Edge530の基本スペック・特徴
GarminのEdge530とは、どんなサイコンなのでしょうか?基本スペックや特徴を見ていきましょう。
Garmin Edge530
多機能なミドルグレード「Edge530」
Garmin Edge530は、非常に多機能なサイコンです。カラー地図でのナビ機能や、スマホ・心拍センサー・パワーメーター等との連携、ライダーのサポート機能など、昨今の高性能サイコンの機能を網羅しています。
本体で約5万円と高価ではありますが、Garminのラインナップではミドルグレードに位置するモデル。これからステップアップしたい初心者から、実用性を求める上級者まで、幅広く人気のあるサイコンです。
本体サイズ | H82×W50×D20mm |
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画面サイズ | 52×40mm |
重量 | 75.8g |
最大駆動時間 | 20時間 |
ナビ機能 | あり(カラー地図) |
マルチGNSS | 対応(みちびき対応) |
無線接続 | Bluetooth、ANT+、Wi-Fi |
価格(税込み) | 52,800円 |
Garminって?
Garmin(ガーミン)とは、1989年創設のアメリカの会社。GPSナビゲーションの製品を得意としており、陸海空の幅広い分野で活躍しています。
GPSナビゲーションの老舗らしく、その実力は折り紙付き。米軍が長きにわたり使用していると言われるほど、信頼あるブランドです。
自転車用のGPSサイコンも、ハイスペックで信頼性が高いことで有名です。プロからアマチュアまで、幅広いサイクリストに支持されています。Garminのサイコンの比較は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
開封して中身を見てみよう
それでは、Garmin Edge530の外観からチェックしていきましょう。
セット内容を見てみよう
付属品は、ハンドルステム用マウント・アウトフロントマウント(ハンドルの前側に取り付けるマウント)・取り付け工具・ストラップ・microUSBケーブル・六角レンチ・説明書です。マウント類は予備も含めて豊富に付属しています。説明書は完全日本語対応と、充実の内容です。
下位機種とは異なり、はじめからアウトフロントマウントが付属します。このマウントだけでも5,500円(税込み)ですので、お得感がありますね。このマウントは、Garmin純正の拡張バッテリーにも対応していますので、オプションを付け足したい場合も安心ですよ。
外観をチェック!
画面は縦長の長方形、コンパクトの画面ですが、地図表示も問題ない画面サイズです。カラー表示で、詳細な描写が可能です。
タッチパネルには非対応で、操作は側面の物理ボタンのみで行います。
ボディの材質は硬い樹脂製。ボタンのクリックの感触も良く、安心感ある操作ができます。流石はミリタリー関連でも実績のあるブランドと言えます。
付属する「アウトフロントマウント」を使用して、バイクに取り付けてみました。使用しているハンドル幅は、C-Cで420mmです。
適度に存在感のあるサイズで、画面が見やすくもコンパクトにまとまっていますね。
文字サイズも適度で、文字も顔を近づけることなくパッと読み取れました。
アウトフロントマウントなら、サイコンをハンドルの前側に、かつ角度を付けて設置できますので、視認性が高くなります。3mmの六角レンチで固定します。
もう1つの付属品である「ハンドル・ステム用マウント」はゴムバンド式ですので、工具いらずで装着可能。
付属品以外にも、Garmin互換のマウントは様々なタイプが発売されていますので、ハンドル周りのレイアウトの選択肢が広くてよいですね。
スマホやPCとの連携は?
