今回走った「川風サイクリング 花の小径をめぐるルート」の詳細
今回取り上げるサイクリングコースは、埼玉県が作成した「自転車みどころスポットを巡るルート100Map」のうちの1つです。埼玉県の自然や歴史スポットをつないで、サイクリングを楽しめるように選定されたコースが100種類あり、今回はその中から飯能市の1つをピックアップしました。

| ルート名 | 川風サイクリング 花の小径をめぐるルート |
| スタート | 飯能駅(西武鉄道) |
| ゴール | トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園 |
| 走行距離 | 12km |
| 所要時間 | 3時間30分程度~(観光・休憩込み) |
| レベル | 一般(初心者向け・ほぼ平坦) |
川風サイクリング 花の小径をめぐるルートは、飯能河原や吾妻峡といった自然を感じられる場所や、歴史・グルメスポットがまんべんなく組み込まれています。飯能駅を出発し、市街地や郊外などさまざまなエリアを走れるルートです。

ルート上には案内板が設定されているため、初めて飯能を訪れる方でも迷いにくい設計になっています。走行距離も12kmと短めで、普段あまり自転車に乗らない方にもおすすめ。「花の小径」というルート名の通り、春の桜や秋の曼殊沙華など、季節ごとの美しい花や景色も楽しめるルートになっています。
編集部が実際に走ってみた
サイクリングにピッタリな4月中旬、編集部が実際に「川風サイクリング 花の小径をめぐるルート」を走って取材してきました。ルートの走りやすさや雰囲気、設定された見どころスポットの中から、魅力的なポイントをピックアップしてご紹介します。
都内からもアクセスしやすい飯能駅北口からスタート

今回のサイクリングは、西武池袋線の終点・飯能駅の北口からスタートします。池袋から特急を使うと約40分とアクセスも良く、都内からでも気軽に訪れることができます。

また、駅前からルートがスタートするので、自転車を袋に入れて電車に持ち込む「輪行」もしやすいです。飯能駅のロータリーは広いスペースが多く、輪行した際の自転車の組み立てもしやすそうです。駅が出発点ですぐにコースが始まるので、迷う心配がないのもうれしいポイントです。編集部2名で集合し、10時ごろに出発しました。
飯能銀座商店街はグルメスポットが多数

飯能駅をスタートしたら、ロータリーから北側に伸びる道を真っすぐ進みます。駅周辺は歩行者が多いため、車にも注意しながら車道の左側を走りましょう。

しばらく進んでから「飯能駅前」の交差点を左に曲がると、最初のスポットである飯能銀座商店街に入ります。ここは車の往来がある通りですが、道幅があり自転車を除いて一方通行のため走りやすいと感じました。ただし、たくさんのお店があり人の出入りもあるため、スピードを落として周囲を確認しながら走ります。

この通りは物販や飲食店などのお店がありつつ、大きな町の商店街より程よく静かな環境で、自転車での散策にピッタリなスポットです。例えば、本格的にサイクリングをスタートする前に、おしゃれなカフェで一息つきながらルートを確認するのも良いですね。

お蕎麦をはじめとした飲食店も複数あり、サイクリング前においしいごはんでしっかり腹ごしらえすることも可能です。

賞味期限5分のクレープ、という看板のある、ここでしか食べられないグルメスポットも。車だと素通りしてしまうようなお店も、自転車だとふと足を止めて立ち寄りたくなりますね。

さらに商店街の中には、ルートマップにも記載がある、大正14年創業の「マノサイクル」があります。サイクリングの前に自転車の調子を見てもらったり、空気を入れたりできるのは便利ですね。ただし、営業時間は10時からなのでスタート時刻に注意しましょう。

おしゃれな洋菓子店もあり、帰り道に飯能サイクリングの記念やお土産を買うのもいいですね。

商店街の終わりには、ルートを示す看板が設置されています。曲がり角などにこの看板が設置されているので、初めて飯能市を訪れる方でもわかりやすくなっています。
明治・大正の面影が残る店蔵絹甚と観音寺へ

飯能銀座商店街を抜けたら、「広小路」という交差点を左折し、次のスポット「店蔵絹甚(みせぐらきぬじん)」方面に向かいます。

途中の飯能小町公園には、大きな公衆トイレが設置されていました。広いスペースで日当たりが良く、ベンチもあるので、先ほどの商店街で飲み物や食べ物を買ってここで休憩するのも良さそうですね。

