フロントシングルのチェーン落ちを解消!
フロントのギアが1枚の「フロントシングル」では、フロントディレーラーがない分、段差などの衝撃でチェーンが落ちやすくなります。そのチェーン落ちを解消してくれるのが、ナローワイドのチェーンリングです。
筆者もナローワイドのチェーンリングを使用していますが、通常のチェーンリングより明らかにチェーン落ちが減りました。フロントシングルでバイクを使用するなら、ナローワイドのチェーンリングは必須と言っても過言ではないでしょう。
フロントシングルのメリット・デメリットは?
おさらいとして、「フロントシングル」のメリット・デメリットを確認しましょう。
<メリット>
・フロント変速のトラブル防止
・走行時の変速操作の単純化
・メンテナンスの簡易化
・軽量化(できない場合も多い)
MTBやグラベルロードなどでのオフロード走行では、フロントの変速トラブルが起こりやすくなります。フロントシングルならそもそもフロント変速が必要ないため、そういったトラブル減らせることができます。
また、走行時の変速操作もシンプルになり、走りに集中することができます。ディレーラーがない分、清掃などのメンテナンスが簡単になるのもメリットですね。
<デメリット>
・ギアの選択肢が減る
・専用のパーツが必要になる可能性がある
フロントシングルにした場合、基本的には使えるギア比の幅(最も重いギア~軽いギアの範囲)が狭くなり、変速1段1段のギャップが大きくなります。つまり、今までよりも一番軽いギアは重く、一番重いギアは軽くなってしまうのです。また、変速のギャップが増えるため、細かなギア比調整が難しくなります。
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ナローワイドのチェーンリングって、どんな仕組み?
ナローワイドのチェーンリングは、一体どの様にしてチェーン落ちを解消しているのでしょうか?
薄歯(ナロー)と厚歯(ワイド)が、チェーンをしっかり捉える
ナローワイドのチェーンリングとは、薄歯(ナロー)と厚歯(ワイド)が交互に並ぶチェーンリングのことです。通常の変速機能があるチェーンリングは、薄歯だけで構成されていますので、見比べると一目瞭然でしょう。
ナローワイドのチェーンリングは、通常のチェーンリングよりガッチリとチェーンに食いつくため、チェーン落ちのリスクを軽減する働きがあります。実際に手に取ってみると、そのチェーンへの食いつきの強さに驚くかも知れません。
ちなみに、ナローワイドのチェーンリングは、フロントシングルでのみ用いられます。チェーンとの噛み合わせを強めた分、変速(フロントダブルなど)には適さないのです。
おすすめ6選!ナローワイドチェーンリング
では、おすすめのナローワイドのチェーンリングをご紹介しましょう。例として、ロードバイク用やMTB用など、よくある組み合わせの規格に対応する製品をまとめています。
コンポメーカーの純正品ではありませんので、ご自身のバイクに適合するかよくご確認のうえ、選ぶようにしてください。
規格に関して詳しくは、この後に掲載していますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
Wolftooth 110PCD 5ボルト チェーンリング/38T
ロードバイク用で、シマノの旧製品や、サードパーティー系クランクに多い「PCD110」で「5アーム」のクランク用です。高品質なナローワイドチェーンリングが有名な、Wolftooth(ウルフトゥース)のチェーンリング。シンプルなデザインで、様々なバイクにマッチします。歯数のバリエーションも豊富です。一般的な真円のほか、楕円チェーンリングも取りそろえます。
タイプ | PCD110 ・5アーム ・シマノ |
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スラム | 10~11速対応 *スラムのみ12速対応 |
Race Face ナローワイドチェーンリング 110BCD/42T
こちらもロードバイク用の5アームクランクです。オフロードで人気のあるブランドRace face(レース フェイス)。個性的なグラフィックデザインが特徴的ですね。
タイプ | 5アーム ・BCD110 ・シマノ9~12速対応 |
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Wolftooth 110PCD シマノ4アーム 楕円リング/40T
現在主流のロード用シマノクランク用です。「PCD110」「4アーム」という点は同じでも、クランクの型番によって適合の可否が異なる点にご注意ください。
Wolftoothのシマノクランク用チェーンリング。こちらは楕円モデルです。R9100系DURA-ACE以降の11速への取り付けには、加工が必要な点に注意してください。
互換クランク | FC-R2000,FC-R3000,FC-4700,FC-5800,FC-6800,FC-9000(加工してFC-R7000,FC-R8000,FC-R9100) |