では続いて、スマホやPCとの連携をしてみましょう。
快適に活用できるアプリ
スマホ、PC共に、Garmin製品は「Garmin Connect(ガーミンコネクト)」というアプリで連携することができます。
Garmin Connectでは、ルートの作成から走行記録のアップロード、アクティビティの管理など、多様な機能が利用可能です。特にトレーニングやダイエットなどで、各種数値を管理したい方におすすめな機能がつまっています。
人気のログ管理アプリ「STRAVA(ストラバ)」との連携も可能で、ログを自動でアップロードさせることも出来ますよ。サイコン側でログを保存するだけで、すべて自動で処理してくれるので楽ちんです。
アプリの動作は、PC・スマホともに安定しており快適でした。
Garmin Connectでは、他のGarmin製品のデータと共有したりまとめたりすることも可能です。
例えば、もしGarminのスマートウォッチをお持ちであれば、スマートウォッチのデータとサイコンのデータで、重複する部分を自動で処理してくれるのです。消費カロリーやアクティビティのレベルをより簡単に、正確に把握できるようになります。
他にGarmin製品を使っている方や、デバイスを増やすかも知れない方には、大きなメリットとなりそうですね。
スマホの通知を見逃さない
スマホとの連携では、走行中にスマホの通知をサイコンの画面に表示させる事ができます。
ライド中はつい連絡を見落としがちですが、これなら家族や職場からの重要な連絡、SNSの通知等を漏れなく、簡単にチェックできますよ。
もし操作方法や不具合で困ったときは、公式のサポートも充実していますし、ネットの情報に頼りやすいのもGarminの特徴です。特にEdge530は人気な機種の1つなので、情報の多いモデル。トラブルが起きた時に自分で対処しやすいというのも、長く使っていく上で大きなメリットですね。
実走での使い勝手は?
ではさっそく、実走で使用してみましょう。
GPSの感度や測位までのスピードは速く、操作も簡単。電源を入れてから出発までスムーズでした。
Garmin Edge530は「みちびき」にも対応しており、日本でも高精度なGPS測位が行えるのも嬉しいポイントですね。
ライド中も見やすい画面
屋外でも、視認性は良好です。カラーかつ詳細な描画で、地図や文字の細かい部分までよく見えます。
画面の明るさも十分ですし、バックライトの自動調整機能があるので、天候や時間の変化に合わせて自動的に見やすい明るさに変わってくれます。画面も非光沢タイプを使用していて、日差しの強い日でも視認性が低下しにくい配慮が伺えますね。
画面の大きさは、必要十分と感じました。地図をメインに使いたい場合は、もう少し大きい方が見やすいかな…とも思いましたが、サイコンのサイズや重量的にも、バランスの取れた形でしょう。
自分好みのページ設定ができる
表示できる項目数も十分。もちろん項目の数や内容、位置など、自由にカスタマイズ可能です。ご自身の使い方に合わせて、お好みの画面に設定できますよ。
例えば、距離や消費カロリー・消費水分量など、フィットネスに適した内容を表示させたり、リアルタイムパワーやNP・TSSといったトレーニング系をメニューを表示したり…と、使い方は無限大でしょう。
地図や標高グラフなど、別のページへの移行はボタン操作1つで行えます。直感的でわかりやすい操作ですね。
この表示項目は、出発時に選んだ「ロード」「MTB」などのアクティビティタイプ別に設定が可能。例えば、「ロード」では、ページ①に地図、ページ②にトレーニング系項目、ページ③に標高グラフ…など、自分が確認したい内容だけを厳選した構成をセットできますよ。
Edge530は物理ボタンのみで操作し、タッチパネルには対応していません。
ロンググローブを装着しているときや、雨などの厳しい条件下でも確実に操作できますので、個人的には好感が持てました。
ボタンの押し心地も良いですし、操作系統が分かりやすいので、走りながらでも扱いやすい設計です。
どんな機能が備わっている?
