歩行者専用道路

自転車で歩行者専用道路を走行できる?罰金はある?基本ルールを確認しよう

「歩行者専用道路」は、自転車で走って良いのでしょうか?

“歩行者専用”ですので、自転車で走るのはNGのような気がしますが、はっきりとわからない人も多いでしょう。ここでは、歩行者専用道路とはどんな道なのか?その疑問を解決しつつ、自転車で走行できる例外があるのかなど、基本ルールについてまとめました。

目次

自転車は「歩行者専用道路」を走れる?

歩行者専用道路の標識
歩行者専用道路の標識

歩行者のための道路「歩行者専用道路」。標識などでも良く目にしますよね。車を運転している場合、一方通行や、進入禁止など標識に注意しますが、自転車だと、標識を見逃して、走ってしまうことも多いかもしれません。

歩行者専用の道のため自転車走行はNG

歩行者専用道路は、歩行者のみが通れる専用道路のため、自転車での走行はできません。自転車を降りて押して歩く場合は歩行者として扱われます。

また、リアカー付き自転車や大型自転車であっても、原則として押して歩けば歩行者とみなされますが、通行の妨げになるようなサイズや状況によっては、警察の指導や規制を受ける場合があります。

「歩行者専用道路」とはどんな道のこと?

歩行者専用道路

「歩行者専用道路」というのは、”車両の通行を禁止して、歩行者の安全な通行を確保、歩行者のみ通れる専用道路”とされています。

たとえば、通学路の一部(通学・下校時間のみなど時間制限あり)、駅前や住宅街の歩道、歩行者天国などが、「歩行者専用道路」です。

「歩行者専用道路」と「自転車及び歩行者専用道路」の違い

自転車及び歩行者専用道路の標識
自転車及び歩行者専用道路の標識

歩行者専用道路に似た標識に、「自転車及び歩行者専用道路」があります。この2つの違いをまとめてみました。

歩行者専用道路自転車及び歩行者専用道路
自転車の通行✗(押し歩きは可)◯(規制により通行可能な車両)
利用対象者歩行者のみ歩行者および自転車利用者
主な設置場所駅前広場、商店街、住宅地の一部通学路、歩行者と自転車が多い場所

「歩行者専用道路」は、基本的には自転車での通行は不可です。

一方、「自転車及び歩行者専用道路」は標識や公安委員会の規制により、通行が許可された車両(普通自転車、特定小型原付など)が通行できます。スピードの出し過ぎや、歩行者に注意して走行する必要があります。

歩行者専用道路を自転車で走ると罰金?

商店街

歩行者専用道路を自転車で走行すると、罰金が科される可能性があります。これは、歩行者専用道路では自転車の走行が禁止されており、違反とみなされるためです。

もし取締りを受けた場合、道路交通法第9条に基づき、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。

通勤通学途中に歩行者専用道路…そんな時どうする?

通勤や通学の途中に、歩行者専用道路があるという場合もあるでしょう。そんな時は、どのようにしたら良いでしょうか。

基本は通らないルートを走る

歩行者専用道路が、通勤や通学途中にある場合、基本的には、通らないようなルートを使うべきでしょう。

歩行者専用道路は、歩行者が多く、駅前や住宅地・学校付近などに設置されていることが多く、”自転車の通り道とはっきり分けたい”という目的が明確だからです。

自転車を降りて押していく

自転車を降りて押していく

出典:flickr/Chiara Coetzee

歩行者専用道路を通らないと、会社や学校に行けないような場合や、大幅に遠回りになる場合は、自転車を降りて、押していくこともできます。

自転車を押していくので、走行するよりも時間がかかりますが、この方法なら、歩行者専用道路を通ることができます。

自転車が「歩行者専用道路」を通れる例外とは

自転車が歩行者専用道路を通行できる例外があります。その具体的なケースを確認してみましょう。

1、歩行者専用道路でも許可を受けた場合

歩行者専用道路でも、通行禁止道路通行許可の申請をして許可を受けた場合、通行が可能です。

許可を受けられる例として、以下のような場合です。

・歩行者天国の区域内で、店舗への物品搬入が必要な場合
・障がい者用の自転車で、他の代替ルートがなく歩行者専用道路を経由して目的地に到着したい場合

申請は最寄りの警察で行います。許可証などは常に所持し、求められた際には提示する必要があります。

2、自転車及び歩行者専用道路などの標識がある

自転車及び歩行者専用道路

出典:Pixabay/Sweetlouise

「自転車及び歩行者専用道路」や「普通自転車歩道通行可」などの標識がある場合、自転車での通行が可能です。この場合も、基本的には歩行者に気をつけ、また、人が多い場合などは、徐行するようにしましょう。

3、工事などで車道が狭く、車道を安全に通行できない場合

工事 車道

出典:photoAC/ふくわらい

災害や道路工事、駐車車両の影響などで車道の左側を通行するのが困難な場合、普通自転車は、安全を確保するためにやむを得ないと判断される場合に限り、歩行者専用道路を通行することが認められています。

【注意】交通規制の効力がない看板もあります

車道 交通規制

出典:photoAC/hakusyu

歩行者専用道路の標識の中には、法的効力がない標識もあるので、確認していきましょう。

規制や指示標識は公安委員会が設置

一般的な標識(一時停止、駐輪禁止など)や、指示標識(停止線、横断歩道など)は、必要に応じて都道府県の公安委員会(警察)が設置することになっています。

公安委員会(警察)以外が設置した標識は法的効力はなし

出典:楽天市場

自転車で走っていると、公安委員会以外が設置した看板などにも遭遇するでしょう。

たとえば、道路工事の近くなどに、「徐行」などの看板が出ていることがありますが、こういったものは、公安委員会が設置したものではなく、工事業者が「注意をうながす看板」として設置したもの。そのため、法的効力はありません。

それと同じで、「歩行者専用道路」標識や看板自体も、国・県・市町村など地元の自治体が設置したものが存在します。標識は私有地・公園など、看板は工事中の歩行者通路などに取り付けられていることが多いので、判断はつきやすいとは思いますが、”そういう標識・看板が存在している”ということも、頭の片隅に入れておきましょう。

自転車は歩行者専用道路を通らないルートが前提

近所はもちろん、自転車でよく走る地域に歩行者専用道路がある場合は、そのエリアをなるべく通らないルートを選ぶようにしましょう。

特に歩行者が多い時間帯は、自転車を押して歩くのも、歩行者の邪魔になってしまうことがあります。交通ルールを守るのはもちろんですが、周囲の状況に応じながら、安全に自転車に乗りましょうね。