用途に合ったフレームバッグを選ぼう!
バイクパッキング人気にも後押しされ、今や「フレームバッグ」と検索すると数多くの製品がヒットします。見た目に違いが分かりにくく、何となくで選んでしまう方も多いのでは無いでしょうか?しかし、実は同じように見えても、それぞれ異なる特徴を持っています。
フレームバッグにも沢山の種類がある
自転車のフレームの内側のスペースに取り付けるバッグを「フレームバッグ」と呼びます。自転車に荷物を積んだとき、重心の位置が低く中央に寄るので、他の場所に取り付けるバッグよりも走行感が良いことが特徴です。
そんなフレームバッグには、サイズや機能等で多くの違いがあります。例えば以下の通りです。
・大きさの違い(1~15L程まで)
・防水性の有無
・ボトルが使い易い形状か
・荷物の取り出し、持ち運び易さ…etc.
バッグごとの「向き」「不向き」
モデルごとの特徴によって、フレームバッグには用途の「向き」「不向き」があります。自分の使い方に合わせたモデルを選ばないと、「せっかく買ったのにかえってトラブルに…」なんて事になりかねないのです。
例えば、非防水のモデルで雨に打たれ大事な荷物を水没させてしまったり、耐久性を重視していないモデルをMTBで使用し壊してしまったり。そうならないためにも、自分の用途とバッグの特徴を良く吟味しましょう。
活用方法もいろいろ
「自分の用途に合ったモデル選びを」といっても、そもそも「フレームバッグをどう活用できるのか?」がイメージ出来なければ、ご自身にあったバッグ選びも難しいはずです。
そこでこの記事では、どんな荷物を入れればいいのか?どんな時に必要になるのか?他に組み合わせるアイテムは?といった疑問にもお答えしながら、おススメのモデルを用途ごとにご紹介していきます。
通勤や街乗りにはお洒落で実用的なバッグを
まずは、通勤や街乗り用途に向いたフレームバッグを見ていきましょう。
ズバリ「見た目」と「機能性」
バッグ選びでポイントとしたいのが、ズバリ「見た目」と「機能性」。スピードを追求するのではなく、健康的でカジュアルな街乗り用途には、つい乗りたくなってしまうお洒落な見た目は欠かせません。そして、実際に使いやすいという機能性も兼ね備えていて欲しいところです。
バッグの活用法は幅広く、大きな荷物以外は万能に使えます。
夏場ならペットボトル飲料を入れたり、肌寒い季節はウィンドブレーカーなどの上着を忍ばせたり。財布やスマホなど、自転車に乗るときに邪魔なポケットの中身を移してしまうのも良いでしょう。多くの方がリュックを背負っていらっしゃると思いますが、荷物を全て身に着けるよりも、通勤や街乗りを身軽で気持ちよく出来るはずです。
また、予備のチューブや携帯ポンプなどのセットを入れておくのもおススメです。サドルバッグや直接自転車に付ける方法よりも、泥跳ねや汚れから守りつつスタイリッシュに持ち運ぶことができますよ。
それでは、街乗りするときに、おすすめのフレームバッグをご紹介していきましょう。
FAIRWEATHER(フェアウェザー) frame bag HALF x-pac
オシャレなフレームバッグの代表、日本ブランドの「Fairweather(フェアウェザー)」。街に溶け込むデザインに、適度な容量で使いやすいバッグです。
定番のブラックの他、オリーブやコヨーテ、ネイビー、グレー、バナナ等、カラーラインナップが豊富。カラーコーディネートを楽しめますし、ファッションアイテムとしての役割も果たしてくれるのが良いですね。
防水こそありませんが、小雨程度なら問題なく使用できる耐水性も嬉しいです。
素材 | X-PAC |
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サイズ | 縦5cm〜16.5cm、横幅:40.5cm、奥行き:約6cm |
容量 | 3L |
Narifuri(ナリフリ) タクティカルフレームボディバッグ
2つ目は、同じく日本のサイクリングウェアブランド「Narifuri(ナリフリ)」から。
一風変わったこのフレームバッグは、何と自転車から取り外してボディバッグとして背負って使用することもできる優れもの。仕事道具を入れて持ち運んだり、カフェに立ち寄る際にショルダーバッグとして使用したりと、街中でマルチに使用できるのが特徴です。
「バッグを持っていきたいけど走行中は背負いたくない」「駐輪時にフレームバッグを付けっぱなしにするのは防犯的に不安」という方におすすめ。特に貴重品を入れたい方と相性が良さそうです。
サイズ | W380×H80〜200×D65mm |
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収納口 | 300mm |
重量 | 330g |
ロングライドなら性能重視
続いては、100㎞、200㎞、300㎞…と長距離走行を楽しむロングライド。通勤用とは異なる特徴が求められます。
「軽量性」と「防水性」は捨てられない
ロングライドの装備選びは、なるべく疲労を軽減し、過酷な状況にも耐えてくれるものが好ましいです。フレームバッグなら、「軽量性」と「防水性」を軸に選ぶとピッタリのものが見つけられそうです。