Edge530は非常に多機能なサイコンです。全ての機能のレビューはできないほどでしたので、機能の一部を抜粋してご紹介していきましょう。
使いやすいナビ機能
ナビ機能は、あらかじめインポートしたルートを案内させる形式です。
サイコンへルートをインポートするには、先ほどご紹介したGarmin Connectを使用するほか、PCから直接サイコン内のファイルにコピーする方法でも行えます。
ルートはGarmin Connectで作成したものだけでなく、RWGPSなどの他のサービスで作成されたものも使用できます(FITファイル)。Garmin Connectアプリなら出先でルートを作成してサイコンに送信できますし、グループライドで友人からルートデータを送ってもらう際にも便利ですよ。
純正で入っている地図には分かりやすいアイコン(コンビニやランドマークとなる建物など)も備わっていますので、道迷い防止に役立ちそうですね。
走るべき道が矢印で表示されますので、パッと見たときにも走行ルートが分かりやすくて良いですね。主要道や側道など、道の区別も見分けやすい地図ですので、視覚的にルートが分かりやすいです。
ルートの曲がり角などでは、ビープ音と共に案内が表示されます。また、ルート外に出たり、方向を間違えたりした際にも、通知をしてくれる機能がありました。
しかし、その通知がやや遅く、高速走行中には通知が来た時には曲がり角に到達、または通り過ぎていることも。残念ながらカーナビのような使用感とはいかないようです。
峠道で便利な「クライムプロ」「急カーブ通知」
GarminのEdge530には、「クライムプロ」という機能が備わっています。これは、走っている峠のコースプロファイルを、自動でリアルタイムに表示してくれる機能です。
実際に使ってみて、終わりの見えない坂に悩まされることがなくなりましたし、ペース配分にも非常に役立ちました。
その他にも、「急カーブ通知」という、急カーブの前にビープ音で知らせてくれる機能も備わっています。こちらは適切なタイミングで通知を発してくれましたので、初見の峠のダウンヒルでは助かりますね。
ライダーを守る「緊急通報」「健康管理」
ライダーを守る機能では、「事故検知機能」「緊急通報機能」も備わっています。
Edge530をGarmin Connectでスマホと連携しておけば、事故を検知した際に、あらかじめ登録しておいた連絡先へスマホから通知が行くという仕組みです。電波の通じない場所では使えないため万能ではありませんが、もしもの時にも安心な嬉しい機能ですね。
ライダーのプロフィールを登録することで、消費カロリーや消費水分量を計算し表示させることも出来ます。
ダイエット目的の方には頑張りが目に見えるので嬉しい機能ですし、夏場の脱水症状対策など、ライダーの安全を守るのにも役立ちそうです。その日の摂取量をログと共に保存しておくことも出来ますので、健康管理にも一役買ってくれますよ。
充電しながらでも使いやすい
バッテリーは、公称で20時間駆動。ロングライドにも対応しますが、ブルベ等の超長距離では、ややバッテリー不足を感じるかも知れません。
モバイルバッテリー等で充電しながら使用する事も可能ですので、不安な方は用意するとよいでしょう。充電ポートが本体の側面に配置されているのも特徴的で、ハンドル等に取り付けたままケーブルを挿し込みやすいのも好感が持てます。
Garmin Edge530には、拡張バッテリーのオプション(税込み26,800円)も用意されています。
Edge530の稼働時間を大幅に増やすことができますので、長時間の使用を主とする方には嬉しい選択ですね(上位機種のEdge1030で、駆動時間を24時間延長可能)。
Garmin 拡張バッテリーパック
Garmin Edge530の駆動時間を大幅延長!
Garmin Edge1030・Edge830・Edge530に使用できる、拡張バッテリーパックです。
標準付属品付き(ACアダプター、各種コンセントプラグ(世界対応)、レバーアダプター、ノイズ対策用フェライトコア、操作マニュアル)
価格は?
最後に、価格について考えてみましょう。Garmin Edge530は、 52,800円(本体のみ・税込み)です。
サイコンとしては高価な部類に入りますが、この高機能さや動作の安定性を考えると、決して高過ぎる値段設定ではないでしょう。価格に見合うだけの働きをしてくれると感じています。
サイコンは頻繁に買い替えるものではありませんし、使用機会が多い機材の1つです。常に使うものですから、こだわって選ぶのも良いと思いますよ。
こんな人におすすめ!
Garmin Edge530がどんなサイクリストにおすすめか、使用感をもとに挙げていきましょう。あくまでも個人の意見ですので、参考までにしていただければ幸いです。
Edge530を特におすすめしたいのは、次のような方です。
・豊富な機能を、自分好みにカスタムして使いたい方
・フィットネスやトレーニング用途で、他のデバイス・サービスと連動してログを管理したい方
・ハードなアクティビティを楽しむ、シリアスなライダー
このような方なら、Edge530の機能・性能を存分に活かして使用できるでしょう。もちろん、間違いのない製品ですので、予算さえ許せば初心者の方の最初の1台にもおすすめですよ。
まとめ
Garmin Edge530を使用して、その機能の多さに驚きました。
これからステップアップしたい初心者の方から、本気でトレーニングに取り組む方、ブルべなどの過酷なライドに挑む方など、幅広くおすすめ出来る製品です。
やや価格が高価ではありますが、それだけの価値があるサイコンだと感じました。他のサイコンについて、こちらの記事で評価していますので、併せて参考にしてみてくださいね!