るなら、福山駅よりも新尾道駅が便利。尾道駅前までバスで行くこともできます。
飛行機で行く場合
広島空港で降り、空港から出ているリムジンバスで福山本郷駅で下車します。その後歩いて40分ほどか、タクシーで15分ほどで、尾道駅に向かうことができます。
空港から尾道駅まで、バスや電車を乗り継ぐ必要があるでしょう。空港を出てからも、合計で1〜2時間かかるので、所要時間に注意してくださいね。
大阪から尾道の場合
大阪からの場合、車と新幹線が主な交通手段になります。新幹線なら、東京からと同じく、福山駅で降り、JR山陽本線の福山駅から尾道駅まで行けます。
【大阪から尾道までの時間・費用めやす】
かかる時間 | 交通費(片道) | 備考 | |
車 | 約4時間(高速道路利用) | 約8,000円 | ETC利用・普通車平日 ガソリン代別 |
新幹線+電車 | 約2時間 | 約8,500円 | のぞみ利用 |
オレンジフェリーで、大阪今治間がラクに
大阪からなら、今治までラクに移動できる「オレンジフェリー」も便利です。夜8時にフェリーで大阪南港を出発し、今治に近い東予港に朝6時に到着できます。港からは無料のバスが出ていて、近くの駅までアクセス可能。そこから今治駅まで約20分ほどで到着します。
フェリーなら、自転車を輪行して移動もしやすいでしょう。今治スタートで走りたい人は、ぜひフェリーを活用してみてください。
しまなみ海道をサイクリングしよう!
しまなみ海道は、海や橋、島々を眺めながら走れる、サイクリングの聖地。ブルーラインに沿って走れば、地図と睨めっこしなくても、快適にサイクリングを楽しめるでしょう。
またしまなみ海道は公道ですが、地元住民、地域を盛り上げたい人など多くの方が携わることで、常に走りやすい環境に整備されています。交通ルールを守り、思いやりを持って走行しましょう。
スポーツバイクはもちろん、ママチャリでも走れるので、ぜひ訪れてみてくださいね。