クロスバイクは、サイズ選びがとっても大切
クロスバイクなどのスポーツ自転車は、乗る人の体格に合うように、フレームの大きさがいくつか用意されています。洋服と同じですね。
スポーツとして自転車を楽しむ場合、乗る距離も長く、スピードも速く、峠などアップダウンの多い道を走ることもあります。そのため、自分の身体に合った自転車を選ぶことが、とても重要です。
クロスバイクはサイズが合わないと、乗る姿勢やペダリングに無理が生じてしまいます。ペダルを回す力が効率よく伝わらず、必要以上に疲労してしまうばかりか、腰や膝、背中などを痛めてしまいます。
そういう訳で、クロスバイクのサイズ選びは、車種選びと同じくらい重要です。自分に合ったサイズの選び方を詳しくご紹介して行きます!
クロスバイクのサイズの見方
クロスバイクのサイズは、メーカーによってさまざまに表記されています。ママチャリだと、26インチ、27インチなど、タイヤのサイズで選びますが、クロスバイクなどのスポーツバイクは、タイヤの大きさは共通で、フレームのサイズで選びます。
上の写真のように、多くのクロスバイクには、サイズを表すシールが貼られています。440がフレームサイズ 、700がタイヤのサイズ。440の方が、この自転車のサイズになります。
表記は「フレームサイズ」や「S、M、L」など様々
サイズの基本となるのが、シートチューブの長さです。シートチューブの上端からクランクの付け根(ペダル回転の中心部分)の長さを「シートチューブ長」と呼び、基本的にこの長さがフレームサイズとなります。
このシートチューブ長も、使われる単位によって、見た目が変わります。以下の3通りがあります。
cm表記 | 43、46、50など |
mm表記 | 430、460、500など |
インチ表記 | 17、18、20など |
(インチをcmに換算すると、43.18、45.72、50.8)
自転車の世界では「センチ」と「インチ」の両方が使われており、主にロード系はセンチ、マウンテンバイク系はインチで表示されることが多いです。
クロスバイクはロードとマウンテンバイクの中間に位置するので、メーカーによって使う単位が異なります。さらに、メーカーによっては、フレームサイズを「S」、「M」、「L」に置き換えてサイズ表記しています。ますます複雑さが増します!
メーカー公式サイトなどで、適応身長を確認する
さて、フレームサイズが分かっても、それだけでは自分に合うフレームが、どれなのか分かりません。メーカーサイドでもその点は考慮し、各サイズの適応身長の目安を公開しています。カタログや公式Webサイトで確認することができます。
ただ、海外メーカーの場合は、日本人には当てはまらない場合もあります。海外の方は、手足が長かったりしますよね!また日本人向けに作られたフレームであっても、体型には個人差があります。適応身長は、あくまでも目安と考えましょう。
フレームサイズと適正身長の目安
フレームサイズ と適正身長の例として、GIANTのクロスバイク、エスケープシリーズを見てみましょう。
濃い緑色の身長範囲に当たる人は、複数のサイズの適正身長に該当しています。160cmの人はXXS、XS、Sの3サイズ、170cmの人はXS、S、Mの3サイズ。 同じ身長でも、足や腕の長さは個人差が大きいので、こうしたザックリとした区分けになってしまうのでしょう。
やはり実際にまたがって、自分の身体にフィットするサイズを選ぶことが大切です。
店頭で試乗する時の確認ポイント
以上のように、数値だけの確認では限界があるので、出来れば自転車ショップで試乗することが一番確実です。試乗車がない場合は、またがるだけでも良いです。
特に初めてスポーツ車に乗る人は、シティサイクルより前傾することが感覚的に分かると思います。前傾となる主な理由は、長距離を走るには、体重を分散させた方が楽だから。最初は少し大変に感じるかもしれませんが、すぐに慣れると思います。
試乗、あるいはまたがってみるときのチェックポイントは、「足付き」と「ハンドルまでの距離」の2点です。
地面に足がつくかどうか
よく目にするチェック方法が、サドルに座って、ペダルを一番下げた状態で、カカトを乗せて足が真っ直ぐに伸びている状態が良い、というものです。ペダリングの効率最優先のポジションではありますが、この方法だと、サドルに乗った状態では全く足が地面につきません。
そこで最初は、サドルにまたがって、爪先が地面に付く程度の高さが良いと思います。慣れてきたらサドルを高くすることで、より効率の良いペダリングのポジションに対応することも可能ですから。
サドルに乗った状態で足の裏がベタッと地面に付くようだと、ペダリングが上手く出来ません。サドルを上げて対応出来れば良いですが、大きめのサイズも試してください。
ペダルを回して足が一番下に来たとき、膝が無理なく伸びているか、確認しましょう。気持ち良くグングン進む感覚が味わえると思います。
一度その感覚をつかむと、足が伸び切らずに膝が曲がった状態でのペダリングは、まるで拷問のように感じると思います!
次にトップチューブをまたいだ状態で、地面に足がつくかどうか確認しましょう。実際にサイクリングに出かけて、信号などで止まるときにはこの体勢を多用するので、安定して無理なく立つことが必要です。
ハンドルに手は届く?
ハンドルとの距離も、重要なチェックポイントです。適度に前傾が取れて、腕にも余裕があるサイズを選びましょう。
フレームが大きくてハンドルが遠く、きつい前傾姿勢となって、手が突っ張ってしまうと、疲労や故障の原因となってしまいます。操作性も悪くなり、安全なライドの妨げになりかねません。
逆にフレームが小さくてハンドルが近過ぎると、前傾が取れず、サドルに重心が集中してお尻が痛くなったり、ペダリングしにくかったり、快適に走ることが難しくなってしまいます。
ハンドルとの距離の目安となるのは、トップチューブ長です。
自転車のジオメトリー(フレームの形状を、数値で示したもの)にはたくさんの数値が書き込まれていますが、クロスバイクのサイズ選びには、
●シートチューブ長:地面の足付きの確認
●トップチューブ長:ハンドルとの距離の確認
以上、2箇所の数値を押さえておきましょう。クロスバイクを比較検討する際、参考になります。
2つのサイズで、どちらか迷ったら
実際にまたがってみて、2つのサイズで迷うときは、小さめを選ぶと良いと言われています。その理由は、
●小さい方が軽い
●サドルを高くして高さを出すことができる(そしてシートポストの出が長い方がカッコ良い)
●ステムを長いものに変えれば、ハンドルまでの距離を伸ばせる
自転車にとって軽さは正義で、パーツの工夫でアジャストしやすいということが小さめを選ぶ大きな理由になります。私も迷ったら小さいサイズにすると思います。
ちなみに、大きめのサイズのメリットを挙げるとすると、
●フレームの三角スペースが大きくなるので、ボトルケージを2箇所につけやすい。フレームバッグもつけやすい
●ホイールベースが長くなる(若干ですが)ので、直進安定性が良くなる
などがあります。それぞれのメリットのどれを優先するか、よく考えた上で選んでくださいね。
快適なクロスバイクは、サイズ選びから!!
スポーツバイクの魅力は、どこまでも行ける!というワクワク感。ピッタリサイズの相棒選びがとても大切です。自分の力をしっかりと受け止めて、人馬一体、ならぬ”人車一体”となるバイクをしっかり選びましょう!