ドロッパーシートポストとは?
自転車のサドルを支える筒状のパーツ「シートポスト」。一般的にサドル高の変更は、自転車から降りて、六角レンチ等を使いシートポストを調整しますが、ドロッパーシートポストはハンドル付近のレバーで、走りながらサドルの上下を変更できるパーツです。
では、なぜ??走りながらサドルの高さを変更する必要があるのでしょうか。
マウンテンバイクの激しい登り下りに対応
ドロッパーシートポストは主にマウンテンバイクで使用されます。マウンテンバイクでは、岩や木の根がむき出しの道など険しいルートを走ることも。
平坦な場所や登りの場面では、サドル高は通常の高さで良いのですが、上記の写真のように急な坂を下る時は体重を大きく後ろに移動して走ります。その時、サドルが高いままだと邪魔になるので、走りながらドロッパーシートポストを使って、サドルの高さを調整します。
前後に体重移動をするマウンテンバイクならではのパーツ
このようにドロッパーシートポストは、自転車の上で体重移動を行って走る事が多いマウンテンバイクならではのパーツと言えるでしょう。平坦な舗装路を走り、軽さ重視(ドロッパーシートポストは重くなってしまう為)のロードバイクではメリットが少ないパーツと言えるかもしれません。
こんな使い方が最適!
マウンテンバイクのどんな走行シーンで、ドロッパーシートポストの本領が発揮されるのでしょうか。
トレイルライドに
トレイルライドはマウンテンバイクで山に入り、自然を相手に楽しむサイクリングです。舗装のない山道は、険しい登りもあれば何キロも岩場を下るようなルートもあります。その下りでは、サドルに腰を置くことはほとんどなく、スタンディングポジションで体重移動をし、バランスを取りながら下ることになります。その時にサドルが下がっているだけで下りの安定感が格段に増し、トレイルの下りを安全に、楽しいものに変えてくれます。
アドベンチャーレースに
山の中を数十キロから100キロを走破するアドベンチャーレースでは、ジープロードと呼ばれる山岳の作業用路やトレイルの登り下りをくり返し行います。疲労をどれだけ抑えるかがポイントになり、下りでの安定性やストレスのない体重移動は完走のための大きな要素です。登り下りに合わせて、スピーディにサドルポジションを決められるドロッパーシートポストは、アドベンチャーレース参加者の中にも広がり続けています。
おすすめドロッパーシートポスト
ドロッパーシートポストは、シートポストなどを作る金属メーカーやサスペンションメーカーなどからリリースされています。
各モデルの特徴とおすすめポイントをご紹介します。
THOMSON エリート ドロッパーシートポスト
コンピューター制御による切削技術は、自転車だけではなく航空業界からも製造を請け負う、金属加工では絶大な信頼のおけるトムソンの製品です。
仕様 | 内装ケーブル、外装ケーブル |
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クランプ径 | 27.2・30.9・31.6mm |
トラベル量 | 100~150mm |
CRANK BROTHERS ハイライン ドロッパーシートポスト
ビンディングペダルが有名ですが、人間工学に基づいた設計のハンドル・ステムと同様にユーザーの使いやすさを意識し、快適なライディングを約束するクランクブラザーズの製品です。
仕様 | 外装ケーブル |
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クランプ径 | 30.9・31.6mm |
トラベル量 | 100~160mm |
重量 | 580g |
Fox トランスファー ファクトリー ドロッパー シートポスト
サスペンションではトップメーカーであるFOXが送り出したドロッパーシートポストです。外装・内装の製品があり、仕上げは信頼のおける純正カシマコートを採用しています。
仕様 | 内装ケーブル・外装ケーブル |
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クランプ径 | 30.9・31.6mm |
トラベル量 | 100~150mm |
重量 | 616g |
SDG テリス ドロッパーシートポスト
2年の期間をかけて開発されたSDGのドロッパーシートポストは、取付けの容易さと高いコストパフォーマンスを持ちあわせています。
仕様 | 内装ケーブル |
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クランプ径 | 30.9・31.6mm |
トラベル量 | 125~150mm |
重量 | 552g |
MAGURA ヴァイロン ドロッパーシートポスト
ブレーキをはじめとする油圧の技術では最先端を誇るマグラのドロッパーシートポストです。操作にはケーブルルーティングを排したワイヤレスを採用しており、取付けが可能なら複数台のマウンテンバイクで共用して使うこともできます。
仕様 | ワイヤレスリモート |
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クランプ径 | 30.9・31.6mm |
トラベル量 | 100~150mm |
ドロッパーシートポストの注意点
一般的なシートポストに比べ、取り付けも少し複雑になります。シートポストを挿しこむフレーム部分(シートチューブ)には、サスペンションが取り付けてあったり、曲げてあるフレームも少なくありません。シートポストを一定の長さを挿しこむ必要があるので、確実にセットできるシートチューブか確認しましょう。
また、手元のレバーで操作をするので、ハンドルからシートポストまでのワイヤールート(ワイヤーをどう這わすか)をフレーム内で行う内装ケーブルにするか、フレームに沿わせて外にワイヤーを出す外装ケーブルにするか確認しなければなりません。
取付けやフレームの確認に不安がある場合、ショップで専門スタッフの方に見てもらうようにしましょう。
マウンテンバイクの楽しさを広げよう
サドルを上げ下げするだけのパーツですが、マウンテンバイクの世界では革新的な製品の「ドロッパーシートポスト」。ドロッパーシートポストを装備することで、マウンテンバイクの楽しさが更に広がるでしょう。
まだ、ドロッパーシートポストをつけていない方はこのタイミングで、カスタムを検討してみてはいかがでしょうか。