Edge130 スタート

小さくても高性能!GARMIN Edge130 Plusをレビュー

サイクルコンピューター(サイコン)のブランドとして名高いGarmin(ガーミン)。その中で最も安価なモデルが、この「Edge130 Plus」です。Garminのサイコンの中で最も小型軽量で、かわいらしい見た目が印象的ですね。

今回は、Edge130 Plusを実際に使用し、性能や使い勝手をレビューしていきます。小さなボディに隠された、その実力やいかに?

目次

アイキャッチ画像:筆者

Edge130 Plusの基本スペック・特徴

GarminのEdge130 Plusとは、どんなサイコンなのでしょうか?基本スペックや特徴を見ていきましょう。

Garmin Edge130 Plus

小型軽量なエントリーモデル「Edge130 Plus」

Garmin Edge130 PLUSは、Garminのサイコンでは最も安価なモデル。機能を絞りつつも、Garmin製品らしい安定性した動作で、センサーやアプリとの連携を利用できます。


また、本体が33gと超軽量なのも魅力です。レース用途で少しでも軽いモデルを使用したいという方には、もってこいなモデルでしょう。その分、ディスプレイは白黒で、地図の表示もできません。エントリーモデルというよりは、使いたい機能が明確になっている方向けと言えるでしょう。

本体サイズH63×W41×D16mm
画面サイズ36×27mm
重量33g
最大駆動時間13時間
ナビ機能あり(地図なし)
マルチGNSS対応(みちびき対応)
無線接続Bluetooth,、ANT+,、Wi-Fi
価格(税込み)28,800円

Garminって?

Garminロゴ

出典:Garmin

Garmin(ガーミン)とは、1989年創設のアメリカの会社。GPS関連の製品を得意としており、陸・海・空の幅広い分野で活躍しています。

GPSナビゲーションの老舗らしく、その実力は折り紙付き。自転車用のGPSサイコンも、ハイスペックで信頼性が高いことで有名です。

ラインナップも豊富で、用途に合わせたモデル選びができます。Garminのサイコンについては、詳しくはこちらの記事にまとめていますよ。

開封して中身をみてみよう

まずは付属品や外観から見ていきましょう。

セット内容を見てみよう

Edge130 箱

撮影:筆者

箱には、付属品は、ハンドルステムマウント・ストラップ・microUSBケーブル・説明書が入っています。

マウントは2つ、固定するゴム紐も豊富です。バイクを複数台お持ちの方でもマウントを付けっぱなしに出来ますし、もし壊れてしまった際にも安心ですね。

もし、ケイデンスやパワー表示を使用したい場合は、対応したセンサー類をバイクに取り付けましょう。

外観をチェック!

Edge130正面、裏面

撮影:筆者

小型なモデルでかわいらしさがありますね。ボタンは左右と下側にあり、充電端子は裏側です。

画面も最近のサイコンとしては小さく、白黒の表示のみとなっています。

Edge130斜め

撮影:筆者

付属のマウントは、ゴムバンドでハンドルやステムに固定するタイプ。2本のゴムを止めるだけですので、工具いらずで簡単です。

サイコンの着脱は、本体を90度横にひねって行います。こちらも簡単にロック・解除が行えて快適ですね。

Edge130 俯瞰

撮影:筆者

バイクに取り付けると、このくらいのサイズ感。かなりコンパクトなのが分かりますね。画像のハンドル幅はC-C420mmです。

小さいお陰で、ライトやGopro、フロントバッグなどと併用しやすそうです。遠目で見たときにバイクのシルエットを崩さないので、大きなサイコンを愛車に付けるのはちょっと…という方にもおすすめですよ。

また、33gと超軽量ですので、ヒルクライムレース等で軽量化をしたい場合にももってこいでしょう。

スマホやPCとの連携は?

次に、スマホやPCとの連携をしてみましょう。

快適に活用できるアプリ

Edge130 PC

撮影:筆者

スマホ・PC共に、「Garmin Connect(ガーミンコネクト)」というアプリで連携することができます。

Garmin Connectには、ルートの作成から走行記録のアップロード、トレーニングの管理など、多様な機能が詰まっていますよ。特にアクティビティ管理の機能が充実しており、消費カロリーから体への負荷、発汗量などまで確認できます。

トレーニングやダイエットなどが目的で自転車に乗っている方には、特にマッチしそうですね。

Garmin Connect

Garmin Connectスマホ

アプリの動作は、PC・スマホともに快適でした。スマホとサイコンの無線接続も安定しており、データの移行や同期もスムーズに行えましたよ。

走行記録を管理する人気アプリ「STRAVA(ストラバ)」とGarmin Connectを連携することも可能。連携の設定をすれば、自動でGarmin ConnectからSTRAVAにもログを保存してくれます。

