パタゴニアが自転車ウェア…?
「ピチピチじゃない街乗りウェアは、ないのだろうか?」そんなウェアをずっと探していました。
今回、パタゴニアさんの展示会で、ビビッと来るウェアを発見しました。
それが、トレッキングウェアである「メンズ・エアシェッド・プロ・プルオーバー」でした。
そもそもパタゴニアとはどんなメーカーなのでしょうか?
アウトドア企業として、多くのファンがいるPatagonia(パタゴニア)は、各種アパレルやパックなどを販売するメーカーです。
環境に配慮した製品開発に注力し、パタゴニア製品の94%にリサイクル素材が使われています。環境配慮に取り組む企業としても、常に業界をリードする存在と言えるでしょう。
そんな、パタゴニアの“自転車に合うウェア”を早速ご紹介していきますね。
「エアシェッド・プロ・プルオーバー」って、どんなウェア?

カラー:Ink Black/Alpine Blue
サイズ:XS~XLの5サイズ
カテゴリー:スリムフィット
重量:113 g(Mサイズ)
価格(税込):18,150円
エアシェッド・プロ・プルオーバーは、メンズとウィメンズのモデルがラインナップされています。
汗をかきやすく風を受けるスポーツ(ランニング・MTB・ロードバイクなど)をするシチュエーションで使われることの多い製品です。
また速乾性の高いインナーシャツと組み合わせることで、春~秋の3シーズンに対応できるスペックも持ち合わせています。
スタイルを見てみよう
では、実際に着用したスタイルから見てみましょう。
着ているのは、Alpine BlueカラーのSサイズ。モデルとなった筆者は、身長177cm・体重60kgの細身な体格です。
シンプルなデザイン
スリムフィットらしくすっきりとした印象です。左胸にパタゴニアのロゴが入っています。
フロントジッパーは全開しても、お腹まで開かないデザインになっています。
背面もシンプルに仕上げられ、Alpine Blueカラーで統一されています。
使い勝手が良い「ダブルジッパー」
フロントには、ダブルジッパーが採用されています。
ジッパーを噛み合わせるスライダーが2か所についています。「首元を開けず、胸だけ開ける」ことも可能です。
写真右のようにすると、首元でパタパタと襟がはためかず、ストレスフリーに走れます。
腋の下にジッパーがあるウェアと異なり、フロントを開けられるので、ベンチレーション(通気)効果も高いですね。ジッパーを全開にすれば、ヘルメットを被っていても脱ぎ着ができます。
個人的に嬉しいのは、異なる形状の「引き手」が準備されていること。
手触りだけでどっちの引き手か分かるので、とても助かります。こんな小さな工夫が嬉しいですね。
本体を収納できるスタッフサック
このウェアにはもう1つ工夫があり、フード後ろにポケットがついています。
このポケットは、「本体を収納するためのスタッフサック」として機能します。
畳んで、くるっと入れれば、ポケットに本体を収納できます。
持ち運びが容易なサイズ感がいいですね。自転車バッグに入れておいても邪魔になりません。
速乾性と通気性を備えた、“超軽量”なウインドシャツ
この製品の特長は何といっても、超軽量なことです。
身ごろ(体幹)と袖で、生地が使い分けられています。軽いだけではなく、着心地のいいウェアに仕立てられています。
体幹には、伸縮性を備えた超軽量素材
体幹部分の素材は伸縮性の高い超軽量の「パーテックス・クアンタム・ナイロン100%」です。
パーテックスとは、「軽く、しなやか、優れた速乾性」という特徴を持つアウトドア系の素材で、クアンタム生地とは、極細糸で織り上げられた非常に軽量な生地です。
パーテックス・クアンタム生地で形成されているため、軽量で薄くしなやかな一枚に仕上がっています。
生地表面は撥水加工が施されており、多少の雨なら防いでくれます。
袖には、軽量なダブルニット
パタゴニア製品の中でも、非常に軽くドライな素材です。耐久性と伸縮性を備えるダブルニットで編みこまれています。
袖をまくり上げて通気性を確保することもできます。しかし、この部分は撥水生地ではないので、雨が染み込むことが難点かもしれません。
軽量・薄手・コンパクト
Sサイズを実測したところ、重量106gでした。ウィンドシェルとしては非常に軽量です。
薄手の生地・スリムフィット形状・ポケットを排除したシンプルな作りが成せる軽量さです。
おすすめポイント
筆者が実際に使って、「想像以上にここがよかった!」ポイントを紹介しましょう。
自転車向きなシルエット
空気抵抗が気になるのが自転車乗りの性ですが、シルエットはどうでしょうか?
