もっと手軽に輪行したい。家の限られたスペースに自転車を収納したい。自転車に機動力と手軽さを求めるのならば、折りたたみ自転車という選択肢はいかがでしょうか?
今回は折りたたみ自転車のプロに、折りたたみ自転車の魅力や遊び方、選び方を聞いてみました。数ある折りたたみ自転車の中から、あなたに最適な1台を見つけ出せますように。街の自転車屋さんがお手伝いします!
<教えてくれた人・お店>
千葉県浦安市にある自転車屋「believe」の山越店長。BROMPTONやTyrellといったメーカーを中心に販売やメンテナンス、アドバイスをする。
日常から旅まで。折りたたみ自転車の魅力って?
折りたたみ自転車による輪行旅は多くのサイクリストが魅せられるスタイルのひとつです。遊び方も十人十色ですが、その道のプロは折りたたみ自転車にどんな魅力を感じているのでしょうか?
──ずばり折りたたみ自転車の魅力とは?
「自転車の可能性が無限大に広がるところです。ときにはスニーカーのような日常の足として、ときにはワンウェイ旅を実現する道具として。折りたたみ自転車があれば、世界が本当に広がっていきますよ」
バスやタクシーに代わる”日々の足”として
──日常の足というのは、いったいどういう乗り方なのでしょうか?
「毎日履くスニーカーのように、移動手段としての乗り方ですね。例えば、僕は先日、仕事も兼ねて1日で千葉の海浜幕張や東京の浅草を回らなければならなかったんですが、自転車と電車を組み合わせてサクッと巡れました。駅から目的地までの足として、バスやタクシーに代わる手段になりますよね」
一筆書きの旅で可能性がぐんと広がる
──折りたたみ自転車でのツーリングにはどんな特長があるのでしょう?
「ワンウェイ(一筆書き)ルートの旅が気軽にできるようになるところ。例えば僕のおすすめは千葉県房総半島の小トリップ。京葉線直通で外房のいすみ市まで行って、そこからローカル線のいすみ鉄道に乗って、終点の上総中野駅で降車。そこから五井駅まで自走する。ワンウェイでいいので楽ですよね」
──気軽に電車に乗れるのも嬉しいですよね。逆にいすみから上総中野まで走って、小湊鐵道に乗っても良いですし。もっと遠方へ行くこともありますか?
「京都へ行ったり、福岡へ行ったり。折りたたみ自転車で北海道にも行ったことがありますね」
──北海道を折りたたみ自転車で……? スケールが壮大すぎてイメージが湧かないのですが……
「走り方次第ですよ。札幌市内から新千歳空港まで走るのも楽しいです。市内から真駒内駅まで輪行して、支笏湖を経由して飛行場へ向かうルートです。支笏湖はマスで有名だからマス寿司を食べたり、温泉に入ったりしてもいいし。支笏湖〜飛行場まではサイクリングロードがあるのですが、人気はないし、熊注意の看板が立っててちょっと怖かったんですけどね(笑)」
──気が向いたらフラッと出かけられる日帰りの小トリップから、長期休みに挑む遠方長期ツーリングまで。折りたたみ自転車があれば、機動力と遊び方の幅が広がりそうです!
折りたたみ自転車の選び方の答えとは……?
折りたたみ自転車の魅力を余すところなく伝授してもらった編集部。次に気になるのは『折りたたみ自転車の最適な選び方』ですが……
──数多くある折りたたみ自転車の中から、自分に最適な1台はどのように選べば良いのでしょうか?
「目的と用途に合わせて、おすすめの自転車が全然違うんです。折りたたみにこだわる理由にも、「気軽に輪行したい」はもちろん「車で運びたい」とか、「家の玄関に収納したい」など、人によって異なるので。だから、万人におすすめできる自転車はないんですよね」
──や、やはり……。
最大のポイント「目的は何か?」
──折りたたみ自転車の選び方に絶対的な正解はない、ということですが……。どうやって検討していけばいいのでしょう?
「シンプルにいえば、何を目的としているかが大切です。
例えば、折りたたみでもキチンと走りも楽しみたい人には、20インチクラスをおすすめしますし、なるべくコンパクトにしたい人にはブロンプトンのような小回りの効く自転車をおすすめします。まずお客さんが来たらしっかり目的と用途を聞いて、正しく導いてあげられるように、丁寧なヒアリングを心がけています」
ブロンプトン、タイレルからみた小径車の選び方
折りたたみ自転車を検討する際には、
- 自転車としての走りを楽しむ自転車
- 機動力やコンパクトさ重視した自転車
のどちらに当てはまるのかを軸に検討するのがおすすめです。
ここでは、Tyrell(香川県)とBROMPTON(イギリス)の2つの実例を挙げながら、それぞれの特徴を見ていきます。
<走る喜びを感じられる小径車「Tyrell」>
「小径車でもしっかりと走りを楽しみたければ、タイレルがおすすめ。
香川県さぬき市のメーカーで、社長はデザイナー、プロダクトマネージャーは元オートバイレーサー、溶接士は自転車競技出身という異例のメーカーです。走行性能が抜群に高く、旅先での快適な走りを重要視する人におすすめですよ」
<コンパクトで頑丈な頼れる小径車「BROMPTON(ブロンプトン)」>
「丈夫さを重視するならブロンプトンがおすすめ。
日々の足としても使いやすく、折りたたみ時にはディレーラー等のドライブ系が前後輪に挟まれるように収納されるため、持ち運び時にも安心。多少は走行性能で犠牲にしている部分があるけれど、壊れにくさではピカイチですね」
百聞は一見にしかず、とにかく試乗を
星の数ほどある折りたたみ自転車から、いくつか候補を絞れたら必ず「試乗」をしてほしいと山越店長は語ります。
「自転車を購入する前に必ず1度は試乗してほしい。タイヤが小さな自転車は、一般的なママチャリやロードバイクと比べて段差を乗り越えるときの不安定性とか、漕いだときの進み方とかが違うんです。今はYoutubeやSNSなどで色々な情報を得られるけれど、1度は必ず乗ってみてほしい」
実際に乗ってみると、車種ごとに趣がガラリと異なるのだそうです。
「試乗して抱く印象は、カタログスペックだけを見たときとは必ず違うはず。百聞は一見にしかず。ぜひ試乗してみてください!」
初めての小径車×輪行旅のコツとは
さあ、自身のライフスタイルにぴったりの折りたたみ自転車が見つかったら、さっそく輪行していろんな場所へ行ってみましょう! ……と、いいたいところですが、初めての輪行は不安がつきものです。
初めての小径車×輪行旅で気をつけるべきことを聞いてみました!