Garmin Connectの公式サイトはこちら

Garmin Connectでは、他のGarmin製品のデータと共有したりまとめたりすることも可能。

例えば、もしGarminのスマートウォッチをお持ちであれば、スマートウォッチのデータとサイコンのデータで、重複する部分を自動で処理してくれるのです。消費カロリーやアクティビティのレベルをより簡単に、正確に把握できるようになります。

スマホの通知を見逃さない

Edge130 通知

撮影:筆者

スマホとの連携では、走行中にスマホの通知をサイコンの画面に表示させる事ができます。ライド中はつい大事な連絡を見落としがちですが、これなら家族や職場からの重要な連絡、SNSの通知等を漏れなく、簡単にチェックできますよ。

もし操作方法や不具合で困ったときは、公式サポートに頼れるほか、ネットの情報が充実していることもGarminの特徴の1つです。Garminは歴史あるブランドでユーザーも多いため、トラブルが起きた時に対処しやすいというのも、長く使っていく上で大きなメリットですね。

実走での使い勝手は?

取り付けや連携が終わったら、さっそく実走で使用してみましょう。

安定してサクサクの基本動作

Edge130 スタート

撮影:筆者

Garmin Edge130 Plusの電源を入れ、右下のボタンを押したら計測スタート。操作時に音が鳴るようになっていて、画面の切り替わりもサクサクと小気味よいです(操作音は設定でオフにもできます)。

GPSはマルチGNSS(GPS/アメリカ、QZSS(みちびき)/日本、GLONASS/ロシア、Galileo/欧州)対応ですので、補足も早く正確。

電源ONからログの終了まで、ストレスなく行えました。

Edge130ゴール

撮影:筆者

ボタン操作も良好です。適度なクリック感があり、操作しやすいと感じました。

物理ボタンのみ(タッチパネルは非対応)ですが、ロンググローブでも問題なく扱えますし、むしろ好印象でした。画面サイズがコンパクトですし、この操作系統は良いと思います。

ボタンのクリック感も良く、使っていて気持ちよい製品ですね。

小さくても見やすい!詳細な画面

はじめは「画面が小さくて見づらいのでは?」と懸念をしていましたが、実際に使ってみると、それほど気になりませんでした。

Edge130 拡大

撮影:筆者

Garmin Edge130 Plusは、液晶表示のドットが細かく、詳細な描画ができる画面になっています。そのおかげで、文字のディティールやラインがはっきりと見え、小さいながらも必要十分な視認性を確保しているのでしょう。

また、画面に非光沢素材を採用し、バックライトも十分な光量があります。日差しの強い日中から夜間まで、見やすい画面環境が整っていますね。

Edge130項目

撮影:筆者

表示項目の数は最大8項目。走行中にパッと確認するには十分な数ですね。

もちろん、表示内容や表示数はカスタム可能。表示させられる項目は、速度やタイム等をはじめ、斜度・気温・パワー・消費カロリーなど、多岐に渡ります。必要なものをピックアップすることで、見たい項目をすぐに確認できる画面を作り上げられますよ。

どんな機能が備わっている?

走行中に使用できる機能面もチェックしてみましょう。

ナビ機能は「ルートを線で表示」

Garmin Connectルート

ナビを使用するには、まずスマホかPCでルートを作成し、サイコンにインポートする必要があります。

事前に用意したルートをサイコンに入れておくほか、出先でもGarmin Connectアプリでルートを作成し、サイコンに送って使用することも出来ますよ。

Edge130ナビ

撮影:筆者

ナビの表示は、ルートの軌跡を線で表す形です。地図の表示はできないため、一般的なカーナビやスマホのナビと比較すると、少々見劣りしてしまうかも知れません。

使用してみた感触だと、ルートの軌跡とGPSデータはかなり正確で、ルートから外れると警告通知が鳴ります。そのおかげで、入り組んだ路地でも「自分がルートから外れていないか」のチェックは十分に出来ました。

Edge130 ナビ2

撮影:筆者

曲がり角では、画面が切り替わるとともにビープ音が鳴りますので、用意したルートを走る手助けとなります。

しかし、ややこしい交差点では進むべき道がよく分からない場面もあり、万能とは言えないと感じました。

このナビだけを頼りに走るというよりは、あくまで補助的な使用をするのがよいというのが、私の個人的な感想です。

峠の登りで役立つ優れモノ!「クライムプロ」

Edge130クライムプロ

撮影:筆者

走行中に便利だと感じたのは、「Climb Pro(クライムプロ)」という機能。自分が今走っている上り坂や峠が、どんな勾配のプロファイルで、あとどのくらい残っているのかが一目で分かる優れモノです。

