ピストバイクとは
ピストバイクとは、変速ができない「シングルギア」と、ペダルが空周りしない「固定ギア」を搭載した自転車です。無駄をそぎ落としたシンプル構造と、スタイリッシュな見た目から、街乗り用として人気が高いです。
発祥は、トラックレースなどで使用される競技用の自転車で、中には「ブレーキ無し」のピストバイクもあります。しかし、ブレーキが無いと、道路交通法により公道を走れないため、街乗り用のピストバイクにはブレーキが搭載されています。
シングルスピードとの違い
「シングルスピード」とは、変速機のない自転車のこと。変速機のないママチャリも、広い意味ではシングルスピードにあたります。
一般的に言われるシングルスピードは、競技用ピストバイクに「フリーギア」や「ブレーキ」を装備し、快適に街乗りできるようアレンジされたものを指します。
ピストバイクの見た目はそのままに、日常シーンでも乗りやすくなったのが、シングルスピードです。
ピストバイクの魅力
では、ピストバイクが街乗りユーザーに人気なポイントをみていきましょう。
スタイリッシュな見た目
細身フレームに、シンプルなギア構造。無駄のない洗練されたシルエットは、スタイリッシュで街中によく映えます。デザイン性の高さから、ファッションアイテムとして楽しむユーザーもいます。
独特な操作性
変速機がなく、チェーンも短いため、ペダルに踏んだ力がほぼそのまま車輪に伝わります。そのため、スピード維持しやすく、ダイレクト感のある走りが味わえます。
また、固定ギアの場合は、ペダルを停めるとホイールも止まるため、足でもブレーキをかけることができます。
少ないパーツで壊れにくい
シンプルな作りのため、壊れにくく、メンテナンスもしやすいです。細やかな調整が必要なディレーラーや、油圧ディスクブレーキのような手間がかかりません。
安価で購入できる
他のスポーツバイクと比べ、付いているパーツが少ない分、比較的安価で購入できるモデルが多いです。
曲乗りができる
曲乗りとは、ただ走るだけでなく、自転車を使った技を披露して遊ぶ乗り方のこと。例えば、前輪をあげる「フロントアップ」や、ペダルに両足を乗せたまま停止する「スタンディング」などです。
操作テクニックを磨いて、アクロバティックに自転車を楽しみたいなら、ピストバイクはぴったりですよ。
ピストバイクのデメリット
おしゃれでかっこいいピストバイクですが、良いところだけではありません。使いにくいシーンもあります。
登り坂に弱い
シングルギアは変速ができないため、登り坂など、パワーが必要になる場面に弱いです。もっと力をこめてペダルをこぎたいと思っても、それに必要なギアがないので、思い通りに走ることができません。
足を回し続けないといけない
固定ギアは、足を止めると停まってしまう構造のため、常に回し続けなければいけません。そのため、下り坂でよくやる、足を止め、タイヤが転がる勢いで下る乗り方ができないんです。
また、カーブを曲がる際は、内側のペダルが地面に当たらないよう、やや大きく曲がる必要もあります。
ピストバイクの選び方
初めてピストバイクを購入するなら、特徴だけでなく、選ぶポイントも押さえておきましょう。
フレーム素材
フレームには主に、クロモリ銅・ハイテン銅・アルミ・カーボン・チタンが使われています。クロモリ銅は、ピストバイクでよく使用される素材で、細身なフレーム形状と、耐久性が高いのが特徴です。
アルミは、軽くて、比較的安価で購入しやすいため、手頃な価格ではじめたい人におすすめです。カーボンは、軽くて乗り心地もいいですが、価格は高額になります。
ホイール
ギアには、足を回し続けないといけない「固定ギア」と、足を止めても走ることができる「フリーギア」の2種類があります。
固定ギアは、ペダルがタイヤの動きと直結していて、走行中ペダルに力を入れて押さえると減速し、後ろに回すと後ろ向きにタイヤが周ります。ペダルとタイヤの一体感が味わえるのが固定ギアで、ピストバイクならではの特徴です。
フリーギアは、一般的な自転車にも採用されているギアで、ペダルを止めても後輪は空転するタイプ。初めてでも、抵抗なく乗れるでしょう。
ハンドル
ハンドルには、形状がまっすぐな「フラットハンドル」と、湾曲した「ドロップハンドル」があります。
フラットハンドルは、アップライトな姿勢で乗ることができ、操作もしやすいため、普段使いで乗る人や、スポーツバイク初心者さんにおすすめです。
ドロップハンドルは、体がより前傾になり、空気抵抗が少なくなるため、スピードを出して走りたい人、普段使いだけでなく、長距離サイクリングも楽しみたい人にぴったりです。
おすすめモデル8選
ピストバイクがどんな自転車かわかったけど、実際にはどんな車種があるの?と思うでしょう。ここでは、街乗りでピストバイクを楽しみたい人におすすめのモデル、8台をご紹介します!
