ミニベロの定義
ミニベロとはどんな自転車なのでしょうか。まずは全体像を把握しておきましょう。
ミニベロとは?
ミニベロとはフランス語で”小さな自転車”という意味で、小さな車輪(タイヤ)の自転車の総称です。「小径車」とも呼ばれますね。一般的にはタイヤサイズが20インチ以下のものを指しますが、24インチ以下、という解釈もあるようです。
折りたたみ自転車もタイヤが20インチ以下であれば、ミニベロに含まれます。ただ26インチの折りたたみ自転車も存在しますが、それはミニベロとは言えません。折りたたみ自転車=ミニベロではない、ということですね。
また、電動アシスト自転車も20インチ以下のものはやはりミニベロで、「電動ミニベロ」と呼ばれています。
ミニベロの種類
ミニベロと一口に言っても、実はさまざまな種類のミニベロが存在します。それぞれ、かなり性格が異なります。
・街中を走るのに適した可愛らしいミニベロ
・ドロップハンドル等、走行性能が高いミニベロロード
・折りたたんでコンパクトになるミニベロ
・電動アシスト付きの電動ミニベロ
使用する目的にあった性能を持つミニベロを選ぶことが大切です。
ミニベロの価格は?
一般的なミニベロの価格は4、5万円から。ミニベロロードや折りたたみ自転車など、高機能・高性能なモデルだと、10万、20万円を超えるものもあります。
通販でなら、1、2万円位から購入できますが、一部自分で組み立てをしなければならなかったり、使われている部品のメーカーが分からず、修理が難しくなる可能性もあります。特にミニベロはサイズ感の確認が重要なので、実店舗で購入することをおすすめします。
ミニベロのメリット
それでは、ミニベロの良いところを具体的に見て行きましょう。
見た目がオシャレ!個性的!
26インチのママチャリ(左)とミニベロ(右)を見比べると、ミニベロの可愛さが引き立つのではないでしょうか。タイヤが小さいと、なぜこんなに可愛いのでしょうか!
さらにその可愛さを際立たせる優れたデザインのミニベロが、数多く販売されています。オシャレ番長におすすめしたい自転車です。
漕ぎ出しが軽い
自転車は、止まっている状態から動き出すときに、一番力が必要になります。大きいタイヤと小さいタイヤを比べると、小さいタイヤの方が、より小さな力で転がります。ミニベロに乗ってみて最初に感じるのは、漕ぎ出しの軽さ。楽に走り出すことができます。
そのため、信号で止まることが多い街中は、ミニベロが得意とするフィールドと言えます。
コンパクトで収納しやすい
自宅に駐輪スペースがない場合、ミニベロなら玄関先に置いたり、折りたたみなら室内に折りたたんで置いておくこともできます。置くスペースがないからミニベロを買うという方も、多いです。
車に乗せやすい
コンパクトさの利点として、車に積みやすいという点も見逃せません。折りたたみ自転車であれば、ワゴンタイプでなくても後部座席やトランクに積むことができるでしょう。
帰りが遅くなった子供を自転車ごとピックアップしたり、雨で駅に置いてきた自転車を車で取りに行ったり。そんなこともミニベロなら可能です。
幅広い身長に対応
ミニベロの中には、サドルとハンドルの高さを調節することで、幅広い身長の人が乗れる設計になっているものがあります。特に折りたたみ自転車は、サドルとハンドルの高さが簡単に調節できる仕様になっているものが多いので、小学校高学年から大人まで乗ることができます。
ミニベロのデメリット
ミニベロのデメリットはどんなところにあるのでしょうか。
スピードの持続が大変
ミニベロはタイヤが小さい分、クルクルとペダルを回しても進まないイメージがあるかもしれません。しかしちゃんとしたスポーツ自転車メーカーのミニベロなら、ギア比の設定によって、ペダル一回転したときに進む距離が大きなタイヤと同等なので、普通に漕げば普通に進んでくれるイメージです。
しかし、足を止めると、あっという間にスピードが落ちてしまいます。その原因はタイヤが小さいから。小さい方が転がり抵抗は大きくなり、慣性の力は小さくなってしまうのです。
例えばミニベロと26インチのママチャリが一緒に走ったとします。ミニベロも、ママチャリと同じくらいのスピードが出せるので、同じペースで進んで行きます。そこで、両方とも足を休めるとどうなるでしょうか?