上り坂ではペース配分が大事ですし、終わりの見えない坂に苦しむこともありません。今まで感覚で走っていたコースも、リアルタイムかつ客観的に坂道を把握することで、非常に走りやすくなりました。

特に、勾配の変化が一目でわかるのが有難く、心構えをするうえでも重宝しています。

もしもの時にも安心な「緊急救援要請」

自転車 事故

Edge130 Plusには、事故検出機能や緊急救援要請の機能があります。

これは、Edge130 Plusが衝撃等で事故を検出した際に、あらかじめ設定した緊急連絡先に、ライダーのGPS信号と事故検出の通知をする機能です。

もちろん万能なものではありませんが、もしもの時に役立つかも知れません。特にソロでのトレーニングが多い方など、自分で助けを呼べない可能性もありますので、あって損はない機能でしょう。

バッテリーの持ちはやや不安?

Edge130バッテリー

撮影:筆者

バッテリーの持ちは、公称で最大13時間稼働とやや短い設定。ロングライドを楽しみたい方や、頻繁な充電が煩わしいという方には、ネックとなるでしょう。

充電しながらでも使用できますので、モバイルバッテリーを持っていけば稼働時間を大幅に伸ばすことができます。ただし、付属のマウントではハンドルバーとケーブルが干渉して使用が難しいので、サイコンを取り外すか、ハンドルからずらして使用できるマウントが必要となりそうです。

あらゆる機器と接続可能で、使い方いろいろ

センサー

出典:Amazon

ケイデンスセンサーやパワーメーター、心拍計、スマートトレーナーなど、様々なセンサーに対応しているのは嬉しいですね。Bluetooth、ANT+、Wi-Fiと接続形態も網羅していますので、自転車用のほとんど全ての機器と接続可能と言っても過言ではないでしょう。

同じGarmin製品では、自動点灯機能や後方からの接近センサーを兼ね備えた「スマートライト」「リアビューレーダー」との連携も可能です。

1つだけ、本格的なトレーニング用途の方向けに注意点を書くと、パワーメーターを使用してもTSSやNPといった指標を表示させる事ができません。純粋な現在のパワーをチェックする用途では良いですが、パワートレーニングの指標を常にチェックしたいという方には向きませんね。

価格は?

お金

最後に、価格について考えてみましょう。Edge130Plusは、センサーなしの本体だけで28,800円(税込み)。サイコンのみの価格としては、やや高価な部類に入るでしょうか。

それでも、GPSサイコン、特に人気・高性能ブランドであるGarminと考えると決して高くはなく、むしろ安いくらいの価格だと思います。上位機種に比べて機能を制限している点は多々ありますが、逆にいえば、価格に釣り合うだけの性能は十分に発揮してくれるでしょう。

コストパフォーマンスが高い…というモデルではないでしょうが、納得感のある価格ですね。

こんな人におすすめ!

ヒルクライム

撮影:筆者

GarminのEdge130Plusは、どんな方におすすめか、私なりにまとめてみました。あくまで個人的な意見ですので、ご参考までにとどめていただければ幸いです。

高性能かつシンプルなサイコンを使いたい方
・ハンドル周りを軽量でスッキリさせたい方
・レースやトレーニングなどで短時間のライドが多い

Edge130 Plusの特徴は、なんといっても小型・軽量なところ。このサイズ感と高性能を両立したモデルは珍しいため、小ささにメリットを感じる方なら満足できるでしょう。

逆に、サイコン1つでロングライドやナビ使用のツーリングがしたい方や、本格的なパワートレーニングがしたい方には、やや不足を感じるかも知れません。

まとめ

Edge130

撮影:筆者

Garmin Edge130 Plusは、機能を絞りつつも、Garminらしさを残したサイコンです。

軽量性やシンプルさを求める方には、きっと良い選択肢でしょう。ある意味尖った製品ですので、初心者の方の1台目というより、サブ機として使用するなど欲しい機能が明確になった玄人向けという印象を受けました。

クライムプロなどの新機能も取り入れつつ、Garminらしい安定した動作。小さい見た目ながらも、頼れる存在と感じています。

他社のサイコンを含めた比較記事もご用意していますので、ぜひ合わせてご覧ください。