車体番号とは?
車体番号とは、製造時に自転車のフレームに刻印される識別番号で、そのフレーム固有の番号のこと。フレームナンバー、シリアルナンバーとも呼ばれます。
メーカー独自のルールで定められているため、桁数、アルファベットの有無など、共通の決まりはありません。また車と違い、番号を付与することが義務付けられているわけでありません。特に海外メーカーの場合、車体番号がないこともあります。
車体番号は、なんであるの?
任意でつけられる車体番号ですが、どんな意味があるのでしょうか?
メーカーの商品管理のため
車体番号は、製造年月、製造工場など、元々はメーカーが商品管理のために利用していたとされます。その自転車が、いつ、どこで製造されたのか分かると、使われているパーツが確認できたりする訳です。
所有者を特定するため
自転車固有の番号である車体番号は、盗難対策にも利用されています。防犯登録をすることにより、所有者と車体番号がヒモ付けられるので、自転車の所有者を特定することができるのです。
防犯登録との違い
車体番号は自転車を識別するための番号で、その自転車の所有者情報と、車体番号のヒモ付けをするのが防犯登録です。防犯登録をすることによって、その自転車の所有情報が公のデータベースに載ることになります。
そのため自転車が盗難されても、警察の調査によって、自転車が戻る確率が格段に高まります。防犯シールがはがされてしまっても、車体番号から所有者を特定することができるんですよ。
そもそも防犯登録の制度は、駅前などの放置自転車を減らすために始まりました。放置自転車のうち何割かは盗難車であったため、かつては撤去しても、持ち主が引き取りに来ないことが多かったのです。そこで、速やかに持ち主に返還するため、防犯登録制度がスタート。その後、1994年には義務化され、現在に至っています。
車体番号が刻印されている場所は?
シールだとはがされる可能性があるため、車体番号は基本的にはフレームに「刻印」されています。ただし、ロードバイクなどスポーツバイクで、カーボン製の場合は刻印ができないので、シールになっています。メーカーやモデルによって番号がある箇所は異なるので、順番に探して見てください。
シートチューブの下あたり
シティサイクル(ママチャリ)に多いのがこの場所。サドルがついているチューブ(シートチューブ)の根元の後ろ辺りに刻印されています。比較的見つけやすいでしょう。
ヘッドチューブ周辺
パナソニック、ブリヂストン、ヤマハの電動アシスト自転車は、ハンドルが取り付けられているチューブ(ヘッドチューブ)に刻印されていることが多いです。カゴがついていると少し見づらいので、ハンドルを左右に振って数字・アルファベットを確認しましょう。
クランクの裏側
ロードバイクなど、スポーツバイクに多いです。パッと見ただけでは見えないところにあります。車体をひっくり返すか、後輪にブレーキをかけた状態で前輪を持ち上げて、自転車を立てた状態にしましょう。クランク(ペダルが付いている金属棒)の根元に近いフレーム部分に、刻印があるはずです。ただ自分では見づらいので、誰かに見てもらいましょう!先ほどご紹介した通り、カーボンフレームの場合はシールが貼られています。
購入時の書類でも、確認できます
自転車が盗難されたなど、直接見ることができない場合は、購入時の書類で確認することもできます。「販売証明書」、「防犯登録」の控えや、メーカー保証書に車体番号が記載されています。
パナソニック、ブリヂストン、ヤマハなどの電動アシスト自転車の場合、車体番号以外に、「号機番号」「車種略号」「機種番号」「品番」「認定番号」などさまざまな名称の番号があり、迷うかもしれません。「フレームNo.」、「車体番号」、「シリアルナンバー」のいずれかを探しましょう。
控えの書類がない場合は、購入店舗に問い合わせて見ましょう。防犯登録の控えは、必ず販売業者に保管されています。購入時の住所・氏名、購入店舗、購入年月などの情報を伝えると、防犯登録の控えの写しを取り寄せてくれるでしょう。
ただし、防犯登録には期限があり、都道府県によって異なります。(東京都10年、神奈川県7年、大阪府7年、京都府10年など)期限が切れているとデーターベースから抹消され、店舗控えも廃棄されるので、注意が必要です。
自転車の譲渡を受けるときの留意点
自転車を人からもらうときも、車体番号を確認しておくと安心です。万が一番号がないときの対応方法と、防犯登録の方法を紹介しましょう。
車体番号がない場合は?
自転車をもらったのだけれど、車体番号がない!という場合もあり得ます。車体番号がないと、防犯登録できないの?と不安に思った方、大丈夫です!車体番号がなくても、メーカー名、自転車の種類(ママチャリ、スポーツバイク、電動アシスト自転車など)、色、タイヤサイズなどの情報があれば、防犯登録はできます。
もらった自転車の防犯登録の仕方
自転車ショップに、自転車と必要書類を持って行けば、手続きしてもらえます。必要書類とは、旧所有者が作成した譲渡証明書と、新所有者の住所が確認できる身分証明書のこと。譲渡証明の書式はなんでも構いませんが、東京都の防犯登録業務を行う、「東京都自転車商防犯協力会」のホームページで、書式をダウンロードすることができますよ。
車体番号の一部が削られているときは、要注意!
人から譲ってもらうときだけでなく、メルカリ、ヤフオクなどのネットオークションで中古自転車を購入するときも、車体番号をチェックしましょう。車体番号の刻印はあるのに、一部削られている場合は要注意。盗難車の可能性があります。
防犯登録は忘れずに!
車体番号を防犯登録することによって、警察のデータベースにその情報が登録され、盗難された場合に、戻ってくる可能性がグッと高まります。防犯登録の控えは大切に保管すると共に、保管場所を忘れないようにしましょう。