ビンディングペダル専門のブランド、スピードプレイ
スピードプレイは1991年にカリフォルニアで創業した、ビンディングペダル専門のブランド。独創的な機構のペダル&クリートで根強い人気があります。2019年にスマートトレーナーで有名なWahooの傘下となり、しばらくの間ラインナップの縮小やアナウンスもなくなるなどユーザーを心配させましたが、2021年になってWahoo SPEEDPLAYとして全面リニューアルしてリリースされました。
スピードプレイのペダルの特徴とは
スピードプレイのペダルは、創業者のリチャードブリン氏が1989年に開発、特許を取得した技術がベースになっています。他のビンディングペダルにはない、独創的な特徴をご紹介しましょう。
多彩な調整機能でひざにやさしい
スピードプレイペダルの最大の特徴は、独立した3軸調整機能。前後方向に14mm、左右方向には8mm、そしてフロート角は15度の調整が可能となっています。フロート角とはペダルを中心につま先を向ける角度のこと。このフロート角調整範囲が15度もあるのは、他社ペダルにもなかなかありません。
足先の角度を広くとれますので、ペダリングフォームが定まっていいなくても、膝や足首を痛めにくく初心者にもおすすめです。
またフロート角は、赤丸部分のネジを調整することで、「ユーザーで角度とアソビ(ガタ)が設定できる」のもスピードプレイの特徴。はじめのうちはアソビを多めにして、ペダリングが固まってきたら少しずつアソビを減らしていって、自分に合った角度にあわせていくといいでしょう。
ロースタックハイトでダイレクトな踏み心地
他のビンディングペダルと違って、スピードプレイはビンディング機構がクリート側にあり、ペダルがクリートにキャッチされる構造になっています。ペダルにクリートがかぶさるので、ロースタックハイト(ペダル軸とシューズ底の距離が近い)となり、よりダイレクトにパワーをペダルに伝えられるのです。
両面キャッチで初心者にも!
スピードプレイは、ペダルに表裏がなくどちらの面も同じ。なので、どちらの面でも踏み込むだけでかんたんにキャッチ可能なんです。初めてのビンディングペダルでも、モタモタすることなくサッとキャッチできるので安心ですね。
クリートカバー付きで歩きやすい
スピードプレイのクリートは「ウォーカブルクリート」といって、クリートカバーがついていて滑りにくく、歩きやすいんです。しかもクリートカバーをつけたままペダルをキャッチできるのも特徴。クリートカバーはつけっぱなしで、持ち運ぶ必要がありません。もちろん、すり減ってしまったら、クリートカバーだけを交換すればOKです。
見た目がカッコイイ!
通称「ペロペロキャンディー」とも呼ばれるペダルは、シンプルでスタイリッシュ。写真写りもいいので、映える写真が撮れるでしょう。
多くのプロやトップアマチュアも使用
UCIワールドチームのEFエデュケーション・NIPPOや、UCIウィメンズのキャニオン//スラムなど、多くのプロチームが使用するスピードプレイペダル。トライアスロンのアイアンマン世界チャンピオンのヤン・フロデノも、スピードプレイに絶大な信頼を置いています。スポンサーなどの縛りがなく、自分の好きなブランドを選べるアマチュアにも、かなりの人気があるんですよ。
最新シリーズ4モデル+αを一気にご紹介
それでは、Wahoo SPEEDPLAYとしてリニューアルした、最新シリーズをご紹介しましょう。
SPEEDPLAY COMP
シリーズのベーシックグレードがCOMP(コンプ)。グリボリー(グラファイト強化プラスチック)製のペダル本体に、クロモリシャフト仕様で、ペダル重量は232グラム(ペア)となっています。クリートはイージーテンションが同封されていて嵌めやすく、初めてのビンディングペダルとしてもピッタリですよ。
SPEEDPLAY ZERO
ZERO(ゼロ)は、COMPのシャフトがステンレスとなったモデル。ペダル重量は222グラム(ペア)と10グラム軽量化されています。また同封されているクリートはスタンダードテンションとなっていて、よりしっかりとシューズとペダルを固定。確実にパワーを伝達することで、ハードなレースシーンにも対応しています。
