【おさらい】自転車のクランクとは?
自転車ではクランク、自動車ではクランクシャフトなど、クランクという名前のパーツはいろいろとあります。
自転車で「クランク」とは、ペダルとつながった、アームやギアの部分を指します。
クランクは、ペダルを回す脚の力をチェーンに伝えるパーツで、高い剛性と滑らかな回転が要求される、自転車が走るうえで、要になるパーツなんです。
「クランクセット」「クランクアーム」「クランク」の違いって?
「クランクセット」とは、クランクアーム・クランク軸・チェーンリング・ボトムブラケットまでがセットになった、一般的に販売されているものの名称です。
「クランクアーム」になると、ボトムブラケットとペダルを繋ぐアーム部分、「クランク長」はこのクランクアームの長さを指します。
クランクとは工業用語のひとつで回転軸と、回転軸からずれた軸をつないだ構造のことを指します。自動車エンジンのクランクシャフトや、手回しのドリルなどもクランクという構造です。
クランクの選び方
選び方のポイントとして、見た目のデザインや性能などありますが、まずは自分に合うサイズのクランクを選ぶことが大切です。
クランクの長さ
クランクの長さは、一般的にBB軸からペダル軸までの長さを指します。
この長さが、短いとペダルが回る円周が小さくなり、長いと大きくなります。脚の長い人が短いクランク長を選ぶと回しにくくなったり、その逆の場合もあります。
目安の一つとして「身長×0.97」という計算があり、この数値に近いサイズのクランク長が適正と言われています。
クランク重量もチェック
軽さ求めるロードバイクなどなら、クランクの重量も気になるでしょう。
車体の総重量が、少しでも軽くなれば、踏み出しもスムーズに、長距離でペダリングを続けるのにもストレスを減らすことができます。
気になるモデルがあったら、重量もチェックしておきましょう。
別々で買うか、クランクセットを買うか
クランクセットで購入すると、大半は箱から出して、そのままフレームにセットできるだけのパーツが入っています。
ただ、各メーカーからそれぞれのパーツもリリースされているので、「チェーンリング」だけを変えたい、「クランクアーム」や「ボトムブラケット」だけを変えたいなどの時は、パーツごとに変えることもできます。
クランク交換を検討するときは、セットで買うかパーツごとに揃えるか、2パターンで考えてみましょう。
ボトムブラケットもチェック
ボトムブラケットは規格が多く、軸径やシェル幅などの調整が必要になる場合があります。
自分の車体が、どの規格を使っているか把握していれば、その規格のモデルを探せますが、わからない場合はショップに相談しましょう。
ノーマルクランクとコンパクトクランクの違い
ロードバイクのクランクには、ノーマルクランクとコンパクトクランク、最近ではミッドコンパクトがあり、違いはチェーンリングの歯数が違います。
歯数の違う製品は、どれを選んだらよいのでしょうか?
脚力に自信がない人は、コンパクトクランク
コンパクトクランクは、チェーンリングの歯数が50/34前後となり、軽いペダリングができる代わりに加速はやや劣ります。
脚力に自信がなかったり、ストップ&ゴーが多いルートをよく走る、ヒルクライムが好きなど踏み出しの軽さを重視するタイプの方に適しています。
重いギアも踏みたい人は、ノーマルクランク
ノーマルクランクの歯数は52/39前後となり、踏み出しは重くなりますがスピードに乗ってからの維持、加速に優れています。
脚力があり重いギアを踏みたい、高速でのクルージングが多いなど、高速走行での性能を重視する方に適しています。
オールマイティに使いたい、ミッドコンパクト
ミッドコンパクトはコンパクトとノーマルの中間になる52/36前後となり、コンパクトクランクでは足りなかった高速側のギア比、ノーマルクランクでは重かったヒルクライムのギア比を使うことができます。
高速やヒルクライムに特化した場合はコンパクト・ノーマルに劣りますが、平地や登りもあるロングライドなど、幅広いシチュエーションで使いやすくなったクランクです。
▼▼関連記事はこちら▼▼
自転車のクランク、おすすめ5選
クランクのグレードアップにおすすめのモデル5選をご紹介します!
SHIMANO FC-R8100
FC-R8000は「アルテグラ」グレードにあたり、耐久性とクオリティを両立させている、サイクリングからレーシングまでをフォローするグレードです。より短いクランクを希望するライダーに向け160mmからラインナップされています。
重量 | 711g (52-36T) 700g (50-34T) |
---|---|
対応スピード | 2×12S |
ギア展開 | 52-36・50-34T |
クランク長 | 160・165・170・172.5・175mm |
SUGINO OX2-901D Compact Plus+
レースからタウンライドまで幅広くカバーするオールマイティなクランクセット、CompuctPlus+構造により30Tのスーパースモールインナーにも対応しています。
対応スピード | 2×11S |
---|---|
ギア展開 | 44~52-30~36T |
クランク長 | 160・165・167.5・170・172.5・175mm |
DIXNA ラ・クランク
日本人が快適に走行するために設計され、クランク長・Qファクター・ギア比などを最適化、クランク長は130~170mmまで用意され幅広い方に対応します。
対応スピード | 2×9/10/11S |
---|---|
ギア展 | 34-24・47-31・49-35・51-37T |
クランク長 | 130・135・140・145・150・152.5・155・157.5 160・162.5・165・167.5・170mm |
Campagnolo CHORUS ウルトラトルク クランクセット
カンパニョーロでは「レコード」に次ぐセカンドグレードになる「コーラス」、クランクをカーボン、アクスルをスチール、チェーンリングにアルミを採用することで剛性と動力伝達性を最適化しています。
重量 | 718g(50/34T-172.5) |
---|---|
対応スピード | 2×12S |
ギア展開 | 32-48・34-50・36-52 |
クランク長 | 165・170・172.5mm |
クランクの交換手順
代表的なクランク、シマノホローテックⅡでのクランク交換手順をご紹介します。
①左クランクのボルトを緩める
汚れなどが付きやすく固着している場合もあるので、ゆっくり力をかけましょう。
②クランクキャップを外す
ボルトを緩めなければキャップは外れません。先にキャップを外そうとすると、破損する恐れもあるので気をつけましょう。
③ロックを上げて左クランクを外す
切り込み部にある黒いプレートがロックです。上にずらしてロック解除になります。
④右クランクを外す
ここも固着している場合があるので、抜けないときは反対側からプラハンマーで軽く叩きます。
⑤取付ける右クランクをセット
ある程度差し込んだら、インナーギアにチェーンをかけるようにしましょう。
⑥左クランクをセット、ロックを下す
クランク軸に開いている穴がロック位置になるので、穴を目印にセットします。
⑦クランクキャップを締める
⑧ボルト2本を均等に締めていく
両側のボルトを均等に締めていきます。
⑨回転がおかしくないか、目視と実際に回して確認
実際にクランクを回し、動きが悪くないか・異音や干渉している箇所がないか確認しましょう。
変速操作も行い、ギアが変わりにくい場合はディレーラー調整もしましょう。
メーカーや規格違い、専用工具が必要などの難しい面もあるので、わからないときはショップに相談しましょう。
自分の走りに合ったクランクを選ぼう
クランクは、車体の中で直接、脚力を受けるパーツです。
クランク長や剛性、付けるチェーンリングで走りが大きく変わり、自分の走りに合っていれば、クランク交換は大きなメリットになります。
クランクを交換したら走りが見違えたという方も少なくありませんが、そのために自分に合ったクランクを選びましょう。