chinelli(チネリ)/Tutto Plus
プロレーサーが立ち上げたバイクブランド、チネリのピストバイク。必要に応じて、泥除けやラックを取り付けできるフレームは、普段使いで街中を走る人におすすめ。最大で45Cの幅広タイヤも装着できるので、舗装路から未舗装路まで、幅広い道に対応できます。
カラー | クリスタルブルー |
サイズ | S、M、L、XL |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×35C |
ギア | 18T固定ギア |
ブレーキ | Vブレーキ |
重量 | 10.2kg |
参考価格(税込み) | 137,500円 |
chinelli(チネリ)/Gazzetta
細身の25Cタイヤに、無駄を一切省いたフォルムが美しい、街乗り用ピストバイク。フレームにプリントされたブランドロゴやマークが、スタイリッシュでおしゃれな1台です。
カラー | グレースカイモーニング |
サイズ | XS、S、M、L |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×25C |
ギア | 17T固定ギア/18Tフリーギア |
ブレーキ | Vブレーキ |
重量 | 9.5kg |
参考価格(税込み) | 126,500円 |
FUJI(フジ) TRACK ARCV
ストリート仕様のトラックバイク
トラックレースに使用される設計を採用した、街乗りピストバイク。軽量アルミフレームに、ダイレクトな加速感を味わえるストレートカーボンフォークを搭載。街乗りでも、速さを求めたい人におすすめ。本格的なレースバイクの見た目でありながら、普段使いできるモデルです。
カラー | Matte Black、Night Chrome、Rusty Nail、Bullion |
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サイズ | 49、52、54、56cm |
フレーム | アルミ |
タイヤ | 700×25C |
ギア | 16Tフリーギア |
ブレーキ | キャリパーブレーキ |
重量 | 8.1kg |
参考価格(税込み) | 108,900円 |
FUJI(フジ) FEATHER
ピストバイクのスタンダードモデル
FUJIの「FEATHER」は、街乗りシングルスピードではパイオニア的なモデルで、ピストバイク購入を考えるなら、まず候補にあがる1台でしょう。クロモリフレームならではの、しなやかでダイレクト感のある乗り味が特徴。
カラー | Matte Black、Matte Khaki、Salmon Pink、Silver、Glitter Black、Tranquil Blue |
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サイズ | 43、49、52、54、56、58cm |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×25C |
ギア | 16Tフリーギア |
ブレーキ | キャリパーブレーキ |
重量 | 9.2kg |
参考価格(税込み) | 92,400円 |
FUJI(フジ) STROLL
クラシカルなデザインが街中に映える
細身のクロモリフレームに、色味の違うサイドタイヤ、真鍮サドルなど、クラシカルテイストがおしゃれな1台。車体性能だけでなく、ファッションアイテムとして楽しむのもいいですね。男性・女性問わず人気のモデル。
カラー | Galaxy Black、Smoky Khaki、White |
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サイズ | 43、49、52、54、56cm |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×28C |
ギア | 16Tフリーギア |
ブレーキ | キャリパーブレーキ |
重量 | 9.7kg |
参考価格(税込み) | 79,200円 |
MASI(マジィ) FIXED UNO RISER
初めてでも乗りやすい、ライザーバー採用
きつい前傾姿勢になりにくいハンドル、ライザーバーを採用したモデル。これなら、初めてでも乗りやすいでしょう。固定ギア・フリーギア、どちらにも対応。泥除けやキャリアを取り付けできる、ダボ穴もあり。乗り方にあわせて、自分なりのカスタマイズを楽しめます。
カラー | クールグレイ、マットブラック、グロスロッソレッド |
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サイズ | 49、51、53、56cm |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×26C |
ギア | 16T固定ギア/16Tフリーギア |
ブレーキ | キャリパーブレーキ |
重量 | 未測定 |
参考価格(税込み) | 74,800円 |
GIOS(ジオス) 23 VINTAGE PISTA
GIOS定番ロードバイクを、シングルギアで
GIOSのクラシカルロードバイク「VINTAGE」をベースに、シングルギア用に設計されたモデル。クロモリフレームに、街中でも扱いやすいギアの組み合わせ。カラーリングは、定番のジオスブルーの他、私服に合わせやすいホワイト、ブラックの3色。
カラー | ジオスブルー、ホワイト、ブラック |
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サイズ | 48、50、52、54cm |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×25C |
ギア | 16Tフリーギア |
ブレーキ | キャリパーブレーキ |
重量 | 8.9kg |
参考価格(税込み) | 121,000円 |
SE BIKES(エスイーバイクス)/LAGER
人とはちょっと違うピストバイクがいいなら、SE BIKESのラガーがおすすめ。スポーティーなカラーリングが目を惹きます。サイクリングに行くなら使い勝手のいい、ウォーターボトルを取り付けできるダボ穴もあり。
カラー | ブラック、エレクトリックブルー |
サイズ | 49、52、55、58cm |
フレーム | クロモリ |
タイヤ | 700×28C |
ギア | 17T固定ギア/17Tフリーギア |
ブレーキ | Vブレーキ |
重量 | 11.8kg |
参考価格 | 649.99USD |
装備を整えよう
ピストバイクを購入したらセットで揃えておきたいアイテムを、2つご紹介します。
トゥークリップ
固定ギアのピストバイクは、走行中、勝手にペダルが回っている状態です。スピードがのった状態でペダルから足が外れた際、回転するペダルに足を乗せ直すのは危険です。
ペダルから足が離れないように、トゥークリップの付いたモデル、またはトゥークリップの購入をおすすめします。
トゥークリップについてはこちら。
ヘルメット
自転車に乗るなら、ヘルメットは必ず用意しましょう。スポーティーすぎない、私服にあわせやすいデザインは、普段使いの人におすすめです。
ヘルメットについてはこちら。
初めてなら、実際に乗って違いを確かめよう
ピストバイクがどんな自転車かより詳しく知りたいなら、実際に取り扱っているショップに行ってみましょう。クロスバイクやロードバイクと見比べると、その違いがわかりやすいですよ。
もし試乗車がある場合は、実際に乗ってみるのがおすすめです。操作性や走行感の違いを体験してみてください。
ピストバイクで、自転車ライフをスタイリッシュに楽しむ
ピストバイクは、ビジュアルのスタイリッシュさもありますが、颯爽とスポーティーに乗れる自転車なので、走る姿も目を惹きます。
おしゃれに自転車ライフを楽しみたいなら、ぜひピストバイクを検討してみてはいかがでしょうか。