グランツールを楽しもう!世界三大自転車レースの特徴を解説します

グランツールとは、ヨーロッパで開催される、「ツール・ド・フランス」、「ジロ・デ・イタリア」、「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の世界3大自転車レースのことです。ここでは、グランツールの特徴や、各国で行われるそれぞれのツールの特色について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

アイキャッチ画像出典:flickr/Punting Cambridge

グランツールは世界3大ロードレースのこと

グランツールは世界3大ロードバイクレースのこと

出典:flickr/Walter Mingardi

グランツールとは直訳するとフランス語で「偉大な周遊レース」という意味。ロードバイクで競う、ヨーロッパの周遊ロードレースの中で特に権威のある、ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャの3つのレースのことです。グランツールの他に、3大ツールとも呼ばれています。

  • ●ツール・ド・フランス(開催国:フランス)
  • ●ジロ・デ・イタリア(開催国:イタリア)
  • ●ブエルタ・ア・エスパーニャ(開催国:スペイン)

グランツールの特徴は?

グランツールの特徴は?

出典:flickr/Holden Lee

周遊のロードレースは、たくさんありますが、グランツールならではの特徴があります。

何週間にもかけて競うステージレース

グランツールの特徴は?

出典:flickr/Ciclismo Italia

ステージレースは、1日で結果がでるワンデーレースとは違い、数日間かけて行うレースのこと。各レースをステージと呼び、グランツールの場合は、21ものステージがあり、およそ3週間かけて1つの国を走破します。

総走行距離は3,000km以上!

出典:Youtube.com/Tour de France

各グランツールの総走行距離は、なんと3,000km以上!それぞれのステージの走行距離も、最長で260㎞という厳しいものです。また競技は、平坦な場所だけではなく、坂道が続く山岳地やきついコーナーが連続している場所もあり、過酷なルートもあります。また、全ステージ中に数回、個人やチームでのタイムトライアルもあり、選手にとって気が抜けないレース展開です。

2回の休息日がある

グランツールでは、日程中に2回の休息日を作ることが定められています。1回めの休息日は、レース開始後8日目以降で、3週間の中のたった2日の休息日は体力も精神もすり減らしてきた選手には、少しほっとできる時間かもしれません。

休息日までの期間の総走行距離は、1,000㎞を軽く越えることを考えると、グランツールは、厳しさでも1番かもしれません。

各レースは国際色豊かな特徴がいっぱい

各レースは国際色豊かな特徴がいっぱい

出典:flickr/Wessel Blokzji

グランツールは、フランス、イタリア、スペインの3ヶ国で行われ、個性がありますので、それぞれの特徴をご紹介します。

1.風光明媚なツール・ド・フランス

風光明媚なツール・ド・フランス

出典:Facebook/Tour de France

ツール・ド・フランスは、グランツールの中でも最も歴史が古く、1903年にスポーツ新聞社ロトが企画したのが始まり。グランツールの中で、知名度では傑出していて、路上観客数は1,000万人をこし、世界中のメディアがこぞって特集を組むことをから、世界最大のロードバイクレースとして認識している人も多いです。

ツール・ド・フランスの特徴は、平坦なコースが多く、最終の21ステージはパリのシャンゼリゼへの凱旋が慣例です。また美しい自然や風情ある町並みなど、レースも楽しみながら、絵のように美しい風景も楽しめます。

開催期間:7月上旬〜下旬

総走行距離:3300㎞前後

ステージ数:21

2.山岳コースが多いジロ・デ・イタリア

山岳コースが多いジロ・デ・イタリア

出典:Facebook/Giro d’italia

ジロ・デ・イタリアは、ツール・ド・フランスに遅れること6年の1909年から開始されました。こちらもフランスと同じように、スポーツ紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」などを発行するRCSスポルト社が主催して行われています。ジロ・デ・イタリアのテレビ放送は行われておらず、ネットによる動画配信が主ということもあり、ツール・ド・フランスと比べると、知名度は上昇途中というところ。

ジロ・デ・イタリアの特徴は、勾配の厳しい山岳ステージが多いこと。上り坂を得意とするヒルクライマーが強いと言われますが、開催が5月なので、標高の高い山では雪や強雨など、天候が大荒れすることもあり、3大ツールの中で1番過酷とも言われています。

開催期間:5月上旬〜下旬

総走行距離:3400㎞前後

ステージ数:21

▼▼ジロ・デ・イタリアの詳しい記事はこちら▼▼

3.接戦が熱いブエルタ・ア・エスパーニャ

接戦が熱いブエルタ・ア・エスパーニャ

出典:Facebook/La Vuelta Espana

ブエルタ・ア・エスパーニャは、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアの盛り上がりを見せたことで、1935年に第1回が開催されました。途中スペイン内戦や第二次世界大戦の影響で中断され、3大ツールのひとつという位置づけになったのは、2000年以降。ジロ・デ・イタリアに比べても、知名度は低く、グランツールと言って、ブエルタの名前を上げることができる人なら、かなりの通と言ってもいいでしょう。

