モンベルの16インチ折りたたみ自転車はサイクリングに使える?シャイデックTR-F16実走レビュー

モンベルの16インチ折りたたみ自転車「TR-F 16」で奥多摩30kmを走ってみた

今回は、モンベルの自転車ブランド「シャイデック」が展開する折りたたみ自転車「TR-F 16」をお借りし、本格的なサイクリングに使えるのか検証しました。シャイデックのラインナップは価格と性能のバランスが取れた自転車がそろっていますが、16インチ小径車で気になるのはやはり実際の走りです。

平地や上りでのペダリングや下り坂での安定感など、実走して感じた部分を徹底インプレ。また、ロードバイクと比較した輪行手順など、16インチの折りたたみ小径車ならではの魅力もお伝えします。

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目次

16インチ折りたたみ自転車で楽しくサイクリングできる?

シャイデックTR-F16
撮影:編集部

今回、モンベルが展開する自転車ブランド「シャイデック」の、16インチの折りたたみ自転車「TR-F 16」をお借りしました。

きっかけは、以前シャイデックを取材した際に感じたコストパフォーマンスの高さです。価格を抑えながらも走行性能やパーツ選定がしっかりしている印象で、編集部内でも話題になったブランドでした。

▼シャイデックの詳細についてはこちら

SCHEIDEGG(シャイデック) TR-F 16

参考価格(税込) 106,700円
フレーム素材 アルミ
フォーク素材 スチール
重量 10.0kg
タイヤ 16インチ×1.75インチ
収納サイズ 高さ65 × 幅72 × 奥行き41cm

モンベルの自転車ブランド「シャイデック」で特に気になったのが折りたたみ自転車。16インチと20インチがあり、今回、お借りした16インチの「TR-F 16」は、小径ホイールに8段変速を組み合わせ、走行性能とコンパクトさを両立したモデルです。2025年にリニューアルし、現行モデルとなっています。

折りたたみ自転車でサイクリングを楽しめるなら、輪行を活用したり、クルマに積んで出かけたりと、自転車の楽しみ方が広がりそうです。

とはいえ、ホイールの小さい小径車である以上、走りや使い勝手がどうなのかというのが気になるところ。そこで今回は、TR-F 16で実際にサイクリングしてきました。

「TR-F 16」の主なスペック

装備が充実しているTR-F16
撮影:編集部

TR-F 16は、街乗り専用の折りたたみ小径車ではなく、サイクリング走行も想定したモデルです。16インチという数字だけを見ると近距離向けに思えますが、変速段数やタイヤ幅を確認すると、想定している走り方が見えてきます。

走りを左右する駆動・制動系のパーツ構成や基本スペックを整理しておきましょう。

項目スペック
タイヤ(径×幅)16インチ×1.75インチ
クランクセット52T 170mm
カセットスプロケット11-28T(8段)
ブレーキミニVブレーキ
重量10.0kg

TR-F16のフロントタイヤとVブレーキ

一般的に、小径ホイールは漕ぎ出しが軽い反面、速度を維持しにくく、路面の凹凸を拾いやすい点がデメリットです。ですが、TR-F 16は1.75インチ(約44mm)という太めのサイズを採用し、路面からの衝撃を和らげてくれます。

制動力とメンテナンス性のバランスが良いミニVブレーキを採用しているのも、コストを抑えつつ走行性能も確保しているポイントと感じました。

TR-F16の8段ギア

また、ギア構成はフロントシングル、リア8段。16〜24段のロードバイクやクロスバイクと比べると段数は少なめですが、小径ホイールに合わせてチェーンリングを大きくしているぶん、街乗りだけでなく、比較的スピードの出るサイクリングでも実用的な範囲です。

実際、フレームにアルミを使った10kgという軽量な車体との組み合わせで、8段変速でも軽快な走りを楽しむことができました。次の章から、実際の走りを詳しくお伝えします。

30km走った、実走レポート&インプレッション!