SPEEDPLAY NANO
シリーズ最軽量モデルがNANO(ナノ)です。カーボン複合材のペダル本体にチタンシャフトを組み合わせ、ペダル重量は168グラム(ペア)。ギリギリまで重量をそぎ落としているので、ライダーの体重制限(82kg)があります。スタンダートテンションクリートがセットになっていますが、1グラムでも軽くしたいヒルクライムなら、クリートカバーを外せばさらに軽くできますよ。
SPEEDPLAY AERO
AERO(エアロ)はZEROのペダル下面にディンプル加工されたカバーを装着したモデル。クリートとカバーが一体化することで、エアロダイナミクスを向上させています。両面キャッチはできなくなっているので、注意してくださいね。
2021年夏登場予定!POWERLINK ZERO
Wahooからは、パワーメーター付きペダルのPOWERLINK ZEROを、2021年夏にリリースするとアナウンスがありました。明らかになっているのは、重量が276グラム(ペア)で、ステンレスシャフトだということだけ。価格は未定となっています。
クリートはキャッチしやすさの異なる2種類
クリートには、キャッチしやすいイージーテンションと、キャッチが硬めのスタンダードテンションの2種類があります。イージーテンションはCOMPに、スタンダードテンションはそれ以外のモデルに付属しています。どちらも互換性があるので、ビンディングペダルが初めてならイージーテンション、慣れてきたらスタンダードテンションに交換といった方法もありますよ。
スピードプレイ専用シューズもあるよ
ロードバイク用シューズのソールのクリート取付穴は通常3つ穴で、スピードプレイのクリートを取り付けるためには、専用の3つ穴-4つ穴変換プレートを間に挟みます(スピードプレイのクリートに付属しています)。ですが、いくつかのモデルはスピードプレイ専用モデルとして、ソールに4つ穴があいているものがあります。これなら変換プレートが不要になるので、さらにロースタックハイトとなり、ペダルのダイレクト感がアップ!
SPEEDPLAYの旧モデルも、要チェック
旧モデルのSPEEDPLAY ZEROシリーズは、リニューアルしたWahoo SPEEDPLAYと互換性があります。両面キャッチやロースタックハイト、ひざにやさしい調整機構など、機能はほぼ同一。カラーバリエーションも豊富なので、好みのカラーで足元にアクセントをつけることもできますよ。
少しマイナスな点はある?
高性能なスピードプレイのビンディングペダルですが、ちょっと気になる点もまとめました。
少し重いかも
スピードプレイは、ペダル本体はコンパクトで重量も軽いのですが、クリートはその構造上かなり重くなっています。ペダルだけではなくクリートにも重量があるので、軽量化を狙って検討するときにはクリートの重さも考慮しましょう。
クリートの爪の部分が、少し折れやすい
クリートの中にペダルをキャッチするC型の爪があるのですが、まれにこの爪が折れてしまうことがあります。修理するにはこの爪を交換すれば良いのですが、『爪だけ』では売っていないので、クリート丸ごと購入する必要があります。ちょっと痛い出費になってしまうのも残念なところです。
クリートカバーを無くしやすい?
クリートカバーを付けっぱなしで乗ることができるのが特徴ですが、気づいたら外れていて、無くしてしまった!ということもあるんです。カバーがすり減ってくると外れやすくなるので、早めに交換しましょう。
高性能でひざにやさしいスピードプレイのビンディングペダルはいかが?
高性能なスピードプレイのペダル、いかがでしたか?ひざにやさしく、ダイレクトな踏み心地で、ペダリングのレベルもアップ間違いなし!両面キャッチで初めてのビンディングペダルとしてもピッタリです。Wahooブランドで全面リニューアルしたスピードプレイのペダルをぜひ試してみよう。