MTBのハンドリングで、大切なグリップ
MTBは、山やオフロードを走る時など、ハンドル操作でのコントロールが、とても重要な自転車です。そのため、ハンドル部分のグリップと手の相性は、ライディングに大きく影響します。
グリップを変えるだけで手の痛みが消えたり、ハンドリングが良くなるなど大きなメリットを得ることもありますよ。
MTBグリップの選び方
MTBのグリップはサイズ・素材など、多くの種類があるので、自分好みのグリップを見つけましょう。
グリップの厚さ・フィット感
グリップの外径の太さは、手の大きさにもよりますが、細め・太めでこんなところに違い出ます。
●太め:少ない握力でもしっかりと握れる・振動吸収性が良い
●細め:握りやすくポジションも変えやすい・フィット感が強い・コントロール性が高い
素材にもよりますが、しっかりと握りたい方や、長距離を走るなら太めのグリップを、バイクコントロールを楽しみたい方や短~中距離のレース・イベントなどにも参加をする方は細めがいいでしょう。
ただし手の大きさや好み、ライディングスタイルは人それぞれ違うので、実際に握ってみてフィーリングを確認するといいですね。
表面の素材
素材の違いで握ったときに感じる硬さやフィット感、耐久性も変わってきます。
今、MTBで多く使われているタイプは
●シリコン
→柔らかく衝撃吸収に優れ、握ったときに手にフィットする。耐久性は低め。
●ラバー
→やや硬い。硬度は様々だが、硬いものは耐久性が高く、柔らかいものは低い。成形しやすくデザインが様々ある。
●複合タイプ
→本体をラバー成形し、自由なデザインと、しっかりした握りごこちが。握りの部分には硬度の違うラバーや、ゲルインナーなどを配置して衝撃吸収性を高めているタイプ。
以上が主な3種類でで、大きさやデザイン・カラーなども、幅広く揃えられています。
その他にもスポンジやEVA、コルクなどグリップ素材は様々にあるので、好みの素材をチェックしてみましょう。
ロックオン方式とスライドオン方式
グリップの固定方式は主に2種類あり、それぞれ必要な工具や取付け方法が違います。
●ロックオン方式(画像上)
→両端または片側にあるロックリングを締めて固定するタイプ、取付け角度の調整がしやすい。
●スライドオン方式(画像下)
→本体の締付けでハンドルに固定するタイプ、取り付け後の微調整は難しい。
スライドオン方式は低価格帯のラバーモデルや、シリコングリップで多い方式です。
ラバー・複合タイプでは取付け・調整のしやすいロックオン方式が主流になっています。
シーン&使い方にあった、グリップを選ぶ
トレイルやダウンヒルなどハードなライディングでは、車体を抑えるために「ラウンド型のしっかりした」グリップが好まれています。
クロスカントリーは、ダウンヒルモデルより「やや細めでフィット感のある」グリップが好まれる傾向があり、ロングライドや長距離を走るトレイル、アドベンチャーライドでは「エルゴノミック」モデルを使用する方が多くいます。
実際に握り、走ってみて最適なグリップを選びましょう。
MTB用のおすすめグリップ10選
MTB用のおすすめグリップ、いろいろな素材・デザインから10モデルをご紹介します!
ESI Grips CHUNKY
シリコングリップ・シリコンバーテープを専門とするパーツメーカー、トッププロからの信頼も厚く、定番モデルのチャンキーは豊富なカラー展開とシリコンならではのフィット感・衝撃吸収性でMTBに最適です。
素材 | シリコン |
---|---|
カラー | ブラック・アクア・ブルー・グレー・グリーン・オレンジ・レッド・ホワイト・イエロー・パープル |
サイズ | 130×32mm |
重量 | 60g(ペア) |
ODI AG1 V2.1 LOCK-ON GRIPS
ロックオンシステムのグリップを、始めて世に送り出したメーカーがODIです。AG1はトップダウンヒルレーサーとのコラボモデルで、細めのAG1とやや径の太いAG2も選ぶことができます。
カラー | ブラック/シルバー・ブルー/ ブルー・レッド/ レッド・オレンジ/ シルバー |
---|---|
サイズ | 135×28mm |
重量 | 60g(ペア) |
TIOGA Lock-on BioGrip
紫外線に強いVEXKラバーを採用。ペアで90gと軽量ですが、握りやすく手のひら側に厚みを持たせています。エルゴノミックデザインで高いフィット感を得ることができるでしょう。
素材 | ラバー |
---|---|
カラー | ブラック・ホワイト・ブラウン・ライムグリーン |
サイズ | 130mm |
重量 | 90g(ペア) |
SERFAS PRO-FLO LOCK ON
プロフローテクノロジーによる圧力軽減、エルゴノミックデザインは手のひらのフィット感を高め、手や指の疲労を軽減します。MTBだけではなく街乗りやロングライドにもおすすめのグリップです。
カラー | ブラック・グレー |
---|---|
サイズ | 147mm |
重量 | 91g |
SUPACAZ DIAMOND KUSH
表面のヤスリ目パターンと最適なコンパウンドで、グリップ力とコントロール性を高めており、レーサーからの評価も高いグリップです。
素材 | ラバー |
---|---|