ママチャリは多少遅くなりますが、それでも比較的スピードを保ちながら進んで行きます。一方で、ミニベロはあっという間に減速し、ママチャリに遅れをとってしまうでしょう。ミニベロがスピードを維持するには、ひたすら漕ぎ続けなければならないのです。
乗り心地が良くない
ミニベロは路面からの振動をよりダイレクトに拾ってしまいます。タイヤが小さいため、衝撃を受け止めるフロントフォークが短く、振動吸収性が良くないのがその理由。ハンドルやサドルを通して身体に伝わる振動は、疲労につながります。
ハンドルがクイック
ミニベロとタイヤの大きな自転車とでは、ハンドルの操作感が異なります。ミニベロは少しのハンドル操作で、大きくタイヤが動いてしまうイメージ。「ハンドルがクイック」と表現される現象ですね。
そのため、急ハンドルはバランスが崩れるので転倒につながります。特にスピードが出る下り坂は本当に危険です。私も下り坂で転倒し、左肘を5針縫うケガをしたことがあります。
段差に弱い
小さいタイヤは段差を乗り越えるのが苦手です。段差にせき止められてしまうのですね。無理に越えようとするとバランスを崩して転倒に繋がります。歩道に乗り上げるときは、無理せず降りる判断も必要です。
長い上り坂はしんどい
大きなタイヤより、小さなタイヤの方が漕ぎ出しが軽く、回すのに力が要らないので、ミニベロにとって坂道は有利であると言われます。
けれども、長い登り坂となると、クルクルとペダルを回し続けるのは地味に大変です。自転車の重さもロードバイクほど軽くないので、長い上り坂はとても時間がかかり、体力も消耗します。
ミニベロの持ち味が生きる使い方! <仕事・家事編>
ミニベロのメリット・デメリットを踏まえて、快適に使えるシーンをあげてみます。まずは日常生活での使い方から。
通勤・通学
信号など、ストップ&ゴーが多い街中をキビキビ走るのが得意なミニベロは、駅までの通勤や通学にピッタリです。コンパクトなので、駐輪場のスペースも見つけやすく、パッと止めてサッと電車に乗り込むことができます。
通勤・通学におすすめのミニベロ2選
LOUIS GARNEAU EASEL7.0
オシャレなデザインに定評があるルイガノは、ミニベロも得意分野。女性にも扱いやすく、ヘッドにキャリアが付いているので、荷物も乗せられます。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | 370(150-165), 410(160-175), 450(170-185) |
重量 | 12.6kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
ブリヂストン ベガス
ベガスは発売以来10年以上、人気があり、太めのタイヤで乗り心地の良いミニベロです。一漕ぎでもしっかり進むギア比で走行性能が高く、前かごもついているので、通勤・通学にもピッタリです。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | 約137cm〜 |
重量 | 18.0kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
お買い物
前かごがついているミニベロもありますが、取付け・取外しができるタイプの前かごがあるので、お買い物のときだけカゴを付けることも。
また、ミニベロにはサドルの後ろ、後輪の上に広いスペースがあるので、荷台があるミニベロなら、意外に大きな荷物を運ぶこともできます。
お買い物におすすめのミニベロ2選
ブリヂストン/ トートボックス ラージ
ブリヂストンの人気カーゴバイク。コンテナのようなバスケットは前への取り付けも可能。ミニベロなので重心も低く、ホイールベースも長めの設計なので、重い荷物を乗せても安定して走ることができます。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | 148~ |
重量 | 20.6g |
タイヤサイズ | 24インチ(前)、22インチ(後) |
【ブルーノ/ミニベロツール】
ブルーノは旅をテーマとするミニベロを作っているスイスのメーカーです。ミニベロツールはヘビーデューティーなリアキャリが特徴。荷物を積んだり、パニアバック(キャリアに取り付ける旅行用のバッグ)を付けたり。オプションの専用両足スタンドをつければ、チャイルドシートを設置することもできます!
