いざ試乗へ!その前に、筆者が感じていたe-bikeの“あるある”
さて、試乗当日。多くのサイクリストがライドを楽しむ宮ヶ瀬湖周辺でトライです。「サイクリストのみならず、幅広いアウトドアユーザーも親しんでほしいという」スペシャライズドのコンセプトにのっとり、あえてラフな格好で参戦です。
スペシャライズドの厚木本社から、いざ宮ヶ瀬湖へ〜

到着すると、宮ヶ瀬湖に並ぶ、CREO SLたち。否が応でも期待が高まってきます。

とその前に、今までのe-bikeで気になっていたことがあり、、
e-bikeの気になっていた3つのこと
ちなみに筆者は今までに試乗会やレンタサイクルで複数メーカーのe-bikeを試乗したことがあります。従来のe-bikeで実際に峠や町中を走る中、気になることが3点ありました。
筆者は普段ロードバイクを乗る際も、サイコンなどあまり付けません。なぜならハンドル回りをスッキリさせたいから。しかし多くのe-bikeの操作パネルはハンドルに付いています。これは何とかならんものか……。
ペダルを踏み込んだ際にアシストしてくれますが、ポイントとなるのが踏み込んだ力に応じて変化するアシストパワーの調整です。以前筆者が乗ったe-bikeは、アシストパワーのチューニングが大味だったため、停止状態からの踏みだしがかなり過激なものに。バイクに引っ張られてしまう感覚があり、自然な走り心地とは異なるものでした。
日本の道交法では24km/h以上でのアシストが道交法で禁止されているので、どのメーカーもそれ以上の速度になるとアシストが切れるように設定してあります。
問題はアシストが切れた後。バッテリー、モーターが付属している分、通常のスポーツバイクよりも重量が重いためスピードも出ず、平地ではかなり苦しい経験をしました。(峠ではガンガン上れるのですが…)
このあたりの気になる点が、果たしてCREO だとどうなっているのか??
CREO SL、一目瞭然ならぬ一走瞭然の素晴らしさ

はい!試乗用にお借りしました。CREO SL。見た目は、普通にかっこいいスペシャライズドのロードバイクです。知らない人は、まずこれがe-bikeという事に気が付かないでしょう。
ハンドル周りはスッキリ

ハンドルまわりは普通のロードバイク。ステムには地面からの振動を吸収する「フューチャー・ショック」が搭載されていました。
トップチューブ内蔵のコントロールパネル

バイクで行う操作自体はかなりシンプルで、細かい調整などはすべてスマホの専用アプリで行う設計となっています。それにしても見た目やコンセプトの統一感に感服。すべて独自開発しているからこそ叶ったプロダクトなのでしょう。
BB付近に内蔵モーター

モーターは、BB上部のフレーム内に内蔵されています。実にスマートです。
一瞬で健脚になったかのような”自然さ”

早速、編集部のY氏と、峠道を走ってみます。
「これはすごい!」と満面の笑みを浮かべる、編集のY氏
「あれ、走力がいつの間にやら上がった……?」
坂道をガンガン攻めながら筆者は気付きました。それほどCREO SLは自然な走り心地なのです。アシストというよりも、もはや自身の走力。モーター音もかなり静かで、e-bikeだということを忘れさせます。
専用アプリ「Mission Control」で走行記録をチェック

アシストモードは「Eco」「Sport」「Turbo」の3種類あり、それぞれモード内のパワー出力もカスタマイズが可能です。そのため自身の走り方やペダリングに一番合ったアシストに調整できるのです。
平地も普段のロードバイクに負けません!

筆者が一番感動したこと。それが「平地もガンガン走れる」点です。サイクリストにそう感じさせる要因として2つのポイントが挙げられます。
①アシストが自然にフェードアウト
アシスト機能の精度は前述したとおりですが、24km/h以上のアシスト停止時にも「切れたことを感じさせない」ほど自然で静か。
だからこそ、アシストはとうに切れていながらも、楽々30km以上で巡航している自分がいました。
②そもそもバイクとしての精度が素晴らしい
e-bikeの機能を語る以前に、バイク自体がスポーツバイク市場第一線を走る「スペシャライズド」のプロダクトです。バイク設計やコンポーネントなど、すべては快適な走行性に特化した作りとなっています。
ただの電動自転車ではない、さらにe-bikeの枠を超えた「CREO SL」というジャンル。一度走った人は、そう思わざるを得ないほど、衝撃的な走りを与えてくれました。