日本生まれのFUJI(フジ)のミニベロ
フジはアメリカのメーカーですが、元々の発祥は日本。創業は1899年(明治32年)、120年以上の歴史があります。1980年代に海外資本となったので、「フジ」という日本的な名前が付くのに海外メーカーという、ちょっと面白い立ち位置のブランドです。
そしてフジと言えばクロモリ。そしてシングルスピードバイク。ストリート系のおしゃれ男子御用達のイメージもありますが、とても魅力的なミニベロ、「ヘリオン」シリーズがラインナップされています。今回は、そんな知る人ぞ知る、フジのミニベロにスポットを当てて、詳しくご紹介します。
スタイリッシュなクロモリフレーム
フジのミニベロ、ヘリオンシリーズには、フジお得意のクロモリフレームが使われています。細身のホリゾンタルフレームを生かして、シンプルでクラシカルにまとめられたデザインはとてもスタイリッシュ。深みのある塗装も独特で美しく、個性的な仕上がりです。
そして、スタイリッシュと言えば、フジのお家芸。人気のシングルスピードバイク、フェザーは、クロモリフレームに最低限のギアだけが取り付けられたシンプルな機能美で、多くのファンを獲得しています。
実はフェザーシリーズには、シマノのクラリス8速を装備、前後キャリア搭載可能なロード、フェザーCX+もラインナップされています。タウンユースからロングライドまでこなす、こちらも人気のクロモリロードです。
見逃せない、パーツ細部へのこだわり
ヘリオンはフレームだけでなく、パーツなど細部にまで。こだわりが詰まったバイクです。
例えば、ドロップハンドルのヘリオンR。走行性能に定評のあるフレームに対して、取り付けられているメインコンポーネントは、シマノのクラリス。ロード系の入門レベルで、正直ちょっと「あれ?」っと物足りなく感じます。
ところが、クランクセットはスギノ製です。スギノと言えば、高い精度・品質で、日本だけでなく世界中から高い支持を得ています。仕上げも美しく、シンプルながら存在感あるデザインは、クロモリフレームの美しさをより引き立ててくれます。
このパーツ構成のおかげで、基本性能はしっかり備えたおしゃれなミニベロロードがお手頃価格で手に入る訳です。にくいね、Fuji Bikes。
FUJI(フジ)のミニベロ、最新モデル2台の特徴
それでは、フジのミニベロ、「HERION R」(ヘリオンR)と「HERION」(ヘリオン)の2台を徹底分析してみましょう。なおフレームは、両車種共通です。
FUJI HERION R(ヘリオンR)
ドロップハンドルで本格的に走れる
ドロップハンドルにSTIレバーで操作性も良く、ブラック系のパーツでまとめられたスポーティーなミニベロロードです。そしてその走行性能はロードバイクにも迫るもので、クロモリのしなやかなさに加えて、快速な乗り味を楽しむことが出来ます。
サイズ | 44cm(152-165cm)50cm(162-175cm)55cm(172-185cm) |
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カラー | クロームレッド、ガンメタル、マッドブラック |
変速 | 前2×後8段 |
重量 | 10.2kg |
FUJI HELION (ヘリオン)
街乗りに便利なフラットバーハンドル仕様の「HERION」(ヘリオン)は、シルバー系のパーツでまとめられたクラシカルなデザインが魅力です。キャリア用のダボもあるので、通勤や買い物など、日常のパートナーとして活躍してくれそうです。
サイズ(適応身長) | 44cm(152-165cm)50cm(162-175cm)55cm(172-185cm) |
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カラー | ミモザ、ブリティッシュグリーン、ネイビー |
変速 | 前1×8段 |
重量 | 10.0kg |
サイズは44/50/55cmから選べます
ヘリオンは、身長152cmから185cmに対応する3サイズが用意されています。小柄な女性から背の高い男性まで、身体に合ったサイズが選べます。これ、意外とないんです。貴重な存在です。
フレームサイズ | 対応身長 |
44cm | 152〜165cm |
50cm | 162〜175cm |
55cm | 172〜185cm |
スペック比較
ヘリオンとヘリオンRのスペックを比較してみましょう。異なるところを中心にまとめたのが下記の表です。
ヘリオンR | ヘリオン | |
ハンドル | ドロップ | フラットバー |
ステム | アヘッド | スレッド |
リアディレイラー | シマノ クラリス8速 | シマノ アルタス8速 |
クランクセット | スギノ 52/39T | フジ 52T |
カセットスプロケット | 11-28T | 12-32T |
