スイスの自転車メーカー「BMC(ビーエムシー)」
BMCはスイスのGrenchen(グレンヘン)にある自転車ブランドです。1986年に自転車輸入代理店として創業し、1994年から、スポーツバイクの生産をスタートしています。
ちなみにブランド名のBMCは、Bicycle Manufacturing Companyの略。日本語なら「自転車製造会社」、意外とベタなネーミングなんですね。
有力プロチームにもバイクを供給
BMCは2007年から12年間、「BMCレーシング」として、ツール・ド・フランスの総合優勝をはじめ、数々のタイトルを獲得してきました。2021年は「Team Qhubeka Assos」や「AG2R CITROEN TEAM」などのプロチームにバイクを供給。
過去・現在・ぞして未来のチャンピオンにバイクをサポートしているBMCなら、実績や走りの良さは間違いなしですね。
「弱ペダ」主人公の愛車もBMC?!
大人気の自転車漫画「弱虫ペダル」の主人公、小野田坂道くんが1年のインターハイ後に「もっと上を目指せ!」とカンザキサイクルさんから与えられたイエローのロードバイクがBMCのSLC01です。実はこのイエローのSLC01は、連載当時ツール・ド・フランス優勝記念の特別限定カラーモデルで、お値段100万円以上!寒咲さんって太っ腹ですね。
レースでも通用する、走りの良さが魅力のロードバイク
BMCのロードバイクは、街乗りやポタリングといったシーンよりは、レースで最大のパフォーマンスを発揮できるよう設計されています。
独自の剛性コンセプト、TCC(TUNED COMPLIANCE CONCEPT)を、スピード、レース、エンデュランス、グラベルの4つのカテゴリーに合わせて展開し、快適性と剛性のバランスが取れた走行性能の高さが特徴ですよ。
ひと目で分かる、特徴的なフレーム形状
BMCのロードバイクで特徴的なのが、ドロップトシートステーを採用したフレーム形状。後方のしなりを狙い、シートステーはトップチューブの接合部より低い位置に接合されています。
もう一つが、Integrated Cockpit Systemテクノロジー(ICS)。ハンドルからリアホイールまでケーブルルーティングを内装化。BMC独自のインテグレーションデザインで、ライダーに合わせたセッティングも実現しています。
最新ラインナップと選び方のポイント
BMCの最新ラインナップは大きく4つに分かれています。また、それぞれのカテゴリに適した、バイクの設計がされているので、各カテゴリーの特徴をおさえておきましょう。
●オールラウンドロード「Teammachine(チームマシン)」
→「TCC Race」と呼ばれる、剛性と快適性のベストバランスの設計がされています。
●エンデュランスロード「Roadmachine(ロードマシン)」
→快適性能を重視する「TCC Endurance」で設計。
●エアロロード「Timemachine(タイムマシン)」
→フレーム剛性を高めて、しなりは他のカテゴリーよりも抑え気味な設計の「TCC Speed」。
●グラベルロード「Unrestricted(アンレストリクテッド)」
→どんな路面でもこなすグラベル用に再構築された「TCC Gravel」。
それでは、ライドシチュエーションにあわせた選び方をご紹介しましょう。
週末のロングライドや長距離イベントなら
エンデュランスロードの「Roadmachine(ロードマシン)」シリーズをチェックしてみよう。
2022年モデルは、カーボンフレームのRoadmachine TWO、FOUR、FIVE、SIX、SEVENの5モデルをラインナップ。快適性能を最も重視した設計TCC Enduranceで、速く走れて、疲れにくいのが最大の特徴です。2021年モデルのアルミフレームRoadmachine Xも継続販売中です。
クリテリウムや山岳レースなら
オールラウンドロードの「Teammachine(チームマシン)」シリーズがおすすめ。
プロのレースでも活躍するトップグレードのSLR01シリーズを筆頭に、セカンドグレードのSLRシリーズ、アルミフレームのALRシリーズがあります。第4世代となったTeammachineシリーズは、これまでの剛性、重量、柔軟性に加え、エアロの向上という4つ目の要素をバランスさせ開発されています。
【30万円以下】初心者にもおすすめのロードバイク3台
