ロマンあふれる、チタンフレームのロードバイク!
アルミ、カーボン、クロモリ…。ロードバイクのフレーム素材は数あれど、『チタン』は一目置かれる存在です。
チタンという素材がもたらす上質な乗り味や美しい見た目は、自転車愛好家の心を掴んで離しません。
プロの世界ではカーボンフレームが活躍していますが、「一度は乗ってみたい」「所有してみたい」と思わせてやまない、チタンフレーム。
そんなロマンあふれるチタンフレームの魅力を、ご紹介していきます。
そもそもチタンって、どんな素材?
そもそも、チタンとはどんな素材なのでしょうか?
チタンは、軽量で強度も高く、錆びにくい特徴がある金属です。
その特性を利用して、航空宇宙や建築、医療などの分野に用いられる他、日常的なものではメガネや時計、アクセサリーなどに使用されています。
チタンは高性能な反面、鉄やアルミニウムなどと比較し高価なため、「高級な金属」という印象も強い素材です。
チタンフレームのロードバイク、ここが良い!
では、チタンで作ったロードバイクのフレームの特徴を、3つご紹介しましょう。
①軽量かつ高剛性
チタンの特徴である「軽さ」と「強さ」を生かし、軽量なフレームを作ることができます。
チタンフレームはチタンのパイプを繋ぎ合わせて作られますが、同じ構造となるクロモリフレームよりも軽量で、剛性も高くしやすいといわれています。また、エントリーグレードのアルミフレームと比較しても、チタンフレームは軽量なものが多いです。
一般的にフレーム剛性を高くすると重量が増えますが、重量増加を抑えられるのはチタンならではの特徴です。
②バネのような、しなりのある走り
「軽くて強い」と言われると、一見ガチガチな乗り味を想像してしまいますが、チタンは「バネのような、しなりのある走り」と言われています。
しなりが生み出す加速感で、チタンならではの軽やかで伸びのある走行感になるようです。
数値的なスペックではカーボンフレームに劣っていたとしても、チタンフレームが愛され続ける理由は、そこにもあるのでしょう。チタンにしか出せない上質な乗り味は、ライドの満足度を一段と引き立ててくれるはずです。
③質感が高いデザイン
チタンは色も独特で、渋みのある銀色をしています。落ち着いた印象でありながら、高級感もあり、チタンにしかない美しいシルバーカラーです。
チタンフレームはその色を生かしたデザインであることが多く、一目見て「あ、チタンのバイクだ」と分かるものが殆ど。その特別感と美しさは、所有欲をかき立てます。チタンフレームの中には、塗装をせず表面処理だけのフレームも存在するほどです。
素材を表に出すデザインは、他の金属では錆びの原因となるため避けられ、全体を塗装するのが一般的です。素材本来のカラーを楽しめるのも、チタンという錆びにくい素材だからこそ可能なデザインなのです。
【よくある疑問】チタンは錆びやすい…?
