GTはグラベルロードのパイオニア
GTは、世界的に「グラベルロードをいち早く作ったブランド」として知られています。まだ「グラベルロード」というジャンルが明確でない時期からグラベルバイクを手掛けており、まさにグラベルロードのパイオニアと言えるでしょう。
2022年でGTは50周年を迎えます。50周年を記念する特設サイトもあるので、気になる方はぜひチェックしましょう!
アメリカ発の自転車メーカー「GT」
1970年代にアメリカで誕生したGT。BMXレーサーの制作・販売から始まり、80年代にはBMXレースで数々の実績を残したブランドです。
アメリカで初めてアルミ製のMTBフレームを制作するなど、革新的な技術を取り入れて自転車を開発しています。現在のGTのラインナップは、MTBを中心に、BMXやグラベルロードの人気も高く、ロードバイクやキッズバイクなど幅広い展開をしています。
GTのグラベルロード、「グレード」とは
GTが持つMTBの技術と、ロードバイクのコンセプトを融合させたグラベルロードが「グレード」です。
グレードは登場以来、アップデートを重ねてきており、洗練された性能を持つグラベルロードの一つと言えるでしょう。
では、GTの「グレード」とはどんなバイクなのでしょうか?グレードの特徴を詳しく見ていきましょう。
独特なシートステーで極上の乗り心地
まずは、GTの代名詞とも言える「トリプルトライアングル」と呼ばれるフレーム形状。シートステーをトップチューブに接合する設計のことで、グレードにも用いられています。
グレードのトリプルトライアングルは、更に特殊な「フローティングステー」と呼ばれる形状をしています。シートステーとシートチューブが接しない設計のことで、乗り心地の良さに加え、サスペンションのように路面を捉えてくれるので、オフロードの走行でも安定感が抜群です。
特にカーボンモデルはその効果が顕著で、高い評価を受けています。
豊富なダボ穴でバイクパッキングに対応
グラベルロードの醍醐味の1つに、バイクパッキングを楽しむことが挙げられるでしょう。
グレードは各所にパッキング用のダボ穴を備え、様々な使い方に対応しています。トップチューブやフォーク横のマウントはもちろん、前後フェンダー用のダボ穴や、アルミモデルにはキャリア取り付け用のダボ穴も完備。
走行性能が高さはもちろん、用途に合わせた楽しみ方ができるのは、グレードの大きな魅力の1つです。
フォークオフセットを変更できる(カーボンモデルのみ)
GTがグレードはフォークの末端にも特殊な仕組みがあります。「フリップチップフォーク」と呼ばれる機構で、エンドのパーツを前後入れ替えることで、フォークのオフセットを変更できる仕組みです(カーボンモデルにのみ搭載)。
フォークオフセットはバイクの操作感に影響するため、機敏な機動力を確保したり、逆に安定感のある走りにしたりと、バイクの乗り味をコントロールできるのです。
GTのグレードなら、シチュエーションや乗り手の好みに合わせたカスタムが可能です。1台で実質2台分の自転車を手に入れられるとも言えるでしょう。
グレードは5種類のラインナップ
GTのグラベルロードは、デビュー当初から「グレード(GRADE)」という名が冠されています。
2022年モデルのグレードは5種類で、フレーム素材やコンポなどが異なります。完成車の価格は約12~44万円と幅がありますので、自分に合ったバイクを選択できるのも魅力ですね。
モデル | 価格(税込) | フレーム素材 | メインコンポ | 変速 | 重量 |
GRADE CARBON PRO | 481,800円 | カーボン | ShimanoGRX800 | 1×11 | 8.93kg |
GRADE CARBON EXPERT | 360,800円 | カーボン | ShimanoGRX600 | 2×11 | 9.86kg |
GRADE CARBON ELITE | 305,800円 | カーボン | ShimanoGRX400 | 2×10 | 9.98kg |
GRADE ALLOY EXPERT | 220,000円 | アルミ | ShimanoTiagra 4700 | 2×10 | 10.40kg |
GRADE ALLOY ELITE | 143,000円 | アルミ | ShimanoClaris R2000 | 2×8 | – |
現在のラインナップを簡単にまとめると、上の表の様になります。
全てディスクブレーキ、12mmスルーアクスル、フラットマウント、タイヤクリアランス700×42cと、トレンドの規格ですので安心ですね。それぞれのバイクの詳しい特徴やスペックはこの後ご紹介していますので、そちらも合わせてご覧ください。
フレーム素材は「カーボン」or「アルミ」
フレーム素材は、カーボンとアルミの2種類。カーボンとアルミで価格差がありますので、予算に応じて選ぶのも良いですし、以下の特徴を踏まえておくと良いでしょう。
・グレード カーボン:軽量で乗り心地が良い。可変フォークオフセット。
・グレード アルミ:比較的頑丈で初心者に扱いやすい。キャリア使用可。
カーボンとアルミの完成車の違いはコンポーネントのみで、基本的にフレームとフォークの形状は共通しています。
走行性能を追求したいという方はカーボン、日常の足や気軽なサイクリングなどで主に使いたい方はアルミ、という選び方をしておくと、のちのカスタムが活きるかも知れませんね。
また、アルミフレームの方がサイズ展開が豊富ですので、小さめのサイズのバイクをお探しの方は要チェックですよ。
カーボンモデルのラインナップ
では、カーボンフレームのモデルを詳しくご紹介しましょう。カーボンモデルは3種類ラインナップされています。
GRADE CARBON PRO(プロ)
グレードのラインナップで、最もスペックが高いのが「Carbon Pro(カーボン プロ)」。グラベルロードの完成車で8kg台の重量はかなり軽量で、そのまま遊び倒せるパーツ構成が魅力ですね。
コンポはブレーキまでShimano GRX800系で統一し、ホイールも軽量なリムを採用。ドロッパーシートポスト(走行中に簡単に高さを変えられるシートポスト)が付属し、クランクもカーボン製を用いるなど、充実した装備となっています。