しばらく真っすぐ走ると、右手側に店蔵絹甚を発見。ここは明治30年代に建てられた土蔵造りの建物で、飯能市の指定文化財になっている歴史ある建物を見学できます。

外観だけでなく内部も当時の趣きが残されていて、歴史好きな方はもちろんそれ以外の方も楽しめるスポットです。見学料は無料で、午前10時~午後4時の間なら自由に立ち寄ることができます。

元の道を真っすぐに進むと、「飯能河原」交差点があり、看板でルートが左右に分かれています。右折するとマップ上の③観音寺と④博物館、左折すると⑤割岩橋と⑥飯能河原方面に行くことができます。

今回は右折して観音寺の入り口を少しだけ覗いてみました。広い境内で静かな雰囲気があり、ペダルを漕ぐ足を止めてゆっくりお参りするのも気持ち良さそうなスポットです。
自然を感じられる飯能河原

観音寺を出たら再び飯能河原交差点方面に引き返し、少し進んだ後で「割岩橋」の少し先の看板を右折します。ここは大きな交差点ではないですが、看板が設置されているので分かりやすいです。

少し進むと正面に割岩橋(われいわはし)が見えてきます。ここは自転車は降りて押すルールなので、歩きながら景色をゆっくり楽しみましょう。

割岩橋の上からは、飯能河原を見下ろすことができます。入間川や木々の美しい景色で自然を感じられ、週末にはバーベキューをする人々でにぎわうスポットです。

割岩橋を過ぎた場所からは、自転車を押して飯能河原に降りることができます。さきほど橋の上から見たキレイな景色の中に入ることができ、さらに自然を身近に感じられます。

飯能河原の一部は火気使用可能エリアになっているので、自転車にアウトドアグッズを積んで焚火やBBQを楽しむことも可能です。火気を使用する場合は1人1,000円で利用でき、チェアなどを置いてゆっくりデイキャンプするだけなら無料で楽しめます。
郊外ならではの気持ち良さと自然が魅力の吾妻峡エリア

飯能河原から元の道に戻ったら、次の目的地である吾妻峡を目指します。ここは道が細かい分、交差点ごとに看板が設置されているので迷いにくいです。

看板の指示通りに進むと、信号が少なく長い直線が気持ち良い郊外エリアに。都会では味わえない開放感と気持ち良さがあり、まさにサイクリングの醍醐味を感じられました。

先ほどの直線から看板を1度右折、信号を1つ超えると、7番目のスポットである吾妻峡の看板を発見しました。ここは少し看板が目立ちにくいので、信号を超えたら右側をチェックしながら走ると見逃しにくいです。

自転車を停めて吾妻峡まで下りる途中にきれいな公衆トイレがありました。ところどころに公衆トイレがあり、わざわざ探す必要がないのもサイクリングコースとしてうれしいポイントですね。

吾妻峡は両岸を森に囲まれた手つかずの自然渓谷で、広い河原と入間川の清流を楽しめるスポット。駅からそれほど離れていないとは思えないほどの大自然を満喫できました。

川の底が見えるくらい水がきれいなので、夏場のサイクリング休憩で足を浸すのも気持ち良さそうです。テントを張っているキャンパーの方も居て、バイクパッキングでデイキャンプをしたい方にもおすすめ。

吾妻峡はハイキングコースの一部になっていて、いろいろな形の岩やドレミファ橋などを探しながら散策も楽しめます。

吾妻峡から元の道に戻り、ほぼ直線の気持ち良い道をさらに進むと、八耳堂に到着。

ここは1156~1158年に創建された境外仏堂で、飯能市有形文化財に指定されている宝篋印塔も見ることができます。また、龍崖山の入り口にもなっているので、時間に余裕があるならハイキングも楽しめます。

ここの敷地内にも公衆トイレがあり、静かな自然環境を楽しみながらの休憩スポットにもぴったりです。
川沿いの田舎道が気持ち良い、浄心寺から花の小径エリアへ

八耳堂を出たら、元のルートを飯能河原~割岩橋まで戻り、8番目のスポットである浄心寺に向かいます。割岩橋の先は幹線道路を避けたルートになっていて、自転車に慣れていない方でも走りやすいと感じました。