ブエルタ・ア・エスパーニャの特徴は、他の2つのツールに比べて、1ステージの距離が150㎞前後と短いこと。そのため、ステージの展開が速く、短時間での熱い接戦が見どころ。また最近は、難易度の高い山岳ステージが増えて、山頂ゴールが多く、手に汗握る接戦になるところが多くて見ごたえがあります。

開催期間:8月下旬〜9月上旬

総走行距離:3300㎞前後

ステージ数:21

見どころはトップを示すジャージのゆくえ

見どころはトップを示すジャージのゆくえ

出典:Facebook/Giro d’italia

グランツールの見どころのひとつは、トップジャージを誰が着るのかということ。すべてのグランツールで、個人総合時間賞、山岳賞、ポイント賞、新人賞など、各ステージでの優秀な選手に対して与えられる特別賞が設定されていて、トップジャージとは個人総合時間賞の選手のこと。

前日のステージ終了時点で各賞を受けた人は、翌日決まった色のジャージを着ることになっていて、選手にとっては大変名誉あることであり、観客にとってはジャージの色を見れば、どの人がトップなのかがすぐにわかるので、便利なのです。

いろんな特別賞がある

個人総合時間賞、山岳賞、ポイント賞、新人賞の4つの特別賞は、共通ですが、その他にも敢闘賞やチーム賞などを設定しているツールもあります。

個人総合時間賞…個人の総合タイムが一番少ない人に贈られる賞

山岳賞…山の勾配や長さによって設定された山岳ポイント地点の通過順位によって、ポイントが加算され、最もポイントが高かった選手に贈られる賞

ポイント賞…いくつか設定されたポイント地点を通過する着順で配分されるポイントで、最もポイントが高かった選手に贈られる賞

新人賞…開催年に25才以下の選手が対象で、ゴールまでのタイムが最も短かった選手に贈られる賞

トップジャージを始め、各特別賞のジャージの色は、ツールによって異なっていますので、どんな色なのか説明しましょう。

ツール・ド・フランスのトップは黄色

ツール・ド・フランスのトップは黄色

出典:flickr/S.Yuki

個人総合時間賞…黄色

山岳賞…白地に赤の水玉

ポイント賞…

新人賞…

フランス語でジャージは、マイヨ(Maillot)といい、トップジャージは黄色で、マイヨ・ジョーヌといいます。この色の由来は、主催者であるスポーツ紙の「ロト」の紙面が黄色のため。この他に、ステージで特に果敢に戦った選手に贈られる敢闘賞と、チームの中の先頭3人の所要時間の合計が最も短いチームに贈られるチーム総合時間賞があります。

ジロ・デ・イタリアのトップはピンク

ジロ・デ・イタリアのトップはピンク

出典:flickr/Fillip Bossuyt

個人総合時間賞…ピンク

山岳賞…

ポイント賞…

新人賞…

イタリア語でジャージは、マリア(Maglia)といい、トップジャージはピンクです。ピンク色の由来は、ツール・ド・フランスと同じように、主催者であるスポーツ紙「ガゼッタ・デッロ・スポルト」の紙面がピンクのため。

ブエルタ・ア・エスパーニャのトップは赤

ブエルタ・ア・エスパーニャのトップは赤

個人総合時間賞…

山岳賞…白地に青の水玉

ポイント賞…

新人賞…

スペイン語でジャージは、マイヨ(Maillot)といい、トップジャージは赤です。実はトップジャージの色は、今までに8回も変わった経緯があり、今の赤色は2010年から。

グランツールはどこで見られるの?

どこで見られるの?

出典:Facebook/Jsports

グランツールを見てみると、特徴がでていてとても興味深いです。ただ実際にテレビなどで見てみないことには、どう面白いのかがわかりにくいでしょう。

グランツールは、国内最大のスポーツ総合チャンネルのJsportsで見ることができます。しかし残念ながら、ジロ・デ・イタリアの放映はありません。ジロ・デ・イタリアは、2019年まではDAZNで見ることできましたが、2020年は放映はないとのこと。Jsportsは、Jsportsオンデマンド以外では、衛星放送のスカパー、ケーブルテレビ、などでも見ることができます。

J SPORTS公式サイトはこちら

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テレビで観戦する以外は、最近はスポーツバーでも、ツール観戦ができるところも増えています。自転車好きの人と、一緒にワイワイ騒ぎながらみるのも、楽しいイベントになりますし、グランツールを比べてみるのも盛り上がること間違いありませんよ。