5年履き倒したベッドロックサンダル。結論は「自転車との相性は最高です」

自転車でのロングライドやキャンプ、街歩きまで――冬以外、ベッドロックサンダルを5年間ほぼ毎日履いて至った結論は「最高」ということです。

サンダルとは思えないフィット感に加え、歩きやすくて頑丈。見た目も“道具としてカッコいい”。サンダルの解放感はそのままに、自転車との相性もとにかく抜群でした。

本記事では、実体験にもとづく良かった点とイマイチな点をご紹介。さらに、Cairn Evo(サンダル)とMountain Clog(クロッグ)の選び方・ラインナップ早見、サイズの合わせ方、どこで買えるかまで、迷わず選べるようにガイドします。

目次

5年履いた結論。ベッドロックサンダルは最高です

出典:筆者撮影

冬以外の季節、ほぼ毎日のように履き続けてきたのが、この「ベッドロックサンダル」です。ロングツーリングやキャンプライド、街乗りからハイキング、さらには街歩きまで──結局これ一足で済ませてしまうほどヘビロテしています。

そもそもぼくがこのサンダルを選んだ理由は、「夏場に靴で自転車を漕ぐと蒸れて暑いから」でした。

ただ、普通のアウトドアサンダルだと長距離を漕ぐうちに足が痛んでしまうこともある。そこで「自転車をちゃんと漕げるサンダル」を探してたどり着いたのがベッドロックサンダルです。

結果的に、サンダルという枠を超えた履き心地とタフさに惚れ込み、もう他のサンダルには戻れなくなりました。

ベッドロックサンダルとは?

出典:筆者撮影

2011年、カリフォルニア北部で誕生したアウトドアサンダルブランド。現在は拠点をモンタナ州ミズーラに移しています。軽やかで自由度の高い履き心地を追求し、独特のY字ストラップと耐久性の高いソールを組み合わせた「道具」としてのつくりが特徴です。

展開モデルはCairn Evo(サンダル)とMountain Clog(クロッグ)の二本柱。詳細なモデル比較については記事後半で紹介します。

履き続けて実感したベッドロックサンダルの魅力

5年間、相棒として使い倒してきましたが、良さは日常とフィールドの両方で実感します。ポイントは、フィット感、歩きやすさ、タフさ、デザインの4点です。まずはフィット感から見ていきましょう。

足に「ぴったり」とフィットする

ベッドロックサンダルは、足の甲に2か所、かかとに1か所のストラップを備え、合計3点で調整が可能です。甲の高さや足幅に合わせて締め具合を柔軟に変えられるため、自分の足にぴったりとフィットさせられます。

出典:筆者撮影(甲のストラップ①)
出典:筆者撮影(甲のストラップ②)
出典:筆者撮影(かかとのストラップ)

他のアウトドアサンダルにも基本的には調整機能は付いていますが、ここまで自由度が高いものは珍しいはず。足とサンダルの一体感が強く、サンダル特有の「遊び」や「パカパカ感」はまったくありません

サンダルとは思えない歩きやすさ

出典:筆者撮影

3点調整によるフィット感は、そのまま歩きやすさにつながります。一般的なアウトドアサンダルだと、長距離を歩いたときに足が痛んだり、違和感を覚えたりすることも少なくありません。ですが、ベッドロックに替えてからはそうした不快感が大きく減りました。

「パカパカ感」がなく、さらにアウトソールにグリップ力の高いVibramソールを採用しているため、まるでハイキングシューズのような歩きやすさを実感できるのです。(それでいて涼しい!)

雑に扱っても壊れない頑丈さ

出典:筆者撮影

各パーツの縫製や素材の作りは、素人目にもタフさが伝わります。とにかく壊れにくい。これまで紐が切れるなどのトラブルは一度も起きていません。

もちろん5年も履けば、アウトソールはそれなりにすり減りますけどね。とはいえ、それは消耗品として自然な摩耗です。

長期間のキャンプライドやハイキングでは、ギアや衣類を丁寧に扱っていられない場面もあります。そうしたタフな環境でも安心して使えるこの頑丈さは、頼りになる相棒だなあと感じます。

ギアとして見た目がかっこいい

出典:筆者撮影

せっかく身につけるなら、見た目にもこだわりたいところです。ベッドロックはその点でも優秀で、所有欲をきちんと満たしてくれます。

アウトドアでの使いやすさを突き詰めた結果、余計な要素をそぎ落としたミニマルな構成になっており、いわゆる「機能美」が際立ちます。シンプルに、見た目がかっこいいです。

