自転車の車体番号はどこにある?防犯登録との違いを知っておこう!

自転車の車体番号はどこにある?防犯登録との違いを知っておこう!

自転車の車体番号を知りたいという方は、おそらく譲渡や盗難など、「自転車を所有している」という権利関係を、はっきりさせたい場面に遭遇していらっしゃるのではないでしょうか。ただ車体番号は、どの自転車にも特定の箇所に貼られているわけではなく、さらに、「号機番号」、「車種略号」など、紛らわしい番号もあり、どれが車体番号なのか、迷ってしまうこともあります。そこで、車体番号を間違えなく見つけられるよう、探し方を詳しくご紹介します。正しい車体番号を見つけて、所有の権利を損なわないようにしましょう。 

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

車体番号とは?

ボトムブラケット裏の車体番号

出典:Flickr/ David B. Gleason

車体番号とは、製造時に自転車のフレームに刻印される識別番号で、そのフレーム固有の番号のこと。フレームナンバー、シリアルナンバーとも呼ばれます。

メーカー独自のルールで定められているため、桁数、アルファベットの有無など、共通の決まりはありません。また車と違い、番号を付与することが義務付けられているわけでありません。特に海外メーカーの場合、車体番号がないこともあります。

車体番号は、なんであるの?

任意でつけられる車体番号ですが、どんな意味があるのでしょうか?

メーカーの商品管理のため

自転車製造工場に並ぶフレーム

車体番号は、製造年月、製造工場など、元々はメーカーが商品管理のために利用していたとされます。その自転車が、いつ、どこで製造されたのか分かると、使われているパーツが確認できたりする訳です。

所有者を特定するため

警官と自転車に乗る女性

自転車固有の番号である車体番号は、盗難対策にも利用されています。防犯登録をすることにより、所有者と車体番号がヒモ付けられるので、自転車の所有者を特定することができるのです。

防犯登録との違い

自転車の防犯登録シール車体番号は自転車を識別するための番号で、その自転車の所有者情報と、車体番号のヒモ付けをするのが防犯登録です。防犯登録をすることによって、その自転車の所有情報が公のデータベースに載ることになります。

そのため自転車が盗難されても、警察の調査によって、自転車が戻る確率が格段に高まります。防犯シールがはがされてしまっても、車体番号から所有者を特定することができるんですよ。

そもそも防犯登録の制度は、駅前などの放置自転車を減らすために始まりました。放置自転車のうち何割かは盗難車であったため、かつては撤去しても、持ち主が引き取りに来ないことが多かったのです。そこで、速やかに持ち主に返還するため、防犯登録制度がスタート。その後、1994年には義務化され、現在に至っています。

車体番号が刻印されている場所は?

シールだとはがされる可能性があるため、車体番号は基本的にはフレームに「刻印」されています。ただし、ロードバイクなどスポーツバイクで、カーボン製の場合は刻印ができないので、シールになっています。メーカーやモデルによって番号がある箇所は異なるので、順番に探して見てください。

シートチューブの下あたり

ママチャリの車体番号

撮影:筆者

シティサイクル(ママチャリ)に多いのがこの場所。サドルがついているチューブ(シートチューブ)の根元の後ろ辺りに刻印されています。比較的見つけやすいでしょう。

ヘッドチューブ周辺

ヘッドチューブにある車体番号

撮影:筆者

パナソニック、ブリヂストン、ヤマハの電動アシスト自転車は、ハンドルが取り付けられているチューブ(ヘッドチューブ)に刻印されていることが多いです。カゴがついていると少し見づらいので、ハンドルを左右に振って数字・アルファベットを確認しましょう。

クランクの裏側

スポーツバイクの車体番号

撮影:筆者

ロードバイクなど、スポーツバイクに多いです。パッと見ただけでは見えないところにあります。車体をひっくり返すか、後輪にブレーキをかけた状態で前輪を持ち上げて、自転車を立てた状態にしましょう。クランク(ペダルが付いている金属棒)の根元に近いフレーム部分に、刻印があるはずです。ただ自分では見づらいので、誰かに見てもらいましょう!先ほどご紹介した通り、カーボンフレームの場合はシールが貼られています。

購入時の書類でも、確認できます

自転車店に来た男女

自転車が盗難されたなど、直接見ることができない場合は、購入時の書類で確認することもできます。「販売証明書」、「防犯登録」の控えや、メーカー保証書に車体番号が記載されています。

パナソニック、ブリヂストン、ヤマハなどの電動アシスト自転車の場合、車体番号以外に、「号機番号」「車種略号」「機種番号」「品番」「認定番号」などさまざまな名称の番号があり、迷うかもしれません。「フレームNo.」、「車体番号」、「シリアルナンバー」のいずれかを探しましょう。

控えの書類がない場合は、購入店舗に問い合わせて見ましょう。防犯登録の控えは、必ず販売業者に保管されています。購入時の住所・氏名、購入店舗、購入年月などの情報を伝えると、防犯登録の控えの写しを取り寄せてくれるでしょう。

ただし、防犯登録には期限があり、都道府県によって異なります。(東京都10年、神奈川県7年、大阪府7年、京都府10年など)期限が切れているとデーターベースから抹消され、店舗控えも廃棄されるので、注意が必要です。

自転車の譲渡を受けるときの留意点

自転車を人からもらうときも、車体番号を確認しておくと安心です。万が一番号がないときの対応方法と、防犯登録の方法を紹介しましょう。

車体番号がない場合は?

自転車のボトムブラケット部分

出典:Flickr/bensondoc

自転車をもらったのだけれど、車体番号がない!という場合もあり得ます。車体番号がないと、防犯登録できないの?と不安に思った方、大丈夫です!車体番号がなくても、メーカー名、自転車の種類(ママチャリ、スポーツバイク、電動アシスト自転車など)、色、タイヤサイズなどの情報があれば、防犯登録はできます。

もらった自転車の防犯登録の仕方

自転車の譲渡証明書

自転車ショップに、自転車と必要書類を持って行けば、手続きしてもらえます。必要書類とは、旧所有者が作成した譲渡証明書と、新所有者の住所が確認できる身分証明書のこと。譲渡証明の書式はなんでも構いませんが、東京都の防犯登録業務を行う、「東京都自転車商防犯協力会」のホームページで、書式をダウンロードすることができますよ。

東京都自転車商防犯協力会HPはこちら

車体番号の一部が削られているときは、要注意!

ヤスリとグラインダー

人から譲ってもらうときだけでなく、メルカリ、ヤフオクなどのネットオークションで中古自転車を購入するときも、車体番号をチェックしましょう。車体番号の刻印はあるのに、一部削られている場合は要注意。盗難車の可能性があります。

防犯登録は忘れずに!

自転車をひく女性

車体番号を防犯登録することによって、警察のデータベースにその情報が登録され、盗難された場合に、戻ってくる可能性がグッと高まります。防犯登録の控えは大切に保管すると共に、保管場所を忘れないようにしましょう。