突然の雨が辛い経験、ありませんか?
ロードバイクに乗り慣れてくると、50km、10kmと行動範囲が広がっていくものです。時には、自然や刺激を求めて、山間部へとサイクリングに出かけることもあるでしょう。
しかし、山間では急な天候変化が付き物です。
「天気予報は晴れだったのに、急に強い雨が降ってきた」という経験をしたことがある人も、多いのではないでしょうか?
山間部では雨宿りできる場所がないため、レインウェアを持っていないと、体がずぶ濡れになってしまいます。身体が濡れると急速に体温が奪われてしまい、辛い思いをするばかりか、体調を崩したり、事故の原因にもなります。
快適なライドの為にも、安全な走行の為にも、急な雨に対応できるウェアが必要なのです。
レインジャケットが1枚あればグンと快適に
雨に対応するウェアの代表格が「レインジャケット」。これが1枚あるだけで、雨ライドの快適性と安全性がグンと向上します。
レインジャケットはウィンドブレーカーとも似ているように見えますが、実は似て非なるもの。想定している使用環境が異なります。
・ウィンドブレーカー:晴天or曇り用。撥水のみ=短時間の小雨ならはじく
・レインジャケット:雨天用。撥水+防水=雨水が内側に染みない
ウィンドブレーカーは肌寒い時にこそ活躍しますが、雨天時には防水性が力不足。雨あしが強いときや、梅雨などの雨が繰り返すときには対応しきれません。
雨天での使用を想定するならば、防水性のあるレインジャケットが必要となります。
どんなレインジャケットを選べばいいの?
「レインジャケット」と言っても、実は様々な製品があります。
自転車にも用途によって向き・不向きがあるように、レインジャケットにも使い方によって向き・不向きがあります。ここでは、『急な雨に対応するための、初心者向けレインジャケット』として考えていきましょう。
まず大切なのは、「ロードバイク用のシルエット」であること。走りやすさに大きく影響しますので、身体にフィットするジャケットを選びましょう。
次に、「軽量・コンパクト」であること。ロードバイクで使用するなら、持ち運びのし易さが肝となるため、特に重要です。
では、それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
Point①ロードバイク用のシルエットを選ぶ
ロードバイクで使用するなら、サイクルジャージの様に身体にフィットするシルエットのジャケットがおすすめです
レインジャケットは登山用などアウトドアブランドからも販売されていますが、身体にフィットしていないと風でバタつき、空気抵抗とストレスになってしまいます。特に袖はバタつきやすい箇所ですので、体型に合うタイトなものを選びましょう。
また、ロードバイクは前傾姿勢をとるため、袖と後ろ側の着丈が長くないと手首や腰が露出し濡れてしまいます。
特に後ろ丈は、後輪からの泥跳ねから腰を守る大切な部分。できれば試着をして、サイズ感を確かめておくと安心ですね。
Point②「軽量・コンパクト」を重要視!
最初の1着として選ぶなら、軽量でコンパクトなモデルがおすすめです。その理由は、大きく分けて2つあります。
「持っていく」が1つのハードル
ロードバイクに乗るなら、荷物は軽く小さいに越したことはありません。
どんなに高性能なウェアであっても、重かったり収納サイズが大きかったりすれば、そもそも持っていく気が起こりません。
「ひょっとしたら雨が降るかも知れない」くらいの日に、気軽に持って行こうと思えるジャケットであることがマスト。そうでないと、折角購入しても携帯する頻度が減り、肝心の急な雨に対応できなくなってしまいます。
軽量さの目安ですが、150g前後を目安に選ぶと良いでしょう。
オールシーズン使える
軽量でコンパクトなモデルは、使用している生地が薄いため、暑さや蒸れが気になる真夏でも使いやすいです。
逆に生地の分厚いモデルを選んでしまうと、肌寒い時期以外は出番を失ってしまいます。
冬は中に着るウェアで温度調節をして、夏でも使える身軽さのジャケットを選んでおくのがおすすめです。
価格の差はどこに出るの?