ストラップのカラー展開も豊富で、筆者のように単色で落ち着かせてもいいですし、カラフルな配色のモデルを選んで足元にアクセントを添えるのもいいですね。

自転車と相性がよいのはココ

自転車との相性の良さもベッドロックの大きな魅力です。「ここまで自転車を漕ぎやすいサンダルがあるのか」──そう感じさせてくれました。

ペダリングしやすいフィット感、夏でも蒸れにくい快適性、ライドの途中で遊びに寄り道しやすい身軽さ。この3点を中心に、その理由を紹介します。

ペダリングの際に力が逃げにくい

出典:筆者撮影

3点調整で足とサンダルの「遊び」を抑えられるため、踏み込んだ力が効率よくペダルに伝わります。フィットが甘いサンダルだとストラップ内で足が動いてロスになりますが、ベッドロックは一体感が高く、力が逃げにくいのです。

さらに、アウトソールはグリップ力の高いVibramソール。フラットペダルでもしっかりとホールドしてくれるので、踏み込みや踏み直しが安定します。

ソールの厚みも絶妙です。いわゆるベアフット系サンダルのように薄すぎず、かといって厚底のように分厚すぎもしない。薄すぎないからペダルのピンが足裏に当たる違和感がなく、厚すぎないから踏み込みがもたつきません。

このフィット感とソールのバランスによって、ほかのアウトドアサンダルでは得られなかった漕ぎやすさを実感できています。

夏のライドでも蒸れずに快適

出典:筆者撮影

これは言うまでもないと思いますが、夏場のライドでも蒸れずに快適です。ライド中に川や水場があれば、そのまま足をバシャバシャして涼んでOK。水が抜けやすいので、漕いでるうちにすぐに乾きます。

とにかく夏のライドとの相性は抜群。夏場はこれ以外履く気になりません。笑

自転車遊びの幅が広がる

出典:筆者撮影(軽量なので、サドルバッグなどに取り付けて持ち運ぶのもアリ)

ベッドロックなら、ライドの「その先」にすっと踏み出せます。たとえば自転車で登山口まで走ったら、そのまま軽いハイキングへ。川沿いなら、釣りや水遊びに寄り道してまた走れます。

「ライド→寄り道して遊ぶ→またライド」という切り替えが靴の履き替えなしでできる。この身軽さこそが、ベッドロックで「自転車遊びの幅が広がる」と感じる理由です。

ベッドロックサンダルのイマイチなところ

良い面ばかり書いてもフェアではないので、気になる点も挙げます。といっても大きくはひとつ、価格の高さです。

価格が高い

出典:筆者撮影

いちばん手頃なモデルでも2万円台と、サンダルとしては高めです。購入時はたしかに迷います。

とはいえ、5年使ってもヘタりが少なく、アウトドアから街歩きまで出番が多い一足です。結果として買い替え頻度が下がり、1回の使用あたりのコストはむしろ抑えられているでしょう。

長く安心して使えることに価値を見出せるなら、十分に価格に見合う買い物だとは思います。

ベッドロックサンダルのラインナップ

カテゴリモデル価格アウトソールフットベッドヒールストラップ
サンダルCairn Evo¥22,000XS Trek EVOフラット面ファスナー
Cairn Evo 3D¥24,200XS Trek EVO3D面ファスナー
Cairn Evo Pro¥24,750Megagripフラットフック
Cairn Evo 3D Pro¥26,400Megagrip3Dフック
Cairn Evo C¥25,300XS Trek EVOクッション厚め+3D面ファスナー
クロッグNubuck Leather¥38,500Megagripクッション+立体成形フック
Leather Suede¥36,300Megagripクッション+立体成形フック
Synthetic Suede¥28,600Megagripクッション+立体成形フック

ベッドロックは大きくサンダル系(Cairn Evo)とクロッグ系(Mountain Clog)に分かれます。まずは「どんな場面で一番使うか」を思い浮かべてください。

日常とライトなアウトドアを広くカバーしたい人はEvo/Evo 3Dが起点になります。濡れた路面が多いならPro系、快適性を優先するならEvo C、つま先まで覆いたい、もしくは秋冬にもサンダルを履きたいならClogへ──というのが最短ルートです。