●素材:クロモリ
●サイズ:385㎜
●重量:12.8kg
●タイヤサイズ:20インチ
1台の自転車を家族でシェアしたい
ちょっとそこまで用事があるとき、自転車があれば便利だな、と思うことはありませんか?そんなときミニベロが一台あれば、家族が誰でも使うことができます。折りたたみ自転車なら収納場所も取りません。
家族でシェアするのにおすすめのミニベロ2選
DAHON Route
ダホンは世界最大の折りたたみ自転車のメーカーの一つです。ルートはお手頃価格ながら、ハンドルの高さは10cm調節可能で、マッドガード(泥除け)もついている、とても使いやすいモデルです。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | ワンサイズ |
重量 | 12.2kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
【ブリヂストン/シルヴァF6F】
身長が148cm以上であれば、乗ることができる折りたたみ自転車です。太めのタイヤで安定感を重視したベーシックなモデルです。
●サイズ:430㎜
●重量:12.4kg
●タイヤサイズ:20インチ
自宅周辺に坂が多い
坂が多い街にお住いの方には電動アシストのミニベロがおすすめ。お子さんを乗せたり、さらにお買い物の荷物を積んでも、快適にお家に帰ることができます。
上り坂におすすめの電動ミニベロ2選
パナソニック グリッター
コンパクトでスタイリッシュな電動ミニベロです。フロントバスケットはスリムながらも深いので、とても使いやすいです。
サイズ(適応身長cm) | 139〜 |
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重量 | 25.8kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
バッテリー容量 | 12.0Ah |
ヤマハ パス シティ C
コンパクトで、またぎやすい低床フレームなので、女性にも使いやすい電動ミニベロです。
サイズ(適正身長cm) | 140〜 |
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重量 | 20.8kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
バッテリー容量 | 12.3Ah |
ミニベロの持ち味が生きる使い方!<遊び編>
次に、ミニベロでのサイクリングやポタリングの楽しみ方をご紹介します。
街散策ポタリング
行ってみたい街はありませんか?気になるお店をのぞいたり。TVや雑誌で紹介されていたお店でランチを楽しんだり。街をのんびり走っては止まり、また走る。ちょっと裏道に入ってみる。
街をのんびり走るポタリングは、ミニベロにぴったりの走り方です。
街散策におすすめのミニベロ2選
ブルーノ ミキスト
抜群の安定性とキビキビとした小気味良い乗り味は、お散歩自転車の新定番。 リーズナブルな価格も魅力です。
フレーム | クロモリ |
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サイズ(適応身長cm) | 410 |
重量 | 10.3kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
Bianchi LECCO
チェレステカラーで大人気のビアンキ。チェレステ以外でもやっぱりオシャレです。街中をスイスイ走るのがお似合いの自転車です。
フレーム | アルミ |
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サイズ(適応身長cm) | 43(160~175) |
タイヤサイズ | 20インチ |
サイクリングを楽しむ
ミニベロで楽しむサイクリングには川沿いのサイクリングロード がおすすめです。あまり立派なサイクリングロードだと、ロードバイクの方々がビュンビュン走っているので、地元のこじんまりした川沿いがミニベロ向き。
のんびり走っていても、思いがけなく遠くまで行けたりするので、新鮮な驚きが味わえます。
サイクリングにおすすめのミニベロ2選
ターン クレスト
ターンはスタイリッシュでスポーティーなデザインを得意とするミニベロメーカーです。その中でも一番人気のクレストは、街乗りからサイクリングまで、守備範囲の広いミニベロです。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | 460(155〜165) 500(165〜175) |
重量 | 10.0kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
ジオス フェルーカ
ジオスブルーでおなじみのイタリアのブランドです。細身のクロモリフレーム、ドロップハンドルを生かしてクラシックなデザインでまとめられたミニベロロードです。街乗りから長距離サイクリングまでこなす、コストパフォーマンスの高いモデルです。
フレーム | クロモリ |
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サイズ(適応身長cm) | 480(155~170)、510(165~180) |
重量 | 10.7kg |
タイヤサイズ | 20インチ |
旅を楽しむ(折りたたみ自転車を使って)
ミニベロを車に積んだり、電車に乗せれば、自力で走るより遥かに遠くの地方でサイクリングやポタリングを楽しむことができます。
特に折りたたみ自転車であれば、電車に乗せる輪行も、ぐっとハードルが下がります。旅先を自転車で回るという新たな楽しみも生まれます。
キャンプに行くとき、折りたたみ自転車も車に積んで行けば、散策したり、ちょっと買い物したり。かなり便利に使えるでしょう!
旅を楽しむのにおすすめな折りたたみ自転車2選
ダホン K3
K3はタイヤサイズ14インチですが3段変速で重さ7キロ台を実現した大ヒット自転車です。軽量でコンパクトに折りたためるので、自転車を電車に乗せる輪行もストレス大幅軽減です。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | 142-180cm |
重量 | 7.8kg |
タイヤサイズ | 14インチ |
ルノー プラチナムライト6
変速なしで6.8キロを実現した折りたたみ自転車です。車輪も14インチでコンパクトなので、車に積んでおけば、いろいろな楽しみ方ができるユニークな自転車です。
フレーム | アルミ |
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サイズ(身長cm) | ワンサイズ |
重量 | 約6.8kg |
タイヤサイズ | 14インチ |
ミニベロを上手に使いこなそう!
ミニベロは、街中であまり長くない距離(10km~20km程度)をのんびり走るのに向いている自転車です。「走る」ということにフォーカスすると、ロードバイクやクロスバイクに歩があります。
しかしそのコンパクトさが、日常的な面では収納や駐輪の快適性につながり、非日常的な側面では旅への楽しみへとつながっています。
ミニベロは、小さいけれど、多様な可能性を持っています。どう使いこなすのかは乗り手次第。そんなところがミニベロの人気の理由なのかもしれませんね。あなたなら、どう使いこなしますか?