レインジャケットに種類があることは先ほども触れましたが、スペックよって価格も大きく異なります。
価格帯は、安いもので数千円、高いものでは5万円を超えるものまで。その価格差の理由と、初心者の1着としておすすめの価格帯をご紹介していきましょう。
レインジャケットにもスペック差がある
「レインジャケット」と聞くと、全てが同じレベルで雨に対応できるものと思いがちですが、実はそうではありません。
1日中雨でも平気な本格的なものから、ウィンドブレーカーに近い簡易的なもの、蒸れにくさやストレッチ性といったレーシーな性能に特化したものなど、千差万別です。
レインジャケットのスペックを見るとき、目安となる数値が『耐水圧(単位:mm)』と『透湿性(単位:g/m²/24h)』です。耐水圧は対応できる雨の強さを、透湿性はウェア内の蒸れを防ぎ快適さを保つ能力を表しています。
どちらも数値が高いほど高性能で、使用目的によって求められる数値が変わってきます。「急な雨に対応するウェア」が欲しい場合、
・耐水圧:10,000mm以上
・透湿性:10,000g/m²/24h前後
を目安とするとよいでしょう。
耐水圧10,000mmは大雨でも染みないと言われており、走行中のロードバイクなら通常の雨までは問題ありません。
透湿性は個人の感覚の違いにも大きく影響されますが、基本的には高いほど良いです。しかし、比較的短時間の着用を想定するなら、必ずしも最高レベルの性能が必要という訳でもありません。10,000g/m²/24hあれば実感を伴って蒸れを抑えられますので、1つの目安とするとよいでしょう。
1~2万円がビギナーにも使いやすいバランス
上記のスペックを満たすジャケットは、相場として1~2万円。スペックと価格のバランスを考えても、この価格帯が最もビギナーに使いやすいラインでしょう。
少し高価だと感じるかも知れませんが、これよりも価格帯を落すと、耐水圧が不十分で走行中に雨がしみ込んできたり、汗蒸れが酷く着ていられなかったりします。
逆に高価すぎるモデルは、スペックこそ高いものの、耐久性や汎用性を犠牲にしているモデルも少なくありません。レインジャケットも他のウェアと同様に消耗品ですので、ビギナーの方があえて選ぶ必要性は低いでしょう。
なるべく費用は抑えたいですが、役目はきっちり果たしてくれないと結局使わなくなります。レインジャケットを選ぶ際は、スペックにも注目しておきましょう。
おすすめのレインジャケット6選
それでは、ロードバイクにおすすめのレインジャケットを6つご紹介していきましょう。
マヴィック(MAVIC) Cosmic H2O ジャケット
レインジャケットとして欲しい性能と、110gという軽量性の高さを両立しているジャケットです。
耐水圧 | 10,000mm |
---|---|
透湿性 | 5,000g/m²/24h |
重量 | 110g |
カステリ エマージェンシーレインジャケット
サイクリングウェアのハイブランド「カステリ」が、手掛ける軽量レインジャケットです。防水性と透湿性を兼ね備えており、急な雨に活躍してくれること間違いなしです。
耐水圧 | 10.000mm |
---|---|
重量 | 175g(Lサイズ) |
Rapha(ラファ)/コア レインジャケットⅡ
お洒落なルックスと高機能で人気のある「ラファ」。このコア レインジャケットⅡもスタイリッシュな見た目に豊富なカラー展開があります。
詳細なスペックは未公表ですが、仕様から高機能さが期待されます。
・耐水圧:不明
・透湿性:不明
・重量:124g
モンベル/バーサライト サイクルジャケット
非常に高い耐水圧と透湿性を持つレインジャケットで、同価格帯では敵なしのスペックです。モンベル独自の素材選定により可能になった性能で、雨の中でも快適なライディングを可能にします。
・耐水圧:30,000mm以上
・透湿性:43,000/m²/24h
・重量:165g
カペルミュール クリアレインジャケット
両脇~脇の下がメッシュになっており、汗蒸れを軽減してくれます。非常に軽量で、コンパクトに収納できるのも魅力です。
耐水圧 | 10,000㎜(メイン素材のみ) |
---|---|
重量 | 約100g(Lサイズ) |
パールイズミ レーシングレインジャケット
日本のサイクリングウェアブランドの手掛ける、中のウェアが透ける半透明なレインジャケットです。
詳細なスペックが公表されていないのが残念ですが、雨天時の快適性よりも軽量・コンパクトな点に重きを置いた製品のようです。
耐水圧・透湿性 | 不明 |
---|
雨だけじゃない!活用シーンいろいろ
実はレインジャケットの活用シーンは、雨天時だけではありません。
ウィンドブレーカーはレインジャケットとして使用できませんが、レインジャケットはウィンドブレーカーの代用としても使用できるのです。
・帰宅が遅くなり、冷え込んだとき
・ダウンヒルの汗冷え防止
・お店や輪行で見た目に気を遣うとき……etc.
レインジャケット=雨専用ウェアという訳ではありませんので、ライド中に持っておくと役立つシーンは沢山あります。防寒性は薄手ウィンドブレーカーより高いですので、アウターとして活用できる時期が長いのも嬉しいポイントです。
「取り出しやすい場所」に収納するのがポイント
レインジャケットを持っていくなら、その収納方法にも気を配っておくと万全です。
突然の雨でも身体が濡れてしまう前にジャケットを着られる様、バッグの入り口付近など「取り出しやすい場所」に収納しておくことをお勧めします。サイクルジャージのポケットも使いやすい場所です。
また、天候が安定せず再度着用する可能性があるときは、綺麗さより素早さを重視して収納するとストレスがありません。収納袋を使わずとも、くるくる巻くだけで十分まとめることが出来ます。
急な雨用のレインジャケットだからこそ、サッと取り出せる素早さを意識して収納してみましょう。