ハイスペックなモデルが欲しい方はもちろん、グラベルをガンガン攻めていきたい方におすすめです。ドロッパーシートポストは未舗装路での取り回しを良くしてくれますし、軽量な車体はアップダウンの激しい林道でも軽快に走れるでしょう。ギアがフロントシングルである点も、オフロード向きです。
モデル | GRADE CARBON PRO |
フレーム素材 | カーボン |
フォーク素材 | カーボン |
メインコンポ | Shimano GRX800 |
変速段数 | 1×11 |
ブレーキ | Shimano GRX800 油圧式 |
重量 | 8.93kg |
価格(税込) | 481,800円 |
GRADE CARBON EXPERT(エキスパート)
ハイエンドの「Carbon Pro」に追従するのが、「Carbon Expert(カーボン エキスパート)」。価格を抑えつつも、カーボンシートポストが採用されている点などが、ポイントです。
パーツ構成は、Carbon Proと比較してややオンロード寄り。メインコンポはShimano GRX600系で、2×11段変速です。多彩なギア比を選択できるコンポで、ロードバイクのように舗装路をメインで楽しむこともできるでしょう。
オン~オフロードを幅広く楽しみたい方や、ツーリングなどでロングライドも視野に入れている方におすすめです。
モデル | GRADE CARBON EXPERT |
フレーム素材 | カーボン |
フォーク素材 | カーボン |
メインコンポ | Shimano GRX600 |
変速段数 | 2×11 |
ブレーキ | Shimano GRX400系 油圧式 |
重量 | 9.86kg |
価格(税込) | 360,800円 |
GRADE CARBON ELITE(エリート)
カーボンフレームで最も価格を抑えたモデルが、この「Carbon Elite(カーボン エリート)」。
20万円台でフルカーボンのグラベルロードが手に入るのは、大きな魅力ですね。コンポもShimano GRX400系ですので、変速やブレーキ系の性能も十分です。
しかも、フレームとフォークは上位ラインナップと共通。のちのち自分好みのカスタムをしていけば、きっと最高の1台に仕上げられるはずです。
完成車の構成では、オンロードからオフロードまで、まんべんなく楽しめるスペック。このままのスペックでも十分な性能を兼ね備えていますので、グラベルロードの入門として様々な遊び方をができるでしょう。予算は抑えつつも、成長に合わせてカスタムしていきたいという方におすすめです。
モデル | GRADE CARBON ELITE |
フレーム素材 | カーボン |
フォーク素材 | カーボン |
メインコンポ | Shimano GRX400 |
変速段数 | 2×10 |
ブレーキ | Shimano GRX400系 油圧式 |
重量 | 9.98kg |
価格(税込) | 305,800円 |
アルミモデルのラインナップ
続いては、アルミフレームのモデルを詳しくご紹介しましょう。アルミモデルは2種類のラインナップです。
GRADE ALLOY EXPERT(エキスパート)
アルミフレームの上位ラインナップが、「Alloy Expert(アロイ エキスパート)」。
コンポはShimano Tiagraで2×10速、油圧ディスクブレーキと、様々な用途に対応できるでしょう。このスペックで20万円前半ですから、お値打ちのモデルと言えます。
単純なスペックではカーボンに劣る面がありますが、アルミフレームの扱いやすさや汎用性はカーボンにない魅力です。オフロードの走行ではバイクに傷がつきやすいですし、通勤等の日常使いを視野に入れるならアルミフレームの堅牢性や拡張性が活きてきます。キャリアを用いて、自転車旅やキャンプを楽しめるのも良いですね。
費用を抑えつつ、グラベルロードの汎用性を活かしたサイクリングライフを考えているなら、このAlloy Expertがおすすめです。
モデル | GRADE ALLOY EXPERT |
フレーム素材 | アルミ |
フォーク素材 | カーボン |
メインコンポ | Shimano Tiagra 4700 |
変速段数 | 2×10 |
ブレーキ | Shimano Tiagra4700系 油圧式 |
重量 | 10.40kg |
価格(税抜) | 220,000円 |
GRADE ALLOY ELITE(エリート)
「Alloy Elite(アロイ エリート)」は、初心者に優しく、価格を抑えた装備となっています。
メインコンポはShimano Claris R2000系は、低価格ながらに性能は十分ですので、自転車通勤から週末のサイクリングまで、快適に使用できるでしょう。もしオフロードを本格的に走りたいなら、ブレーキのアップグレードをすると、より楽しめるはずですよ。
スピードは気にせず、ゆったりとサイクリングを楽しみたい方に合っています。これから自転車趣味を始めたい方や、なるべく費用を抑えてグラベルロードを購入したい方におすすめです。
モデル | GRADE ALLOY ELITE |
フレーム素材 | アルミ |
フォーク素材 | カーボン |
メインコンポ | Shimano Claris R2000 |
変速段数 | 2×8 |
ブレーキ | Tektro 機械式 |
価格(税込) | 143,000円 |
ジオメトリや最新情報は、GT公式サイトでチェック!
GTのグレードは、グラベルロードの草分け的存在であり、人気の高いモデルです。
未舗装路の開拓からキャンプツーリング、はたまた通勤などの日常の足としても活躍する、万能なバイクと言えるでしょう。様々な装備の完成車が用意されていますので、きっとお気に入りの1台が見つかるはずですよ。
更に詳しいスペックやジオメトリ、最新情報はRITEWAYサイトから確認できます。ぜひ、こちらも合わせてご覧ください!
*記事内で紹介したスペックと仕様は執筆時の情報です。