さすがは「スリム・フィット」。筆者の細身のシルエットでも、必要以上にダボつくことがありません。
「走行風でパタパタさせたくない」「でも、ピッタリすぎて体のラインを出すのはちょっと…」そんなワガママを叶えてくれます。
また袖と丈が長いので、前傾姿勢でも手首や腰が露出することはありません。こういうシルエットのウェアは、意外と少ないのでありがたい限りです。
気持ちいい着心地
かなり着心地がいいです。
生地が薄く伸びやすいので、前傾姿勢をとっても窮屈に感じません。それでいて身体を柔らかく包んでくれる感覚があります。着ぶくれさせずにスマートに着たい人にはピッタリです。
汗をかいても乾きやすいので、高強度で走っても「汗冷え」「べたつき」がないのはとても嬉しいですね。さすがはトレッキングウェアです。
対応気温帯は12~25℃ぐらい
春秋の寒暖差があるときに活躍すると感じました。
「長袖よりも涼しく、半袖よりも暖かくしたい」シーンに使いたいです。筆者は12~25℃の気温帯で使いましたが、とても快適に使えました。
肌寒い時には、冬用インナーシャツと合わせていました。このウェアだけでは保温性は低いので、暖かいインナーを組み合わせるのがちょうどいいでしょう。
防風・防雨性能
体幹部分は風を通しにくく、袖部分は通気性の高い生地になっています。
ジレ(袖なし防風ジャケット)を着ている感覚に近いので、ダウンヒルでも身体を冷やしにくいと思います。
防風性能は素晴らしいのですが、防雨性能がやや心もとなく感じます。体幹の素材に撥水加工を施していると言えども、防雨性能は高くないので、雨が降る場合にはレインウェアが必要になるでしょう。
レインウェアとして、「メンズ・ストーム・レーサー・ジャケット(画像左)」が、自転車に合わせやすくおすすめです。細身で動きやすいこと、重量が198gと小さくコンパクトに収納できることが特徴です。
またはアウトドア向きのレインウェアの「メンズ・カルサイト・ジャケット(画像右)」は、アウトドアと兼用で使いたい方に向いています。顔周りや裾のコード等の調整機能や、ヘルメット着用にも対応するフードなどが特徴です。
ちょっと気になるところ
サイクリングジャージとの違いがあると、「自転車に乗るときに使いやすいのか?」が気になりますよね。
トレッキングウェアとして開発されているため、自転車ウェアと違っている点があります。少し気になった点をまとめていきましょう。
ポケットとリフレクターがない
ポケット、リフレクターが配置されていません。
超軽量に特化したウェアのため、最低限の機能だけに絞られています。普段サイクリングジャージを使っている筆者としては、使いにくいと感じる場面がありました。
スマホ、財布はよく出し入れするので、運動の邪魔にならないバックポケットに入れておきたいものです。代わりに、自転車バッグ・パンツのポケット・サコッシュ(簡易的な肩掛けバッグ)などを活用すると良いでしょう。
またリフレクターがないので、やや心もとないと感じることもありました。夜でも見やすい白色などが、背面のデザインに取り入れてもらえれば、より安心して走れると思います。
フードをどう使う?
フードが付いていますが、心配していた「走行中にフードが膨らんで、空気抵抗になる」現象は起きませんでした。
しかし、袖と同じ「キャプリーン・クール・ライトウェイト」生地を使っているので、雨が染み込みます。
雨対策より、寒さ対策としてのフードだと思います。
まるっと被れば、耳を覆えるので、防寒用途として活躍しそうです。タイトな形状ゆえにヘルメットの上から被れません。インナーキャップのように使うのもアリでしょう。
フードを廃止して、1つでもバックポケットを増設してもらえれば、自転車には最高に使いやすいと感じてしまいました。
こんなシーンで使える!
春や秋のちょっとしたサイクリング向けのウェアとして優秀だと感じます。
「アウトドア向けのしっかりしたジャケットでは煩わしいけど、半袖シャツでは肌寒いし…」なんて日に、活躍すること間違いなしでしょう。
まだ試していないので分かりませんが、「夏にも使えるのでは?」と筆者は、にらんでいます。かなり薄い生地で、汗も飛びやすいので、暑い夏でも快適に走れるのではないでしょうか。長袖も日焼け防止として機能してくれそうです。
しかし、長時間での雨天ライドには向きません。短時間の小雨ぐらいなら大丈夫かもしれませんが、レインジャケットを別に準備しておくのがいいかもしれません。
いずれにしても機能性がとても高いので、バッグに忍ばせてお出掛けするのに、ちょうどいいのではないでしょうか?
まとめ
軽くてコンパクトな「エアシェッド・プロ・プルオーバー」。
街中でも気軽に着れるデザインなので、通勤など日常的に使えるウェアです。サイクルジャージ以外の機能的なウェアとして、選択肢に挙げられるほどの製品です。
自分の体格と合うかが心配な方でも大丈夫です。Patagonia公式サイトには、事細かな「サイズ表」が準備されており、自分の体格と照らし合わせながら、サイズを選ぶことができます。
Patagonia公式サイトで、ぜひチェックしてみてくださいね!