BMCのロードバイクのお値段はちょっと高め。でも、旧モデルなら30万円以下でも手に入れることができます。旧モデルといってもフレームなど主要パーツは現行モデルと同じで、性能も折り紙付き。ロードバイク初心者の方におすすめですよ。
Teammachine ALR ONE 2021
Teammachineシリーズのアルミフレームエントリーモデルが、ALR ONE 2021です。フォークとシートポストはカーボン製で、上位モデルのSLRシリーズに負けない乗り心地を実現。メインコンポはシマノ105で、今後のコンポのアップグレードも心配ありません。
参考価格:¥198,000(税込み)
Teammachine ALR DISC TWO 2020
同じくTeamachineシリーズのアルミフレーム・ディスクブレーキ仕様が、ALR DISC TWO 2020。スルーアクスル仕様で、ホイールをガッチリ固定することができ、ディスクブレーキの制動力を受け止めてくれます。ロードレースからエンデュランスまで、どこでも戦える1台です。
参考価格:¥297,000(税込み)
Roadmachine X 2021 (Sram Apex1)
フロントシングルのSRAM APEX 1コンポに、ディスクブレーキ、太めのタイヤ、前後フルフェンダーを装備したRoadmachine Xは、ロードバイクというよりはグラベルロードに近いモデル。通勤や街乗りなどのデイリーユーズや、装備を満載してのキャンプツーリング、さらにタイヤを変えればグラベルもらくらくと、マルチに使える1台です。
参考価格:¥264,000(税込み)
【30~40万円】ワンランク上のロードバイク3台
40万円程度までなら、最新モデルから選ぶことができますよ。ロードレースやヒルクライム、エンデュランスなどでパフォーマンスを発揮したり、ロングライドをより速く楽にこなしたり、ワンランク上の走りが楽しめるでしょう。
Teammachine SLR SEVEN 2022
TeammachineシリーズのセカンドグレードSLRは、フラッグシップのSLR01と同様のエアロダイナミクスデザインで設計されたカーボンロードです。SLR01にも採用されたAEROCOREボトルケージも装備していて、気流をおさえつつボトルをしっかりホールド。SLR SEVENは最もベーシックなモデルですが、レースで戦えるパフォーマンスを備えていますよ。
参考価格:¥404,800(税込み)
Roadmachine SEVEN 2022
エンデュランスロードRoadmachineシリーズのベーシックモデルがRoadmachine SEVEN。エンデュランスロードにありがちな、アップライトポジションのいかにも快適といったなスタイルではなく、ロードレーサーに近い雰囲気を纏っています。剛性と快適性のバランスが良く、乗って楽しいと評判の1台です。
参考価格:¥407,000(税込み)
Teammachine ALR TWO 2022
Teammachine ALR TWOの2022年モデルは、鋭い反応と操作性を備えたアルミフレームのレーシングバイクといえるでしょう。アルミフレームとはいえ、タウンユースで流して乗るにはちょっとハード。やはりクリテリウムやロードレースでこそ実力を感じられるバイクでしょう。2022年モデルからはディスクブレーキ仕様のみでリムブレーキ仕様はありません。
参考価格:¥313,500(税込み)
BMCのグラベルロードもおすすめです
Unrestricted(略称URS)はBMCのカーボングラベルロード。グラベルロードの特徴である、太いタイヤ(~45c)、アップライトなポジション、油圧ディスクブレーキを備えています。リヤバックにはMicro Travel Techonology(MTT)というサスペンションが組み込まれていて、トラクションもバッチリ。オフロードも走れるというより、オフロードこそURSの実力を余すことなく発揮できる場といえるでしょう。
正規取扱ショップで、実車に触れてみよう
BMCのロードバイク販売店は北海道から沖縄まで、日本全国にあります。実車に触れながら、サイズ合わせやバイク選びのアドバイスなど、さまざまな相談にのってもらえるでしょう。
またBMCのロードバイクは、正規販売店からの購入でないと保証がきかないので注意が必要です。近くに正規販売店があれば、ぜひ行ってみよう。