①利用路線の性格を把握しよう
「まず、乗車予定の路線の性格を把握しましょう。上りに乗るのか、下りの乗るのかも意識した方がいい。下り線ならばそこまで時間帯も意識せずOKだけど、東京方面に向かう上り線なら乗車時間は大切。
ここ千葉なら、木更津や館山へ行く時は気にしなくていいけど、東京駅へ向かうなら時間帯には気をつけた方がいいですよね。東西線なんて始発でも座れないほど混んでいますので」
②メカトラは潔く諦めてOKです
「初めての自転車旅で心配なことに、パンクなどのメカトラ(機材トラブル)があると思います。ロードバイクならその場で修理して走り出す必要があるけど、折りたたみ自転車のトラブルは素直に諦めていいんです。さっさと折りたたんで、電車やタクシーでエスケープして帰って来ればいい。とりあえず困ったことがあったら、すぐに離脱できるのも初心者にとっては安心ですよね」
③大回りは近道かも? 初めてなら“乗り換えなし”がいいよ
「普段ならいくつか乗り換えをして最短ルートで向かう場所へも、輪行するなら考え方がちょっと違う。自転車を担いでの乗り換えは大変だし、時間だってかかります。途中駅から乗り込むのもリスキーかもしれませんよね。だから僕がおすすめしているのは、始点にする駅を意識することです。
例えば、ここ浦安エリアから川越方面へ行きたかったら、大回りだけど新木場駅から1本で行けます。乗りっぱなしでいいから安心ですし、これなら初めてでも安心です。初心者のうちは簡単なルートでOK。経験を積んでいくと、行ける場所がどんどん増えていきますよ!」
旅道具としての自転車に慣れ親しもう
折りたたみ自転車の選び方から旅の仕方、そして魅力をとことん教えてくれた山越店長。取材中に印象的だったのは、やってみたいことや行きたい場所が店長の口から次々と溢れ出てくることでした。
「想像するだけで無限大に楽しみ方が広がるんです。御朱印帳とかグルメとか聖地巡りとか、サイクリストの数だけ楽しみがある。僕も房総半島縦断や鴨川の酒蔵巡り、東京湾1周もやりましたし。あ、北海道の女満別からサロマ湖、美瑛、摩周湖も行ってみたい。あと日本橋から旧中山道を辿る旅も……!」
乗っているときも、畳んだあとも胸が躍る。1台あれば日々がもっと自転車色に染まる。折りたたみ自転車は、毎日に彩りを加えるひとつのツールなのかもしれませんね。
千葉県浦安・街の自転車屋さん「believe」
千葉県浦安市にある自転車屋「believe」。BROMPTONやTyrellといったメーカーを中心に販売やメンテナンス、アドバイスをする。自転車を買ったあとのソフト面を大切にし、小径車ならではの遊び方を伝授したり、イベントを企画したりするのもお店の特徴。
店舗奥にはカフェ「believe kitchen」も併設。フランスでのパティシエ修業を経たmegさんによるキッシュやカヌレ、コーヒー、アルコールなどを楽しむことも。
[ 自転車と旅を体験できるスペシャルフェア ] を開催!
believeでは、2023年6月10日(土)・11日(日)にスペシャルフェアを開催します。
自転車で広がるあなたの世界
日々の生活圏だけでは無く、ちょっと足を伸ばせば未開の世界が待っているはず。 。
電車や飛行機などを活用した「自転車旅」に欠かせない「輪行(公共交通機関の活用)」に便利なコンパクトで機能的な折りたたみ自転車「BROMPTON」の体験イベントを実施します!
期間中には自転車旅やキャンプを楽しむ女性スペシャリストがゲストでおりますので、不安なところはお気軽に聞いてみてくださいね!
また、旅はもちろん普段着のように使えるアパレルブランド「rinproject」さんよりツーリング経験豊かなスペシャリストが2日間ともお越し
すでに自転車を楽しんでいる方も、これから自転車を始めてみたい方もお楽しみ頂けるイベントです!
【自転車と旅を体験できるスペシャルフェア2023年夏】
- ・開催日:2023年6月10日(土)、11日(日)
- ・集合場所:believe
- ・時間:10〜17時
【BROMPTON 走行体験会】
- ・開催日:2023年6月11日(日)
- ・集合場所:believe
- ・時間:9〜10時半ごろ
- ・募集定員:10名
- ・参加資格:BROMPTONを所有していない人、BROMPTONを購入して1年未満の人
- ・参加費:無料
- ・参加方法:believeのメールフォームから希望の旨を送信