​モンゴル自転車旅。たった4時間半のフライトで出会える「涙が出るほどの絶景」

2024年の8月、ずっと憧れていたモンゴルの大地を自転車で駆け回ってきました。

その時の景色や匂い、触れ合った人たちの表情は今でも鮮明に思い出せます。それだけ、自分にとっては強烈な体験だったということでしょう。

今回はそんな旅路を簡単に振り返りつつ、改めて感じた「自転車って、やっぱり自由やな。最高やな」という話を書いていきます!

目次

そもそも、なぜモンゴル?

モンゴルのゲル

自分がモンゴルに興味を持ったきっかけは、とある方が書いたブログの記事を読んで、衝撃を受けたからです。「こんなに美しい国があるのか」と。

地平線まで広がる草原のなかを自転車で進む姿を見て、「自分もこの絶景のなかを走ってみたい!」と一瞬で心を奪われました。

意外と近くて、安い!

モンゴルの街並み

「モンゴルってどこにあるの?」そう思う方も多いのではないでしょうか。

実は意外と近いんですよ。というのも、関西国際空港からチンギス・ハーン国際空港までは、フライト時間わずか4時間40分。たったそれだけであの雄大な大地を走れるんだったら、個人的にはかなり近いなと感じます。

それに、航空券も現地の物価もけっこう安い。実際、今回は10日間滞在して、航空券を含めてかかった費用は15万円ほどでした。

想像以上だった、モンゴルの旅

草原と自転車

で、実際に走ってみてどうだったのか。最高です。

絶景に魅せられ、動物の多さに驚き、遊牧民のゲルにも泊めてもらって——とにかく、毎日が刺激の連続でした。

涙が出るほどの絶景

モンゴルの国土は日本の約4倍。それに対して人口はわずか350万人ほどで、人口密度はなんと世界一低いんです。

しかも総人口の半分が首都ウランバートルに集中しているから、首都を一歩出れば、そこには手つかずの大地、むき出しの地球が地平線まで広がっています。

草原と自転車

日本でいう「絶景スポット」みたいな概念はありません。

なぜなら、見渡す限りすべてが絶景だから。誇張抜きで、走れど走れど絶景が延々と続いている。景色に圧倒されて涙が出そうになるのは、これが初めての経験でした。

草原
草原

人より動物の方が多い

モンゴルを自転車で走っていると、とにかく動物たちをよく見かけます。多かった順に挙げると、馬、ヤギや羊、牛、そしてラクダ。

草原と馬

ときおり車が砂埃を上げて通り過ぎるくらいで、歩いている人や自転車に乗っている人とはただの一度もすれ違いませんでした。

人間より圧倒的に動物の方が多い。日本ではまず味わえない感覚です。

草原とラクダ

遊牧民のゲルに滞在した際には、ヤギや羊の解体現場にも遭遇。捌きたての肉や内臓をいただくという、生々しくも貴重な機会にも恵まれました。

砂漠とヤギ
これから食べるヤギを捕まえているところ

憧れだったゲルでの宿泊

今回の旅では、計3泊を遊牧民のゲルで過ごすことに。

もちろん、旅行会社で予約したような観光用の施設ではありません。道中で偶然出会った、ガチの遊牧民のゲルです。

ゲル
実際に泊まったゲル

ゲルの内部は驚くほどシンプルで、置かれているのは必要最低限の家財のみ。それでも、不思議と居心地がいいんです。その心地よさに、むしろモノに溢れた日本の暮らしを思い返して、いろいろと考えさせられてしまったほど。