それぞれの違いについて、もう少し詳しく解説していきます。

サンダル系の見分け方(3つの要素)

出典:筆者撮影

違いの核は「アウトソール」 「フットベッド」 「ヒールストラップ」の3点だけです。

まずアウトソールは、Vibram® XS Trek EVOが街〜トレイルまでのバランス型、Vibram® Megagripが濡れ岩や川辺で粘るグリップ寄り。水辺での活動も想定されるならMegagripを選んでおけば安心です。

フットベッドは、フラットが足裏の自由度重視、3Dが土踏まずまわりを支えて長時間歩きを楽にします。Evo Cはここでの“例外”で、厚めクッション+3Dという快適寄りの仕様です。

ヒールストラップは、面ファスナー(ベルクロ)が素早い微調整に向き、フックはロックが強く動きの大きい場面で安定します。Pro系はフックを採用しています。

Pro系(Cairn Evo Pro、Cairn Evo 3D Pro)

  • アウトソール:Vibram® Megagrip
  • フットベッド:フラット or 3D
  • ヒール:フック(強力なロック)

→水辺での活動や、激しい動きの多い人向け

無印系(Cairn Evo、Cairn Evo 3D)

  • アウトソール:Vibram® XS Trek EVO
  • フットベッド:フラット or 3D
  • ヒール:面ファスナー(素早い調整)

→ 日常〜ライト目なアウトドアのバランス型

快適系(Cairn Evo C)

  • アウトソール:Vibram® XS Trek EVO
  • フットベッド:厚めクッション+3D
  • ヒール:面ファスナー

→ クッションが厚く、履き心地が優しい

クロッグ(Mountain Clog)

出典:Bedrock Sandals

Mountain Clogはクローズドトゥでつま先をカバーする通年モデル。アウトソールはVibram® Megagrip、フットベッドはクッション+立体成形、ヒールはフックで共通です。

仕立てはNubuck Leather/Leather Suede/Synthetic Suedeの3種類。見た目の雰囲気と取り扱いやすさ(経年変化を楽しむか、天候をあまり選ばないか)で選ぶとスムーズです。

「Nubuck Leather」は一枚革(裏地なし)のアッパーで雰囲気がよく、履き込むほど育つ楽しさがあります。「Leather Suede」は軽量で柔軟性に優れ、かつ耐久性のあるレザースエードを採用。「Synthetic Suede」はパンチングの通気孔を備えた合成スエードで、乾きが速く天候を比較的選びにくいです。

ベッドロックサンダルに関するよくある質問

出典:筆者撮影

ベッドロックサンダルはどこで買える?

国内では正規代理店のCircles(サークルズ)を中心に、全国のショップで取り扱いがあります。詳細は、下の取扱店舗一覧をご覧ください。

ベッドロックサンダルのサイズ感は?

ベッドロックは US表記(cmではない) なので、オンライン購入だと不安になりますよね。

そんな方のために、Circles(サークルズ)が実寸のフットベッド形状を確認できるサイズチャート(PDF)を用意しています。等倍で印刷して足を乗せれば、サンダル・クロッグともに自分に合うサイズが分かります。

ベッドロックサンダルはこんな人におすすめ

出典:筆者撮影

まとめると、ベッドロックサンダルは以下のような方におすすめです。

  • さまざまなアウトドアシーンで使えるサンダルが欲しい
  • 自転車を「ちゃんと」漕げるサンダルが欲しい
  • 日常もアウトドアも一足で完結させたい
  • 価格は高くても長く付き合える一足が欲しい

上の4点のいずれかにピンと来るなら、ベッドロックは相性がいいと思います。価格はサンダルとしては高めですが、用途が広く出番が多いぶん納得感は高いはず。長く付き合える一足です。

ベッドロックサンダル沼へようこそ

出典:筆者撮影

「自転車をちゃんと漕げて、しっかり歩けるサンダル」を探しているなら、ベッドロックをぜひ試してみてください。フィット感・歩きやすさ・頑丈さの三拍子で、きっとこればかり履いてしまうはずです。

まずは用途でモデルを絞り、サイズチャートで当たりをつけて、取扱店舗一覧(またはオンライン)からどうぞ。ようこそ、ベッドロック沼へ。

(この記事を書いていたらベッドロック熱が再燃してきたので、今冬は「Mountain Clog」を買おうと思います。笑)

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