ポジション 自転車

脱初心者!ロードバイクの姿勢を見直してみませんか?

初めてロードバイクに乗ったとき、深い前傾姿勢に驚いた人も多いでしょう。筆者も上手く前傾姿勢をとれなかったり、すぐに疲れたりと悩みの種でもありました。この記事では、基本的な乗車姿勢を紹介しつつ、初心者あるあるな失敗例も一緒に見ていきましょう。自分に合った「ロードバイクの姿勢」がきっと分かるようになりますよ。

目次

アイキャッチ画像:筆者

ロードバイクの姿勢、何が正解?

サイクリング 自転車 海辺

撮影:筆者

この記事では、ロードバイクの姿勢を見直す「基礎的な改善方法」をご紹介していきましょう。

「もっと楽に走れる姿勢はないの?」
「自分の姿勢は何か間違ってない?」

という疑問もきっと解決できるでしょう。

「個人差」があることを忘れずに

初めに1つ理解していただきたいことは、『ロードバイクの乗車姿勢は「個人差」が大きく出るもので、絶対的な正解はない』ということ。

体格や筋肉量、柔軟性、目指すライドの仕方など、様々な要因によって最適解は異なります。そのため、安易に見た目を真似したり、全てを鵜呑みにして盲目的に従ったりすると、かえって故障の原因となる可能性があります。

ロードバイク サイクリング

撮影:筆者

この記事では、なるべく一般的で万人に共通する「ありがちなミス」をご紹介していきますが、ご自身の感覚も大切に少しずつお試しください。

初心者にありがちな失敗たち

では、初心者ライダーにありがちな失敗を例に、改善例をご紹介していきましょう。ここでは、以下の4つを取り上げます。

①背中を突っ張る

②肘が伸びる

③サドルにどっかり座る

④サドルを上げすぎる

どれも初心者の方にありがちで、痛みや故障につながる失敗です。自分がそうなっていないか、チェックしてみてくださいね。

NG例①背中を突っ張る

ロードバイクで前傾姿勢をとる際は、背中は適度に丸めると体に負担がかかりにくいです。

丸める度合いは骨格により異なるため個人差が大きく出ますが、背中が反ってしまったり、1か所に負荷が集中したりしないようにしましょう。腰や背中を痛めやすく、上半身の力をペダルに伝えられないため余計に疲れてしまいます。

<NG例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

<改善例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

最適な背中の状態は、ペダルに足を乗せて手を後ろに回し、体幹(腹筋や背筋などの筋肉)で楽に支えられる角度と言われています。無理なく上半身を支えられる姿勢を見つけ、その状態から手をハンドルに伸ばすようにしてみましょう。

体幹に筋力が付くにつれ、より深い前傾姿勢も楽に維持できるようになります。

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

この方法では、無理のない腰~背中の曲がり方もおおよそ判明します。腰~背中の曲がり方には個人差があり、大きく曲がる方もまっすぐに近い方もいます。

筆者の場合、骨盤から寝かせ、背中の丸みは少ないタイプです。

NG例②肘が伸びる

失敗例の2つ目は、肘が伸び切っている状態。

ロードバイクに乗るとハンドルが遠く感じ、つい肘が伸び切ってしまいますが、これでは手や肩に負担がかかってしまいます。路面からの衝撃も吸収できないため、バランスを崩しやすくもなります。

<NG例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

<改善例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

ハンドル位置を調整して楽なポジションにするのも有効ですが、肩の力を抜いて肩甲骨を落とすと腕を前に伸ばしやすくなります。上半身はなるべく体幹で支え、腕はあくまでその補助として使ってみましょう。

ハンドル角度の調整については、こちらの記事で解説していますので、チェックしてみてくださいね。

▼▼関連記事はこちら▼▼

NG例③サドルにどっかり座る

ロードバイクに「ママチャリ」の感覚で乗ってしまうと、ついサドルに体重を預けてしまいがちです。

しかし、それではすぐにお尻が痛くなってしまいますし、ペダルに体重を乗せられないため疲労も早めてしまいます。体重はなるべくペダルに預けたうえで、サドルとハンドルに負荷を分散させていきましょう。

<NG例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

<改善例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

場合によっては、ロードバイクの購入時にサドルをかなり低くして納車されている可能性もあります。

もしサドルにお尻を乗せた状態でも両足が地面に着くなら、無理のない範囲でサドルを上げてみましょう。適正なサドル高について詳しくは、次の「NG例④」でご紹介しますので、そちらも参考にしてみてくださいね。

NG例④サドルを上げすぎる

失敗例の最後は、サドルを上げすぎている例。ロードバイクに慣れ、だんだんと速く走れるようになった方に多く見られる失敗です。

確かにサドルを上げると強く踏み込みやすくなり、一見正しい調整のようにも感じますが、実は高すぎるサドルは膝や足首に過大な負荷をかけてしまいます。長距離を乗ったとき、特に膝の前側が痛くなってしまう方は、このサドルの上げすぎを疑ってみるのも良いでしょう。

<NG例>

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

もしペダルが下死点のとき脚が伸び切ってしまうなら、恐らくサドルが高すぎです。

適正なサドル高は、「ペダルを下死点(時計の6時の位置)に持っていき、脚を伸ばしてかかとがペダルに着くくらい」を目安にしてみましょう。その際、サドルからお尻がずり落ちていないかも要注意です。

<調整の例>

・脚をまっすぐにして、ペダルにかかとを乗せる。

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

・すると、下死点で脚の角度はこのくらい。

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

【応用】もっと楽に走るための姿勢

続いては、ちょっと応用編として、楽に長距離を走るなら覚えておきたい姿勢を2つご紹介します。

フォームを変えながら走る

まずは、フォームを変えながら走行し、負荷を分散させる方法です。前傾姿勢の深さやハンドルの握る位置、サドルの座る位置を少しずつ変え、負担が1か所に集中しないようにします。

初心者の方でもやりやすいのは、ハンドルの握る位置を変える方法。ブラケットだけでなく、フラット部分や下ハンを積極的に使い、それぞれで適したフォームで走れるように挑戦してみましょう。

①フラット部分を握る(特に登り坂で有効)

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

②下ハンを握る(下りや平坦で使用)

ポジション ロードバイク 坂道

撮影:筆者

少しエアロを意識してみる

ポジション ロードバイク

撮影:筆者

効率よく走るためには、空気抵抗を減らす「エアロフォーム」が有効。エアロフォームは深い前傾姿勢をとるフォームで、速度が出ているほど効果が高いです。

急に試すと身体への負担が大きく危険も伴いますので、少しずつ頭を低くして走る練習をしてみましょう。平坦のサイクリングロードや向かい風の時などは、特に有効な走り方ですよ。

客観的な視点で少しずつ改善しよう

ロードバイクの乗車姿勢を簡単にご紹介してきましたが、改善は一朝一夕にできるものではありません。また、自分がイメージしている姿勢と、実際に自分がとっている姿勢に違いがあることもは少なくありません。

サイクリング ロードバイク

撮影:編集部

できれば写真や動画を撮って、客観的な視点で自分の動きを分析しつつ、少しずつ改善を加えるも良いでしょう。急で無理な変更は、逆に身体を傷めたり、不安定な走りになったりする危険もあるためです。

乗車姿勢をもっと詳しく知りたい・調整したい方は、専門のフィッティングサービスを受けてみるのも良いですね。

初心者のうちにフィッティングサービスを受けた方が、悪い癖も付かず、これからのサイクリングを快適にしてくれるはずですよ。

▼▼関連記事はこちら▼▼