ゲルの内部
これはまた別のゲル。このゲルにも泊まりました

モンゴルは世界でも有数の親日国。「ヤポン!(日本人だよ!)」と伝えるだけで、みなさんが温かく迎え入れてくれます。

ボーズ(蒸し餃子のような料理)やツォイワン(焼きうどん)といったモンゴルの伝統料理は、どれもシンプルながら滋味深い味わい。

ボーズ

印象的だったのは、滞在中に何度も「相撲しよう」「筋肉見せて」と声をかけられたこと。

モンゴルの人たち、特に男性は「強さ」をなにより重んじる文化があるようで、フィジカルの強さが、言葉を超えたコミュニケーションツールになるんですよね。

モンゴルの男性

そして実際に相撲をとってみたら、まるで歯が立ちませんでした(笑)。

相撲をとるモンゴル人

改めて感じた、自転車の良さ

ここまで感動した理由は、モンゴルそのものの魅力だけではなくて、「自転車で走ったからこそ」という部分も大きいんです。

車で走っていても、間違いなく感動はしたでしょう。でも「涙」が出るほど心を動かされたか?と聞かれれば、そうではないんですよね。(厳密には涙は出てないんですけど笑)。

実際、現地で縁があって車に乗せてもらい、草原の区間をドライブする機会もあったのですが、同じ景色でも車と自転車では「感じ方」がまったく異なりました。

男性と車
車に乗ってドライブもした

風・匂い・音を全身で感じとれる

車やバイクだと、どうしても窓ガラスやヘルメットのシールドが物理的な壁になってしまう。エンジン音も響くため、風を切る音や動物の鳴き声、その土地の空気感を100%味わい尽くせません。

草原を歩くヤギ

でも自転車なら、自分と大地を隔てるものは何もない。だからこそ、未舗装路を踏みしめるタイヤの音や、どこからともなく漂ってくる土の匂いを、文字通り全身で浴びることができる。

風景の中を「通りすぎる」のではなく、「溶け込んでいく」感覚。これこそが、自転車旅の醍醐味なんだと思います。

草原

自分の足だけで進む、という自給自足感

自転車には当然、ガソリンを入れるタンクもなければ、ナビやエンジンのような機械もありません。すべては自分の足次第。自分がエンジンです。

もちろんしんどいけれど、その分ゴールに到着したときの達成感もひとしおです。

自転車と筆者

さらに、パンクすれば自分で直すしかないし、致命的なトラブルが起きれば、異国のど真ん中で立ち往生する可能性だってあります。

でも、この「すべてが自己責任」というヒリヒリ感がたまらないんです。

自転車と草原

スピードが「遅い」からこそ、土地と対話できる

自転車は遅いです。車やバイクに比べれば、遥かに。

でも、その遅さがあるからこそ、道端に咲く花に気づけるし、動物たちともふと目が合います。草原に佇むゲルを見つけたり、ちょっとした集落へふらっと立ち寄れたりもする。

草原と馬

車窓越しではなく、むき出しのままゆっくり走っているせいか、遊牧民の人たちも警戒心なく声をかけてくれるんですよね。おかげで、念願だったゲルに泊まるというかけがえのない体験までできましたし。

草原と子供

きっと、現地の人たちもリスペクトを持ってくれているのだと思います。

「お、俺たちの国を自転車で味わおうとしてくれてるのか。歓迎するよ!」——そんなあたたかい空気を、行く先々で幾度となく感じました。

草原とモンゴルの男女

自転車と装備

今回の旅の相棒は、SURLYのクロスチェック。7年前に組んでもらってから、何度か組み換えやカスタムをしている、自分の体の一部みたいなバイクです。

自転車

RON’S BIKESのフロントバッグとSWIFT INDUSTRIESのサドルバッグに、着替えやキャンプ道具、スマホなどのガジェット類をすべてパッキングしました(カメラだけはウエストバッグに収納)。

キャンプ道具も持っていきはしたのですが、テント泊は結局2日くらい。あとは、遊牧民のゲルや現地民のお家に泊まらせていただくことが多かったです。

自転車

自転車は、やっぱり最高です

本音を言えば、これからも世界中を自転車で走ってみたい。でも、現実(時間とかお金とか)はそう甘くないですよね……笑

とはいえ、日本国内にも心を動かされる景色や道はまだまだたくさん残っています。これからもペダルを回して、いろんな土地と対話していけたらと思っています。

さて、まとまりのない記事になりましたが、伝えたかったのはひとつだけ。「自転車って、やっぱり自由で最高やな」と。それを再確認させてくれた、夢のようなモンゴル旅でした。

筆者と自転車
最高!