カラー | クロームレッド、ガンメタ、マットブラック | ミモザ、ブリティッシュグリーン、ネイビー |
重量 | 10.5kg | 10.0kg |
ドロップハンドルのヘリオンRは走行性能を重視しており、ヘリオンは日常のシーンでの使いやすさを重視していることが伺えます。
例えば、ステムの形状ですが、ヘリオンは、クラッシックなデザインにマッチするスレッドステムが使われています。ハンドル周りがとてもスッキリと収まっています。昔ながらの洗練された美しさがありますね。
一方、ヘリオンRは、アヘッドステムで、現在よく見るタイプのステムです。このタイプだと、ステムの長さを変えてハンドルまでの距離を調整することができるので、体格に合った乗車姿勢を容易に作ることができます。こちらは走りを重視した選択となっています。
重さ
ヘリオンR10.5kg、ヘリオン10.0kgと、ほぼ同じくらいの重さです。クロモリ製ミニベロの割には頑張っていますね!ダブルバテッド(接合部は肉厚で、中央部が薄くなっている)のパイプが軽量化に貢献しています。
カラバリ
両方とも3色展開ですが、それぞれの個性にあった色選びが絶妙です。
ヘリオンRはスタイリッシュで都会的なイメージ。クロームレッドもただの赤ではありません!光沢感のある深い落ち着きのある色合いで、写真で見るより、実物の方が何倍も素敵で見入ってしまいます。
- クロームレッド
- ガンメタル
- マットブラック
ヘリオンはクラシカルなイメージの3色が揃いました。細いクロモリフレームや銀色パーツとの相性も良く、古き良きランドナーのイメージを彷彿とさせる、センスの良いデザイン、さすがフジです。
- ミモザ
- ブリティッシュグリーン
- ネイビー
変速
ヘリオンRは前2×後8の16段変速。現状、多くのロードが後11段以上であることを考えると、長距離やヒルクライムには不利かも知れません。
けれども、クラリスのSTIレバーは、入門レベルにしては操作性も良く使いやすいので、ミニベロのキビキビした走破性を十分楽しむことができそうです。
そしてヘリオンは、前シングル、後のみの8段変速です。街中で乗るのであれば、これくらいシンプルな方が使いやすいかもしれません。
正規取扱店で、実車に触れてみよう
ヘリオンについて色々とご紹介してきましたが、フジの自転車には、言葉では表しきれない魅力があります。上質な塗装もその一つです。
そしてもう一つ、「乗りやすさ」です。フジは日本向けの製品開発に力を入れているので、アメリカ本国向けとは別に、日本人に合ったモデルを日本市場に届けてくれています。
ぜひ、実際に上質な塗装の美しさを見て、実車に触れて、フジの良さを体感してみましょう!
似たようなモデルで、他のメーカーおすすめある?
最後に、同じような価格帯・性能のミニベロをいくつかご紹介します。
まずは、ヘリオンRのライバルです。ドロップハンドル、クロモリフレーム、シマノのクラリス、451タイヤと、かなりヘリオンRに近い装備です。デザイン面ではGIOSだけに、クラシカルに寄せています。サイズ展開が2サイズのみなので、小柄な方には難しいかもしれません。 こちらはアルミフレームですが、エアロフォルムが美しい高速系ミニベロロードです。シマノのクラリス、451タイヤはヘリオンRと同じです。デザインの方向性は少し異なりますが、いずれもストリートに似合う格好良さです。 次はヘリオンのライバルです。折りたたみで有名なダホンですが、このモデルは折りたたまないタイプです。クロモリフレームのクラシカルデザインです。タイヤサイズが406規格の20インチなので、ヘリオンより少し小さめ。変速も7速なので、街中で小回りが効く代わりに早く走るのは苦手な設定です。サイズは2サイズですが、156cmから乗れる設定なので、小柄な方にはうれしいですね。逆に身長が高い方は難しいかもしれません。 GIOS FELUCA(フェルーカ)
サイズ/適応身長 480mm/170cm前後以下、510mm/170cm前後以上 フレーム クロモリ 変速 前2×後8(シマノ/クラリス) タイヤ 20×1-1/8 451 カラー ジオスブルー、ブラック、ホワイト 重量 10.7kg TERN SURGE( サージュ )
サイズ/適応身長 470/160-170cm、520/170-180cm フレーム アルミ 変速 前2×後8段 シマノ クラリス タイヤ 20×1-1/8 451 カラー マットブラック、グリーンガンメタル、ガーネット 重量 10.0kg DAHON Calm(カーム)
サイズ/適応身長 460mm/156-165cm、500mm/165-175cm フレーム クロモリ 変速 7速 タイヤ 20インチ(406) カラー ドライオレンジ、ギャラクシーストーン、スティールブルー 重量 10.7kg(460)、11.6kg(500)