収納するものは補給食や薄手の防寒着、モバイルバッテリーなど、ライド中にサッと取り出したい小物にすると便利です。自転車を跨いだままでも荷物を出し入れしやすいというフレームバッグのメリットを活かせます。
「普段はツールケースしか持ち運ばない」という方は、そのツールケースに入りきらない装備を入れるイメージをしましょう。実際の運用でも、普段のライドの携帯工具はそのままにして必要な物を追加する方が、忘れ物を減らせますし準備も楽になります。
荷物の量次第ですが、大きすぎるものはボトルと干渉しやすく重量増加につながるので、なるべくシンプルでコンパクトなものが向いているといえそうです。もし泊りがけで着替えが必要な場合は、フレームバッグに収めるのが難しいのでサドルバッグを追加する等すると良いでしょう。
Apidura(アピデュラ)/レーシングフレームバッグ2.4L
自転車用バッグの人気ブランド「Apidura(アピデュラ)」は、バッグの軽量性と高い防水性が特徴です。使用シーンごとに、統一したデザインで様々なシリーズを展開しています。
そのアピデュラのバッグの中でも、最も軽量性に特化したシリーズがこの「レーシング」シリーズ。レーシーな見た目だけでなく、人気に裏打ちされた作り込みと品質の高さにも注目です。
Roswheel(ロスウィール) ROAD Frame Bag
「Roswheel(ロスウィール)」も自転車用バッグ専門のブランド。アピデュラと同じく用途に応じてシリーズ展開がされており、ロングライドなら「ROAD」シリーズがおススメです。防水性も十分で、軽量性でアピデュラを上回っています。
実は、あの有名なウェアブランド「Rapha(ラファ)」の元デザイナーがデザインしたバッグだけあり、スタイリッシュな見た目もポイントですね。
サイズ | 5x13.5x45cm(Mサイズ) |
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容量 | 3L(Mサイズ) |
重量 | 150g(Mサイズ) |
R250(アールニ―ゴーマル) 防水フレームインナーバッグ
R250は、日本の自転車用品の通販サイト「ワールドサイクル」のプライベートブランドです。ユーザー目線での商品開発を徹底しており、海外ブランドに比べて手の届きやすい価格も魅力です。
海外製品よりも比較的小さなフレームに対応するバッグの設計で、日本人目線とも言えそうです。この製品よりも更に省スペースなモデルもあるので、そちらもぜひチェックしてみてください。
サイズ | 長さ330x高さ70〜130x幅50mm |
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重量 | 140g |
自転車キャンプに行くならこれ!
続いては自転車キャンプ。バイクパッキングに興味がある方はこちらが必見です。
「積載力」と「拡張性」が決め手!
自転車でキャンプツーリングに行くときも、フレームバッグはとても便利です。恐らくサドルバッグやフロントバッグなど他のバッグも取り付けるでしょうが、なるべく重たい荷物はフレームバッグに預け、重心をバイクの中央にまとめるのが積載のポイント。
沢山の荷物を積んでも、バイクの走行性能を損ないにくくなります。キャンプ道具で重たくなりやすいからこそ、少しでもバイクを扱いやすくしてあげる工夫は欠かせませんね。
また、買い出しやゴミ等で荷物が増えやすいので、容量に余裕を持たせておくのもお忘れなく。
そんなパッキングを目指すなら、積載力と拡張性があるバッグがおススメです。クッカーやバーナー、電子機器、食材、エアマットなど、中身の詰まったものを入れるのが良いでしょう。
また、テントやタープのポールをフレームバッグのベルトで一緒に括り付ける小技もおススメです。この小技はバッグがトップチューブ全体に伸びる大きさが無いと難しいので、やはり大型のバッグがおススメです。
Apidura(アピデュラ)/エクスペディション フルフレームバック
先ほどもご紹介したアピデュラから、今度は大きなフレームバッグをご紹介。フレーム内全体を使用するバッグは「フルフレームバッグ」とも言われ、積載を最大限に活用することが出来ます。
このバッグも防水性が高く、雨が想定される長期ツーリングにも最適。サイズにもよりますが、U.L.(ウルトラライト)系のギアで揃えればキャンプ道具一式を飲み込んでしまう程です。
XS~Lサイズまで展開があるので、ご自身のバイクにフィットするサイズを選ぶと良いでしょう。
Blackburn(ブラックバーン) アウトポスト フレームバック
Blackburn(ブラックバーン)はアメリカの自転車ギアブランドで、長らく自転車ツーリングの為のギアを作り続けてきました。
このフレームバッグは、バッグ底部を拡張し積載量を変化させられるユニークなバッグです。普段使いから週末のキャンプまで、ライドに応じて幅広く対応します。オフロードでも使える非常に頑丈な作りで、重たいキャンプ用品を詰め込んでも安心です。
防水でないことに注意ですが、初心者にも扱いやすいバッグでしょう。サイズはS~Lの展開です。
重量 | 280g(Sサイズ) |
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サイズ | L340×W50×H130~225㎜(Sサイズ) |
人気のグラベル遊びには?