TR-F16で奥多摩を走る筆者
撮影:編集部

今回、TR-F 16のテストコースに選んだのは、筆者が普段ロードバイクでよく走っている奥多摩のコース。峠道のような急な登りはほとんどなく、全体的に緩やかな傾斜が続くコースです。

カーボンロードバイクとTR-F16
撮影:編集部

筆者がTR-F 16、編集部のYさんがロードバイクという組み合わせで走ってみました。初めて16インチ小径車に乗る筆者が、ロードバイクと一緒でもサイクリングを楽しめるのかという視点でレビューします。

TR-F16で市街地を走る筆者
撮影:編集部

駅周辺の市街地を少し走ると、TR-F 16の安定感やスイスイ走るペダルの軽さを感じました。16インチという小さなホイールは漕ぎ出しが軽く、信号待ちからの再スタートもスムーズです。身長180cmの筆者でも、きゅうくつな印象はなく自然なポジションを取れました。

街中を時速10km代で走るシーンでは、ペダルを踏んだ分だけスムーズに進んでくれます。筆者は16インチの自転車に乗るのは初めてですが、一般的なクロスバイクのような操作感でサイクリングも楽しめそうです。

青梅駅周辺をTR-F16で走る筆者
撮影:編集部

小径ホイールなので乗り心地や操作性の心配がありましたが、走る・曲がる・停まるという自転車の基本性能はとても優秀だと感じます。

TR-F16でダンシングする筆者

少し走って郊外エリアに入ると緩やかなアップダウンが始まります。少しの上りなら大きな負担は感じず、慣れてくると普通に立ち漕ぎ(ダンシング)できるので、上手くペース配分しながらそれほど疲れずに走れました。

奥多摩湖への道をTR-F16で走る筆者

本格的なワインディングロードに入ると長い下り坂もありましたが、スピードが出ても安定感は変わらず、ふらついて怖い印象はありません。

TR-F16のフロントタイヤとVブレーキ
撮影:編集部

1.75インチ幅のタイヤとミニVブレーキの制動力が、下り坂での安定感につながっていると感じました。また、フロントブレーキには握り始めの制動力をゆるやかにするパワーモジュレーターが付いていて、下り坂でも怖さを感じずに減速できます。

TR-F16で上りがきつくなってきた筆者
撮影:編集部

一方、上り坂の勾配が徐々に強くなってくると、少しずつ太もものダメージが溜まってきました。TR-F 16はコンパクトな分ハンドルが近く、あまり前傾姿勢を取れないためロードバイクのように力強くペダルを踏む走り方には不向きな印象です。

アップライトな姿勢で視界が広いのですが、上り坂では身体が起きてしまうため少しペダリング効率は悪めです。

ただし、8段変速の軽いギアがあるので、ペダルを強く踏み込むのではなく、くるくる回して走れば上り坂も楽しく走れます。スピードを出すのではなく、アップライトなポジションを活かして景色を楽しみながら走るのに向いていますね。

TR-F16でトンネルを走る筆者
撮影:編集部

直進安定性のおかげで道幅が狭いトンネル内でもラインをキープしやすく、余計な緊張感なく走れました。

奥多摩湖への途中で琴浦橋を渡る筆者
撮影:編集部

ゴール目前の上りがきつくなる区間では少しきつさを感じますが、ところどころ休憩を入れれば無理なく走れます。

奥多摩をTR-F16で走る筆者
撮影:編集部

また安定感があるため、立ち漕ぎも使い分けながら走れるのが好印象でした。

奥多摩湖にロードバイクとTR-F16で到着
撮影:編集部

無事奥多摩湖にゴールです。結果として、30kmのサイクリングコースをロードバイクと一緒に走っても、16インチのTR-F 16でも快適に楽しむことができました。

時間をかけてのんびり走ればもう少し長い距離のサイクリングも楽しめそうです。

輪行・駅構内での取り回しは超便利!

コンパクトな16インチホイールを採用したTR-F 16は、輪行時の扱いやすさが大きな魅力です。

今回は帰りに奥多摩駅から輪行し、一般的なロードバイクとTR-F 16の手順やパッキング後の取り回しの違いをお伝えします。

超簡単!輪行の手順は3ステップ

TR-F16の輪行をする筆者
撮影:編集部

実際に輪行をしてみると、やはりTR-F 16は手順がとても簡単でラクでした。

  • フレーム・シートポスト・ハンドルをたたむ
  • ショルダーストラップを付ける
  • 輪行袋に入れる
TR-F16の輪行
撮影:編集部

自転車本体の折りたたみは3か所で、工具を使わずスピーディーに作業できます。折りたたんだ後はしっかり自立してくれるので、この後の工程もスムーズですね。

モンベルのコンパクト輪行袋
撮影:編集部

さらに、モンベルは小径の折りたたみモデル専用の「コンパクトリンコウバッグ フォールディングバイク用」もラインナップしています。小径車専用設計のためとても使いやすく、さらに輪行が便利になります。

mont-bell(モンベル) コンパクトリンコウバッグ フォールディングバイク用

参考価格(税込) 6,600円
収納サイズ 6.0 x 14.5 x 6.0cm
重量 200g
対応車輪サイズ ~20inch
TR-F16の輪行手順
撮影:編集部