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タイプ | シマノ10/11速、スラム10~12速 対応 ・楕円 |
フォーリアーズ CR-CBE-R8000/42T
こちらもロード用シマノクランク用です。
シマノR8000系ULTEGRAに無加工で取り付けられる、数少ないナローワイドチェーンリングです。クランクがFC-R8000であれば、こちらがおすすめです。
タイプ | シマノクランク FC-R8000用 ・シマノ11速対応 |
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Wolftooth 110 BCD 4 Bolt Chainring for Shimano GRX/42t
グラベルバイク用のシマノGRX対応のクランクです。グラベルバイクで人気な、シマノGRX対応のチェーンリング。同じシマノ用でも、ロードバイク用とは互換性はありません。
WolftoothのGRX用チェーンリングです。GRXには純正のナローワイドチェーンリングもありますが、見た目や歯数のカスタムとして魅力的ですね。シマノのGRX用ナローワイドチェーンリングは40Tと42Tのバリエーションしかありませんが、Wolftoothには38~46Tまでラインナップされています。
タイプ | シマノGRX用 ・4アーム、PCD110 ・シマノ、スラム9~11速対応 ・スラム12速対応 |
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Funn Solo DX ナローワイドチェーンリング/30T
MTB用のダイレクトマウントチェーンリング。こちらはスラム系のマウントです。
MTB用パーツを手掛けるFunnのチェーンリングです。カラーバリエーションが豊富で、気軽に見た目のカスタムを楽しめますよ。
タイプ | スラムダイレクトマウント対応 ・6mm オフセット ・9~12速対応 |
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【規格に注意】チェーンリングの選び方
ナローワイドのチェーンリングを選ぶ際には、ご自身のバイクとクランクに合った製品を選ぶ必要があります。チェックするべきは、「リアの変速段数」「マウント規格」「歯数」「オフセット」です。
それぞれ簡単にご説明していきますが、複雑な部分もありますので、商品を選ぶ際には十分に下調べをしてくださいね。
リアの変速段数
ナローワイドのチェーンリングも、他のギアと同様に変速段数を合わせて選ぶ必要があります。リアの変速数によってチェーンの幅や形状が異なり、適合外ではしっかりと噛み合わないためです。
マウント規格
チェーンリングのマウント規格は多様にあり、少しややこしいと感じるかも知れません。主な規格は以下の通り(ここでの名称は便宜上で、正式名称ではありません)ですが、もしわからない場合は、ショップに相談しましょう。
<ダイレクトマウント系>
・クランク基部で固定するタイプ
⇒スラム系、シマノ系など、クランクのブランドにより変化。
例:下の画像がスラム系のダイレクトマウントです。サードパーティーにも採用例は多いです。
<ボルト固定系>
・クランクアームにボルト止めする
⇒5アーム:PCD 110mm/130mmなど
⇒4アーム:PCD 94mm/104mm/110mmなど
上の画像は、PCD110mm、5アームのクランクです。クランクから5本のアームが伸びており、チェーンリングが固定されていますね。
「PCD(BCDともいう)」とはボルト間の距離のことで、クランクとチェーンリングで統一しないと取り付けできません。また、シマノの4アームの場合、クランクの形状が独特なため、専用品でないと取り付けできないこともあるため注意が必要です。
歯数
チェーンリングの歯の数です。一般的には、以下の歯数で用いられます。
・ロードバイク、グラベルロード:36~44T
・MTB:28~34T
最終的には、ご自身の使用シーンや、スプロケットとの組み合わせでのギア比を考えて決めましょう。
ただし、フレームによっては、使用可能なチェーンリングの大きさに制限がある場合があります。フレームに対して大きすぎるチェーンリングは、チェーンステーと干渉する危険がありますので、事前に確認しておきましょう。
オフセット
MTB用チェーンリングには、0mm/3mm/6mmのオフセットが設けられている場合があります。これは、フレームによってチェーンラインが異なるためです。
ロードバイクやグラベルロードでは無関係な場合が多いですが、MTBで使用する際には、フレームに適合したチェーンリングを選びましょう。
ナローワイドのチェーンリングで、フロントシングルを楽しもう!
オフロード系に人気の高いフロントシングルですが、ナローワイドのチェーンリングはその必須パーツの1つです。
ナローワイドのチェーンリングを活用して、フロントシングルのバイクをお楽しみください!