カラー | ブラック |
サイズ | 129×31.5mm |
重量 | 125g |
KCNC EVA LOCK-ON GRIP
柔軟性・弾力性が高く軽量、耐久性もあるEVAを本体に使用、柔らかくグリップ力の高いモデルです。本体4色の他、ロックリングもカラー展開しているのでコーディネートも楽しめます。
素材 | EVA |
---|---|
カラー | ブラック・ブルー・レッド・イエロー |
サイズ | 120×35mm |
RITCHEY WCS TRUE GRIP
軽量スポンジを使用したリッチーの定番モデル、長年に渡って人気のあるグリップで、幅広く展開しているトゥルーグリップシリーズの代表的なモデルです。
素材 | スポンジ |
---|---|
カラー | ブラック・オレンジ・イエロー・グリーン・ブルー・レッド |
サイズ | 130mm |
重量 | 36g |
TOKEN TK9881 ロックオン GELグリップ
精度の高い金属成形と軽量パーツを得意とするトーケン、オーソドックスなラウンドグリップに握りやすくグリップ力のあるパターンを採用、ロックリングとのカラーコーディネートも楽しめるモデルです。
カラー | ブラック・ブルー・ゴールド・レッド |
---|---|
サイズ | 130mm |
重量 | 113g(ペア) |
GIZA バーエンドエルゴグリップ
手のひらとの接触面積を大きくとったエルゴノミックデザイン、バーエンドと一体型で内部にはゲルも内蔵しています。衝撃吸収性・ポジショニングに優れ、ロングライドにもおすすめです。
素材 | ラバー・ゲル |
---|---|
カラー | ブラック/グレー・ホワイト/グレー |
サイズ | 138mm |
重量 | 285g(ペア) |
ERGON GS2
人間工学に基づいたパーツ・アクセサリーを展開するエルゴン、特徴的なデザインは手のひらの接触面積を広げ、ハードなライディングやロングライドでの衝撃を抑えます。
素材 | ラバー |
---|---|
カラー | ブラック |
サイズ | 143mm |
重量 | 210g(Sペア) |
グリップのサイズも、念のためチェック
基本的にあまり変わらないグリップサイズですが、微妙な差がライディングに影響することもあります。交換の際はサイズもチェックしましょう。
グリップ内径は22.2mmが基本
グリップ内径は、ハンドルに合わせた22.2mmが基本になりますが、メーカーによってはグリップ・ハンドルとも、誤差がある場合があります。
セットできないほどの違いはほぼありませんが、取付けの際に注意しましょう。
グリップ幅は130mm前後が一般的
グリップ幅は、スタンダードな形状では130mm前後になりますが、エルゴノミックデザインやバーエンドが付いたモデルでは130mm以上であったり、ショートモデルを揃えているメーカーもあります。
ハンドル幅によってはブレーキレバー・シフターとの取合いもあるので、購入前に取付けられる幅を確認しましょう。
グリップ交換手順をご紹介!
グリップ交換・グリップの調整など覚えておくとライディングの幅が広がりますよ!
「スライドオン」方式の交換手順
①グリップを取外す
エンドキャップを外し、グリップ内部にパーツクリーナーなどを吹き付け、よく浸透させてから引き抜きます。取り外すグリップを、再利用をしないなら、カットして外す方法もあります。
②グリップを取付ける
パーツクリーナーグリップ内部→ハンドルの順に吹き付けます。乾きやすいハンドル部は差し込む直前に吹き付けましょう。
クリーナーが乾く前にグリップを差し込み、取り付け角度の調整が必要な場合は、角度を調整しましょう。
③エンドキャップを取付けて、完了
グリップ交換自体は、難しい作業ではありませんが、交換作業で使う潤滑剤などが、乾いてしまうとグリップが動かなくなるので、スピード感が大切になります。
「ロックオン」方式の交換手順
①端のロックリングを緩めて、グリップを取外す
エンドキャップを外し、サイズの合った六角レンチでロックリングのボルトを緩めます。ロックリングは両端にある製品と、片方だけの製品があります。
グリップが固着している場合もあるので、ゆっくりと力を入れ、ねじりながら取り外しましょう。
②グリップを取付け、ロックリングを締める
ハンドルの汚れを落としグリップを差し込みます。製品によっては硬いものもあるので、入れにくい場合はパーツクリーナーなどを潤滑剤にしてみましょう。
グリップの角度を決め、ロックリングのボルトを締めます。
③エンドキャップがある場合は、取付けて完了
エンドキャップがついていないグリップは、転倒時に大きな事故になる恐れもあるので、エンドキャップは確実に取付けましょう。グリップが外れない、どうしても挿入できないなどの時は、無理をせずショップに相談しましょう。
自分好みのグリップを見つけて、MTBをさらに楽しもう
揺れる車体をコントロールするMTBは、しっかりとハンドルを握る必要があり、グリップとの相性は大きく影響します。
手が痛むときや、ロングライトで、楽にポジションを取りたい場合でもグリップの交換だけで劇的に変化することもあります。
MTBを楽しく走られるよう、自分にとってベストなグリップを見つけましょう!