先ほど折りたたんだ自転車に、持ち運び用のストラップを付けた後、袋を上から被せるだけと簡単です。

TR-F16を輪行袋に入れたところ
撮影:編集部

この輪行袋は折りたたみモデル専用のサイズ設計になっているため、車体にジャストフィットし、包む際にもたつく場面がありませんでした。ここまでの所要時間はロードバイクの半分以下で、手間やストレスが大きく違うと感じました。

組み立て・パッキングともに素早くできるので、電車輪行を使った自転車遊びの幅が広がりそうです。

ロードバイクを輪行する筆者
撮影:編集部

一般的なロードバイクの輪行と比べると、時間も手間もかなりの違いを感じます。

  • 前後ホイールを外す
  • エンド金具を取り付ける
  • ホイールをフレームに固定
  • ショルダーストラップを付ける
  • 輪行袋に入れる

ロードバイクも工具なしで輪行できるものの、慣れていてもエンド金具の取り付けやホイールの脱着などは結構面倒です。エンド金具を使わない横型輪行袋ならもう少し手順は少なくなりますが、それでもTR-F 16とは大きな差がありますね。

収納サイズと持ち運びやすさも◎

ロードバイクとTR-F16の輪行サイズの比較
撮影:編集部

輪行袋に収めたあとの持ち運びやすさも、ロードバイクとTR-F 16では大きな差があります。今回使用したロードバイクの縦型輪行袋はかなりコンパクトな方ですが、TR-F 16の方がはるかに省スペースですね。

TR-F16で改札を通る
撮影:編集部

TR-F 16はコンパクトに折りたたまれているため扱いやすく、改札の通過や階段の上り下りもラクちんです。持ち運んでいる間にぶつける心配が少ないのは、折りたたみモデルの大きなメリットだと感じます。

電車内のTR-F16の輪行
撮影:編集部

電車内でも、輪行サイズがコンパクトなTR-F 16は圧迫感が少なく、電車内でも周囲への迷惑をかけにくそうです。折りたたみモデルならではの気軽さは、輪行を伴うサイクリングにおいて大きなアドバンテージだと感じました。

シャイデック「TR-F 16」はどんな人におすすめ?

tr-16の市街地走行
撮影:編集部

ここまでをふまえて、シャイデックTR-F 16がどんな方に向いているのかまとめてみましょう。

  • のんびりソロライドがメイン
  • 小径車に乗っている友人とサイクリングしたい
  • 輪行が多い、または挑戦してみたい
  • ロードバイクやMTBを所有していて、セカンドバイクを探している

あくまで筆者の考えですが、上記に当てはまる項目が多い方には、TR-F 16をおすすめすると思います。スピードを求めないのんびりサイクリング、輪行を使った楽しみ方をしたい方には、TR-F 16は良い選択肢です。

ロードバイクと比べると走行性能は決して高くありませんが、安定感や操作性に大きな不満はなく、飛ばさなければサイクリングでも十分楽しめます。

また、すでにロードバイクやMTBなどを持っていて、違う楽しみ方ができるセカンドバイクが欲しい方にもおすすめです。折りたたみモデルは場所を取らないので、自宅の保管に困らないのもメリット。

モンベルのTR-F20
撮影:編集部

もし、もうちょっとだけ走行性能にこだわるなら、同じシャイデックブランドの20インチホイールモデル、「TR-F20」を検討してみるのもおすすめです。少しホイールサイズが大きくなることで、コンパクトな輪行の利便性と走行性能のバランスがとりやすくなります。

シャイデック、TR-F 16でサイクリングの楽しみ方を広げよう!

ロードバイクとTR-F16
撮影:編集部

今回、TR-F 16をサイクリングしてみましたが、感想としては十分にサイクリングを楽しめる走行性能がありました。

街乗りでの快適さはもちろん、それなりの獲得標高がありアップダウンが続くサイクリングコースでも、クロスバイクに近い感覚で楽しめます。下りの安定感や街中での取り回しは、小径ホイールとは思えないほどの完成度でした。

「折りたたみ自転車は走行性能が心配」と感じていた筆者自身も、走り出してからはそんなこと忘れ、すっかりサイクリングを楽しんできました。さらに、ロードバイクよりかなり輪行しやすいため、自走で行くのが難しい場所まで電車や車を使って行動範囲を広げることもできそうです。

1台でいろいろこなせるスポーツバイクが欲しい方も、気軽に遊べるセカンドバイクを探している方も、ぜひTR-F 16をチェックしてみてください。