近年人気を博しているグラベル系。グラベルロードやMTB等を用いて、林道やトレイルといったオフロードを楽しむ際にもフレームバッグは活躍します。そんなシーンにおススメのバッグを最後にご紹介しましょう。
「耐久性」にも目を向けて選ぼう
グラベルやMTBといったオフロードでの使用を想定するなら、やはり気になるのは耐久性。泥を浴び、長時間の振動に晒されるため、なるべく頑丈な設計のものが良いでしょう。
バッグに入れるものは、ロングライドの時と同じくライド中に取り出しやすい小物がベター。更に、泥汚れに晒したくない携帯工具などもフレームバッグに入れると安心です。振動でツール缶が飛んで行ってしまう心配もありません。
すでにフレームバッグをお持ちの方は、泥汚れに晒しても良いバッグを用意して使い分けるのも良いですね。
Apidura(アピデュラ)/バックカントリー フレームバック
アピデュラの「バックカントリー」は、オフロードを想定した最新のシリーズ(記事執筆時点)。同社のラインナップの中で最も耐久性を重視した設計となっています。
防水性がや品質が高い事はもちろん、グラベルロードやMTBといったスローピングの強いフレームにもマッチし易い設計なので、バイクへの収まりも良さそうです。
Wolftooth(ウルフトゥース) Pump Bag
ウルフトゥースはオフロード系の自転車パーツを手掛けるアメリカンブランド。このブランドのパーツはグラベルバイクやMTBとの相性が良く、もちろん耐久性も十分です。
このポンプバッグは、フレームバッグとしてはとても小型。携帯ポンプや工具を入れるのにピッタリなサイズ感で、バイクに取り付けのスペースが無い方や、操舵性確保のためにバイクを軽くしておきたい方におススメです。
また、バイクの様々な場所に取り付けられるのも特徴で、トップチューブ上やハンドルなど自由自在。更にボルトオン対応なのでダボ穴に取り付けることが出来、ボトルケージの位置にガッチリ固定もできます。
重量 | 114g |
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サイズ | 30×6.5×6.5cm |
容量 | 1.9L |
Ortlieb(オルトリーブ) フレームパックRC トップチューブ
質実剛健な作りで定評のあるドイツのバッグブランド「オルトリーブ」。世界一周の自転車乗り達が愛用するほど、耐久性が高く防水性も十分です。
このフレームバッグはメインの荷室へのアクセスがロールアップ式で、一般的なジッパータイプとは異なるのがポイント。防水性がより高くなり、砂などの噛み込みやジッパー破損のリスクも無くすことが出来ます。ハードユーザーにおススメなバッグです。
サイズ | H13×W50×D6cm |
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容量 | 4L |
重量 | 200g |
耐荷重 | 3kg |
自分の自転車との相性を忘れずチェック!
フレームバッグを用途別に解説してきましたが、バッグ選びの際は「自分のバイクと相性が良いか」を必ず確認しましょう。
フレームサイズ・形状によっては取り付け出来ないことも
相性をチェックする理由は、フレームのサイズや形状によってはバッグを取り付け出来ない可能性があるからです。
特にフレームサイズの小さい方やMTBなどスローピングが強いフレームの方は、バッグを取り付けるスペースが狭いので要注意。フレームの内の空間を測定し、バッグの寸法と照らし合わせるのをお忘れなく。
ボトルケージをずらすのも手
WOLF TOOTH(ウルフトゥース) B-RAD 2 Slot Base Mount
「フレームバッグを付けるとボトルケージが使えなくなる」という問題を抱える方におススメしたいのは、Wolftooth(ウルフトゥース)のB-RADシリーズでボトルケージの位置をずらす方法。
フレームバッグと干渉しない様にケージを下げたり、斜め横にずらしたりすることが出来ます。
材質 | 6061-T6 aluminum brackets |
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重量 | 27g |
フレームバッグを活用して充実の自転車ライフを
いかがでしたか?通勤や街乗りからロングライドなど、用途に応じたおススメのフレームバッグと使い方をご紹介してみました。
ぜひご自身に合ったフレームバッグを選んで、充実の自転車ライフをお送りください!