「金属フレーム」と聞くと、どうしても錆びによる劣化が気になりますよね。
しかし、チタンは錆に非常に強い素材であるため、その心配は不要です。クロモリ(鉄)やアルミと比べて圧倒的に錆びにくいため、「買えば一生もの」と言われるほど。
高級素材ではありますが、一度買えば劣化が少なく、日常的なメンテナンスでも気を遣わずに済む、嬉しい素材なのです。
チタンフレームのロードバイク、おすすめ5台
チタンフレームのロードバイクは、他の素材に比べて製造しているブランドが少ない傾向があります。ここでは、中でも有名なチタンロードバイクを5つご紹介しましょう。
Panasonic/FRTC22
・重量:1,510g(550サイズ、フレーム単体)
・価格:264,000円~(フレームセット、税込み)
高い性能と確かな品質で、長年にわたり自転車ファンの心を掴んでいる日本ブランド「Panasonic(パナソニック)」。クロモリフレームが有名ですが、チタンフレームのロードバイクも定評があります。
チタンのしなやかさとバネ感を生かしたフレームで、軽快な加速感がウリのフレームです。
カスタムカラーのオーダーが出来ることでも有名で、自分だけの1台を注文できるのも大きな魅力でしょう。
De Rosa/TITANIO Solo
・価格:946,000円(フレームセット、税込み)
ハートのロゴがお馴染みの、ハイクラス自転車ブランド「De Rosa(デローザ)」。そのDe Rosaの手掛けるチタンフレームが、「TITANIO Solo」です。
剛性と快適性と高いバランスで実現し、パワーのあるライダーにも対応する高性能フレーム。「剛性と密度感に優れるペダリングフィールや、高負荷や高速域での走りはサドルの上で至福の時を感じることでしょう」(De Rosaより引用)という謳い文句が、その性能を物語っています。
GIOS/TITANIO
・重量:1,500g(フレーム単体)
・価格:305,800円(フレームセット、税込み)
スチールフレームが得意なイタリアのブランド「GIOS(ジオス)」。チタンを生かした設計と、ホリゾンタル(水平)なトップチューブが魅力的な1台です。
「ジオスブルー」と呼ばれる美しい青色のカラーリングを施しつつも、リアエンド周りでチタンカラーを見せるさりげないデザインもかっこいいですよね。
Litespeed/Ultimate
・重量:1,280g(Mサイズ、フレーム単体)
・価格:2,935$(フレームセット、USD)
世界でもいち早くチタンフレームを手掛けてきた、チタンの第一人者ともいえる「Litespeed(ライトスピード)」。チタンフレームにおいて、その技術力と歴史は誰もが認めるブランドです。
多数のチタンフレームをラインナップしていますが、Ultimate(アルティメイト)は軽量性、剛性、空力といったレーシングな性能を突き詰めて設計された一台。軽量で反応性が高い一方で、チタンのしなやかさと快適性も損なません。チタンを知り尽くしたLitespeedだからこそできる、究極な一台でしょう。
COLNAGO/TITANIO
・価格:572,000円(フレームセット、税込み)
ロードレースの歴史とともに進化し続けた、名実ともに優れたイタリアンブランド「COLNAGO(コルナゴ)」。現在に至るまでプロに機材を提供し続けています。
COLNAGOのチタンフレーム「TITANIO(チタニオ)」は、反応性よりも快適で上質な走りを追求した一台。速さよりも、走る楽しみを高めたい方におすすめなチタンロードです。
少しマイナスな点も知っておこう
最後に、チタンフレームのマイナスな点をご紹介しておきましょう。
価格が高い傾向にある
チタンは素材自体がやや高価で、クロモリやアルミと比べて加工が難しいため、チタンロードバイクの値段は高めです。
大量生産できないフレームだからこそ所有欲を満たしてくれるものですが、その反面、初期投資はある程度必要となります。
販売しているメーカーは多くない
生産が難しいので、そもそも販売しているメーカーは多くありません。在庫や納期を考えると、さらに選択肢は絞られるでしょう。
実車を在庫しているショップも稀ですので、現物を見てみたくても、その機会が得にくいのが現実です。気に入った一台であっても、入手のハードルは高いかもしれません。
基本は、フレームセット販売
中には完成車販売をしているブランドもありますが、チタンロードバイクの多くはフレームセットでの販売です。他に必要となるパーツを別で用意し、自転車の形に組み立てる必要があります。
パーツの選定や組み立てなど、ショップと相談しながらバイクを完成させていくイメージです。
特別感も味わえる、チタン製のロードバイク
チタンのロードバイクは、素材の魅力が詰まった特別な一台です。
軽量性、剛性、快適性のバランスがとれた乗り味に、チタンにしかない魅力的な見た目も兼ね備えています。価格や入手性など、乗るまでの苦労もあったとしても、その分特別な一台となることでしょう。
ロマン溢れるチタンのロードバイクで、サイクリングを楽しんでみてはいかがでしょうか?