少しアップダウンのある道を走ると浄心寺に到着。ここは複数の霊場巡りの1つに指定されていて、参道も自然が豊かで見ごたえがあります。

浄心寺前の信号を1つ越えて坂を下ったら、「矢颪(やおろし)」の交差点を右折。こういった難読地名の読み方を調べてみるのも、知らない場所をサイクリングする小さな楽しみの1つですね。

マップ上の9番目の清川橋の手前を下ると、川沿いの細い田舎道が。こういった気持ち良い道がところどころにあり、短い距離でも飯能ならではの魅力を味わえます。ここは少し案内が分かりにくかったので、橋を渡ってしまったら引き返して周囲をチェックしてみてください。

マップ上の10番目の加治橋の看板は道が2つに分かれていますが、直進は駅に戻るルートなので右折。このような看板を見かけたときは、ルートマップで進むべき方向を確認するのが確実です。

看板に従って進み信号を1つ越えたら、11番目のスポット「真善美の小径」に到着です。取材時は季節が終わってしまいましたが、川沿いの道は春には満開の桜を楽しめます。

また、9月頃には彼岸花(曼殊沙華)の景色も楽しめます。あまり観光名所として知られていない隠れスポットなので、花の季節に合わせてサイクリングするのも良いですね。
絵本の世界が広がる、トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園へ

真善美の小径を抜けたらそのままルートをたどって、最後の見どころである13番の「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に到着です。ここはムーミンシリーズの作者として有名な北欧の童話作家、「トーベ・ヤンソン」との手紙のやり取りで生まれた公園です。

入り口にサイクルラックがあり、スタンドが付いていないクロスバイクやロードバイクでも訪れやすくなっています。

入り口の坂の両脇にはメタセコイア並木があり、自然を感じられるスポットとしても魅力と見ごたえがありますね。

公園内には不思議な形の建物や色とりどりの花などがちりばめられていて、まるで絵本の中に入ったような世界観です。建物の中に入ったり、トーベ・ヤンソンに関する本を見たり、見ごたえも十分。公園名から子ども向けのスポットの印象がありますが、大人でも十分楽しめました。園内にカフェもあるので、ティータイムや食事休憩にもおすすめです。
昼食後に飯能駅まで戻ってゴール
最後のスポットを楽しんだら時刻は12時過ぎ。「川風サイクリング 花の小径をめぐるルート」はここでゴールですが、昼食を取りつつ飯能駅まで戻ることにしました。

最後のスポットであるトーベ・ヤンソンの森から飯能駅までは自転車で15分前後の距離なので昼食はいろいろな選択肢があります。しかし、駅まで戻る途中で、埼玉県を代表するB級グルメのお店、「ジャンクガレッジ」のニオイにつられて入店してしまいました。

ジャンクガレッジは埼玉県を中心にチェーン展開中。ボリューミー&濃厚なガッツリラーメンをいただきました。

昼食を食べた後は、看板を頼りに飯能駅南口まで戻ってゴール。駅までのルート上にも看板があり分かりやすくなっています。また、飯能駅南口も広いスペースがあるので、電車輪行で帰る場合も自転車や荷物をまとめやすいです。
【感想】飯能サイクリングを振り返ってみて

今回走ったルートの所要時間は、観光や昼食を含めて約3時間30分でした。12kmとサイクリングコースとしては比較的短めで、観光スポットが近い距離にまとまっているので初心者の方でも楽しみやすい印象です。クロスバイクやロードバイクがなくても、シティサイクルで十分楽しめる距離です。
また、飯能市にはもう一つのサイクリングルート「飯能みどころ満載 まちなかの名所を訪ねるルート」もあり、自転車に慣れている方なら1日で回れる範囲内。季節を変えて複数のルートを楽しんだり、1日で制覇したり、さまざまな楽しみ方ができると感じました。

今回改めて感じたのは、自転車という移動手段の「ちょうど良さ」です。車では通り過ぎてしまう商店街の小さなお店や、徒歩では少し遠い吾妻峡も、自転車なら自分のペースで気軽に立ち寄れます。飯能市は都内から1時間圏内でありながら、豊かな自然と歴史が凝縮されたエリア。ぜひ自転車という選択肢で、新しい飯能の魅力を発見してみてください。